Nintendo Switch、プレイステーション4、5、Xbox One、PCで配信中のエレクトロニック・アーツのバトルロイヤル型FPS『Apex Legends』(エーペックスレジェンズ)。2022年5月11日(日本時間)よりシーズン13“救世主”が開幕となり、新レジェンド・ニューキャッスルが参戦する。

 本稿では、メディア向けに実施された開発者によるオンラインプレゼンで発表された、ニューキャッスルの戦術アビリティやアルティメットなどの能力詳細を一挙紹介。開発インタビューでは、ジブラルタルやライフラインといった似たようなアビリティを持つレジェンドとの違い・コンセプトについても聞くことができたので、ディフェンス&サポートのレジェンドをよく使う人などは必見だ。

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『Apex Legends』新レジェンド・ニューキャッスルはシールドで味方を守る防衛的なキャラクター。ジブラルタルやライフラインとの使い分けはどうなる? 開発者プレゼンで発表された最新情報をお届け!

ニューキャッスル紹介トレーラーが公開!

ニューキャッスルの初期設定はバッテリーを使用して自分だけを守るキャラクター。バンガロールの兄としてのセリフ掛け合いにも注目

 小さな町“ハリス・バレー”のヒーローとして、みんなから応援されているニューキャッスル。その正体はなんと、亡くなったかに思われていたバンガロールの兄であるジャクソン・ウィリアムズだった。元はニューキャッスルのアーマー修理を行っていたジャクソンだが、とある組織に借金をしていた前のニューキャッスルが襲撃を受けて命を落としてしまい、その現場に居合わせた彼が代わりにApexゲームに参戦することになる。

 そんなニューキャッスルは、自分のためというよりチームのために活躍するレジェンドとして開発された。はじめはライティングチームがジャクソンをレジェンドとして入れたいということで、使えるレジェンド設定がないか相談してきたという。そしてこの守護者のようなヒーローというジャクソンの設定が、ゲームプレイ面のシールド能力にうまく合致して、“『Apex』世界の騎士”という形で誕生。

 関係深いバンガロールがチームのために危険を顧みずに任務を遂行するイメージに対し、ジャクソンは家族や自分の部隊の守護者というイメージで制作。そのため当初のパッシブスキルは、バッテリーを消費しながら自分を守るような機能だったが、仲間を助けるためのスキルに変更。自己中心的だった方向性をチームに役立つようなレジェンドに変えていったという。

 アルティメット(後述)も試行錯誤した結果、現状はほとんどのレジェンドが助けを必要としている仲間へのカバーが間に合わないことがある印象だが、もっと直接飛び込んで流れを変えるというコンセプトが決定打となった。

『Apex Legends』新レジェンド・ニューキャッスルはシールドで味方を守る防衛的なキャラクター。ジブラルタルやライフラインとの使い分けはどうなる? 開発者プレゼンで発表された最新情報をお届け!

 なお、シールドを背中に背負っているからといって後ろからの弾を防ぐわけではないようだ。

 そしてトレーラー映像にて、ニューキャッスルの正体が兄・ジャクソンであることに気づいたバンガロール。ゲーム内ではどのようなセリフの掛け合いをするのだろうか。また、さまざまなレジェンドから嫌われているレヴナント、同じシールド使いのジブラルタルとの関係性も気になるところだ。

シールドで味方を守る防衛的なレジェンド! パッシブ、戦術アビリティ、アルティメットのすべてがチームを支えるために考えられた能力

 ニューキャッスルは、見た目からもわかる通りパッシブ、アビリティ、アルティメットのすべてでシールドを使う防衛的なレジェンド。3人1組で戦うことが重要な『Apex』での、部隊が欠けることを防ぐ“守り”に特化した性能となっている。

 ここからはパッシブ、アビリティ、アルティメットの詳細を解説していく。

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パッシブアビリティ:傷兵警護

 味方を蘇生する際、リバイブシールドを使って弾を防ぎながら安全な場所に移動させられるパッシブ能力。リバイブシールドの耐久値は、ニューキャッスルが装備しているノックダウンシールドのレベルに応じて強化されるという。

 アーマーやバッグなどと違い、戦闘に与える影響の少なかったノックダウンシールド。自己蘇生ができるレベル4以外はそこまで注目されていなかったため、これによりノックダウンシールドの需要も高まるかもしれない。

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戦術アビリティ:モバイルプロテクター

 移動可能なエネルギーシールドを作り出すという戦術アビリティ。上部と下部にそれぞれ耐久値が設定されており、敵チームは壊すことが可能だ。ジブラルタルのドームシールドと同様、レジェンドたちはシールドを通過することができる。

 ランパートやジブラルタルなど、従来の盾やシールドは展開したまま動けるようなものではなかったため、戦況に応じて前線を上げたり方向を変えられるこの戦術アビリティは、また違った強みがありそうだ。

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アルティメットアビリティ:キャッスルウォール

 アルティメットは、ニューキャッスルが背中に背負ったシールドを取り出し、前方に飛び込んでシールドを叩きつけるというもの。その衝撃で周囲の敵を後方に飛ばした後、シールドは電気を帯びた大きな壁へと変形する。展開された壁を敵が通ろうとすると、スロー効果を受ける。

 また、味方にロックオンをして、その場所まで飛び込むこともできる。味方にロックオンした際は、通常よりもジャンプの飛距離が伸びるようだ。

 敵にこれを使われた際は、ジブラルタルのアルティメットやグレネード投擲など、上空からの攻撃が有効かもしれない。その場合、上空からの攻撃を防げるワットソンのアルティメットとの相性が良さそうだ。

