2022年8月25日にPS5、PS4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC、Steam(※)で発売を予定しているアトラスの新作RPG『ソウルハッカーズ2』。

※Steam版は2022年8月26日発売予定。

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 本作の“世界最速プレミアム体験会”が、2022年6月4日・5日に都内某所で行われることとなった。

 『真・女神転生』シリーズ(以下、『メガテン』)の世界観にSF要素をミックスした派生作品『デビルサマナー ソウルハッカーズ』の発売(セガサターン版は1997年11月13日)から約25年が経ち、復活を望むファンの声も受けながら本作の開発は始まった。『デビルサマナー』シリーズの遺伝子を受け継ぎつつ人とテクノロジーが織りなす新たな物語が、本作で展開される。

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 開発には、『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』、『幻影異聞録♯FE』などを手掛けた石田栄司氏、同じく『幻影異聞録♯FE』や『ラジアントヒストリア』を手掛けた平田弥氏がタッグを組み、プロデューサー&ディレクターを務める。

 また、キャラクターデザインに三輪士郎氏、音楽にクリエイター集団のMONACAなど、アトラス社外のクリエイターを積極的に起用しているのも特徴だ。

 本作の情報を振り返ってみると、ポップでカラフルな色使いのビジュアル、明るくしゃべる女性主人公などこれまでの『メガテン』ではあまり見られなかった要素が目を引く。

 そのうえで『メガテン』を象徴する“プレスターンバトル”の流れを汲むシステムや“悪魔合体”などが採用されており、システム面では『メガテン』の精神を感じさせる。

 果たして本作はどのような仕上がりになっているのだろうか。当記事では、体験会とほぼ同等の環境でゲーム序盤をプレイしたレビューをお届けする。

近未来の世界で、明るい女性主人公が躍動

 ストーリーは、主人公リンゴと、そのバディ(相棒)であるフィグが、人間界に生を受けるところから始まる。

 彼女たちは、テクノロジーが進化する過程で生まれた“Aion(アイオン)”と呼ばれる電子生命体のエージェント。ふたりは、Aionが検知した“世界の滅び”を回避するために人の世界へと降り立っていく。

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 リンゴとフィグは、目的を果たすキーパーソンとなるふたりの人物――恩田一郎博士と、デビルサマナー(悪魔召喚師)のアロウを保護するために行動を始めるも間に合わず、恩田とアロウは殺害されてしまっていた。

 倒れたアロウに向き合ったリンゴは、“ソウルハック”という特殊能力を使ってアロウを蘇生。さらに、アロウと行動をともにする中で、ミレディ、サイゾーというふたりのデビルサマナーの殺害現場にも遭遇し、いずれもソウルハックで蘇らせていく。

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 冒頭から続々と死亡シーンが続くが、不思議とゲームの雰囲気は暗くない。

 それは、明るくハキハキと喋る女主人公のリンゴを中心に、お茶目なところもあるフィグ、真面目なアロウ、リアリストのミレディ、ちょっとチャラかったりするサイゾーといった個性的な仲間たちのコミュニケーションが見ていておもしろいからかもしれない。

 また、『メガテン』と異なり、見たところ世界が崩壊しておらず、街も賑やかで明るい雰囲気であることも大きいだろう。

 むしろ、アトラス作品で言えば『ペルソナ』シリーズのほうが雰囲気は近いかもしれない。本作のパーティーメンバーはみんな大人で、時代が近未来であるという違いはあるが。

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 ダンジョン探索やバトルに関するチュートリアルを兼ねた複数のミッションを経て、サイゾーを仲間に加えたリンゴたち。

 続いては、5つ揃えると“大いなる存在”が降臨して世界を揺るがすことになるという謎のエネルギー体“コヴェナント”を集めようとしている敵対者、鉄仮面とゼノンの目論見を阻止するべく動き出す。

