日本では落ち着きをみせつつも、まだまだ油断は禁物の新型コロナウイルス。「外に遊びにいきてー」と心の中で叫ぶことしばしばな方が多い今日このごろだと思うが、皆さんいかがお過ごしだろうか。
抑圧された毎日にフラストレーションが溜まりがちな人におすすめ……かどうかはわからないが、2021年10月27日にちょっと気になるゲームが発売されたのでプレイさせていただいた。
そのタイトルとは、ユービーアイソフトよりプレイステーション4、プレイステーション5、Xbox Series X|S、 Xbox One、PCで発売中の『ライダーズ リパブリック』！ 本稿では、このなんでもありの自由すぎるオープンワールドレースゲームをプレイした感想を、レビュー記事として掲載する。
本作で味わえるのは、大自然の中を簡単操作で自由気ままに走り回る爽快感や、ハイスピードでコースを駆け抜けるときに味わえるスリル！ サイクリングやウィンタースポーツ好きだという人なら間違いなくハマれる本作の魅力の一端を、本稿から感じ取っていただけるとうれしい。
『ライダーズ リパブリック』(PS4)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『ライダーズ リパブリック』(PS5)の購入はこちら (Amazon.co.jp)陸から！ 空から！ 大自然を駆け抜けろ！
本作は、アメリカの架空の国立公園を舞台に、自転車、スキー、スノーボード、果てはロケットウィングなどの“ギア”を使ったレースに挑戦していくゲームとなっている。
ゲーム中のマップは、ブライスキャニオン、ヨセミテ渓谷、セコイア国立公園などなど……アメリカのさまざまな観光地やランドマークがギュッと詰まったデザインになっており、これらの大自然の中を思う存分駆け回ることができる。
舗装された道路もあるが、そこだけを移動するのはもったいない。オフロードや森林の中、急勾配の雪山など、ほぼすべての場所をギアを使って走れるのが特徴。プレイヤーに進めぬ場所はない。現実では危なくて走れないような悪路でも、スイスイ～と走り抜けられるのが魅力だ。
未踏のフィールドにプレイヤーが足を踏み入れると、少しずつマップの霧が晴れ、オープンワールドの全容が明らかになっていく。だが、本作におけるフィールドは超がつくほど広大で、ちょっとやそっとプレイしたくらいでは、とても走破できない。まずは、後述するレースに挑戦しつつ、少しずつマッピングしていくのがおすすめだ。
このフィールドを走破していくプレイが非常に楽しい。美しい自然の中を走り抜けていくと、新たなギアや、アメリカのさまざまなランドマークとなるポイントを見つけることができる。最初は何もなさそうなポイントでも、マッピングが完了すると画面に目的地が表示されるようになる。しらみ潰しにマップを巡ることは不要で、サクサクとポイントの回収ができる親切設計となっている。
これらの要素を回収していくとプレイヤーの成長に必要な“スター”を手に入れられるため、やり込みにもひと役買っている。お楽しみ要素が成長に直結しているのは、ゲーマーにとってうれしいシステムと言えるだろう。
また、さらにうれしいポイントとして、本作はファストトラベルが超優秀なことにも触れておきたい。筆者はプレステーション5で本作をプレイしているが、マップを開いてファストトラベルで離れた場所を選択すると、過言ではなく本当に一瞬で現地まで飛ぶことができる。ロードによる画面切り換えなどはいっさい挟まれないため、非常に快適だ。
また、ファストトラベルは、行ったことのあるレースなどの“イベント”がある場所や、ファストトラベルのポイントになら、無料で利用可能。それ以外の場所にも、ゲーム内通過である“BUCKS”を1000支払えば、マッピングされている場所ならどこでもファストトラベルできるから驚きだ。
通常のゲームではファストトラベルできるポイントが限られていることが多いが、本作は本当にどこでも瞬時に移動できる。
レース中もマッピングは自動で行われているので、レース終了後にまだチェックしていない新しいギアやランドマークがマップに出現することも多い。だが、現在地からそのポイントまで、わざわざ走って行く必要はまったくない。そのポイントの近くにファストトラベルすればいいし、それも面倒なようなら“BUCKS”を支払ってポイントの真横に移動すればいい。やりこみ要素の回収も、本当にサクサクだ。
さらに、まだマッピングが完了していない場所に行くのも、非常に簡単。ゲームを少し進めると、空を自由に飛ぶことができるロケットウィングを入手することができる。これを使えば、未踏の場所にも楽々とたどり着くことができる。ただし、空を飛ぶだけではマッピングされないので、実際にバイクやスノーボードで走る必要があることは覚えておいていただきたい。
レースをこなしてキャリアを稼げ！
さまざまな環境の大自然を走り抜けるだけでも楽しいが、各地に用意されたイベント（レース）も楽しんでみてほしい。マップ上には、さまざまなコースで構成されたイベントが用意されており、それをクリアーしていくのが、本作の大きな目的だ。
レースにはバイク、スキーとスノーボード、ロケットウィング、ウィングスーツなど、さまざまなギアを使ったものが登場。ゴールまでの早さを競うベーシックなレースのほか、トリックのスコアを競うものも存在する。
ロケットウィングのレースは空がコースとなるという、常識を超えたものになっていて、高速で大空を駆ける爽快感が味わえる。ウィングスーツは風の抵抗を利用して滑空するギアで、急勾配なコースを落下するように駆け抜けていく。地面スレスレを通るとポイントが多く稼げるといったルールもあり、スリルは満点だ。
