ファミ通.comの編集者&ライターがおすすめゲームを語る企画。今回紹介するタイトルは、『アーケードアーカイブス ワルキューレの伝説』です。

【こういう人におすすめ】

  • クラシックゲームで人気が高い作品に触れたい
  • 神々しいヒロインキャラに会いたい
  • 短時間でサクッと遊んで満足したい

ででおのおすすめゲーム

『アーケードアーカイブス ワルキューレの伝説』

  • プラットフォーム:Nintendo Switch、プレイステーション4
  • 発売日:2022年4月14日
  • 発売元:ハムスター
  • Nintendo Switch版は838円[税込]、プレイステーション4版は837円[税込]
  • パッケージ版:なし
  • ダウンロード版:あり
  • 公式サイト
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『アケアカ ワルキューレの伝説』1989年当時、少年ゲーマーは彼女に恋をした。大人になった少年は再び神の子に出会う【GWおすすめゲームレビュー】

 ハムスターによる、1980年代・1990年代のアーケードゲームを復刻するプロジェクト『アーケードアーカイブス』。これまでに数百本のアケアカタイトルが配信されてきましたが、2022年4月14日に配信を開始した『ワルキューレの伝説』は、数あるアケアカタイトルの中で人気がとくに高いゲームだと思います。

『アケアカ ワルキューレの伝説』1989年当時、少年ゲーマーは彼女に恋をした。大人になった少年は再び神の子に出会う【GWおすすめゲームレビュー】
ニンテンドーeショップのランキング画面(2022年4月下旬時点でのダウンロードタイトル対象ランキング)。お得なセール品や大型タイトルがひしめき合うなか、クラシックゲームがここまで上位に食い込むのは珍しいですね。

少年少女たちを虜にした1989年のアクションゲームが令和の世に復刻

 アーケード版『ワルキューレの伝説』は1989年にリリースされたアクションゲームで、ゲームとしての完成度が高く、アーケードゲームにしては難しすぎない適度なバランス、耳に残るBGMなどで好評を博しました。ちなみに本作はファミコン版『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』の続編にあたります。後者はNintendo Switch用の『ナムコットコレクション』のダウンロードタイトルに含まれているので、興味がある方はこちらもオススメです。

『ナムコットコレクション』公式サイト

ドット絵のキャラクターとして完成されたワルキューレにキュンと来た

 先ほど、当時好評を博した理由をいくつか述べましたが、いちばん大事なことを言い忘れていました。それは、主人公のワルキューレがかわいいこと。1作目の『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』ではファミコンということもあり16×16ドットの小さなキャラクターでしたが、本作ではキャラクターが大きくなり、細かいアクションも表現できるようになりました。インストラクションカードに大きく掲載されている、冨士宏氏が描く1枚絵ももちろんすばらしいのですが、実際のゲーム画面でもかわいらしいんですよ。ジャンプするときヘルメットの羽根飾りがピョコッと揺れるところとか、最高です。

 1989年当時中学生だった筆者は、ワルキューレの動きを見たい一心でゲームセンターに通っていました。いま思うと、ゲームキャラにここまで惚れ込んだのは初めてだったと思います。これは間違いなく初恋ですね。あれから33年経ちましたが、久しぶりにお会いしたドット絵のワルキューレはあいかわらず美しく、いまでもドキドキしてしまいました。

 ちなみに本作はふたり同時プレイが可能で、2P側のプレイヤーキャラクターはサンドラという緑色の生き物(妻子持ち)。当時は友だちと何度もクリアーまで遊んだ記憶があります。

『アケアカ ワルキューレの伝説』1989年当時、少年ゲーマーは彼女に恋をした。大人になった少年は再び神の子に出会う【GWおすすめゲームレビュー】
『アケアカ ワルキューレの伝説』1989年当時、少年ゲーマーは彼女に恋をした。大人になった少年は再び神の子に出会う【GWおすすめゲームレビュー】
何もないところでもジャンプしたくなりますね。

ストーリーの演出がいい。続きが気になる作りに改めて脱帽

 本作はアクションゲームでありながら、お店で武器やアイテムを購入したり、魔法を修得したりといったRPG的な要素もあります。かといってシステムが複雑なわけではなく、武器は入手したものから順番に消費していくし(※)、魔法もボタンを押しっぱなしにして選択→ボタンを離すと発動というシンプルなものなので、マニュアルを熟読する必要はまったくありません。さすがはアーケードゲームですね。

※一部を除いて武器には使用回数が設けられています。もし使い切っても初期装備や“永遠の剣”などの武器は残るので詰むことはありません。

 ゲームの流れは、敵を倒しながら進み、ステージの最後にいるボスを倒せばステージクリアーという作りですが、分かれ道があったり隠し部屋があったりと謎解き要素もあるため、何度もプレイしたくなります。時間制限も設けられていますが、画面下に表示された砂時計が一定時間経つとひっくり返り、プレイヤーキャラの体力が少し減るという仕組みで、当時のアーケードゲームとしては比較的マイルドな作りだと思います。

