Level Infiniteが贈る、SF要素と近未来的な要素が掛け合わされたPC、スマートフォン向けオープンワールドRPG『Tower of Fantasy』(タワーオブファンタジー/幻塔)。人類は深刻なエネルギー不足によって既に地球から離れ、新たな星“惑星アイダ”へと移住している……。プレイヤーはそんな近未来的な設定が施された広大なワールドを戦闘、探索、育成など自由に遊びまわることができるのだ。

 2022年内に国内向けサービスを開始するということで、それに先立ち2022年4月19日より開始されたクローズドベータテスト(CBT)に運よく当選した筆者・ライオン松本が実際にプレイし、その魅力をお伝えしていく。なお、ファミ通.comでは先行プレイレビューも掲載中なので、ぜひそちらもチェックしてほしい。

※世界設定や登場キャラクター、ストーリーなどはこちらの先行レビューをチェック!

マップの探索、バイクでの移動、スタイリッシュな戦闘をまとめたプレイ動画を公開!

カラーリングから身体の凹凸まで。極限まで作り込めるキャラクリに注目!

 まず本作を紹介するうえで触れておかなければいけないのは、自分自身の分身となるアバターを作成できるキャラクターメイクだろう。筆者の勝手なイメージだが、こういったスマホ向けRPGではある程度のキャラクリはできるが、家庭用ゲーム機と比べるとあまり自由性のないものだと思っていた。

 しかし本作ではキャラクターの身長から顔部分(目、頬骨、首の長さ、口の大きさなど)の位置や大きさから始まり、全体の配色、髪型までを自由自在にいじってオリジナルの3Dアニメ風キャラクターを作成できる。現時点ではCBTのため、完全版ではない前提でもこのクオリティをアプリという枠組みの中で作り上げた開発者たちの手腕は見事と言わざるを得ない。

『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
とくに顔部分で作成できるデザインの広範さはすばらしい。キャラクターデザインにおいて最重要と言える顔を細かく触れるのは、個人的にも高く評価できる。プリセットが登録できる点も優秀だ。

 こんな高品質なキャラクリが存在する本作だが、すでに完成された5つのプリセットから、ベースとなるキャラクターを選択してすぐにゲームを遊び始めることができるのだ。これはキャラクターメイクが苦手だったり、早くプレイしたいといったプレイヤーにもうれしい。

『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
プリセットのキャラクターからキャラクリをすることも可能だ。

 筆者も理想のキャラクターを作るべく、せこせこと時間をかけて調整。誰とは具体的には言わないが、バーチャル世界で歌って踊れるザ・歌姫をリスペクトして雰囲気だけを作成した。初期アバターと並べてみるとここまで細かくキャラメイクが可能ということに改めて驚かされる。

『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
プリセットの状態がこちら。
『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
筆者のキャラクリがこちら。

近未来のSFという言葉に相応しいワールド“アイダ星”。冒険すればするほどマップの変化が楽しい

 オープンワールドRPGというジャンルに位置付けられる本作では、先行しているスマホ向けオープンワールドRPGと比べてもリッチなフィールドでの冒険が楽しめる。テスト環境下でのプレイにはなるが、すでに広大なワールドとなっており特徴的な場所も数多く存在する。岩や草原が目立つ、野原のようなフィールドを探索していたと思えば、明らかなオーバーテクノロジーで作られたであろう建造物が並び立っている人工的なところへと風景が変わったりと、歩いているだけで楽しい。

 たとえば最初に訪れるアーシャ大陸のアストラ島は、どこか閑散としたイメージを受ける山と草原のマップだが、ひと足その世界を探索し始めれば出てくるのは高度な発達を遂げた機械と人工物。“ファンタジー世界に近未来のSF要素を組み合わせた”そんなうたい文句が思い浮かぶほどの、本作の世界ならではの雰囲気が初期フィールドの時点で強く感じられた。

『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】

 とはいえ、ここだけをみるとなんともファンタジーの世界観が強く感じてしまうところだが、もちろんSFの要素も強い。むしろそれを全面に押し出したワールド“ハガード”という場所も紹介させていただこう。

 物語を少し進むと訪れることができるこのエリアでは、前述したアストラ島の島と機械が混雑したような世界から一転して、すべてが近未来の人工物へと変わっている。あまりに巨大な塔のような建造物からハイテクなコンピューター端末群、そしてそこに住むであろう人々の服装も違和感なく変化している。

 このふたつの正反対のような世界がひとつのゲームの中で楽しめるというのだからお得感もハンパない。正式サービス開始時にはどのようなワールドが増えているのかいまから期待が大きくなる。

『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】

 RPGといったらダンジョンだが、もちろんこの世界にもダンジョンが存在。“遺跡”と呼ばれる未開の地があり、その中へ転移することでモンスターとの戦闘や探索を楽しめる。この遺跡内はこれまでの『幻塔』ワールドとは一風変わった風景が現れる。遺跡という言葉で表すことはできるが、そこは廃棄された研究所に神秘さも内包されているような不可思議なフィールドとなっている。

