『パワポケ』10年ぶり復活の経緯とは

 2021年11月25日発売のNintendo Switch用ソフト『パワプロクンポケットR』(以下、『パワポケR』)。プロデューサー・山本拓氏へのインタビューを実施!

 10年越しに発売された『パワプロクンポケット』(以下、『パワポケ』)シリーズの最新作は、どのように今般の発売にいたったのか。ファンの声で実現した『パワポケR』について、プロデューサーに話を訊く。

山本拓 氏(やまもと たく)

KONAMI『パワプロクンポケットR』プロデューサー(文中は山本)

Switch『パワプロクンポケットR』の購入はこちら(Amazon.co.jp)

『パワポケR』プロデューサー・山本 拓氏へインタビュー

アプリ『パワプロ』の反響から『パワポケR』は作られた

――10年ぶりとなる『パワプロクンポケット』シリーズの発売おめでとうございます。まずは、山本さんの担当と『パワポケ』に関わってきた経歴を教えていただけますか?

山本 ありがとうございます。私は『パワポケ8』の開発後期にすこしだけ参加したのが最初です。初めて参加したのは『パワポケダッシュ』ですね。その後、『パワポケ9』でプログラマーとして参加して、『パワポケ10』から『パワポケ14』まではシナリオにも関わりました。 そして、『パワポケR』ではプロデューサーを担当しています。

――久しぶりのシリーズ作品となりますが、しばらくはアプリ版を担当されていたのですか?

山本 そうですね。 スマートフォンの『実況パワフルプロ野球』(以下、『パワプロアプリ』)のプロデューサーでした。そのときに第1弾の『パワポケ』コラボがあって 担当していましたが、コラボ第2弾のときはすでに『パワポケR』の開発に移っていましたね。

――プロデューサーの中にはゲーム内容にはとくに口を出さないタイプの人もいますが、長らく『パワポケ』に関わってきた山本さんは、具体的な内容に口を出すこともあったのでは?

山本 昔からのファンが多いシリーズ作品ですので、 過去作品のテイストを変えないために、開発メンバーといっしょになって考える場面も多かったと思います。

――前作『パワポケ14』から10年ということもあり、コアなファンほどシリーズ作品の発売はなさそうだと考えていたと思いますが、発売にいたる経緯はどういったものだったのでしょうか?

山本 さきほどもすこし話に出ましたが、『パワプロアプリ』とのコラボを実施したときの反響が大きかったのが要因のひとつですね。

 その中で、「家庭用ゲーム機でもやりたい」という声をいただきました。そして、ファンの方の意見としては、 大きく分けて「今後も『パワポケ』を遊ぶとしたら、こういうコラボでの形になるのかな」という声と、「これが盛り上がったら家庭用ゲーム機で発売もあるんじゃないか?」というふたつの声がとても大きかったんですね。

 であるならば、「ファンの声に応えるには、 新作を作るしかないだろう」と。

『パワポケR』山本プロデューサーへインタビュー。「『パワポケ』らしさを損なわない現代における表現を模索した」

――なるほど。ファンの声が届き、開発がそれに応えるというのは、理想の形に思えます。

山本 そうですね、既存のファンに喜んでいただきたいのはもちろんのこと、新しい層にも『パワポケ』が届いてほしいと思っています。現在は昔に比べて野球を楽しむ子どもが減っているということもあります。

 今回の『パワポケR』復活を機に、 現代の子どもにも遊んでいただき、野球の魅力に気づいてもらえたら最高ですよね。『パワプロ』も『パワポケ』もファミリーですので、野球以外のバラエティー要素を楽しんでもらうことをキッカケに、今後どちらも盛り上げていければと思っています。

――昔からのコアなファンも、声が届いてすごくうれしいでしょうね。

山本 前作から10年という状況にもかかわらず大きな反響をいただいているのは、過去作品に魅力があったからこそです。その魅力とファンの熱量が生き続けていたからこそ、復活できたのだと思います。

――昔からのコアなファン、新しく遊ぶ子どもたちの両方に遊んでもらいたい作品であると。

山本 もちろん昔からのファンに楽しんでもらいたいと思いますが、『パワポケ』はバラエティー溢れる野球ゲームなので、現在の子どもたちにも楽しく遊んでほしいですね。

――『パワポケR』は、『1』と『2』のリメイクである『パワプロクンポケット1・2』の再リメイクという形になりますが、なぜ再び『パワポケ1』と『パワポケ2』を選ばれたのでしょうか?

