感染するとゾンビ化してしまう恐るべきウイルスが蔓延する世界を探索する『ダイイングライト2 ステイ ヒューマン』。

 対応ハードはNintendo Switch(※)、プレイステーション4、プレイステーション5、Xbox One、Xbox Series X|S、PCとなっており、2022年2月4日の発売を予定。2015年に発売された『ダイイングライト』の20年後が舞台となる作品で、新たな主人公、エイデンの視点から物語が描かれる。

※Nintendo Switch版はクラウドバージョンとなります。

『ダイイングライト2 ステイ ヒューマン』プレイレビュー。ゾンビひしめく街を飛び回れ!“自由さ”と“不自由さ”が見事に調和した爽快感バツグンのオープンワールドゲーム

 爽快感溢れるパルクールアクションや、凶悪なゾンビたちと戦っていくやりごたえのあるゲーム性はそのままに、さまざまな要素がパワーアップを果たしている本作。

 2021年11月某日。本作の初となる体験会が、メディア向けに開催された。今回の体験会用に特別に用意されたバージョンのゲームデータをプレイすることができたので、その魅力やゲームシステムについて紹介していく。

 また、今回の体験会のプレイ動画もあわせて掲載。初の実機映像となるので、シリーズのファンならずとも必見の内容だ。

※本記事で掲載する動画・スクリーンショットはすべてPC版のものです。また開発中のため、ゲーム内の一部のUIが英語表記のままになっている箇所があります。

『ダイイングライト2』PC版レビュー。ゾンビがはびこるオープンワールドで進化したパルクールアクションを体感せよ

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『ダイイングライト2 ステイ ヒューマン』プレイレビュー。ゾンビひしめく街を飛び回れ!“自由さ”と“不自由さ”が見事に調和した爽快感バツグンのオープンワールドゲーム
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慣れるほどに爽快感が増すパルクールアクション

 『ダイイングライト』シリーズを語るうえで欠かせないのが、さまざまな障害物をものともせずに乗り越えて進んでいくパルクールアクションの存在だ。

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 本作では、R1(プレイステーションハードの場合)ボタンがジャンプボタンとなっており、上を向いた状態でボタンを押すことで、障害物を飛び越したり、乗り越えたりできるようになっている。

 エイデンはとある事情から超人的な能力を持っており、通常の人間では到達不可能な高さまで軽々と上ることができる。一見すると「ここは無理かも」と思えるような場所でも、視点をギリギリまで上に向けた状態でジャンプボタンを押すと、腕を伸ばして這い上がることができるのだ。

 序盤こそ上れる場所と上れない場所の判断に迷うが、少しゲームをプレイすれば、「ここは上れるな」と判断できるようになるはず。プレイヤーが成長すればするほど、爽快感のあるパルクールアクションを楽しむことができるのが、本作の魅力のひとつと言えるだろう。

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 また、ゲームを進めると手に入るパラグライダーを利用すると、エイデンの移動範囲はさらに広がる。

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 パラグライダーを使えば、目がくらむような高所から飛び降りても無傷で着地できる。上昇気流がある場所なら、それに乗ってさらなる高台に降り立つことも可能となっている。

 オープンワールドゲームといえば、東西南北さまざまな場所を自由に行き来できるのが魅力のひとつだが、本作ではこれらのアクションを用いることで、プレイヤーの行動範囲を垂直方向にも広げられるようになった。マップの広さは前作比でほぼ2倍となっているが、建物の中や屋上など移動できる場所が広がっているため、体感としては数倍ものボリュームを秘めていると言っても過言ではないだろう。

 余談だが、上昇気流に乗ってパラグライダーで移動するのが、かなり楽しい。本作では木箱やプラスチックケースにアイテムが入っているのだが、上昇気流で上がった屋上などにアイテムが隠されていることも多く、RPG的な探索が楽しめる。目に見える場所にはほぼすべて足を運ぶことができるので、探索のしがいがあるというものだ。

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ゾンビの生態系と連動した探索要素

 『ダイイングライト2』の舞台となる都市”ザ・シティ“を含むこの世界には、人をゾンビ化させるウイルスが蔓延している。ウイルスの影響により、人々は文化的な暮らしを営むことが難しくなり、世界は暗黒時代に突入した。

 地上には大量のゾンビが溢れているため、人類は建物の屋上や、バリケードの中を生活空間として利用せざるを得ない状況になってしまっている。

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 ウイルスが蔓延したのは本作のゲーム開始時から15年前のこと。エイデンは幸運なことに、その期間を健康に生きてきた。しかし、ついに感染してしまい……というところから物語が始まる。

 ゾンビは基本的に地上を徘徊しているので、パルクールアクションで高台から高台へと移動していけば、ゾンビに襲われることはほとんどない。また、通常のゾンビは動きが鈍重なので、地上にいたとしても素早く移動すれば、攻撃を食らうことも少ないと感じた。

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 前述の通りゾンビをやり過ごすことは造作もないが、いざ戦うとなると話は別だ。この世界では、重火器などの高度なテクノロジーはほぼ失われている。そのため、プレイヤーは斧などの近接武器を使わざるを得ない。

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 今回の体験会では、オープニングから4~5時間ほどゲームを進めた状態のデータをプレイできたのだが、まだ序盤なため戦闘面においては育成が進んでいないということもあり、大勢のゾンビを相手にしたときは、成すすべもなくゲームオーバーになってしまった。

 この先、戦闘スキルを伸ばせばどうなるかわからないが、正面切ってゾンビを蹴散らしていくのではなく、基本的にはゾンビを避けて進み、要所要所で戦っていくようなゲームバランスになっていると感じた。