『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】

空へ地へ! あまりにも広いフィールドを多彩なマシンを操って移動。バイクのエンジン音が最高に心地良い

 オープンワールドの醍醐味といえばやはり探索だろう。まだ未開の地を自分の手で開拓していくマッピングは気付けば時間が溶けている……そんな経験はゲーマーならあるあるだと思うが、その一方で本作のように広大すぎるマップではキャラクターの徒歩やダッシュでは効率が悪い。

 もちろんその地道な作業が好きでたまらないという意見も十二分に理解できるが、このアイダ星はあまりにも広すぎるのだ。

『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
初期の解放状態でこの大きさ。これだけの広大なフィールドを歩き回るのはいくら時間があっても探索し切れないだろう。

 そこで活躍してくれるのが“乗り物”だ。一定のシナリオ進行やアイテムの収集でじょじょに解放されていくコンテンツで、バイクから機械の馬、二足歩行ロボットまで幅広いバラエティが存在する。

『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】

 個人的には初期から解放されるバイク型の“ハヤブサ”が好み。このスマートな見た目ながら力強いエンジン音がすばらしく、乗っているキャラクターとの親和性が高評価だ。やはり三人称視点で長く遊ぶ作品では、つねに目に入る主人公とベストマッチな乗り物を組み合わせたい。

『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】

 ただし、このワールドは高低差が激しい場所もあり、バイクでは何10メートルも上へ移動するのは難しい。そこで活躍するのが飛行アイテムのジェットパックだ。

 たとえば、岩場でスタミナを使用してコツコツ登らなければいけないような場所でも、ジェットパックを使えばあっという間に移動できる。空中に上がった後もスタミナが切れない限りは空の世界を自由に飛び回ることも可能だ。

『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】

 高度が高い場所で飛び立てばかなりの時間、自由に飛び回ることも可能でアイダの大きすぎる大地を上空から一望できる。美しい……。

 またマップ内に欲しいアイテムが表示されているものの、地上では見つからない場合にジェットパックで飛び上がり、上空から探すという選択肢があるのも便利で、新鮮さを感じた。

『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】

戦闘中に武器を切り替えて戦う新感覚で爽快なアクションが気持ちいい。遠距離から弓で奇襲、双剣と槍で近づいてゴリ押す!

 最後に本作で絶対に触れておかなければいけない要素、戦闘も紹介しよう。この世界では剣や槍といった近接武器から、弓といった遠距離武器を3つまで装備してミュータントたちとバトルを繰り広げていく。

 戦闘では武器にもよるが基本的に連打するか、タイミングを合わせて押していくことで、つぎつぎと攻撃コンボがつながっていくかんたん仕様。そしてエフェクトがかなり派手で見応え抜群なところも高評価。一手一手の挙動、アクションの組み合わせで攻撃方法や演出面が変わってくるので、マップ上に生息する敵と戦うだけで気付けば夢中になる。

『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
コンボを駆使すれば空中での攻撃も可能となっている。

 多くの武器から自由に装備できるということは、それだけ多くのコンボを開拓できるということ。近距離の剣と槍を組み合わせてひたすら連打&手数でゴリ押すことも、遠距離攻撃を組み合わせて安全な場所からスナイプしたりもできる。また本作では戦闘中でもワンタッチで武器を切り替えることができるので、近距離と遠距離を両方装備して戦う欲張り戦法も可能だ。

 本作には大剣や鎌、杖、銃、戦輪など複数の武器カテゴリーがあるが、その中で筆者お気に入りの構成は、双剣、槍、弓の3本。遠距離から弓で奇襲、そこから双剣と槍でゴリ押すのが気持ちいい、そんなコンセプトで編成しているが近距離でも弓の範囲技が強かったり、槍のミッドレンジな攻撃範囲が痒いところに手が届いたりと、まだまだ発見が多いところもやり込みがいがある。

『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】
『Tower of Fantasy(幻塔)』プレイレビュー。自由すぎるキャラクリから始まり、果てなき世界を冒険できる……まさに時間泥棒な近未来RPG!【プレイ動画あり】

 繰り返しになるが、2022年5月現在まだテスト中での本作だが現時点で十分にやりごたえがある素晴らしい作品として成り立っている。欲を言えば細かいモーションや、ボタン配置や大きさが自分好みに設定ができないため、ほかのボタンを押してしまうなどのコントローラーの操作感をさらに作り込んでくれればうれしいといったところ。

 しかし、そんな細かい点を踏まえても大きな期待が持てる作品であると言う点は間違いないだろう。正式リリースは2022年内とアナウンスされているので、続報に期待しつつ配信開始に備えたい。