 鉄仮面は、秘密結社“ファントムソサエティ”所属のエージェントで、ミレディにとっては元恋人でもある因縁の相手だ。

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※既報のスクリーンショットより

 以上のストーリーが、ほぼ寄り道なしで突き進むこと約3時間半くらい。バトルに慣れれば序盤からかなりテンポよく進められるだろう。

 また、ストーリーは一本道なのだが、リンゴたちは基本的にアクティブで周囲の状況に流されるのではなくつねに自発的に行動しようとするため、いわゆる“お使い”感がないのも好感触。

バトルのハイリスク感は『メガテン』よりも抑えめに

 バトルシステムは、『メガテン』や『ペルソナ』シリーズでおなじみのプレスターンバトルの流れを汲むもので、敵の弱点を突いて大ダメージを与えていく立ち回りが基本となる。

 ただし、プレスターンバトルと異なる点も多い。いちばん大きな違いは敵の弱点を突く攻撃をしても味方の行動回数が増えないこと。

 その代わり、敵の弱点を突くとターン終了後に“サバト”という追加攻撃が発生し、ターン内で弱点を突いた回数に応じて与えられるダメージが大きくなるという仕組みが加わった。

 行動回数が増えないので、味方の総火力は『メガテン』ほど劇的に増やせるわけではないが、それは敵も同じこと。敵がこちらの弱点を突いてきても追撃を食らうことはなく、さらに敵はサバトのようなアクションを起こさない模様。

 『メガテン』や『ペルソナ』シリーズと比べると、全体的にはリスクが少なくなって遊びやすくなっているように感じる。

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 とはいえ、敵のHPが多いボス戦などでは、できるだけ効率よくダメージを与えられないと苦しい展開となる。

 そのため、レベルアップや敵の属性との相性を考えた仲魔(仲間ではなく、リンゴや仲間たちが使役する悪魔のこと)のセットをしっかり考える必要が出てくる。ひとつのミスが即ゲームオーバーに直結するほどの難しさではないが、何も考えずに力押しだけで通せるほど甘くはないバランスである。

 なお、各種やり込み要素は序盤から解放されており、武器“COMP”のカスタマイズ、悪魔合体、人々からの依頼(リクエスト)をこなす仕組みや、仲間との絆(ソウルレベル)を深められる“パーソナルイベント”などが早々に実行可能になる。

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 とくに、COMPのカスタマイズと悪魔合体は手強いボス戦を突破するには序盤から欠かせない。リンゴのCOMPだけにセットできる“コマンダースキル”のひとつ“コンバート”なら、バトル中でも仲間が召喚する仲魔を変更できるのでいっそう臨機応変に戦いやすくなるのだ。

 本作の仲魔はバトル中に交渉するのではなく、ダンジョン内に派遣した仲魔がスカウトした悪魔と交渉して増やすというシステムになっている。

 サクサクと増やしやすいのが特徴だが、3つ目のダンジョンである“中央地区放棄路線”あたりからは悪魔合体も活用して有効なスキルを持った仲魔を揃えるといったボス戦対策をしないと徐々にきびしくなってくる。

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 リクエストやパーソナルイベントをこなしていくと街の人々や仲間たちのさまざまな一面を知ることができる。

 リクエストではアイテムなどの報酬、パーソナルイベントではソウルレベルを上げるという目的があり、後者で上げたソウルレベルはこの先に訪れる“ソウル・マトリクス”というやり込み要素に関連してくる。“ソウル・マトリクス”の詳細は後日公開されるとのことなので、楽しみにしていてほしい。

 本作は、『メガテン』や『ペルソナ』シリーズでおなじみのシステムに、SF的な雰囲気のある世界観やセリフ回し、快活にしゃべる主人公など、独自の要素をミックスした新たな作風を感じさせる。前作『デビルサマナー ソウルハッカーズ』を遊んだ人はもちろん、『メガテン』や『ペルソナ』の各シリーズがきっかけで本作に興味を持った人にも幅広く楽しんでもらえるような世界と難易度になっている。

 新たな“お気に入り”を求めている人は、きっと期待していい仕上がりだ。

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