インディーゲームパブリッシングブランド、PLAYISMから2022年3月10日(木)より、Nintendo SwitchとPC(Steam)にて配信開始となる新作3Dダンジョン探索型RPG『両手いっぱいに芋(いも)の花を』。

 こちらは体験版が2022年3月3日(木)から配信されており、その一度聞いたら忘れられないタイトルからして気になる人も多いかと思う。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG

 かくいう筆者もそのタイトルを見て、本作が気になっていたひとりだ。芋でRPGとは、どういうことなのか。

 今回、正式リリースの前に本作を先行プレイさせていただけるとのことで、さっそくゲームを起動してみた。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
タイトル画面。無音のシンプルな画面に、思わず息を飲む。

 するとゲームスタート直後、ふとした事故でどこぞのダンジョンに閉じ込められ、脱出手段を探そうという展開になった。ならばとダンジョンを歩き回ってみたのだが……。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG

 とりあえず敵を倒して突き進んだら、ボスらしき相手がいたので殴ってみると。

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『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG

 さくっと全滅した。

 本作は見てのとおりシンプルで分かりやすい3DダンジョンRPGだったわけだが、その分かりやすさゆえに、うっかり選んだ行動であっさりと戦闘に敗北することになるのだ。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
3人パーティーに対して敵も多くても4体程度。シンプルな少数精鋭同士の戦闘なのだが、シンプルゆえに一歩間違えるとすごいことになってしまう。
『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
命中率や敵が狙っているパーティーメンバーなどが、すべて見やすいUIで可視化されているので、運が悪かったなんて言いわけも効かない。

 緊張感たっぷりではあるが、不思議なことにガンガン遊べる気持ちよさも、そのUIやシステムのおかげできっちりと確保されている。爽快感もしっかりあり、しかしじっくり慎重にもなって遊んでいるため、ふと気が付くと数時間が過ぎている。そんな不思議なタイトルだった。

 今回は本作のこうした魅力について、先行プレイレビューでお伝えしていきたい。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
緊張感が続くだけでなく、冒険で強力な装備をつぎつぎと獲得してパーティーを強化していけるなど、気持ちいい要素も山盛りだ。
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気になるタイトルも、深い世界観に関わっていた

 まずはこの『両手いっぱいに芋の花を』というタイトルから、世界観が気になる人が多いと思うので紹介しよう。

 本作の舞台となるのは、過去の過ちから特殊な土壌汚染が世界規模で広がり、作物が正常に育たない環境になったことでゆるやかに滅びつつあるファンタジー世界だ。

 主人公たちはこの世界で、過去の文献や遺物を各地の遺跡で捜索する組織に所属している遺跡探索のプロだ。最終的にはいまの土壌でも育つとされる幻の作物、いまは失われてしまった芋の種の保管場所を探し当てることを目的としている。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
キャラの見た目(種族)による能力差はないので、見た目は完全に好みで作ってOK。

 世界観を知ると、このタイトルが一気に重く感じられたかと思う。この退廃した世界の雰囲気が凝縮された、ぐっとくるタイトルに思えないだろうか。世界を救う英雄になるといった王道展開よりも、芋のために命を賭ける展開のほうがなぜか強く胸を打つ。

 そのタイトルの重みに負けじと、ゲームのほうもかなり硬派だ。ただ、そのゲームを始める手順はじつに簡単。チュートリアル終了後、まずは拠点で8人まで用意できる調査員(パーティーメンバー)を作成する。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
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キャラの見た目(種族)による能力差はないので、見た目は完全に好みで作ってOK。
『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
キャラクターのクラスは8種類。近接戦闘系、中距離で戦う射撃系や近接奇襲型、後方で戦う魔法使い系や僧侶系など、ファンタジーではおなじみのものばかりで分かりやすい。

 調査員を用意したら最大3人のパーティーを組み、いざ各地の遺跡に調査に出向く。ダンジョン内は3D形式になっており、オートマッピング機能がついているほか、好きなタイミングで視点を上下左右に動かすことができる。シンプルな構造のダンジョンだが、その場に自分がいるかのような臨場感はかなりのものだ。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
行くことができる遺跡(遺構)は、ほかの遺跡の探索を進めていくことで増えていく。ちなみに最初の遺跡ですら数時間ではとてもクリアーできないほどで、冒険のしがいがある遺跡ばかりだ。
『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
斜め上を見上げて段差の上を確認したり、逆に足元の段差を覗き込んで下の様子を確認したりといった操作が可能だ。

 この臨場感を増すのにさらに一役買っているのが、明かりの概念と敵のエンカウントシンボルだ。

 本作の遺跡内は真っ暗で、手持ちのたいまつに火を着けて照らしながら歩くと、画面右下のたいまつのゲージが徐々に減ってしまい、やがて光源を失ってしまう。だが、遺跡の各所にあるたいまつや蝋燭に火をつけることで、つぎ以降に訪れた際には明るさが確保できる。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
通路突き当たりのたいまつに、火を灯すまえとあとの様子。明るさがまったく違う。

