バンダイナムコエンターテインメントより、2021年10月14日に発売された『アイドルマスター スターリットシーズン』(以下、『スタマス』)。『アイドルマスター』(以下、『アイマス』)シリーズの家庭用ゲームとしては、じつに4年ぶりの新作となる。

 プレイステーション4で発売された前2作と比べて、グラフィックやゲームシステムが大幅に進化しているほか、事務所の垣根を越えた大型ユニット“プロジェクトルミナス”のプロデュースを楽しめる。

 プロジェクトルミナスには、765プロの13人のアイドルを筆頭に、『シンデレラガールズ』、『ミリオンライブ!』、『シャイニーカラーズ』からそれぞれ5人ずつアイドルが参加。ここに新アイドルの奥空心白が加わり、29名からなるスペシャルユニットが誕生した。

 本作の発売を記念して、961プロに所属する新アイドルの亜夜を演じた日高里菜さんのインタビューを実施。亜夜を演じるうえで意識したことや、楽曲収録時のエピソードなどを聴いた。

※本記事は週刊ファミ通2021年10月28日号に掲載したインタビューに加筆、修正を行ったものです。
※本インタビューは9月下旬に実施しました。

日高 里菜(ひだか りな)

6月15日生まれ、千葉県出身。子役として芸能活動をスタートし、『ペンギン娘▼はぁと』(※)(南極かえで役)で声優としてデビュー。『裏世界ピクニック』(小桜役)、『トロピカル〜ジュ!プリキュア』(ローラ/キュアラメール役)など、数多くの作品に出演。(文中は日高)
※▼はハートマーク

『スタマス』日高里菜さん(亜夜役)インタビュー。「アイドルにかける熱い思いがあるという設定を亜夜の見たときに、運命を感じました」
『スタマス』日高里菜さん(亜夜役)インタビュー。「アイドルにかける熱い思いがあるという設定を亜夜の見たときに、運命を感じました」

『アイマス』では珍しい指名で961プロの新アイドルに抜擢!

――亜夜役に決まる前から、『アイマス』シリーズのことはご存じでしたか?

日高もちろんです! 仲のいい声優さんがたくさん出演していますし、以前、文化放送の『A&G TRIBAL RADIO エジソン』という番組の中で、『アイマス』を特集したこともあって。そのときに改めてライブ映像などを観たのですが、アイドルたちとプロデューサー(※『アイマス』シリーズのファンのこと)の一体感のすごさを実感しました。

――そんな『アイマス』シリーズの新作に、新アイドルの亜夜役として出演することになったと知ったときの感想を教えてください。

日高とにかくビックリしましたね。亜夜役は指名していただいたのですが、『アイマス』シリーズはオーディションで声を担当することが多いと聞いていたので、指名で役が決まることもあるんだという驚きもあって。

――確かに、いきなり指名されると驚きますよね。亜夜役が日高さんであると発表された後、周囲やファンの方たちの反応は?

日高生配信で発表されるときにちょうど仕事が入っていたのですが、仕事終わりにスマートフォンを見ると、いろいろな人からお祝いのメッセージが届いていました。あと、私の名前がTwitterのトレンドに入ったみたいで。スタッフさんが教えてくれて、「何かあったんですか?」と聞かれましたが、思い当たるのは『アイマス』しかないぞって(笑)。

――(笑)。Twitterでトレンド入りするぐらい、ファンの反響が大きかったと。

日高大勢の方に注目されてとてもうれしかった一方で、『アイマス』は多くのファンに期待されているコンテンツなんだなと再確認できたので、背筋が伸びる思いがしました。

――発表のされかたも、プロデューサーの期待を煽る感じになっていましたよね。亜夜と日高さんが発表される前に、961プロにも新アイドルがいるらしいぞと伝えられて。

日高そうなんですよ! しかも、961プロの社長が皆さんの期待をさらに煽っていくじゃないですか(笑)。収録はかなり前に終わっていたので、私自身、いつ発表されるのかなとドキドキしていたのですが、先に心白役のあいみちゃん(田中あいみさん)が生配信で発表されるの見たりして。別の現場であいみちゃんといっしょになったとき、「亜夜ちゃんはいつ発表されるんだろうね?」ってふたりで話したりもしていたので、亜夜が発表されたときは、やっと言えるという気持ちが大きかったです。

――なるほど。やはりプレッシャーも感じましたか?

