2022年3月29日、バンダイナムコエンターテインメントは第3回ガンダムカンファレンスをオンラインで開催。“ガンダムメタバースプロジェクト”を発表した。

 チーフガンダムオフィサーの藤原孝史氏が構想について説明を行った。

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“ガンダムメタバース”構想が発表。『ガンダム』ファンどうしのコミュニケーション、ガンプラバトルなどが可能になる仮想空間!【第3回ガンダムカンファレンス】

 公開されたイメージPVでは、仮想空間内のコロニーを行き来する利用者が、かぼちゃマスクをかぶるようにアバターを着替えたり、コミュニケーションロビーでほかの利用者と会話をしたり、ステージでムービーを視聴するといった模様が映し出された。

 さらに、ガンプラショップではそのままガンプラを購入し、実際に(現実の家に)届くという仕組みも紹介された。“デジタルとフィジカルの融合”はガンダムメタバースのテーマのひとつでもあり、仮想空間でのサービスのみではないと語る。

 さらに、作ったガンプラをスマートフォンで撮影・スキャンし、メタバース上に表示、利用者が「いいね!」的なアイコンを送る。すると“バトルリクエスト”を受け取り、自身の作ったガンプラに乗り込み、他プレイヤーのガンプラと激しい戦いを繰り広げることもできる……という内容となっていた。

 続いて藤原氏は、ガンダムメタバースプロジェクトのビジョンについて“世界中のガンダムファンが集い、語り合い、さまざまなカテゴリに接触する場”と説明。

 さらに、「ガンダムの歴史はファンとともに作り上げてきた」と語り、ガンダムメタバースについても“IP(知的財産)にとってだけでなく、ファンにとって魅力的な場をファンとともに共創し、ファンとともに成長し続けるもの”であると解説した。

“ガンダムメタバース”構想が発表。『ガンダム』ファンどうしのコミュニケーション、ガンプラバトルなどが可能になる仮想空間!【第3回ガンダムカンファレンス】
“ガンダムメタバース”構想が発表。『ガンダム』ファンどうしのコミュニケーション、ガンプラバトルなどが可能になる仮想空間!【第3回ガンダムカンファレンス】

 さて、こうなると「具体的に何ができるの?」というところが気になってくるが、その内容についても少し明かされた。

 ガンダムメタバースでは、ガンプラやアニメ、ゲーム、音楽といったさまざまなカテゴリを“コロニー”として分け、それを仮想空間につぎつぎと打ち上げるのだという。それらをつなぎ、最終的にはサイドGを作り上げるのだという。

 たとえばそのなかの“ガンプラコロニー”では、ガンプラにまつわるさまざまな体験を提供する仮想空間になる。ガンプラの作品を通したコミニティ形成を目指し、マイルーム機能や“ガンプラスキャン”、自身が作ったガンプラをを使ったガンプラバトル、そのほかガンプラオンライン講座なども構想されているとのこと。

“ガンダムメタバース”構想が発表。『ガンダム』ファンどうしのコミュニケーション、ガンプラバトルなどが可能になる仮想空間!【第3回ガンダムカンファレンス】
“ガンダムメタバース”構想が発表。『ガンダム』ファンどうしのコミュニケーション、ガンプラバトルなどが可能になる仮想空間!【第3回ガンダムカンファレンス】

 秋に期間限定のテストオープンを予定しており、サービスは2023年度開始し、2025年を大規模なメタバース稼働の目標としている。

 そのほか、eスポーツコロニーでは、2022年サービス開始予定の『ガンダム』を使ったFPS『ガンダムエボリューション』や、2023年稼働予定の『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』などの使用が予定されているとのこと。

 なお、『ガンダムエボリューション』は2022年4月8日から日米同時のネットワークテストを開始する予定となっている。

“ガンダムメタバース”構想が発表。『ガンダム』ファンどうしのコミュニケーション、ガンプラバトルなどが可能になる仮想空間!【第3回ガンダムカンファレンス】
“ガンダムメタバース”構想が発表。『ガンダム』ファンどうしのコミュニケーション、ガンプラバトルなどが可能になる仮想空間!【第3回ガンダムカンファレンス】

※ここまでの画像は配信をキャプチャーしたものです。

以下、リリースを引用

「第3回ガンダムカンファレンス」開催 「ガンダムメタバースプロジェクト」の展望を発表!

<目指す姿について>

 バンダイナムコグループは、2022年4月からグループの最上位概念となる「パーパス」の導入を行います。特に重要な要素は、“つながる”“ともに創る”という要素で、バンダイナムコとファンが「夢・遊び・感動」を通じてつながることで“Fun for All into the Future”を実践していきます。

 このパーパスのもと、 同月にスタートする新中期計画では世界中のIPファン、あらゆるパートナー、グループ社員、社会と常に向き合い、深く、広く、複雑につながる存在を目指すため「Connect with Fans」という中期ビジョンを掲げました。

 新中期計画では、バンダイナムコグループの強みであるIP軸戦略を重点戦略の一つとしており、IPでファンとつながるための新しい仕組みとしてIPごとのメタバースを構築してまいります。その第一弾として「ガンダムメタバース」の開発に着手いたします。この「ガンダムメタバース」の目指す姿は、世界中のガンダムファンが集い、語り合い、さまざまなカテゴリーのコンテンツに出会い、ふれあう場の創出です。