 視覚の面ではほかにも、本作の遺跡内に出現する敵モンスター“獣”がエンカウントシンボルとして見えるようになっているのも特徴的だ。敵に触れなければ戦闘にはならず、敵のほうから追いかけてきたりといったことは一切ない。

 遺跡の構造しだいでは横を迂回したり、あるいは側面や背面から接触することで不意打ちが成立し、有利に戦えたりもする。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
レベルも含めて敵がすべて可視化されている点も、本作の遺跡の臨場感を増している。扉を開けたらいかにもヤバそうな敵がいた、なんて状況も分かりやすく伝わってくる。
『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
行くことができる遺跡(遺構)は、このように回り込んで背後から戦闘をしかけたりと、戦略的な要素にも繋がっている。

 このように明かりや敵といった視覚要素が多めのダンジョンでの探索は、地道にひとつひとつルートを切り開いては戻るという、挑戦のくり返しとなる。あとで解説する戦闘システムのシビアさから、慣れないうちは敵と2、3戦、慣れてきても6連戦くらいをこなすとパーティーに限界が来て、拠点へと帰還せざるを得ない。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
遺跡のどこにいても、ベースキャンプ(拠点)へはノーリスクで戻れる。少しでも危険を感じたら、戻ることをオススメしたい。

 そうした限られた力を振り絞りつつ、片側からしか開かないドアや、レバーを操作して上げる鉄格子などの場所にたどり着き、敵との接触を避けてさきに進めるショートカットルートを確保する。

 これを地道にくり返すことで、少しずつ血路を開いていき、遺跡のさらに深い階層へと向かっていくのだ。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
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ショートカットをひたすら開けて進みつつ、オートマッピングでマップを埋めていく。臨場感も相まって、いかにもダンジョン探索といった雰囲気にわくわくする。
『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
遺跡のなかではNPCに出会い、助けを求められたりといったイベントも用意されている。救出するとあとで冒険を助けてくれるNPCもいるので、こちらも見逃さないようにしたい。

戦闘はシビアだが分かりやすく、じつはスピーディー

 3Dダンジョンとなっている遺跡探索は慎重に進める地道な作業となるが、その慎重さがもっとも求められるのが戦闘時だ。

 どうしても迂回できない位置や、貴重な装備や本作の世界の通貨“鉄”が大量に入っている宝箱の前などに、戦いを避けられない敵が待ち受けている。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
そもそも敵と戦って経験値を入手してレベルアップしたり、そのさきで宝箱を開けたりして装備を更新したりしていかないと、遺跡の各所に待ち受ける手ごわいボスには勝てない。

 本作の戦闘はターン制と、アクティブタイム制を組み合わせたものとなっている。敵味方ともに行動は全員がターン開始前に決めるが、ターンが開始されるとひとりずつではなく、その場の全員が行動を一斉に起こす。その行動がどのような順番で処理されるかは、各キャラクターの行動によって決まる。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
たとえば詠唱を伴う魔法は発動まで時間を要するため、同じターン内の敵味方の近接攻撃の応酬が終わったあとに発動する。

 敵が調査員の誰を狙っているかは、行動選択の段階でターゲットラインが引かれ、ひと目で分かるようになっている。さらに攻撃の命中率も、明確に数値化されて表示される。

 ここで問題となるのは、敵の攻撃力の高さだ。遺跡の獣たちはいずれも非常に攻撃力が高く、前衛キャラでもまともに食らえば3発程度、後衛のキャラなら1~2発で倒されることも珍しくはない。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
記事冒頭であっさり全滅した筆者の戦闘でも、後衛の調査員は一撃のもとに倒されていた。

 これに対抗する手段は、狙われている調査員が防御に徹すること。基本行動として選べる“ガード”は、どんな攻撃に対しても大幅にダメージを軽減してくれる。単純な近接攻撃なら、受けるダメージは1割ほどまでに抑えられる。

 “ローリング”などの、回避力を大幅に上げるスキルを使うのも得策だ。各回避スキルで上がる回避率は固定なので、相手の命中率を参照し、最終的な回避確率もはっきりと数値化される。命中率が0%になれば、絶対に当たらないのだ。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
後衛の防御力が低い調査員でも、ガードで鉄壁の防御を得られる。狙われたらガード、狙われていない調査員だけが攻撃。これが生き残るための鉄則だ。

 こう書くとガードが安定の簡単な戦闘に見えるかもしれないが、本作の戦闘では各キャラクターに、体力に加えて“スタミナ”と“精神力”というリソースが用意されているのが悩ましくもおもしろいポイントだ。

 スタミナは攻撃やガード、スキルの使用などのあらゆる行動で、それぞれに設定された量だけ消費されていく。この消費がかなり多く、スタミナが足りない状態でガードを使うと“ガード破壊”が発生し、余分なダメージを受けてしまう。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
戦闘中、画面左上に緑色のゲージで表示されているのがスタミナ。そのとなり、青いアイコンの右となりにある数値が、各調査員の精神力の現在値だ。