日高最初は緊張していましたが、別の現場で釘宮さん(釘宮理恵さん。水瀬伊織役)や原さん(原由実さん。四条貴音役)、ぬーさん(沼倉愛美さん。我那覇響役)たち、『アイマス』シリーズの先輩方とお会いして、ご挨拶をしたんですね。「じつはこのたび、新アイドルとしてお世話になることになりました」って。そしたら皆さん、とても喜んでくれたんです。プロデューサーの皆さんもウェルカムな雰囲気で受け入れてくれたので、そういう意味ではものすごく安心できました。

『スタマス』日高里菜さん(亜夜役)インタビュー。「アイドルにかける熱い思いがあるという設定を亜夜の見たときに、運命を感じました」
『スタマス』日高里菜さん(亜夜役)インタビュー。「アイドルにかける熱い思いがあるという設定を亜夜の見たときに、運命を感じました」

――亜夜の第一印象を教えてください。

日高ツインテールの髪型はかわいいのですが、表情やポーズなどから、亜夜は気の強そうな子だなと思いましたね。新アイドルの心白ちゃんとは、ずいぶん対照的だなって。それこそ白と黒みたいな感じで、ふわっとした心白ちゃんと比べて亜夜は芯がしっかりしているというか。あと、アイドルにかける熱い思いがあるという設定を見たときに、運命を感じました。私も小さいころから芸能界にいたので、亜夜の気持ちがよくわかるんです。

――ということは、亜夜は演じやすかった?

日高とても演じやすかったです。スタッフさんに「ストーリーの流れや亜夜の気持ちがわからないところはありますか」と聞かれても、よくわかるので大丈夫ですって。私はアイドルではないですが、声優はアイドルに通じる職業ではあると思うので、そういう意味でも亜夜に共感できる部分は多かったのかな。ただ、気持ちが亜夜に寄りすぎて、スタッフの方たちに「序盤はもっと強くあたっていいです」と、ディレクションを受けることもありました。

――少しだけ遊びましたが、確かに亜夜はプロデューサーや心白への当たりが強いですね。

日高そうなんですよ。台本をすべて読んで収録に臨んでいるので、亜夜が強くあたってしまう理由も理解してはいるのですが、プレイヤーの立場で考えると、当たりが強すぎて嫌われないかなと心配になりました。でも、スタッフさんたちは「嫌われていいんです。もっと強く当たってください」って(苦笑)。

――日高さんなりにジレンマがあったと。では、注目してほしいシーンはどこですか?

日高心白ちゃんとのやり取りはステキなシーンが多いので、ぜひ注目してほしいです。ゲームの収録は、基本的にひとりでお芝居をするのですが、心白とのとあるシーンは掛け合いで収録させていただきました。いっしょに言うセリフも今回は実際に声を合わせて収録しているので、こちらもご期待ください。

――イベントを見るのが楽しみです! 収録でほかに印象に残っていることはありますか?

日高『アイマス』シリーズは歴史のある作品ですし、いろいろな事務所のアイドルが登場することもあって、収録を始める前にアイドルたちのセリフを聞かせてもらいました。アイドルたちがどんなテンションでしゃべっているのか肌で感じられたので、とても演じやすい環境だったと思います。

――亜夜を演じていく中で、日高さんが亜夜と似ているなと感じたところはありましたか?

日高亜夜とは似ているところが多いです。私もどちらかというと器用なタイプではなくて、現場に行くたびにまわりはすごい人ばかりだなと思うことが多くて。そのときに共演する方たちと同じレベルにはすぐになれないにしても、迷惑をかけないようにかなり努力をしてマイクの前に立っています。亜夜も相当な努力家なので、彼女の気持ちはよくわかるというか。あと、私は自分のことをストイックだとは思っていないのですが、まわりからストイックだと言われることが多くて(苦笑)。亜夜のように感情を表に出しませんが、負けず嫌いなところも似ていると思います。

――なるほど。本作のストーリーでは、アイドルがキーワードになっていると感じました。日高さんにとって、アイドルとはどのような存在ですか?