 今後の展望としましては、すぐにメタバース空間の完成形を目指すのではなく、段階を踏んで基盤を構築してまいります。まずは、カテゴリーごとにヴァーチャルコミュニティーを創出し、それらをバンダイナムコID(※)により連結いたします。

※バンダイナムコIDとは、バンダイナムコグループの共通アカウントです。一つのアカウントで、グループ各社で展開するさまざまなサービスやコンテンツをお楽しみいただくことができます。

“ガンダムメタバース”構想が発表。『ガンダム』ファンどうしのコミュニケーション、ガンプラバトルなどが可能になる仮想空間!【第3回ガンダムカンファレンス】
<「ガンダムメタバースプロジェクト」バンダイナムコIDでの連結イメージ >

 創出したヴァーチャルコミュニティーは、ガンダムの世界観になぞらえ、仮想空間という広大な宇宙にあるスペースコロニーとし、それらをつなぐことで一つの「ガンダムメタバース」宙域、その名も「SIDE-G」を創り上げます。

 今後、「SIDE-G」を構成するアニメ、ガンプラ、ゲーム、音楽など、さまざまなカテゴリーが主体となるスペースコロニーが、続々と仮想空間内に打ち上げられていく予定です。デジタルサービスにとどまらず、バンダイナムコグループの強みを活かし、デジタルとフィジカルが融合した空間を目指してまいりますので、ぜひご期待ください。

「ガンダムメタバースプロジェクト」に関して

「SIDE-G」への歩み

「ガンプラコロニー」

“ガンダムメタバース”構想が発表。『ガンダム』ファンどうしのコミュニケーション、ガンプラバトルなどが可能になる仮想空間!【第3回ガンダムカンファレンス】

 「SIDE-G」の完成を目指して、ガンプラに関わるさまざまな体験を提供する仮想空間、「ガンプラコロニー」を最初に打ち上げます。

 2021年にテスト運用を行った、世界中どこからでも遊びに行くことができるヴァーチャルガンプラエンターテインメント総合空間「ガンダムベースヴァーチャルワールド」を、「ガンダムベースガンプラコロニー店」として正式サービスインを目指し、今秋に期間限定テストオープンいたします。

 また、バンダイナムコIDによるマイルーム機能を実装し、ガンプラの作品を通したコミュニティーを形成いたします。さらに、ガンプラをスキャンして戦うことができる「ガンプラバトル」や「ガンプラコンテスト」の開催、ガンプラオンライン講座など、デジタルとフィジカルを融合させたエンターテインメント区画を充実させ、「ガンプラコロニー」の完成を目指してまいります。

「esportsコロニー」

 次に打ち上げるコロニーは、2023年の完成に向け鋭意建設中の「esportsコロニー」です。

 まず、「esportsコロニー」の皮切りタイトルとして、2022年に『GUNDAM EVOLUTION』を正式稼働いたします。本タイトルは、esportsに特化したガンダム初のFPSゲーム(※)です。ガンダムという作品の魅力を最大限に生かしつつ、FPSゲームとして最高峰の楽しさを提供するという2つの要素を高次元で両立させています。6vs6のオンラインマルチプレイ『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』と合わせ、日本国内だけでなく海外にも広く展開し、世界中のお客さまが参加できるゲームコミュニティー、「esportsコロニー」を生み出します。

 まずは、『GUNDAM EVOLUTION』の正式稼働に先駆け、2022年4月8日(金)よりPC版のネットワークテストを日米同時に実施予定です。

※一人称視点のシューティングゲーム(First Person Shooter)の略称。

“ガンダムメタバース”構想が発表。『ガンダム』ファンどうしのコミュニケーション、ガンプラバトルなどが可能になる仮想空間!【第3回ガンダムカンファレンス】
“ガンダムメタバース”構想が発表。『ガンダム』ファンどうしのコミュニケーション、ガンプラバトルなどが可能になる仮想空間!【第3回ガンダムカンファレンス】
<『GUNDAM EVOLUTION』>
 <『機動戦士ガンダム バトルオペレーション』>

ガンダムにおける他企業の参入およびC to Cビジネスの推進

 さらに、近い将来にはバンダイナムコグループ以外の企業によるガンダムビジネスへの参入促進、また、一般ユーザーによるガンダムを活用したビジネス可能な場の提供を目指し、ガンダムにおけるUGC(User Generated Content)を許諾し、 C to Cビジネスを推進する予定です。

 キャラクターの権利が保全されたメタバースを構築し、本取り組みを実施することで、新たなガンダムのビジネスが生まれ、ファンと共創したガンダムIPのさらなる拡大につながることを期待しております。

“ガンダムメタバース”構想が発表。『ガンダム』ファンどうしのコミュニケーション、ガンプラバトルなどが可能になる仮想空間!【第3回ガンダムカンファレンス】
<「ガンダムメタバースプロジェクト」 イメージ>

 「ガンダムメタバースプロジェクト」では、カテゴリーごとのスペースコロニーを随時打ち上げ、「SIDE-G」を構築してまいります。仮想空間上ではありますが、世界中のガンダムファンが集う大規模な生活圏の構築を目指すとともに、バンダイナムコグループ以外の企業の参入やC to Cビジネスの推進により、新たな経済圏を創出いたします。

 現在の展望にとどまらず、2026年以降もさらなる規模へと成長させるべく、「ガンダムメタバースプロジェクト」をバンダイナムコグループの柱として据え、各コロニーの展開を促進してまいります。ぜひ、今後の発表にご期待ください。