2021年11月20日、21日の2日間、東京ビッグサイトにて国内最大規模のアナログゲームイベント、ゲームマーケット2021秋が開催された。ここ2年ほどはオリンピックの関係で青海展示棟が使われていたが、今回は西展示棟の西1ホール・西2ホールと以前使っていた場所での実施となった。
感染予防対策は引き続き行われており、試遊スペースを設けているのは一部の企業ブースのみ、場内は一定人数以上にならないよう入場制限をかけていた。何から何まで“例年どおり”という状況とはいかなかったものの、それでもゲームマーケットというイベントを待っていたボードゲームファンは多く、とくに1日目に関しては入場待機の行列がりんかい線の国際展示場駅まで伸びるほどだった。
主催者発表によると、今回のゲームマケットは2日間合計で18000人(コロナ禍前の2019年秋は29300人)の来場者数だったとのこと。
そんな今回のゲームマーケット、筆者がチェックした中で「これはオススメ(に違いない!)」というゲームを5本をお届けしたい。
アークライトとオインクゲームズがコラボ! 『タイガー&ドラゴン』
まずはいちばんの話題作だった、アークライトとオインクゲームズのコラボタイトル『タイガー&ドラゴン』を紹介せねばなるまい。
ルールは伝統ゲームの『ごいた』をベースにしており、2vs2のチーム戦はもちろん、2~5人の個人戦でも遊べるようにデザインされている。『ごいた』は将棋に似たコマを使うが、こちらは麻雀牌に似たもので、触り心地や重さもちょいどいい感じだ。
まず目につくのはパッケージデザインだ。タイトルにあるとおり、龍と虎がデザインされたものになっているのだが、じつにかっこいい。もうこれだけで買ってしまいそう。
アークライトによる『ごいた』アレンジなゲームルールと、オインクゲームズによるコンポーネントデザインということで、ボードゲームファンが大注目。残念ながら筆者は両日とも行列途中で「売り切れです!」とアナウンスを聞くはめになった。一般発売時にはぜひとも入手したいと思っている1本だ。
発売日は12月中旬、価格は3850円[税込]。
『タイガー&ドラゴン』の購入はこちら (Amazon.co.jp)日本サメ映画学会の全面協力で作られたサメゲー!『シャークインパクト』
ともあれ、本作のパッケージを見てほしい。
このB級パニック鮫映画テイストな雰囲気! 映画『シャークネード』シリーズファンな筆者としては、このゲームを見逃すわけにはいかない。
プレイヤーは鮫映画『シャークインパクト』の登場人物になりきって、襲ってくる鮫から逃げ切ればオーケー。ゲーム終了時に鮫カードを持っていなければ勝利となる。
本作はカードの鮫イラストがじつにいい。日本サメ映画学会の協力により、ダブルヘッドシャークやレーザーシャークなどいかにも鮫映画に出てきそうなのがてんこ盛り!
そんな『シャークインパクト』はアークライトより好評発売中。価格は2530円[税込]。
『シャークインパクト』の購入はこちら (Amazon.co.jp)『ぷよぷよ』の米光氏が作ったボードゲーム『あいうえバトル』
『昼ドラ川柳』で一躍有名になったAnagumaから出展された新作は、米光一成氏(『ぷよぷよ』など)ゲームデザインによる『あいうえバトル』だ。
このゲーム、もともとはビデオ会議でも遊べる紙ペンゲームとして2020年に無料で公開・発表されたものを製品化。対面で遊ぶときにわかりやすいコンポーネントとなっている。
言葉当てワードゲームで、テーマに沿って各自7文字の単語を秘密裏に書き、順番に「え」「か」など1文字ずつ指定して、全部の文字を当てられたら負け、というもの。
米光一成氏のnoteでルールと無料版のシートが公開されているので、そちらもチェックしてみよう。
一般流通は12月より、価格は3850円[税込]を予定している。
『まどか☆マギカ』の劇団イヌカレーによるアートワーク!『ウィキッド・ラビリンス』
タクティカルゲームズの新作『ウィキッド・ラビリンス』は、『ウィキッド・フォレスト』に続く“ウィキッド”シリーズ第2弾。アートワークは、『魔法少女まどか☆マギカ』の異空間設計を担当した劇団イヌカレー・泥犬氏。もうイラストを見ているだけで引き込まれてしまう世界観で、部屋に飾るとそれだけで摩訶不思議な空間に包まれそうだ。