日高アイドルは勇気や元気をくれる存在だと思います。じつは私自身アイドルが大好きで、いまは坂道系のアイドルを応援していて、バラエティ番組や歌番組を観たり、以前はライブにも行ったりしていました。ファンの立場からするとアイドルががんばっているから私もがんばろうって気持ちになれるんですよね。忙しくてたいへんなはずなのに、アイドルたちはいつも笑顔をみせてくれる。私も負けてられないっていうのはちょっとおかしいかもしれませんが、アイドルを応援してステージを盛り上げる一員にはなりたいです。

『スタマス』日高里菜さん(亜夜役)インタビュー。「アイドルにかける熱い思いがあるという設定を亜夜の見たときに、運命を感じました」
『スタマス』日高里菜さん(亜夜役)インタビュー。「アイドルにかける熱い思いがあるという設定を亜夜の見たときに、運命を感じました」

個性が強烈なディアマントのメンバーとの関係性

――亜夜がディアマントでどのような活躍をするかも非常に楽しみですが、いっしょにユニットを組んだ玲音や詩花の印象も伺いたいです。

日高ふたりとも圧倒的な存在で、アイドルとしてはもちろん、人として尊敬できます。猪突猛進になりがちな亜夜のことを、やさしくサポートしてくれるのを見て、このふたりにはやっぱりかなわないなと思いました。

――ディアマントのメンバーのやり取りにも注目ですね。『アイマス』シリーズは多彩な楽曲も魅力ですが、歌の収録の思い出は?

日高印象に残っているのは、『アイマス』は、ひとつひとつの歌詞にこだわりながら、収録を丁寧に進める現場だと感じました。たとえば、「あなた」という歌詞に対して、この「あなた」は誰を指しているのか、みんなでしっかりとイメージを共有して、同じ認識のもとで収録を進めていきました。

――では、歌の収録はスムーズでしたか?

日高亜夜のように、芯の強い感じでまっすぐ歌いあげる経験はあまりなかったので、最初に何パターンか収録しましたが、方向性が決まってからはスムーズに。でも、プレッシャーはありましたね。公開されている『オーバーマスター』のように、みんなが知っていてすでに完成されている楽曲も歌ったので。どの楽曲も収録には何度も聴いてから臨みましたが、『オーバーマスター』はスタッフの方が聴き込んでいたことに気づいてくれたのがうれしかったですね。技術的に拙いところはあるけれど、収録への思いは伝わるんだって。

――声優冥利に尽きますね。『オーバーマスター』のPVを拝見しましたが、とてもかっこよかったです。

日高めちゃくちゃステキでしたよね! PVは収録のときから見せてもらっていたのですが、完成度がどんどん高まっていったので、スタッフさんたちの強い愛情を感じられました。『アイマス』はPVにかける思いもすごいなって改めて思いました。ちょっとしたカットからも、キャラクターらしさを感じてもらえると思うので、何度も観てもらえるとうれしいです。

――ゲームをプレイしてからPVを見ると、新しい発見があるかもしれませんね。亜夜のほかに、お気に入りのアイドルもお聞きしたいです。

日高自分が演じているので、どうしても亜夜が圧倒的に大好きなんですが……。(しばらく悩んでから)杏ですかね。キャラクターが強烈ですし、『あんずのうた』もすごく印象的なので、気になる存在です。“働いたら負け”の文字がプリントされたTシャツも、すごいなと思いました(笑)。

――個性の強い『シンデレラガールズ』の中でも、杏は異彩を放っていますから(笑)。亜夜と杏が絡むと、どうなると思いますか?

日高亜夜は、「アイドルを舐めているの!?」と杏に怒りそうですが、あそこまでキャラクターが確立されている杏なら、亜夜を丸め込めそうですよね(笑)。ふだんはなかなか見られない、かわいい亜夜が見られるかも?

――妄想が広がりますね。ほかに、『アイマス』で実現してほしいことはありますか?

日高961プロだけのライブをやってみたいですね。亜夜としていつかステージに立つためにも、ぜひ本作をプレイして、亜夜のことも応援してもらえるとうれしいです。最初はちょっとツンツンしている印象が強いかもしれませんが、亜夜は知れば知るほど人間味のあるキャラクターだと思います。私自身、亜夜に共感できるところは多かったので、最後までプレイして亜夜のことを大好きなってもらいたいです。

『スタマス』日高里菜さん(亜夜役)インタビュー。「アイドルにかける熱い思いがあるという設定を亜夜の見たときに、運命を感じました」
『スタマス』日高里菜さん(亜夜役)インタビュー。「アイドルにかける熱い思いがあるという設定を亜夜の見たときに、運命を感じました」

週刊ファミ通で『スタマス』発売記念特集を掲載

 10月14日に発売した週刊ファミ通2021年10月28日号にて、本インタビューを含む特集企画を掲載。スタマスの注目ポイントやゲーム序盤のプロデュースに役立つ攻略情報などを紹介している。

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