2022年5月27日は、超大作映画『トップガン マーヴェリック』の公開日。本作は、ゲーム好きならば、老若男女問わずオススメしたい1本だ。本稿では、映画とトム・クルーズと航空機が大好きな編集者が、その理由を解説する。

公開日は2022年5月27日! 『トップガン マーヴェリック』はこんな映画

STORY

 アメリカのエリート・パイロットチーム“トップガン”。しかし彼らは、ベスト・オブ・ザ・ベストのエースパイロット達をもってしても絶対不可能な任務に直面していた。任務成功のため、最後の切り札として白羽の矢を立てられたのは、伝説のパイロット“マーヴェリック”(トム・クルーズ)だった。

 記録的な成績を誇る、トップガン史上最高のパイロットでありながら、常識破りな性格と、組織に縛られない振る舞いから、一向に昇進せず、現役であり続けるマーヴェリック。なぜ彼は、トップガンに戻り、新世代トップガンと共にこのミッションに命を懸けるのか?大空を駆け抜ける興奮、そして“胸熱”な感動がここに!スカイ・アクション最新作がついに公開!

映画『トップガン マーヴェリック』ファイナル予告

『トップガン マーヴェリック』はあらゆるゲーマーの必修科目。その理由を解説します
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 筆者はこの原稿を書いている現在は当然未視聴なので推測になるが、『トップガン マーヴェリック』は名優トム・クルーズによるスカイアクションでもあり、若きパイロットたちの青春ドラマでもあり、CGに頼らないアトラクション的な映画になりそうだ。

 そして、PVや公式Twitterなどからかき集めた情報をまとめて、本作を俯瞰するとゲームファンなら誰もが観るべき作品であることが見えてきた。ミリタリー寄りなゲームが好きなファンはもちろん、戦争モノが苦手な者や、乙女ゲーに没頭している淑女ゲーマーであっても、だ。

 「無理やりすぎる」、「お前が好きな映画をゴリ押ししたいだけだろう」そんな声が聞こえてきそうだが、筆者はいたって冷静。さまざまなゲームファンの例を挙げつつ、それぞれの教官となって『トップガン マーヴェリック』を観るべき理由を挙げていこう。「教官なんて必要?」などと言わず、少しばかり付き合ってほしい。

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戦闘機・航空機のゲームが好き → 放っといても観るであろう諸君、何回観る予定?

 『エースコンバット』シリーズや『Microsoft Flight Simulator』などのゲームで、ふだんから大空を飛び回っている者にかける言葉はとくにない。なぜなら、君たちは何も言わなくても『トップガン マーヴェリック』を観に行くはずだからだ。強いてあげるなら“何回観るか”といった話だろうか。気の済むまで観るといい。

 逆に、本映画を観て自分もトップガンの一員になりたい! と思った方にピッタリなゲームとして『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』をオススメしたい。空の戦いに生きる者たちの胸熱ドラマが味わえるという点では、『トップガン マーヴェリック』に通じるものがあるフライトシューティング最新作だ。PS4版ならVRで楽しめるモードもある。また、『エースコンバット7』は『トップガン マーヴェリック』との機体コラボDLCも予定しており、こちらも期待せざるを得ない。

 コラボの決定を記念して、『エースコンバット』のブランドディレクターを務める河野一聡氏に、『トップガン マーヴェリック』への期待を聞いてみた。

河野一聡氏(こうの かずとき)

バンダイナムコエンターテインメント所属。
フライトシューティングゲーム『エースコンバット』シリーズのブランドディレクター。

――聞くまでもなさそうですが、『トップガン マーヴェリック』は観に行きますか?

河野「観ない」という選択肢があることさえ気づきませんでした。「『エースコンバット』×『トップガン マーヴェリック』」のコラボがあるので招待もいただいているのですが、2回行きます。一度目は全体を大枠で捉えて、二度目はディテールの確認に行きます。

――さすが。『エースコンバット』シリーズ作を手掛けるときは、やはり『トップガン』を意識されることは多いですか?

河野「しない」という選択肢があることさえ気づきませんでした。どの作品の開発会議でも必ず「そういえば『トップガン』でさぁ」は合言葉のように出てきますし、「どうやってコーヒーをこぼさせるか?」と真剣に議論した時期もあります。

――『トップガン』のコーヒーをこぼすシーン、自分も大好きです。新作『トップガン マーヴェリック』に期待していることをお聞かせください。

河野やはり膨大な撮影時間を費やした戦闘機の空中戦でしょう。戦闘機にIMAXクォリティのカメラを搭載してCGを使わずに出来上がった映像って想像がつきません。そこから得られるインスピレーションを期待していますし、きっと驚きの連続なんだと思います。あと、音っ!戦闘機の魅力のひとつは音なので、これは映画館への期待ですっ!

