リズムゲームは万年シルバーランクくらいの腕前、西川くんです。ライアットゲームズより2021年11月17日に、Nintendo SwitchとPC(Steam、Epic Games Store、GOG.com)にて発売された、新作リズム&ランナーゲーム『ヘクステックメイヘム:リーグ・オブ・レジェンド ストーリー』。
本作はタイトルにもあるように、オンライン対戦ゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』(以下、『LoL』)の世界観とキャラクターをベースにしたスピンオフ作品。ライアットゲームズのパブリッシングレーベル“Riot Forge”からのリリースとなっており、開発は『Bit.Trip Beat』などで知られるChoice Provisionsが手掛けています。
本記事では『ヘクステックメイヘム:リーグ・オブ・レジェンド ストーリー』を遊んでみての、プレイレビューをお届けいたしましょう。なお、プレイはPC版で行い、ボタン表記は使用したXbox コントローラーのものを掲載いたします。
爆弾魔“ジグス”がリズムで爆破!
本作は何でも爆破してしまうジグスが主人公となっており、舞台となるピルトーヴァー(『LoL』の舞台設定にもある都市)を走り回りながら、何でもかんでも爆破してしまうリズム&ランナーゲーム。『LoL』をプレイされている方はご存じの通り、ミッドレーンでたびたび見かける、あのジグスが主人公なわけです。
また、ライバル役として革新的な発明家である、ハイマーディンガーが登場。現在Netflixで配信中のアニメ『Arcane(アーケイン)』にも登場していますよね。そんなふたりのコメディタッチなやり取りも見どころです
そうそう、ジグスとハイマーディンガーの日本語音声って、奇しくもふたりとも花江夏樹さんなんですよね(笑)。全編通して花江夏樹さん成分100%なので、ファンの方にもオオスメですよ。
ノーツに合わせてドカンとアクション!
さて、ゲームはステージ選択式。ステージはステージクリアー数やステージ内で拾い集めるギアの総数といった条件を満たすたびに開放されていきます。
ジグスはつねに画面右側に向かって、自動で走ります。そして表示されるノーツ(正式名称はアクションインジケータ)に合わせてボタンを押していくのが、本作の基本ルール。ボタンは、Aボタン(ジャンプ)、Xボタン(爆弾)、方向キー下、または左スティック下(急降下)、この3つしか使用しません。
一般的なリズムゲームですとミスはスコアはもちろんのこと、ゲーム進行などに大きく影響しますが、本作はミスしてもさほど進行に影響はありません。というのも、本作は“ノーツが表示されているけれども、中身はランゲーム”なのです。ノーツ自体を無視して、ジャンプや爆弾を使って進んでしまってもいいわけです。
もちろん、ノーツに従っていれば全部うまく進んでくれるので、楽にステージクリアー可能です。ノーツに従ってボタンを押しているだけで“アクションゲームがうまい人のプレイ”みたいな感じになるのが、とても気持ちイイポイントでした。
壁や敵などの障害物に触れるとミス扱いとなり、ジグスがダウン。リスポーンタイムを挟んだのち、ステージに戻されすぐリトライできるのもうれしいところ。しかもミスした地点を飛ばしてくれるので、難所も無視して進めちゃうわけです。
また、障害物に触れない限りはダウンせずに継続するので、二段ジャンプでごまかしながら、敵を避けたりすることも可能なんです。ミスに対してすごく優しいのが、リズムゲームが少し苦手な自分はうれしかったところでした。
もちろんミスすると得られるスコア自体は下がってしまうでしょう。スコアは“ブロンズ”、“シルバー”や“プラチナ”、“マスター”と、『LoL』のランク名になっています。パーフェクトクリアーをすれば“チャレンジャー”となるのが、ファンにはたまらないところ。
といったところで、本作はふつうに遊ぶと“気楽に爆破しながら遊べるカジュアルなリズムゲーム”といった印象になるでしょう。「じゃあ、ふつうじゃない遊びかたがあるの?」と疑問を抱くと思いますが、詳細は後ほど。
ハイマーディンガーとのボス戦も爆熱!