ゲームのジャンルは“迷宮探索心理戦ゲーム”となっており、牛の頭を持つ魔女が棲む迷宮を探索して、より多くの勝利点を獲得したプレイヤーが勝利となる。一般販売は12月8日、価格は3960円[税込]。
また、タクティカルゲームズは2022年発売タイトルとして、『ライズオブニューソブリンズ』を発表。『ニーア』シリーズや『エースコンバット7』のコンセプトアートを担当した幸田和磨氏が参加しており、大きな注目を集めている。
#ゲームマーケット2021秋 2日間ありがとうございました。タクティカルゲームズは来年のキックスターター新作『アトラスロスト:ライズオブニューソブリンズ』に向けてがんばります。
NieRシリーズのコンセプトアーティスト幸田和磨さん… https://t.co/gNuoHk4eVF
— タクティカルゲームズ (Tactical Games) (@TacticalGamesJP)
2021-11-21 21:07:02
ジェリカフェ新作はふたり専用協力ゲーム!『TWO ROOMS』
じつは協力ゲームが好きだったり、ふたり専用ゲームが好きだったりする筆者なのだが、JELLY JELLY GAMESからふたり専用かつ協力ゲームがリリースされる!という情報を聞きつけた。見せてもらおうとブースに出向いたら、ゲームの作者さんもいらっしゃったので、早速話を聞いてみた。
新作『TWO ROOMS』を作ったのは、YUTRIOというゲームデザインチームの秋山昂亮氏と高津勇星氏。ゲームマーケット2020秋に向けて初めてボードゲームを作ったのが本作だという。
「もともと自分たちが協力ゲームが大好きだったのですが、ふたり専用の協力ゲームってあんまりないな、ということに気がついて、作ってみることにしました」というキッカケで発案したとのこと。吸血鬼が棲む洋館にさらわれた少女を助けるというのがゲームの目的となる。
本作の特徴は、プレイヤーが交互に目を閉じてゲームを進める、という点だ。ひとりが山札からカードをめくってプレイしているあいだ、もうひとりのプレイヤーは目を閉じていなければならないのである。ふたつの部屋のどちらかでカード効果を発揮させるのだが、目を閉じているほうのプレイヤーはどのカードをどっちに入れたのかわからない。
もうひとりがどのカードを引き、どっちの部屋にそのカードを入れたのか……を推理していくのが本作の楽しさだ。
パッケージの箱を使ってドアを表現した、いままでにないコンポーネントが発売前からTwitterでバズり、ゲムマ2020秋では200個が即完売した。
これをJELLY JELLY GAMESが製品化!という流れになるのだが、代表の白坂翔氏にその詳細を聞くと「じつはYUTRIOのふたり、JELLY JELLY CAFEの店舗スタッフだったんです」とのこと。お店に本作を置いたところ、多くのお客さんが遊んでくれたことで手応えを感じ、製品化を決定したという。
「JELLY JELLY CAFEではカップルなどふたり組のお客様も多く、ふたりで遊べるゲームの需要が高まっているんです。協力ゲームも人気あるジャンルなので、これはぜひ製品化しよう、となりました」(白坂氏)とのことで、ボードゲームカフェ的にも大歓迎なタイトルだったようだ。
オリジナルと比較すると、製品版はカードが大きくなって見やすくなったが、イラストはそのまま。また追加カードにより難易度も再調整されたとのこと。
筆者のふたり用ゲームコレクションに、ヘビロテするゲームがまたひとつ増えそうだ……!
一般発売は12月3日で、価格は2200円[税込]。
JELLY JELLY GAMESではもう1本、ふたり用新作があるということで、そちらも見せていただいた。
この『セカンドベスト』は、自分のコマを4マス連続しておくか、同じマスに3個重ねて置くことができれば勝利というアブストラクト(運要素なし)ゲーム。こちらはゲームマーケット2019春にQliosより発売されたものを、JELLY JELLY GAMESで製品化となった。
本作の特徴は、相手に「セカンドベスト!」と宣言されたら、別の場所に置かなければならないという、いわゆる「待った!」がゲームシステムに組み込まれていること。
木製ボードに木製コマで、オシャレかつ高級感のある仕上がりになっている。
こちらも一般発売は12月3日で、価格は4400円[税込]。
気になったボードゲームはまだまだある!
ということで、気になったボードゲームを写真で一気に紹介していきたい。