超級風水師となって風水を正していく、伝説的作品

 1997年(平成9年)2月28日は、プレイステーション用ソフト『クーロンズ・ゲート』が発売された日。本日でシリーズ誕生25周年という記念すべき日を迎えた。

PS『クーロンズ・ゲート』が発売25周年。CD4枚組で発売された伝説級の怪作アドベンチャー。熱烈なファンに支えられ、新作も登場間近【今日は何の日?】

 『クーロンズ・ゲート -九龍風水傳-』は、ソニー・ミュージックエンタテインメント(当時)から発売されたアドベンチャーゲーム。いまなお熱烈なファンのいる伝説的タイトルで、まさに“怪作”と呼ぶにふさわしい内容になっている。長らく続編は作られていなかったが、近年になり立て続けに大きな動きがあったので、それらのニュースを見て本作を知ったという若い世代のゲームファンもいるかもしれない。

 プレイヤーは超級風水師の主人公となり、突如として現れた陰界の“九龍城”へ潜入。乱れた風水を正し、世界の崩壊を防ぐために戦う……というのが大まかな物語となる。九龍城という名称から察しが付くように舞台のモチーフになっているのは、かつて存在した現実の九龍城砦。筆者などは名前と外観しか知らず、内部イメージはマンガやアニメで見たものしかないのに、なぜだか強く惹かれてしまうから不思議だ。

PS『クーロンズ・ゲート』が発売25周年。CD4枚組で発売された伝説級の怪作アドベンチャー。熱烈なファンに支えられ、新作も登場間近【今日は何の日?】

 ゲームの九龍城は、ネオンサインの看板が立ち並ぶサイバーパンク映画のアジアっぽい猥雑な雰囲気に溢れている。薄暗くて汚く寂れているのに、場にそぐわないハイテク機器がそこら中に転がっているのが印象的。

 当時のハード性能では表現の難しい要素が盛りだくさんなロケーションで、人物描写などはとくに荒さが目立つところもあるのだが、それがかえってゲームの雰囲気とうまくマッチ。気味の悪さに拍車が掛かり凄まじいインパクトをもたらした。少なくない人が取り憑かれたようにハマってしまうのは、こういった部分に魅力を感じるからなのかもしれない。とにかく登場人物全員やばいヤツらばかりだった。

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 ゲームは主観視点で進行するのだが、街の中を歩いて探索する“JPEGダンジョン”ではプリレンダリングのムービーが流れるユニークな表現方法を採用している。移動のたびにヌルヌルと動くのはいま見てもおもしろい。住人との会話で情報を集めると、今度は自由に動かせる“リアルタイムダンジョン”を冒険。こちらでは敵とのバトルパートもあった。

 音楽は『世にも奇妙な物語』や『NIGHT HEAD』など、ドラマやアニメの楽曲を数多く手掛ける蓜島邦明氏が担当している。『クーロンズ・ゲート』はかなりホラーっぽいところもあるので氏の楽曲はピッタリと言えるだろう。2019年12月25日には、サウンドトラックがヴァイナル(アナログレコード)として発売され、話題になったのが記憶に新しい。聞くところによると、もともとヴァイナルでの発売を目指していたらしく、それがようやく実現できたのだとか。

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 2017年10月26日には本作の前日譚となる『クーロンズゲートVR suzaku』がプレイステーションVR用タイトルとして発売。20年目のシリーズ最新作としても注目されたが、何より界隈を賑わしたのはクラウドファンディングの話題。2016年11月にクラウドファンディングにて支援者を募ったのだが、またたく間に目標金額を達成して開発が決定したのだからスゴイ。20年近く経過してもファンの熱意は驚異的なものだった。

 そして現在は次世代版続編となる『クーロンズリゾーム』が開発中。コロナ禍などさまざまな影響で当初の予定より開発は遅れているようだが、2021年11月、12月とプリプロダクション版の動画が公開。2022年に入ってからも公式ツイッターでつぎつぎと新情報が発信されているので、気になる人はチェックしてみるといいだろう。

『クーロンズリゾーム』公式Twitter
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