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 ちなみに、ゾンビの頭上に表示されている数字は、そのゾンビの脅威度を表すレベルのようなもの。数値が高くなればなるほど、プレイヤーにとって脅威の存在であることを示している。

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 また、本作には昼夜の概念があり、昼と夜とでは、プレイヤーが取るべき行動も変わる。

 ゾンビは日光に弱いため、大多数のゾンビは昼のあいだ、建物の中に隠れている。そして、夜になると建物の外に出てきて、徘徊を始める。これがゾンビの行動サイクルだ。

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 プレイヤーがこなすべきミッションには、建物内を進むようなものも存在する。そういったミッションの場合は、ゾンビが街にくり出す夜間を狙ったほうが危険度がグッと下がるだろう。

 ただし、夜間の行動には“ソンビ化”の危険が伴っていることを忘れてはいけない。

 プレイヤーであるエイデンを含むほぼすべての人類はゾンビ化のウイルスに感染しており、このウイルスを除去する方法はいまのところ確立されていない。だが、日光に含まれる紫外線を浴びれば、ゾンビ化の症状を後退させられることがわかっている。

 そのため、人類の拠点となる場所には、紫外線照射装置のようなものが存在する。この紫外線照射装置が照らされている場所や、日光が当たっている場所にいる限りは、ゾンビになることはない。

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 しかし、日光が当たらない建物の中や、夜間に紫外線照射装置のある拠点から離れると、即座にゾンビ化のカウントダウンが始まる。このカウントは画面上部に表示されるメーターで確認可能だ。

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 このカウントダウンが、意外と早い! 夜間に拠点を設けずに行動範囲を広げていくのは、文字通り自殺行為。じっくりと探索するのは日中に限定し、ミッションなどで建物の中を探索する場合は、夜間に素早く、というのが本作のセオリーになりそうだ。

 さらに、夜間はゾンビから逃げ回っていると、画面中央に“CHASE LVL”が表示されるようになる。このレベルはゾンビからの注目度のようなもので、高くなればなるほど、より手強いゾンビが襲いかかってくるようになる。レベルが2に上がったときに出現する高速ゾンビ(名称わからず)は、逃げても逃げてもプレイヤーに追ってくる非常に厄介な存在。ゾンビから逃げたい場合は、地面を走らずに屋根などに上ったほうが安全そうだ。

 そうか。人はこうやって屋上に住むようになったのか。

プレイヤーの選択が物語の行方を左右する

 行動範囲を広げるには、拠点となる場所を増やしていく必要がある。マップ上には停止した変電所が点在しており、これを再稼働させることで、プレイヤーやほかの人間たちの拠点として利用できるようになる。拠点にいれば、夜間でもゾンビ化のカウントダウンが進まないうえ、ベッドを利用して体力を回復させたり、昼夜を切り換えたりできる。この拠点を増やすことで、より遠くへの探索が可能となる。

 変電所を稼働させる場所はちょっとしたアスレチックのようになっており、パルクールアクションを活用して頂上まで進む必要がある。ものによっては少し頭を捻って足場を見つける必要もあるため、風車の起動ボタンまでたどり着けたときは、ちょっとした達成感を味わうことができるだろう。

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 さらに、メインストーリーには、プレイヤーの選択が大きく影響するというのも本作の特徴だ。

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 本作には、“サバイバー”、“ピースキーパー”、“レネゲイド”という、それぞれ異なる理念を持って活動している集団が存在する。エイデンは中立な立場ではあるが、ひとつのエリアのメインミッションをクリアーすると、訪れたエリアをサバイバーかピースキーパーのどちらかに委ねるかの選択を迫られることになる(レネゲイドは、基本的に敵対勢力)。どちらかの勢力に加担するか、それとも中立を保つのか……。明言はされていないが、そういったプレイヤーの選択によって、メインストーリーが異なるシナリオへと変化していくのだろう。

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 また、今回のプレイでは体験できなかったが、成長システムは基本的には前作を踏襲しているという。パルクールアクションを行えば、それを成長させる経験値が溜まる。また、戦いをくり返せばそれに対応した経験値が溜まり、敵を倒しやすくなるスキルが覚えられるようになる。

 さらに、開発者へのインタビューによって、フィールドを探索して“インヒビター”を3つ集めると、スタミナやヘルス(体力)を増やすためのポイントが溜まるシステムであることも明らかになった。これらの成長をどのように割り振るのかは、プレイヤーによって差が出てくる部分だろう。

遊ぶごとに気持ちよさを増すゲームシステム

 今回のメディア体験会で確認できた内容は以上だ。前作を踏襲しながらも、さまざまな要素が進化した本作。広大なマップは巡るだけでもかなりの時間を要し、それだけプレイヤーを楽しませてくれる。開発者のTymon Smektala氏のコメントによると、メインストーリーだけを追って駆け足でプレイしていくと20時間ほどでクリアー可能だが、寄り道などを含めると優に100時間、あるいはそれ以上もゲームをプレイできるという。これだけでも、本作が持つボリュームを感じ取っていただけるだろう。

 オープンワールドで構成された広大なエリアと、そこで待つ多彩なミッション。どのようにクリアーしていくのかは、プレイヤー次第だ。パルクールを活用したアクションは前作からさらに進化し、縦横無尽にマップ内を移動できるようになった。移動面においても、本作では圧倒的な自由を感じ取ることができるだろう。

 今回プレイできたのは3時間しかなかったが、その短時間でもこれだけの充実度を見せた本作。発売は2022年2月4日ということでまだ少しあるが、このレビューを見て本作への思いを馳せつつ、いましばらくお待ちいただきたいところだ。

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