『アケアカ ワルキューレの伝説』1989年当時、少年ゲーマーは彼女に恋をした。大人になった少年は再び神の子に出会う【GWおすすめゲームレビュー】
『アケアカ ワルキューレの伝説』1989年当時、少年ゲーマーは彼女に恋をした。大人になった少年は再び神の子に出会う【GWおすすめゲームレビュー】
隠し部屋を発見。お婆さんがBIGの魔法を授けてくれました。

 あと、この手のアクションゲームはボスが難しいというイメージを持たれがちですが、本作においてはどのボスも魔法で楽に撃破できる方法が用意されています。たとえばステージ1のボスは分身の術、ステージ2のボスはサイクロンの術をそれぞれ数回使えばほぼ瞬殺できます。

 ボスを倒すと、絵本(というか紙芝居?)風の演出が入り、ストーリーが語られていきます。このときにオルゴールっぽいBGMが流れているのですが、演出中の画面にとてもマッチしているんですよ。ぜひスキップせず、じっくり本作の世界に漬かってください。

『アケアカ ワルキューレの伝説』1989年当時、少年ゲーマーは彼女に恋をした。大人になった少年は再び神の子に出会う【GWおすすめゲームレビュー】
ボス戦は魔法で解決! ステージ3やステージ4のボスにはBIGの術が有効ですが、迷ったときはサイクロンの術でオーケー。
『アケアカ ワルキューレの伝説』1989年当時、少年ゲーマーは彼女に恋をした。大人になった少年は再び神の子に出会う【GWおすすめゲームレビュー】
ストーリー演出。1枚絵も美しいですね。

やられ姿も数パターンあり。失敗してもかわいいから許しちゃう

 敵や敵の攻撃に触れたり穴に落ちたりするとワルキューレ(またはサンドラ)はダメージを受けますが、やられパターンも数種類用意されているところに注目です。たとえば炎に触れると黒こげになり、転がってくる丸太や岩に触れるとペラペラに潰れてしまったり……。通常の敵に触れて転んじゃう動作もラブリーですね。ミスしてもほっこりさせてくれるあたり、とてもナムコらしい作品と言えます。

『アケアカ ワルキューレの伝説』1989年当時、少年ゲーマーは彼女に恋をした。大人になった少年は再び神の子に出会う【GWおすすめゲームレビュー】
丸太に轢かれてペラペラなワルキューレさん。痛々しいというよりかわいい。
『アケアカ ワルキューレの伝説』1989年当時、少年ゲーマーは彼女に恋をした。大人になった少年は再び神の子に出会う【GWおすすめゲームレビュー】
ゲームオーバーになると天へ還っていきます。神の子でも昇天するんですね。

クリアーまでの平均プレイ時間は30分前後。サクッと遊べて満足度もバッチリ

 昨今は大ボリュームのゲームがたくさんあって迷っちゃいますよね。でも『ワルキューレの伝説』はアーケードゲームなので、エンディングまでプレイしても30~40分程度でクリアーできちゃうのです。コンティニューしたり道中で苦戦したりしても、1時間もかかりません。ちなみにタイムアタックプレイでは15分程度でエンディングまで行けてしまうそうで、それも驚きですね。

 何が言いたいかというと、数時間かかるゲームをプレイして疲れたときや、寝る前のちょっとした時間にプレイしても十分満足できちゃうということです。ソフト1本のお値段も800円台と格安ですし、プレイのハードルはかなり低くなっています。ほら、本作が気になってきたそこのあなた、いま買っちゃいましょう!

『アケアカ ワルキューレの伝説』1989年当時、少年ゲーマーは彼女に恋をした。大人になった少年は再び神の子に出会う【GWおすすめゲームレビュー】
“所持金が7000以上”、“スコアが32万点以上”、“体力がハート4つ以上”、“ほとんどの魔法(空飛ぶ術以外)を修得”の条件をそれぞれ満たすと、エンディングのラストに精霊たちが登場。やり込み要素のひとつとして精霊4体エンドを目指すのもいいですね。ちなみに2Pプレイだとここにサンドラと大女神様が加わります。

アケアカならではの機能を使えばプレイがより快適に!

 『アーケードアーカイブス』シリーズのほかのタイトルもそうですが、本作には連射ボタンや中断セーブといった、プレイを快適にするさまざまな機能が用意されています。これらを使えば誰でもエンディングは拝めるので、アクションゲームが苦手な方もご心配なく。とはいえ、1クレジットの通しプレイでクリアーできたときの感動は格別なので、皆さんもぜひチャレンジしてほしいです。“ハイスコアモード”でクリアーすれば、中断セーブなし・コンティニューなしの証にもなるのでおすすめですよ。

 また、上級者向けのさらなる楽しみかたとしてタイムアタックプレイも楽しいです。5分間のスコアを競う“キャラバンモード”にもチャレンジしてみてください。

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画面の向きやサイズも変えられます。左右の余白が気になる方は縦画面でのプレイもお試しあれ。
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