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 ダウンしそうな味方のもとにアルティメットで駆け付け、敵の攻撃から味方を守るという、さながらヒーローのような動きはぜひとも試してみたいところだ。まだ詳細は明かされていないが、チームワークがより重視されるといわれているシーズン13のランクモードやプロたちによる競技シーンなどでの活躍にも期待したい。

※一部画像は動画をキャプチャーしたものを使用しております。

ジブラルタルのドームシールドとの比較や味方を蘇生することに特化したライフラインとの使い分けは? 気になるQ&Aをピックアップ

開発インタビュー:レジェンドとの比較編

――ニューキャッスルとほかレジェンドの設計の違いを教えてください。例えばライフラインとニューキャッスルはどちらもダウンした仲間を助けるための能力があるほか、ランパートやジブラルタルはシールド設置系の能力があるかと思います。

デヴォンニューキャッスルは、ディフェンスとサポートの役割にまたがったレジェンドとして設計されています。彼のプレイスタイルは常にチームを見渡して、自分の立ち位置と味方の防衛に気を配るようなレジェンドです。

 まずはライフラインとの比較から解説します。前線で復活させるという点では確かにライフラインと似たような能力をしていますね。ただ、ライフラインは複数のレジェンドを復活させる能力に特化したレジェンドで、蘇生中の味方を自分で撃ち合いながらカバーできる“戦う衛生兵”です。

 それに対してニューキャッスルは、仲間を安全な場所まで運ぶあいだ、自分は撃ち合うことはできません。防御と機動性はありますが、攻めてくるチームに対して反撃できないのです。なのでより細かく見ると、ライフラインは蘇生を行いながらある程度の対応を継続できるのに対し、ニューキャッスルは戦闘の流れを読んで、相手チームが攻めてくるのか、いまが救出に最適なのかを判断しないといけません。なので、ふたりのパッシブスキルは似てはいますが、ニューキャッスルは使用するタイミングがより重要になってきます。

 次にスキルなどで“壁”を作り出すタイプのディフェンスタイプのレジェンドとの比較をしましょう。

 ジブラルタルは360度のシールドを展開できますが、守れるのは展開したシールド中に限定されてしまいます。それに対してニューキャッスルの戦術アビリティ(モバイルシールド)は機動性に特化しており、戦場の変化に対応しながら前線を進んでいく能力です。位置に縛られることはないのですが、その分360度は守れないという大きな違いがあります。

 ランパートの場合ですと、彼女は位置をカスタマイズ可能で高速展開可能な“増幅バリケード”を複数持っており、地面に展開してさまざまなものを防ぐことができます。それに加えて、ランパートのバリケードは占拠したい陣地をすぐに要塞化してポテンシャルを引き出せます。シーラを取り出す時間を作り出す、かつ弾の威力増幅効果も得られるわけです。

 一方、ニューキャッスルのアルティメット“キャッスル・ウォール”はここぞという時にしか使えません。また、その背後にいないといけないので戦況に対応してあれこれ動くというより場所はそこに固定されがちです。

 またこの能力は攻撃面での効果はなく、戦いの場に飛び込んで仲間に守り、一度戦況を立て直すような空間を作り出すためのものになっています。激戦地にジャンプして飛び込んでいく機動性が特に違いをはっきりさせていると思いますね。

開発インタビュー:ライフライン編

――ニューキャッスルのパッシブはライフラインの昔のパッシブの調整版という感じですが、ライフラインのアップデートは予定されているのでしょうか?

開発ライフラインの能力はいくらか検討している部分ではありますがシーズン13での調整はありません。

 ライフラインはパフォーマンス自体はいいと思っています。また、先述したようにライフラインは味方を蘇生中に自衛できますがニューキャッスルはできません。使うシチュエーションは同じですが、方向性が異なるのです。

開発インタビュー:ニューキャッスル編

――戦術アビリティ:モバイルシールドはマッドマギーのアルティメットを跳ね返していましたが、ほかになにかできますか?

開発味方のライオットドリルと合わせることで、カウンターとして使うことなどもできます。グレネードなどが防げるか、アークスターを付けて敵に接近して当てることができるかなどはぜひゲーム内で確認してみてください。

――ニューキャッスルが苦手とするようなレジェンドはいますか?

開発マッドマギーのライオットドリルのほか、ジブラルタルのアルティメットなどの上から爆撃するようなスキルが弱点になります。バンガロールのアルティメットも同様で、家庭内のライバル関係のようなものがあります。ジブラルタル、コースティック、ヒューズのグレネードやナックルクラスターなども有効的かもしれません。

――ニューキャッスルのシールドが背中にある時に、弾を防いだりはできますか?

デヴォンはい、全部見た目通りのヒットボックス(当たり判定)になっています。ジブラルタルの背中にあるパーツが弾を防がないのと同じですね。

――ニューキャッスルはイギリスの都市の名前です。これまで同じように都市の名前を持つレジェンドにはバンガロールがいました(地域の名前というレベルではジブラルタルがいる)。バンガロールはニューキャッスルと深い関係があるわけですが、このネーミングの特徴は偶然でしょうか?

イフィニューキャッスルの背景についての細かいネタはあちこちに隠してあるのですが、これは意図して設定したことではありません(笑)。

 もしかしたらトム(カシエロ。『Apex』の元ライター陣のひとり)が仕込んだ可能性もなくはないですが、少なくとも自分が知る限り偶然ですね。

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