 スタミナは戦闘中に“構えなおし”を行動として選ぶことで全快するが、当然ながら構えなおし中はガードなどはできない無防備な状態となる。スタミナをいつ回復するか、タイミングを見計らうのが重要となる。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
ガード破壊が発生したキャラクターはよろけてしまい、同じターンに続いて飛んでくる攻撃があれば、それは直撃してしまう。敵の攻撃に備え、つねにスタミナは確保しておきたい。

 このスタミナよりも重要といえるのが、精神力だ。本作では戦闘終了のたびに、調査員たちの体力とスタミナは最大値まで自動で回復するが、精神力は拠点に戻るまで回復しない。

 精神力は全体を攻撃する剣技や、高威力を誇る魔法などといった強力な攻撃スキルを使うときには、ほぼ消費するようになっている。戦闘ごとに回復するスタミナと異なり、こちらは計画的に使っていかないと肝心な戦闘で枯渇してしまう。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
本作の戦闘では斬撃や打撃、炎や氷といった攻撃の各属性に対する敵の得手不得手がはっきりしている。そのため弱点属性を突きやすい魔法は大きなダメージソースになるが、精神力も大きく消費する。

 こうしたスタミナや精神力の管理をより容易にしたい場合は、各調査員が取得できる“技能”を吟味する必要がある。技能はクラスごとに複数系統用意されており、レベルが上がると得られるポイントで好きなように取得できる。

 技能には攻撃力や防御力を高めたり、精神力を消費する攻撃スキルを覚えたりといったスタンダードなものに加え、特定の条件を満たすとスタミナが戦闘中に自然回復したり、消費精神力を抑えたりといった強力なものが用意されている。どの技能をどの順番で取っていくかで、その調査員の戦いかたはいかようにも変わるはずだ。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
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『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG

“ひと目で分かる”のがサクサク探索のカギ

 このように本作の戦闘では、スタミナや精神力の数値をしっかり管理しつつ、敵が誰を狙い、何を仕掛けてくるかを把握したうえで、攻めにいくか守りにいくかを間違えず判断しなくてはならない。

 このように書くと非常に難しく、戦闘にかかる時間も長くなるように思えるかもしれないが、実際にプレイしてみるとこれが意外にもさくさくと進行できた。ターゲットラインが向いている調査員は迷わずガードや回避という鉄則が身に沁みてくると、ぱっとラインを見ただけで行動をすぐさま決定できるようになった。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
敵の行動は、アイコンの色で大まかに種類を確認できる。たとえば緑のアイコンが見えたら「あいつは回復技を使うんだな、最初に倒そう」と、瞬時に判断できる。

 こうして戦闘がスムーズに進められるようになると、遺跡のさまざまなギミックや謎解きに心おきなく集中できる。こうなると直感的に判断する戦闘と、脳をフル回転させて謎を解くダンジョンアタックが交互にとめどなく押し寄せてきて、不思議とハイな気分になっていく。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
臨場感も手伝って、自分自身がダンジョン探索をしているかのような没入感が生まれてくる。これも余計な思考がいらない、分かりやすい視認性とシステムがあってこそだろう。

 そうしてダンジョンを踏破し、そのさきにいるボスを撃破できたときの達成感は、筆者にとっては思わずリアルでガッツポーズを取ってしまったほどだった。ダンジョンの謎解きも、ボスの攻略も、ひと筋縄ではいかないからこそおもしろく、やりがいがある。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
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ボスは体力が一定以下になると、本気モードに突入して全体攻撃や大魔法などを連発してくる。ここからはスタミナ管理を一手間違えただけでも、全滅へとまっしぐらだ。
『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
ボス撃破の演出を見ると、「やり遂げた」という感慨が一気に湧いてくる。アクション操作が苦手な筆者でも、頭脳と判断力だけでこの気持ちよさが味わえたのが嬉しかった。

 戦闘のシビアさもあり、視覚で分かりやすくも緊張感あふれるダンジョンアタックがたっぷりと堪能できる本作。ずっしりと心に響く世界観や遊びやすさといった魅力から万人にオススメしたいのはもちろん、RPGではじっくりと冒険気分を味わいたいという生粋のRPGゲーマーには、とくに遊んでみてほしい。

『両手いっぱいに芋の花を』プレイレビュー。守るか攻めるか、目まぐるしく変わる状況にどっぷり没入できる3Dダンジョン探索型RPG
戦闘で全滅してもとくになにかをロストすることはなく、拠点へと戻されるだけなので、とことんトライ&エラーや育成を続ければだれでもボスに勝てるはず。ぜひタイトルなみに気になるエンディングをその目で!

両手いっぱいに芋の花を

  • 発売元:PLAYISM
  • 開発元:Pon Pon Games
  • プラットフォーム:Nintendo Switch、Steam
  • 発売日:2022年3月10日
  • 価格:1870 円[税込]※
  • ジャンル:3Dダンジョン探索型RPG
  • レーティング:IARC 7歳以上対象
  • 対応予定言語:日本語・英語・簡体字中国語

※ローンチセールで期間限定で10%OFFで販売