山本 シリーズが復活するにあたって、シナリオをどうするかのパターンはいくつか考えました。ですが、『パワポケ』のシナリオは、第一作から『パワポケ14』まで、ずっとつながっている部分があり、途中の作品を出してもシナリオでわからない部分が出てくる可能性があると考えました。いまの世代の子どもたちにも遊んでもらいたいという意図もあって、シリーズの最初からやるべきだと判断しました。

――ということは、もしかしたら完全新作のシナリオで作成するという候補もあった、と。

山本 そういった可能性もあるにはありました。ただ、前作から10年の時間が空いていますので、続きもののシナリオを作るのはハードルが高いだろう、と。逆に、新シリーズでいきなり始めるのも、古くからのファンをガッカリさせてしまわないかという葛藤があり、今回は原点である初代『パワポケ』と『パワポケ2』から、という選択になりました。

――『パワプロアプリ』では、いわば途中の『パワポケ7』のコラボシナリオが入りましたが、パッケージ版ではまた事情が違いますしね。

山本 過去作にもいいシナリオがたくさんあるのが『パワポケ』の魅力なので、それをうまく活かしていこうという結論になりました。

――ファンのあいだで人気が高いサイボーグ編が収録された『パワプロクンポケット3』など、本作の人気次第では続きの可能性もあるのでしょうか?

山本 反響次第ではありますが、もし次回作があるのであれば、ファンの意向も取り入れたいとは考えています。ですので、まずは実際に遊んでいただいて、つぎはこうしてほしいなどの意見があれば参考にさせていただきたいですね。

――ちなみに、 タイトルの“R”という名前は、すぐに決まったのでしょうか?

山本 比較的すんなりと決まったと思います。Rという文字にはいくつかの意味を込めていて、リターン(Return)だったり、リボーン(Reborn)ですね。あとは令和(Reiwa)といった意味もあります。

――ああ、令和のR(笑)。

山本 はい(笑)。いろいろな意味を込めて、最終的にRの1文字にしようと決めました。

現代風にアレンジしつつも失わない『パワポケ』らしさ

『パワポケR』山本プロデューサーへインタビュー。「『パワポケ』らしさを損なわない現代における表現を模索した」

――リメイクに当たって、シナリオ内で表現や内容を修正したところはありますか? わかりやすいところだと“殺人クワガタ”や“身砕流北高校”が“地獄クワガタ”や“美才流喜多高校”などの名称に変更されていますが。

山本 表現やセリフに関して、昔は問題なかったようなものでも、現代では不適切と受け取られてしまう表現があります。ですので、お客様が見られたときに不快に感じるものがあるかもしれないところは修正する方向でした。ところが、修正しすぎてしまうと、今度は“パワポケらしさ”が消えてしまうことになります。『パワポケ』の味が残こるように、さまざまな意見も踏まえつつ調整していきました。

――いろいろと検討した結果、“身砕流北高校”が“美才流喜多高校”へ変更になったと……あまり変化がないようにも思いますが(笑)。

山本 いや、だからもう、そこが葛藤の結果でして!(笑) おもしろいポイントは残しつつも、「それだけでは類推できないよね」という温度感を探りながら、ひとつずつ落としどころを見つけながらやっていましたね。

――『パワポケ』の味わいと、現代のプレイヤーの受け取りかたのバランスを見極めつつ。

山本 プロデューサーとしては気を使わないといけないところですね。

――ちなみに、ちょっとおそるおそるお伺いするのですが、今回、CEROが“全年齢向け”から“12歳以上対象”に変更になりましたよね。

山本 そこも苦しいポイントではあったのですが。できる限り若年齢のお客様にも遊んでもらいたいと考えているので、全年齢向けを目指してはいました。ただ、そもそも極亜久高校は悪いことをする高校ですし、全年齢向けにしようとすると、『パワポケ』のよさを残すことができないと判断し、今回はそういうかたちに。

――CEROの審査と『パワポケ』らしさを天秤にかけて、らしさを優先することにしたわけですね。

山本 『パワポケ』のよさやおもしろさと、若い世代にも遊んでもらいたい気持ちのせめぎ合いの結果、いまの形に落ち着きました。

―― “らしさ”が変わらないのであれば、 昔からのファンも安心して遊べますね。 ちなみに、修正部分は原作を担当されていた西川直樹氏(『パワポケ』全シリーズに携わるシナリオ担当)が監修したのでしょうか?

