運んで、戦って、増えて、食べられて

 2001年(平成13年)10月26日は、ニンテンドーゲームキューブ用『ピクミン』が発売された日。本日で発売から20周年を迎えた。

『ピクミン』が発売された日。CMソング『愛のうた』が話題を呼んだゲームキューブの名作【今日は何の日?】

 『ピクミン』は任天堂から発売されたアクションゲームで、リアルタイムストラテジーのような要素を併せ持つのが大きな特徴。公式サイトでは“AIアクション”と表記されており、既存のジャンルに分類するのはなかなか難しい。パズル要素も多分に含んでいた。

 現在も続くシリーズだが、もともと長めのスパンで発売されていたこともあって、完全新作のナンバリングタイトルはしばらく発売されていない。近作としては2017年7月13日にニンテンドー3DS用のスピンオフ作品『Hey!ピクミン』が、2020年10月30日にNintendo Switch用の移植版『ピクミン3 デラックス』が発売されている。もしかすると若いゲームファン的には『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』の登場キャラクターとしてのほうが馴染み深いかもしれない。

 初代『ピクミン』の主人公はキャプテン・オリマー。何となく察せられるかもしれないがオリマーという名前はマリオのアナグラムになっている(『ピクミン2』では新米社員としてルーイも登場した)。『ピクミン3』を除くすべての作品で主人公を務めた大ベテランでもある。

『ピクミン』が発売された日。CMソング『愛のうた』が話題を呼んだゲームキューブの名作【今日は何の日?】

 オリマーは不慮の事故で墜落した未知の惑星から脱出するべく、バラバラになった宇宙船のパーツを集めなくてはならないのだが、オリマー自身はできることが少ない。代わりに手足となって働いてくれるのが現地の謎の生物“ピクミン”というわけだ。

 これはシリーズに共通することなのだが、ピクミンはなぜかオリマーに協力的でつねに付き従い、指示を出せば軍隊のようにキッチリと集合・整列する。何かに投げつければ近くにある物に応じて各自が判断し、物を運んだり障害物を破壊したりしてくれるのだから賢い。このときのちょこまか動く姿がじつに愛らしくてかわいらしいのだ。

 危険な原生生物であるチャッピー(体の半分くらいある大きな口が特徴の敵)などにけしかければ勇敢に戦いもする。ワラワラと敵にたかっている姿はアリのようで若干キモくも感じるのに、でも見ていたくて目を離せなくなるから不思議だ。傷つき数が減ったら栄養分であるペレットを持ち帰らせれば、ピクミンは種を吹いて増殖するといった具合。芽吹いたピクミンをオリマーが引っこ抜けば、再び命を賭けて働いてくれるのだからなんて健気なのだろうか。

 ピクミンたちは体の色によって得意分野が異なり、状況に応じて使い分けていくのも楽しいポイント。攻撃が得意な赤ピクミン、水に強い青ピクミン、バクダン岩を扱える黄ピクミンというような性能差がある。さらに『ピクミン2』では白と紫のピクミンが、『ピクミン3』では岩と羽ピクミンが追加されるなど、作品ごとに登場ピクミンが多少異なっていた。

『ピクミン』が発売された日。CMソング『愛のうた』が話題を呼んだゲームキューブの名作【今日は何の日?】

 『ピクミン』と言えば、ストロベリー・フラワーというバンドが歌ったCMソング『愛のうた』もかなり有名だ。お子様をはじめ、働く大人たちにも地味に人気を博していたようで筆者は昼の情報番組で取り上げられているのを観て驚いた記憶がある。ピクミンたちが健気に働く場面が脳裏に浮かぶような歌詞に、サラリーマンの姿を重ねてシンパシーを感じてしまったようで何とも切ない話だった。

 2021年9月27日には、まさかのピクミンの姿を模したグミ『ピクミン たべられるう~グミ』が発売になっている。青、黄、赤、白のピクミンがいて、それぞれ味が異なるらしい。これはシリーズファンならぜひとも食べておきたいところ。

 それから配信は未定だが“歩くことを楽しくする”をテーマに『ピクミン』を起用したアプリをNiantic Tokyo Studioと任天堂が共同開発中。どんなゲームになるのか続報が待たれる。

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