 あと、初代の世代なので、その後も物語も……。ちょっと期待は多すぎて書ききれません。

――楽しみですね。最後に、『エースコンバット』シリーズに関する近況はいかがですか?

河野先ずは「『エースコンバット』×『トップガン マーヴェリック』」のコラボDLCをエースコンバット7 スカイズ・アンノウン向けに発売する予定です。こちら開発も気持ちを入れて創っていますので、是非、ご家庭で「トップガンごっこ」をお楽しみください。

 最近は、新作の開発も本格化してきていますが、『エースコンバット』ファンの方々の日常に、どうやって『エースコンバット』による喜びを届けるか、好きなエースコンバットと過ごしていただく時間を増やしてもらえるか、そういうことについて何かできることはないかと考える日々です。

――ありがとうございました。

 さすがは河野氏。当然のように複数回観に行かれるとのこと。コラボDLCもますます楽しみになってきた。

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『ウマ娘』のトレーナーさん → 宣伝パイロットはマヤノトップガン。映画館へ走れ!

 ご存じの方も多いと思うが、『トップガン マーヴェリック』の宣伝パイロットを務めるのは、『ウマ娘 プリティーダービー』のマヤノトップガンだ。2022年4月21日に開催されたカウントダウンイベントに、マヤノトップガン役の星谷美緒さんとトウカイテイオー役のMachicoさんが登壇し、話題になったことは記憶に新しい。全国のトレーナーさんは、ぜひ映画館に足を運んでみてほしい!

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ゲーム内に『トップガン マーヴェリック』のポスターが!
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イケメン大好き乙女ゲーマー → トムのスマイルに撃墜されること間違いなし。若きエリートパイロットたちの演技にも注目

 乙女なゲーマーにピッタリな映画をオススメするなら、もちろん『トップガン マーヴェリック』。何しろ、40年前からイケメンのまま歳を重ねたトム・クルーズが主演だからだ。年齢的にはまもなく還暦を迎えるが、長いことトムの映画を観てきた筆者に言わせると、いまでも十分若々しい。というか若すぎる。

 おそらく、いまから30年後もクリント・イーストウッドばりに活躍していそうな元気っぷりだ。そんなトムのチャームポイントは、綺麗に整った歯を見せるとびきりの笑顔。乙女ゲーマーならずともキュンと来ることは間違いなし。

 「もっと若い人はいないの?」という方もご安心を。若きエリートパイロット役として『セッション』などで活躍したマイルズ・テラーや、『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』で凄腕ハッカー役を演じたグレン・パウエルなど、フレッシュなイケメン俳優の活躍にも期待大だ。

酔いやすい体質なんだけど大丈夫か心配な人 → “本物の撮影”で俳優たちが君のぶんまで酔った。だから大丈夫

 「3Dのゲームを遊んだり、VR作品とかを観ると、すぐ酔っちゃうんだよね」という方もご安心を! 筆者はこの映画をまだ観ていないが、あえて断言しよう。下のフィーチャレット映像を観るとわかるが、この映画はCGに頼らず、ガチの戦闘機に乗って撮影されている。そのためにトム・クルーズを始めパイロット役の俳優全員が水中やプロペラ機、そしてジェット機で過酷な訓練を行ってから本番に挑んでいる。

 おそらく訓練中あるいは本番の撮影時に、アクターたちは気絶しそうなほどのGを受け、酔ったのは一度や二度ではないだろう。そんな彼らが、映画の視聴者が酔ってしまわないかを考えないはずはない。ちなみに筆者は3DやVRのゲームが出始めたときに映像による酔いについて調べたことがあるが、酔い止めの薬はゲームや映画でも有効らしいので、心配なら用意しておくといいだろう。そして“本物”のアクロバティックな映像を存分に楽しんでほしい。

映画『トップガン マーヴェリック』フィーチャレット映像("胸熱"トレーニング篇)

そもそも『トップガン』をよく知らない → 予習はたった1本の映画を観れば万全

 『トップガン マーヴェリック』のいいところは、1作目から36年経った新作でありながら、2作目ということ。つまり、前作『トップガン』を1本視聴すれば予習が完璧になるわけだ。もちろん、予備知識なして新作を観ても十分楽しめそうだが、マーヴェリックのかつてのライバルであるアイスマンを始め、前作に関連する人物が登場するので、できることなら観ておくことをオススメしたい。36年前の映画だが、その迫力はいま観ても見劣りしない。

 幸い、各種動画配信サービスで配信されているし、昨年に続いて地上波でも放送されるかもしれない(2021年11月に映画が公開予定だったタイミングで地上波で放送されたが、映画のほうはコロナ禍で延期になってしまった)。