山本 現在、西川は『パワプロアプリ』がメインですね。ただ、原作シナリオを担当していた張本人として、相談役みたいな形で何かあれば話をさせてもらいました。先ほどもすこし話が挙がりましたが、たとえば、センシティブな部分の修正をする際に相談する形ですね。

――過去の『パワポケ』シリーズに参加していたメンバーは山本さん含め、たくさんいらっしゃいますが、ほかにも本作の制作に参加しているのでしょうか?

山本 萩原(千香子氏。『パワポケ3』からデザインやユーザーインターフェース制作に携わる)には、本作でもデザインを担当してもらいました。ですので、ビジュアル面での『パワポケ』らしさは間違いないと思います。そのほかにも、過去作品でシナリオを担当していたメンバーがいます。

――『パワポケ』らしさでいうと、ダジャレアイコンがなくなったのが寂しいという声もチラホラと聞こえてきます。

山本 これに関しては、我々としても残したかった部分です。しかしながら、本作の野球部分には、快適に遊べる本家『パワプロ』のシステムを使いたいと考えていました。 前作から10年ぶりというタイミングで発売したいという思いもありまして、苦渋の選択でしたが今回は実装を見送ることにしました。

――たしかに、 アイコン作成のために開発期間が延びるのは本意ではないですよね。

山本 もし次回作を作る機会があれば、『パワプロクンポケット3』は選手育成がパーツ制になっているので、ああいったアイコンを現代風にして、復活させることができればいいなとは思いますね。

――ちなみに、 タイトル画面での「パワプロクンポケット」の声は新録されたのでしょうか?

山本 じつはこの声は、当時の音源が残っていまして、そのまま使用しているんですよ。

――おお、それはなんというか、“エモい”お話ですね(笑)。

「『パワポケ』らしさを損なわない現代における表現を模索した」

『パワポケR』山本プロデューサーへインタビュー。「『パワポケ』らしさを損なわない現代における表現を模索した」

現代風に調整されたサクセスやシステム

――サクセスに関して、 現代に合わせて原作と比べて調整したところはありますか?

山本 やはり時代の違いがありますから、難度は下げていますね。昔のテイストを残しつつも、現代の子どもたちが遊んだときに難しくて投げ出してしまわないように調整したつもりです。

――それは野球部分で?

山本 野球部分に関しては、難度設定があるので、それを調節すれば大丈夫だと思います。

――アナログスティックでの打撃が、けっこう難度が上がっているような気も......。

山本 過去の『パワポケ』しか遊んだことがないと、十字キーでしか遊んだことがない人もいると思います。本作でも“デジタル打ち”を選べば方向ボタンでの操作も可能になっているので、もし操作に慣れていないという場合には、そちらを試してもらえればと思います。

――あと、 投手育成時に変化球が打たれやすいような感じがします。気のせいですかね?

山本 おそらく......気のせいかと(笑)。

――あら。『パワプロ』では、ボールになるストレートを投げてから変化球で勝負すると打たれにくかったと思うんですが、本作では逆に直球勝負のほうが打ち取りやすい気がしまして。

山本 本作のベースにした『パワプロ』のシステムと、現在の『パワプロ』ですでに枝分かれはしていますので、そういった部分で違いが生まれてはいるとは思います。

――『パワプロ』と『パワポケ』でいうと、これまでは据え置きゲーム機と携帯ゲーム機で、役割が違ったと思います。今回、Nintendo Switchでどちらも発売されることになりますが、どういった住み分けなのでしょうか?

山本 過去の『パワポケ』はNPBライセンスを搭載していましたが、本作ではあえて搭載していません。これも住み分けのひとつと考えています。野球好きが野球ゲームとしてがっつり遊ぶ『パワプロ』と、野球も野球以外の要素も遊べるのが『パワポケ』の役割だと考えています。

――より広い層に向けて、ストライクゾーンが広いのが『パワポケ』であると。

山本 そうですね。加えて、『パワポケ』は、くせ球ではありますけど(笑)。

――(笑)。ちなみに、サクセス選手のデータは移行できるのでしょうか?

