Blizzard Entertainmentが、アクションRPG『ディアブロ II リザレクテッド』のパッチ2.4を来年初頭にPTR(PC版公開テスト環境)に導入することを発表した。このパッチではラダー(ランキング)機能のほか、バランス調整なども予定している。

オリジナルに忠実にローンチしてからの“ステージ2”へ

 発表前には各国のプレス関係者に向けたオンラインブリーフィングも行われ、デザインディレクターのロバート・ガッレラーニ氏とシニアゲームプロデューサーのマシュー・ツェダーキスト氏がパッチで目指す方向性などについて語った。

 『ディアブロII』のリマスター版である本作で独自のバランス調整を行うのは思い切った行動に思えるが、まずオリジナルに忠実な形でローンチさせる“ステージ1”が安定して落ち着いたことで、プレイヤーコミュニティからの要望に応えて新たなアイデアなどを投入していく“ステージ2”に進めるようになったと考えているそう。

D2R

ラダーランクの導入と新ルーンワード

 パッチ2.4では、一定期間のあいだにレベル99到達を目指すラダープレイがついに正式に導入される。ラダーは下記の4種類。期間についてはPTRでの導入後のフィードバックを参考にして決定するものの、現状では4ヶ月間程度を考えているとのこと。

  • スタンダードラダー 本編のAct 4までが範囲のラダー
  • ハードコアラダー Act4までが範囲のハードコア版(一回死んだら終了)ラダー
  • スタンダードエキスパンションラダー 拡張“Lord of Destruction”も含むAct 5まで対象のラダー
  • ハードコアエキスパンションラダー スタンダードエキスパンションラダーのハードコア版

 そしてラダープレイのみで解禁できる新たなルーンワード(ボーナスを発揮するルーンの組み合わせ)が登場予定。この新たなルーンワードを完成させたキャラはラダーシーズン終了後に通常のゲームに移され、新たなシーズンの開始とともにまた別の新たなルーンワードを目指す……という仕組みになるようだ。

 新たなルーンワードを導入するにあたっては、たとえば高レベルルーンのChamがあまり使われていなかったことやレベル40~60あたりの中レベル帯も乏しいことを鑑みて設計を行っているそう。ちなみに新たなルーンワードの中には、オリジナル版に用意されていたものの使われなかったものもあるとか。

キャラクターバランス調整(2010年3月以来)

 2010年3月23日にオリジナル版『DiabloII』で配信されたパッチ1.13c以来となる11年ぶりのキャラクターバランス調整が行われる。

 これは弱体化ではなく強化による調整になっており、アサシンのマーシャルアーツ系スキルなど、キャラクターのイメージ上は合っているのにスキル性能によってあまり有効ではないビルドなどを改善するのが目的となっている。

  • アマゾン
    • 基本的にアマゾンについてはバランスが取れていると感じているが、近接スキルには改善の余地がある
      • インペールやフェンドなどがあまり使われていないのでもっと使う意義が出るよう強化したい
      • 近接スキルをシナジー(相乗効果)に頼らなくても活用できるようにすることで、もっと他の可能性にポイントを割り振れるようにしたい
    • 高難度での弓プレイを改善するために、弓/クロスボウツリーのスキル強化を検討中
  • アサシン
    • 現状高難度帯ではマーシャルアーツスキルが難しくなっているので、マーシャルアーツビルドをより輝かせたい。
      • コンボポイントの生成と使い方を再検討
    • いくつかのトラップスキルはあまり使われていないので、ダメージ強化を目的にシナジーを再検討
  • バーバリアン
    • リープ・アタックなどコンバットスキルにもっと多様性を持たせたい
      • スキルのシナジーを再考してコンバットスキルにもっとポイントを振る理由を生み出したい
    • 投擲タイプのバーバリアンをもっと実用的にしたいのでダブル・スローと投擲術を強化したい
  • ドルイド
    • 火炎キルがうまく機能していないのでスキルのディレイ間隔や物理ダメージ部分、シナジーについて再考したい
    • その他のエレメンタルスキルツリーのあまり使われていないものについても微調整を検討中
      • “極寒の息吹”の操作も改善したい。一体ずつターゲットするのではなくもっとフリーフォームに実行できるように
    • 召喚スキルは高レベル帯では弱い。レベルごとのライズ増加のほか、使いやすさの改善、ダメージ、そしてレイヴン、ウルフ、蔦シナジー追加を検討する
      • 人熊スキルのシナジーの改善を中心にした強化も考えている
  • ネクロマンサー
    • アマゾン同様に現状を基本的に気に入っているが、あまり使われていない召喚スキルに改善の余地がある
      • スケルトン・メイジの属性ダメージと、あまり使われていないゴーレムをより効果的にするよう調整する
    • 高難度でのボーンスキルの改善のためにシナジーを微調整する
  • パラディン
    • コンバットスキルがあまり使われていない。“天界の拳”などをもっと使えるようにしてポイントを振る意義が出るように模索している
    • 攻撃オーラも強化したい。近距離で効果的になるようにAoE(範囲)ダメージの改善や、荊棘の加護を改善して高レベル帯でよりダメージを出せるよう考えている
  • ソーサレス
    • ソーサレスの現状にはとても満足しているが、いくつか改善可能な点はある
      • 冷気のアーマー系スキルがもっと固有のメリットで多様化させる
      • あまり使われていない電撃スキルについてもさらなるシナジーを模索することでビルドの多様性をもたらせるのではと見ている
      • ヒュドラなど火炎スキルのあまり使われていないものも見返している。インフェルノは極寒の息吹のように操作を改善して使いやすくしたい

傭兵の強化やキューブの新レシピなども

 また、“砂漠の傭兵”以外のあまり使われていない3種類の傭兵の強化なども予定。これも各クラスのバランス調整と同様、ローグの傭兵に新たな矢のタイプを足してAoEを効果的に行えるようにしたり、バーバリアンの傭兵にバトルクライを足して高レベル帯でのステータスの伸びを調整するなど、イメージに沿った形で強化を行い、有効な選択肢とすることを目指すとのこと。

 ちなみにラダーシーズンで登場予定の新ルーンワードには傭兵に関するものもあるとか。そのほか、セットアイテムが強化可能になるホラドリムのキューブの新レシピなども予定されている。