パソコン誌の1コーナーから始まったNo.1ゲーム総合誌

 1986年(昭和61年)6月6日は、ファミ通の記念すべき第1号が発売された日。本日で創刊から36周年を迎えた。

 筆者的にはファミ通.comだけでなく、週刊ファミ通にもお世話になっているのでめでたい日だが、手前味噌にならないようにいつものノリで解説していこう。

 ファミコン通信はアスキー(当時)から発刊されていたゲーム雑誌で、現在は週刊ファミ通に名前を変えてKADOKAWA Game Linkageから発刊されている。言うまでもなくファミ通.comも、ファミ通から派生した情報サイトのひとつだ。

 ファミコン通信はもともとパソコン雑誌LOGiN(ログイン)のワンコーナーに過ぎなかったが、それが後にゲーム総合誌として独立。当時の競合誌は月1回の発刊がふつうだったが、ファミ通は隔週金曜発売をウリにしていた。

 創刊された1986年は、ファミリーコンピュータMagazine、ファミコン必勝本、マル勝ファミコン、ハイスコア、Beepなど、たくさんのゲーム雑誌が発刊されていた時代。そんな群雄割拠の時代に少し遅れる形で『べーしっ君』を表紙にして登場したのがファミコン通信だった。当時筆者はファミマガとマルカツの熱心な読者だったため、べーしっ君というキャラクターなど知るよしもなく、「すげえ表紙の雑誌が出たな……」と衝撃を受けたものだった。他誌と比較するとお笑い記事、いわゆるバカ記事の比率が多めなのが特徴でクロスレビューなどの名物コーナーとともに人気を博した。

ファミ通が創刊37周年。業界初のゲーム週刊誌で、ガバスシステムやクロスレビューなど多くの企画が名物コーナーに【今日は何の日?】
こちらは編集部にある創刊号(少々くたびれているのはご容赦を)。 “BIWEEKLY”の文字が見える。ちなみにサムネイルの画像は週刊ファミ通2004年4月16日増加号の付録である復刻版のもの。

 通常は裏方に徹する編集者を誌面に露出させたり、記名で原稿を書かせたりするなど、独特のカラーがあり、深夜テレビのようなノリで溢れていたようなところもゲーム雑誌としては異色だったと言えるだろう。

 ファミ通と言えば、やはり“ガバスシステム”を語らずにはいられない。ガバスとは仮想通貨のようなチケットのことで、一定枚数集めるとゲームソフトやゲーム機本体と交換できるというキッズには夢のようなシステム。昔は雑誌自体にもノーマルガバスが付属していたため、読者になった筆者はこれをコツコツ集めていたのだが、高額ガバスの賞品と交換するには投稿などで獲得する“メタリックガバス”が必要(しっかり注意書きも書いてある)で、ノーマルガバスだけでは無理だと知ったときは大層憤慨したものだった。いまもシステムは健在で、投稿でメタリックガバスを獲得すれば賞品と交換できる。

ファミ通が創刊37周年。業界初のゲーム週刊誌で、ガバスシステムやクロスレビューなど多くの企画が名物コーナーに【今日は何の日?】
ファミ通と言えば、ガバス。ということで、創刊号から読者を喜ばせてきた。

 ファミ通の顔とも言える存在のキャラクター“ネッキー”は、イラストレーターの松下進氏がデザイン。ネッキーという名称は読者の応募から採用された。

 1991年7月12日発売号からはゲーム情報の速報性に対応するために業界初の週刊化。1995年12月22日発売号からは略称であった“ファミ通”が正式名称となっている。2009年8月20日発売号からは、ソフトの流通に合わせて本誌の発売日が金曜日から木曜日に変更された。現在の編集長は7代目で初の女性編集長のロマンシング★嵯峨。電子版も2011年10月28日発売号から配信されている。

ファミ通が創刊37周年。業界初のゲーム週刊誌で、ガバスシステムやクロスレビューなど多くの企画が名物コーナーに【今日は何の日?】
週刊ファミ通編集部に保管してある週刊化第1号となる1991年7月26日号。“待望の週刊化第1号!”の文字が眩しい。
ファミ通が創刊37周年。業界初のゲーム週刊誌で、ガバスシステムやクロスレビューなど多くの企画が名物コーナーに【今日は何の日?】
1995年12月29日号で告知され(左)、続く1996年1月5・12日合併号で“ファミ通”に。

 ちなみに、9月1日はファミ通の日として過去に日本記念日協会により認定されたことがある。ファ(8)ミ(3)つう(2)の語呂合わせだと存在しない8月32日になるため、8月31日の翌日ということで、9月1日がファミ通の日となった。

これまでの今日は何の日?

※本記事は、2020年6月6日にアップした記事を再編集したものです。