山本 現在、『eBASEBALLパワフルプロ野球2020』の選手を本作に持ってくることが可能になっています。今後、『パワプロ』の新作が発売されるときには、本作の選手データを引き継がせることができればいいなと考えています。

――シナリオ部分での難度調整はいかがでしょうか?

山本 原作に比べると少し緩和されていますね。たとえば極亜久高校編の場合、ミニゲームをクリアーして部員を集めていきますが、 最初に9人集まらないとゲームオーバーになってしまうので、集まりやすいようにしました。

――たしかに“あっちむいてバキッ!”は、昔と比べて簡単になっていた気がします。

『パワポケR』山本プロデューサーへインタビュー。「『パワポケ』らしさを損なわない現代における表現を模索した」

山本 ほかにも、戦争編はツキの初期値が高くなっていていて、比較的生き残りやすくなったと思います。とはいえ、後半は遠慮がないので、200週を目指そうと思うとツキを超えた運が必要になると思いますけど(笑)。

――(笑)。200週生存を目指すのはなかなか難しいです。コツがあれば教えてください。

山本 ダイジョーブ島をうまく活用するのが、長く生き残るコツですね。 各戦場には“この時期は嫌なイベントが起こる”といった傾向があるので、そういうタイミングでダイジョーブ島に逃げられると長生きできると思います。それに、ダイジョーブ島は爆撃がこないので、体力管理がしやすいかもしれません。とはいえ、最終的には運次第、ということになるのですが(笑)。

――本作では自分で“転生”が可能になりました。当時は本体2台とソフト2本を用意してケーブルでつなぐ必要があってたいへんだったので、これも難度の緩和と言えるかもしれませんね。

山本 いろいろ検討した結果、ひとりでも楽しめるように、自分で転生できるように変更しました。本作でアルバムをすべて埋めようとすると転生が必須になるので、ぜひ転生を駆使してアルバムコンプリートを目指してみてください。今回、『パワポケ』の生みの親である藤岡さん(藤岡謙治氏。『パワポケ』シリーズのイラストを担当。現在はドリル代表)に、アルバムのイラストを描き下ろしていただきました。アルバムのコンプリートイラストも描き下ろしです! そのほか、各モードの扉絵も藤岡さんのイラストですので、昔ながらのファンの方にはそういった部分も楽しんでもらえればと思います。

――転生を使ったほうが集めやすいイベントなどはありますか?

山本 彼女と付き合った状態でクリアーした選手を転生すると、彼女と付き合った状態でゲームがスタートします。ですので、彼女関連のイベントを集めたい場合は、転生を活用するのがオススメですね。とくに、全員と付き合うエンドを目指す場合、転生をしないとなかなか難しいかもしれません。

――そのほか、本作の“こだわりポイント”があれば教えてください。

山本 野球のアクションは『パワプロ』を踏襲しつつも、見た目に関しては『パワポケ』らしさを大切に作りました。メインセレクト画面のイメージや、ランクのフォントは『パワポケ』独自のものですので、そのあたりを楽しんでもらえればと思います。

山本 過去作にもいいシナリオがたくさんあるのが『パワポケ』の魅力なので、それをうまく活かしていこうという結論になりました。

――ファンのあいだで人気が高いサイボーグ編が収録された『パワポケ3』など、本作の人気次第では続きの可能性もあるのでしょうか?

山本 反響次第ではありますが、もし次回作があるのであれば、ファンの意向も取り入れたいとは考えています。ですので、まずは実際に遊んでいただいて、つぎはこうしてほしいなどの意見があれば参考にさせていただきたいですね。

『パワポケR』山本プロデューサーへインタビュー。「『パワポケ』らしさを損なわない現代における表現を模索した」

「若い世代も楽しめるバラエティ要素が『パワポケ』には必要」

『パワポケR』山本プロデューサーへインタビュー。「『パワポケ』らしさを損なわない現代における表現を模索した」

子どもたちがワイワイと楽しめるアクション重視の新モード

――新モードとなるサイバーバルですが、どういったコンセプトで作られたのでしょうか?

山本 コアなファンだけでなく、いまの若い人にも遊んでもらうことを念頭に考えました。協力や競争をしながら、ワイワイ楽しめるモードがあったほうが、遊んでもらいやすくなると考えて、協力型のアクションを採用しました。

――どんな内容にするかといった、アイデアの発端は何かあったのでしょうか?