ステージをクリアーしていくと、節目にハイマーディンガーとのバトルが待っています。ジグスはロボットに乗って、さらに巨大なロボットに搭乗するハイマーディンガーと戦います。一般ステージとは違い、ジグスの体力がゼロになると、ステージ失敗となってしまいます。
ボス戦の操作もやはり、ノーツに合わせてボタンを押すだけ。ジグスが攻撃を回避しながらハイマーディンガーに向かってミサイルなどを飛ばしてくれるのがなんともカッコイイ。もちろんリズムゲームゆえノーツを追うのに忙しく、攻撃演出などをあまり見ている暇はないと思いますが(笑)。
なお、戦うにはロボットを製作する必要があり、そのためにはステージ中に散りばめられている光るギアを拾い集めなくてはなりません。ちょっとした収集要素もあるわけですね。
フリースタイルにボムをキメろ!
ここまでの説明では“ノーツに合わせてボタンを押すだけ”のリズムゲームに見えるかもしれません。ですが、ステージ内には秘密があります。じつは落ちている箱、壁に光る機械(ヘクステック)、敵兵、地面の光るポイント、バルーンなどは、すべて爆破・踏み付けが可能なんです。
しかも、すべて曲に合った配置となっており、たとえばギアが配置されているところは爆弾を投げると破壊可能。箱はジャンプの目印になっています。つまり本作は“ノーツに従うだけでもいいけど、じつは隠しノーツがたくさん配置されているリズムゲーム”なのです。これが“フリースタイルメイヘム”システム!
ノーツだけに従えば比較的サクサク進むのですが、すべての箱や光る床などを網羅しようとするとなると、これがもう大変! ギアに反応して爆弾を投げ始めようものなら、かなり上級者向けのステージへと変貌します。上級者はすべてのものを爆破するやり込みプレイが可能ですし、苦手な人はノーツ通りに行動すればゲームを進められる、というのがなんともいい塩梅。
なお、初見ですべてを達成するのはかなり難しいです。とくに二段ジャンプしなくてはならない地点にヒントがない場合もあるため、同じステージを何度もプレイして覚える必要があると感じました。
スキン変更や豊富な言語設定
ステージに1個だけ落ちている特殊なギアを集めると、ジグスのスキンと交換できます(本作内の話です)。『LoL』にも登場しているおなじみのスキンから、ティーモやジンクスに扮するユニークなスキンも使用できますよ。
また、オプションでは言語設定が可能で、多彩な国の言語で遊ぶことができます。音声もだいたい変更されるので、気分を変えたいときにはスキンだけでなく、言語設定を変えてみるのもオススメです。
気になる部分はあるけれど、楽しさは満点!
最後に、これから本作を始める皆さんに、いくつか注意ポイントを挙げましょう。まずPC版だけの問題かと思いますが、Alt+Tabなどでウィンドウを切り替えたりすると、再起動するまで日本語フォントの文字が表示されなくなる問題がありました。とはいえ、ライアットゲームズによると近日中に修正予定らしいです。
もうひとつは、筆者がこの原稿を書いている段階ではオプションに操作設定がないということ。ゲームパッド操作なら大きな問題はないかと思いますが(もちろん変えたい人もいるでしょうけれども)、PC版はマウス操作のみでキーボードには非対応なのです。
【PC版の基本操作】
- マウス左クリック:ジャンプ
- ホイールボタン:急降下
- 右クリック:爆弾
片手で遊べるのはユニークですが、とくにマウスホイールボタンでの操作は難しいので、ゲームパッドを用意するのがオススメ。操作設定のアップデートが来てほしい!
【2021/11/26 16時57分追記】
アップデートによってキーボード操作に対応したほか、操作設定も変更可能になりました。これでもっと遊びやすく!
曲はどれも、爆破に似合うノリノリサウンドが満載。コンボを連続でつなぐとドラム音が強まったりギター音が追加されたりする演出も、プレイしていて気持ちいいところでした。
ただ、ノリノリ系のBGMばかりなので、もう少しの楽曲がバラエティに富んでいたらさらによかったのかな、と少しだけ感じました。穏やかなチル系サウンドに爆発音を乗せるのもクールなのでは。
最後にちょこっと気になるところを挙げましたが、楽しさに変わりはありません。『ヘクステックメイヘム:リーグ・オブ・レジェンド ストーリー』は、リズムゲームとして純粋に楽しめました。初心者にも上級者にも遊びやすい、爽快なリズムゲーム。価格も1019円[税込]とお手頃なので、『LoL』を知らない人も、ぜひ遊んでみてほしい1本です。