 なお、配信などで視聴する場合、吹き替え版も見つかると思うが、個人的にはトム・クルーズの生の演技が楽しめる字幕版をオススメしたい。余談だが、近年のトムが凄腕パイロット(運び屋)として活躍する映画『バリー・シール/アメリカをはめた男』(2017年公開)も筆者は好き。トムの映画をもっと知りたいならこちらもぜひ。

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最後に……“配信待ち”ではなく映画館で観てほしい理由

 いまは高画質のテレビも買いやすいお値段になり、さまざまな動画サービスで誰もが気軽に映画を楽しめる時代になった。そのため大作映画が公開されても「そのうち配信されたら家で観よう」と考える人は少なからずいると思うが、『トップガン マーヴェリック』に関してはぜひ映画館で観てほしい。筆者はこれを2年以上、事あるごとに言い続けている。じつは、本作は当初2020年夏に公開される予定だったのが、2020年12月→2021年7月→2021年11月→2022年5月27日と延期をくり返してきたのだ(※)。

※全米公開のみの発表も含む。

 コロナ禍の影響が大きかったとはいえ、ほかの多くの映画がそうであったように座席数を減らして上映を決行したり、動画配信でファンのもとへ届けるといった方法もあったはずだが、そうはしなかった。「絶対に映画館で大ヒットさせる」という製作陣の想いが強かったのだろう。幾度にわたる延期のお知らせを目にするうちに執念に近いものを感じた筆者はもちろん映画館での上映に大賛成だし、大いにヒットしてほしいと切に願う。

 グリーンバックに囲まれたスタジオではなく、アクターが本気で訓練を受け、本物の戦闘機を使って撮影された本作。ぜひ、巨大なスクリーンと最高の音響で“本物の映画”を体験してほしい。もちろん、マスクの着用や帰ってからの手洗い・うがいなどの感染対策はお忘れなく!

おまけ『トップガン マーヴェリック』が(たぶん)楽しくなる豆知識

 最後に、予習というほどでもないが、『トップガン マーヴェリック』がより楽しくなるであろう基礎知識を挙げておこう。これらの知識ナシでも十分楽しめる映画だとは思うが、気になる方はぜひ。

  • トップガン
     アメリカ海軍戦闘機兵器学校の通称。航空機に乗るため空軍と勘違いされがちだが、マーヴェリックたちは海軍に所属している。言うまでもなくトップガンはエリート中のエリートぞろい。そんな彼らをマーヴェリックは、若き日の自分自身を重ねて見たりするのだろうか?
     余談だが、映画公開の2週間前にあたる5月13日は“トップガンの日”だそうだ。
  • F/A-18スーパーホーネット/F-14 トムキャット/Su-57 フェロン
     F/A-18(あるいはF-18)は本作に登場する戦闘機。現在も運用されている戦闘機の中で、とくに“戦闘機らしいフォルム”をしている(筆者の個人的な見解)。これがもし胴体がぷっくりしたF-35とかだと、ドッグファイトシーンが若干ほのぼのとしてしまったかもしれない(筆者の個人的な好み)。
     ちなみにF-14は前作『トップガン』に使われていた機体で、現在は退役済みなだけに、予告映像に登場したのを見て「おっ?」と思った航空機ファンも多いだろう。また、ファイナル予告映像の2:02あたりで変態機動をしている航空機はSu-57というロシアの機体のようだ。
  • コブラ
     マニューバ(機動)のひとつ。飛行する方向と高度を変えないまま上を向いてから、水平姿勢に戻る動き。文章に書き起こすと地味だが、映像で見るとカッコいい。
  • コールサイン
     戦闘機のパイロットが無線で呼び合う、あだ名のようなもの。たとえばトム・クルーズが演じる主人公“マーヴェリック”はコールサインで、本当の名前はピート・ミッチェルだ。
  • デンジャー・ゾーン/愛は吐息のように
     どちらも前作『トップガン』を代表する楽曲。筆者はジョギングするとき、ケニー・ロギンスの『デンジャー・ゾーン』を聴くと走るスピードが若干アップする。

『トップガン マーヴェリック』データ

  • 監督:ジョセフ・コシンスキー『オブリビオン
  • 脚本:クリストファー・マッカリー『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』、他 
  • 製作:ジェリー・ブラッカイマー『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ、トム・クルーズ、クリストファー・マッカリー、デヴィッド・エリソン
  • キャスト:トム・クルーズ、マイルズ・テラー、ジェニファー・コネリー、エド・ハリス、ヴァル・キルマーほか
  • 全米公開:2022年5月27日(金)
  • 原題:Top Gun Maverick
  • 配給:東和ピクチャーズ