山本 協力して遊べるもの、 それでいて『パワポケ』の裏サクセスっぽい雰囲気のモードを模索していました。『パワポケ10』にバトルディッガーという裏サクセスがありましたが、当時はローグライクだったものを、いまの若い人向けにアクションにして、過去のモンスターを出していくといった流れででき上がりました。

――裏サクセスを考えるときに、いつもどういう発想で考えるのでしょうか?

山本 野球のことは考えずに、まずはやりたいことを考えますね(笑)。開発メンバーからいろいろアイデアを募って、 その中で「これならこうすればイケるんちゃうか?」となれば、 作り始める感じですね。

――ちなみに、ボツネタってありましたか?

山本 今回ですとバトルロイヤル系のモードは考えました。後は、表サクセス寄りのゲーム性で、ミニゲームをくり返して育成するものですね。バーベルを上げると筋力が上がるといった感じで4人で育成するモードは考えました。

――『パワポケ』でバトロワ! それも遊んでみたいですね(笑)。話は戻りますが、サイバーバルは初期機体の攻撃力が低く、難度が高めな印象です。オススメの機体や戦法はありますか?

山本 たしかに攻撃力は低いですが、機動力があって弾を避けやすいので、最終的には初期機体がいちばん使いやすいかもしれません。ただし、ステージ2以降は「この機体がいちばん楽!」という機体が想定してありますので、基本的には新しく手に入れた機体を乗り換えていくと、戦いやすいと思います。

――サイバーバルと通常のサクセスだと、どちらが強い選手を作りやすいのでしょうか?

山本 基本的には大きく偏らないように作っているつもりです。 サイバーバルに関しては、1回クリアーしたあとは、時間あたりの選手の作りやすさは上だと思います。とはいえ、パーツを組み合わせて作るので、狙った能力の選手を作ることは難しいです。尖った選手を作ったり選手数を増やしたいならサイバーバル、狙った能力を作りたいなら通常のサクセスといった感じでしょうか。

―― 4人同時に遊びながら選手を作るのが新鮮でした。複数人で遊ぶ場合、ひとりで遊ぶ場合と比べて、難度や完成する選手にどのような違いがありますか?

山本 複数で遊べば遊ぶほど難度は下がると思います。敵の体力は少し増えるのですが、ダウンしたときに仲間に助けてもらえますから。4人で遊ぶほうが早くクリアーできますので、当然ながら選手育成の速度も上がります。報酬自体はひとりで遊んでも4人で遊んでも変わりませんので、ご安心ください。

――この後、“俺のペナント”やミニゲームの複数人プレイのアップデートも予定されていますが、開発は順調でしょうか?

山本 鋭意制作中です。まずは、ミニゲームの複数人プレイのアップデートを予定しているので、そちらを遊んでみてください。俺のペナントに関してはもう少し後になりますが、楽しみにしていただければと思います。

――そのほか、アップデートやイベントなどは考えていらっしゃいますか?

山本 俺のペナント以降にも、何かしらアップデートをできればと考えています。バランス調整や不具合の修正ではなく、ちょっとしたものにはなりますが追加でできることを増やしたいと思っておりますので、続報をお待ちください。

――楽しみにしています。では、新作を期待する声も多いですがファンにひと言お願いします。

山本 ファンの皆様の熱い声があったからこそ、10年ぶりに『パワポケ』の新作が発売できました。本当にありがとうございます。まずは『パワポケR』を楽しんでもらって、そして熱い声をさらにいただくことで、次回以降のよりよいものにつなげていければと思いますので、よろしくお願いします。

――お! なんだか期待が持てそうな発言!! とは言えまずは、本作がたくさん売れればですよね。

山本 まあ……(笑)。 でも、 売れる以上にファンの方に楽しんでもらうことが第一ですので、まずは思いきり遊んでもらえればと思います!

『パワポケR』山本プロデューサーへインタビュー。「『パワポケ』らしさを損なわない現代における表現を模索した」

ちなみに

 週刊ファミ通2021年12月9日号(2021年11月25日発売)では、『パワプロクンポケットR』の発売記念特集を掲載! 藤岡謙治氏の描き下ろしイラスト表紙が目印なので、ぜひ手にとってみてほしい。

『パワポケR』発売記念特集掲載の週刊ファミ通はこちら(Amazon.co.jp)