また、一定期間ごとに開催される“マスレース”は、新世代機やPCでは最大で50人のプレイヤーが同時に参加し、リアルタイムでレースを行うという大規模なもの。このレースはバイクからスキー、スキーからロケットウィングなど、レース中にギアを切り換えながらゴールを目指す。先頭のプレイヤーがゴールすると、まだゴールしていないプレイヤーがいたとしても、一定時間後に強制的につぎのコースへと移動してしまうというのも独自のルールだ。
通常のレースはCPUが相手となり、基本的にはソロでプレイするものになっているが、このマスレースの相手は全員がプレイヤー。非常に歯ごたえのあるレースになっているので、腕に自信があるという人は参加しまくろう。
レースに挑戦していくと、そのときに使っていたギアの経験値が溜まり、キャリアがレベルアップする。また、レースを攻略するとスターも入手可能だ。
キャリアがレベルアップしたり、スターが一定値まで増えたりすると、新しいギアやBUCKSが手に入るほか、新たなイベントが開放されることも。ここで手に入るギアは性能が高いものもあるので、どんどんキャリアを上げてレーサーとしての実力を上げていくべし。
トリックをキメろ！ 事故ってもプレイヤーは強いから安心！
フィールドを高速で疾走するだけでなく、トリックを使ってクールにキメることも、本作のプレイでは超重要。バイクやスキー・スノーボードではジャンプしたあとに各種ボタンを押すことで、さまざまなトリックを決めることができる。
ジャンプ台を見つけたら、地面から離れる瞬間を狙ってジャンプ！ その後、各種ボタンを組み合わせることで、現実世界ではなかなか成功させられないようなトリックもバンバン決めることができる。
レースには、このトリックを決めることで獲得できるスコアを競うものもある。より高いキャリアのプレイヤーを目指していくためには、このトリックも極める必要があるだろう。
難しそうと思うかも知れないが、オプションで“ランディングモード”をオートにしてプレイすれば、通常よりも操作が簡単になり、誰でもトリックを決められるようになる。操作に慣れたという人は、このモードを“手動”や“STEEP”にすれば、より複雑なトリックを決めることが可能になる。
最初こそただ走るだけで精一杯だが、操作に慣れてくると不思議とこのトリックを決めてみたくなってくるだろう。人工物のジャンプ台はもちろん、ちょっとした坂や崖のような場所もジャンプ台として利用できる。プレイヤーにとっては、さまざまな勾配のある自然環境すべてがジャンプ台なのだ。大自然を疾走し、合間を縫って空中でクルクルッと回転し、見事な着地を決められたときの快感は、まさにこのゲームでしか味わえないようなものになっている。
ちなみに、トリックはプレイヤーたちの拠点にあるトリックアカデミーで練習ができる。ここなら好きなだけトリックが練習できるので、フィールドでちょうどいいジャンプ台を探して練習するといった必要がないのがうれしいところ。
急勾配の坂を転がり落ちるように駆け抜け、ジャンプ台を見つけてはトリックを決めるプレイヤー。だが、どんなトリックの天才でも、毎回成功させることは不可能。ときに、背中や頭からの見事（？）な不時着は、本作をプレイしていれば必ず起こるハプニングといえる。
思わず目を覆いたくなるようなアクシデント。打ちどころが悪いと救急車ではなく別のクルマがやってきそうな落ちかたをしても、本作は心配ご無用。どんな着地をしたとしても、ボタンを連打すればプレイヤーはすぐに態勢を立て直すことが可能だ。
このボタンの連打による態勢の立て直しも非常にスムーズ。事故ることを想定して事前にボタンを連打しておけば、何事もなかったかのように即座に走行を再開できる。
また、本作にはプレイヤーの時間を巻き戻す“バックトラック”というシステムが搭載されているのだが、これが非常に便利！
本作のレースは、複数のチェックポイントを経てゴールを目指すのが基本ルールになっている。しかし、プレイヤーは高速で走行しているため、チェックポイントを素通りして先に進んでしまうこともしばしば。そういったときに利用できるのがこのバックトラックで、ボタンを押せば、チェックポイントを通り過ぎる前までプレイヤーの時間を巻き戻すことが可能となっている。チェックポイントを外れてしまったのでリタイヤということにはならないのが便利だ。
このバックトラックはレース中以外でも、いつでも使用可能。散策中に崖から落ちてしまって戻れない！ となったときでも、このバックトラックを使えば落ちる前に戻ることも楽々。改めてファストトラベルし直すということも必要ないのが非常に親切だといえる。この機能のおかげで、崖の合間を縫って走り抜けるようなルートでも、落下を気にせずにスリル満点の走りを楽しむことができるだろう。
ダイナミックだけど超親切設計な『ライダーズ リパブリック』
どんな急勾配も物ともせず、超高速で駆け抜ける『ライダーズ リパブリック』。その最中にジャンプ台があれば、空中に飛び上がってクールなトリックをキメる。ダイナミックに走る爽快感と、精密なトリックを成功させたときの達成感は、ほかのゲームでは味わえない本作ならではの快感だといえる。
ダイナミックなゲームではあるが、それを味わうために、親切なお助けシステムも多数搭載されている。使い勝手のいいファストトラベルや、ボタンの連打でスムーズに復帰するシステム、そしてバックトラック。これらを活用することにより、ストレスを感じることなく快適な走りを楽しむことができるのも、本作の注目ポイントだ。
大自然の中を自由気ままに走るのもよし、隠れたスポットの制覇を目指してマッピングのコンプリートを目指すもよし、ナンバーワンプレイヤーを目指してレースの腕前を磨くもよし。
操作もリアルに寄りすぎず、簡単操作で楽しめるようになっているので、レースゲームはあまりやったことないという人でも間違いなく楽しめるはず。おうち時間のお供に、ぜひ楽しんでいただきたいところだ。
