『刀剣乱舞-ONLINE-』と『無双』シリーズがコラボしたNintendo Switch、PC(DMM GAME PLAYER)用ソフト『刀剣乱舞無双』が、DMM GAMESより2022年2月17日に発売される。本作は、刀剣の付喪神(つくもがみ)である刀剣男士を操作して戦うアクションゲーム。現在Nintendo Switch版の体験版も配信中だ。

 本稿では、体験版で遊べる序章の先、1章“伯仲の章”を中心にリポート。ネタバレも含みますので、まっさらな状態で遊びたい方はご注意ください。

※本記事の操作方法は、Nintendo Switch版のものを記載しています。

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 この章では、羽柴秀吉の天下取りの歴史が改変させられるのを防ぐため、第五部隊の山姥切国広と山姥切長義が活躍するわけですが、この二振りがかなり使いやすい! 素直な動きというのでしょうか、トリッキーではないので最初にガッツリ操作するキャラクターとしてピッタリですね。

 今回はひとつのボタンで戦える“簡単モード”でプレイしたので、刀剣男士任せな部分もありますが、それでも「自分の手で動かしてカッコイイ技を出しているんだ!」という感動があります。Yボタンをポンポンと押すだけで、通常攻撃から強攻撃へと流れるようにつながるのですが、その華麗さに、ふだんはいきなりドーンと強攻撃を放とうとする自分のガサツさを改めようという気にもさせられました。効率を求めるのもいいけれど、本作は刀剣男士たちが美しく戦ってこそだなあと……。

『刀剣乱舞無双』レビュー。刀剣男士をこの手で動かしていることに大興奮! 移ろう歴史の中で彼らの絆を感じる物語にも注目

 刀剣男士たちの能力を解放することで強攻撃の種類も増えていきますが、山姥切たちには使い勝手のよい技が揃っています。強攻撃といえば、Rボタンを押しているあいだ、各ボタンに割り振った技が表示され、それを押せば即発動できるのがすごく便利でした。慣れてくると「この敵は大きいから打ち上げられないな、連撃で攻めようか」などと、よりスムーズに戦えるようになりましたよ! それに、たとえば同じ“直線”の強攻撃でも刀剣男士によって全然動きが違うのがおもしろいですね。直線的な範囲攻撃になる刀剣男士もいれば、一点集中って感じで強敵向きの技だな、という刀剣男士もいて。それがまた彼らの個性を表していて、ひとつひとつ見ていくのが楽しい。

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 さて、第五部隊は時間遡行軍(じかんそこうぐん)の討伐や、要人の護衛などの任務を遂行していきます。その中で渦中の秀吉たちのドラマも描かれていくのですが、歴史の“IF”としてもおもしろいんですよ。黒田官兵衛の暗躍を始め、本能寺の変を起こした明智光秀に対し、秀吉はすぐに斬るのではなく軍門に下るように誘うなど、「もしかすると、あり得るかもな~」という展開も見られました。

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 また、こんのすけが「“山崎の戦い”の結果が違うと、こんな影響が出る」などと説明してくれるので、出来事の流れをスムーズに理解できました。本来の歴史と、改変された歴史を比較して見られる“合戦予測”の画面もわかりやすかったですね。本来の歴史を復習するのにも便利なので、学生のときにコレが欲しかったな……。いま戦国時代を勉強中の方はぜひ活用してみては。

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 これらの歴史の解説は出陣前後に見られるのですが、後から回想でも読めるので、とにかく早く戦場に出たい派の方もご安心を。また、重要なポイントは刀剣男士たちの会話にもあがるので、話がわからないまま進むということもありません。戦国時代の非情なエピソードに対する、刀剣男士たちの受け止めかたにも興味を惹かれました。

『刀剣乱舞無双』レビュー。刀剣男士をこの手で動かしていることに大興奮! 移ろう歴史の中で彼らの絆を感じる物語にも注目
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 そして、やはり刀剣男士の前の主、つまり刀剣をかつて所持していた武将との再会も描かれました。この章では山姥切国広と、小田原征伐に出陣していた長尾顕長が遭遇するわけですが、もー、泣きそうになってしまいました。自己評価の低めな国広はここでも自分のこと、つまり長尾顕長が腰に下げている刀を「そんな刀」と言ってしまうわけですが、持ち主の長尾顕長はそこを聞き逃さないんですね。

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 大切にしている刀であればこその反応です。刀剣男士たちは歴史への影響を考慮し、人々と深く関わらないようにしているので交わす言葉も少ないわけですが、たったひと言、それだけで気付かされるものがあったんだなあと。

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 その再会が刀剣男士自身や仲間にいい変化をもたらしているのも見逃せません。章の最後に待ち構える“不気味な敵”のボスを倒すころには、軽口を交わしながらも、お互いに認め合っている? と思えるような姿が見られるようになり、「そんな顔もするのか!」と、見守るほうとしてはニヤニヤさせられっぱなしです。

『刀剣乱舞無双』レビュー。刀剣男士をこの手で動かしていることに大興奮! 移ろう歴史の中で彼らの絆を感じる物語にも注目
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 謎の多い物語をドキドキしながら追うなかで、こうした絆が感じられる場面が挟まれるのはたまりませんね。それは本丸でも同様で、戦の合間のホッとするひとときが何よりのご褒美に感じます。本丸では刀剣男士たちの“らしい”仕草が見られる機会も多いのです。たとえば、鶴丸国永の人差し指を振る仕草や、絆会話にて千子村正の「脱ぐ」発言のときに服を触る仕草など「あっ、この動き、彼専用の仕草では!?」という驚きと喜び。

『刀剣乱舞無双』レビュー。刀剣男士をこの手で動かしていることに大興奮! 移ろう歴史の中で彼らの絆を感じる物語にも注目
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 余談ですが、こんのすけのお手々もかわいらしくて、つい見入ってしまいます。本作ではお役目に徹してちょっとドライな印象もあるのですが、プニプニの肉球でパネルをポチポチしている姿はかわいい以外の何ものでもありません。本当に、細かいところまでこだわりが感じられる本作、『刀剣乱舞』ファンはますます推しが好きになってしまうでしょうし、初めて『刀剣乱舞』に触れる方も一振りと言わず、箱でお気に入りになること請け合いです。

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