エレクトロニック・アーツが、ミリタリーFPSシリーズ最新作『バトルフィールド 2042』のオープンβテストを開始した。本日から7日までは先行テストとなっており、予約者または月額制のEA Playメンバーのみが参加可能。2021年10月8日午後4時からは誰でも一般参加可能な形で行われる。

 今回、ひと足先にオープンβテストのPC版プログラムを体験プレイしてきたので、チェック注目すべき新システムや本作での仕様、体験できるマップ内容の紹介、またシリーズをプレイするのが久しぶりだったりはじめての人への注意点などをまとめてお伝えしよう。

基本システム(装備、固有能力など)

  • オープンβテストではスペシャリスト4名から1人を選んで出撃可能
    • それぞれ異なる専用装備・能力を持つ。銃などは自由に選択可能
    • スペシャリストはクラス(兵科)制に変わる新たなシステム。クラスによる装備制限もなくなった。
  • 装備構成: プライマリーウェポン(メインの銃)・セカンダリーウェポン(ハンドガン等)・各スペシャリストの固有装備・ガジェット(対空兵器・弾薬箱等)・グレネード
    • 銃の弾同様、対空兵器などのガジェットの弾薬は弾薬箱で補給する形。旧作と異なり、各拠点には補給ステーションがないので注意。
  • 陸空のビークル(搭乗兵器)を利用可能。大型のマップで戦車や戦闘機が暴れまくるバトルフィールドらしい全面戦争を楽しめる
バトルフィールド 2042
ガジェット選びが結構大事。

オープンβで利用可能なスペシャリストの特徴

  • ウェブスター・マケイ  機動性に長けたスペシャリスト
    • 固有装備: グラップリングフック
      • ロープ付きのフックを発射し、通常は登れない高所などに上がれる。
      • 回数制限はないのでガンガン使うべき。通常では通れないルートを取れるので、警戒網などをかいくぐれることも。
    • 固有能力: 俊敏。ADS(サイトを覗いて狙いを定める動作)時に通常より早く動ける
  • マリア・ファルック 回復・蘇生のスペシャリスト
    • 固有装備: S21シレットピストル
      • 特殊なピストルを撃つことで遠距離から仲間を回復できる。敵に当てるとダメージ。
      • 使い所がやや難しい
    • 固有能力: 軍医
      • ダウンした仲間の蘇生時に全快で復活させられる。また分隊メンバー以外も蘇生可能
      • ※通常は分隊メンバーしか蘇生できず、回復量も少なく時間もかかる
  • ボリス 自動機銃を使う制圧力に長けたスペシャリスト
    • 固有装備: SG-36セントリーガン
      • 自動機銃を設置する。セントリーガンは範囲内に入った敵を攻撃する
    • 固有能力: セントリーオペレーター
      • セントリーガンの近くにいると、セントリーガンがロックオンした敵をスポット(位置の共有)して攻撃する効率性が上がる
  • キャスパー 偵察と妨害に長けたスペシャリスト
    • 固有装備: OV-P偵察ドローン
      • ドローンを飛ばして操縦できる。ドローンは注視した方向の敵をスポットする
      • 戦車など兵器に対してEMP攻撃を仕掛けて妨害できる
      • 対空ミサイルなど、ロックオンが必要な兵器のターゲット指定も可能
      • ドローン操縦画面から抜けて、警戒を続けさせながら自分視点に戻って行動することもできる
      • ドローンは電波の届く範囲内を自由に飛べる(結構広い)。また手の届く場所に下ろすと回収可能
    • 固有能力: モーションセンサー
      • 敵の接近を検知して教えてくれる
バトルフィールド 2042
Bを奪還しにくる敵を妨害するために階段の出口に向けてボリスのセントリーガンを設置する記者。

スペシャリストシステムのインプレッション

 シリーズを代表するシステムだった兵科制の代わりに今作で導入されたスペシャリスト制だが、実際プレイしてみるとコレが結構面白い。兵科制では装備制限があったりして“何をするか”で選ぶような方向性だったが、スペシャリスト制では兵科の特徴を専用装備や能力に分散させつつ“どうやるか”で選ぶ設計に寄った感じだ。

 マケイは建物まわりで大胆なショートカットや迂回ルートを取れるし、キャスパーやボリスは専用装備を監視役代わりに置いて自分は狙撃に集中するといったことができて、ひとりでやれる選択肢の幅が増えたという印象。なかでも有能なキャスパーを敵に回すと、偵察されるしEMP攻撃で戦車の機銃が使えなくなったりするしで結構厄介だ。

 ひとつだけ、オープンβテストの先行体験では参加人数が限られていたのと、使用しているアマゾンのサーバーで大規模な障害が起きていた時間帯ということもあってプレイヤーが散らばり気味でファルックがあまり活躍できなかったのだが、これは本番のテストでは変わるだろう。

 とはいえ、気がついた時には死んでる事が多いのでファルックの固有装備のシレットピストルはやや弱い気がするが、固有能力で蘇生しまくれるというのは明確な強み。フレンドと分隊を組んでプレイできるような場合は、ファルックに弾薬箱を持たせて完璧なサポート役にするとか、いろいろ試すと面白いと思う。

バトルフィールド 2042
グラップリングフックはちょっとした高所にサクッと登れる。

オープンβでプレイ可能なモード&マップ

  • 最大128人対戦(PS4/XB1版では最大64人)
  • ルール: コンクエスト
    • マップ内各所にある拠点を奪い合い、相手チームより多くの拠点を確保して相手チームの再出撃チケットを奪っていくという伝統的モード
  • マップ: オービット(フランス領ギアナ)
    • ロケット発射場を舞台にしたマップ。
    • (新世代機&PC版の場合)AからFまでの拠点があり、うちCとDは2箇所のキャプチャーポイントを持っていて、ポイントを得るには両方とも確保しないといけない
    • PS4/XB1版では新世代機版のマップ下部にあたる部分がない限定されたエリアでの対戦になる
  • マップイベント1: ロケット発射(マップ固有)
    • ロケットの発射準備自体は自動で行われる。燃料供給フェーズで始まり、ランダムな時間経過で6分間の発射シーケンスに移行する
    • 発射シーケンスの間はロケットにダメージを与えることが可能になり、十分なダメージが与えられると大爆発する
  • マップイベント2: トルネード(他マップでも発生)
    • 運がいいとマップ内にトルネードが発生し、暴風が周囲を巻き込む
      • さらに運良くトルネードがロケットのそばを通過するとダメージ量に関わらずロケットを破壊する
    • オープンβでのトルネード発生率は10%程度。本作の発売時にはもう少し確率が上がる予定
    • トルネード以外にも単に悪天候になって暗くなることがある
バトルフィールド 2042
PC版でのマップ。上部のロケット関連施設がメインとなっており、A・C・Fがある下部のエリアはPS4/XB1版には出てこない。
バトルフィールド 2042
ロケット打ち上げ成功。ロケットを破壊したい時は拠点Eの発射台に行こう。
バトルフィールド 2042
トルネードは必ず発生するわけではない。見かけたら祭りに参加すべし。

マップのインプレッション

 オープンβテストでプレイできるオービットマップは、本作では中サイズのマップということで新世代機&PC版でもそれほど大きくはない。

 メインの戦場はロケット発射関連施設が集まる北部に寄っていて、こちらは全体的にかなり開けた設計だ。一方、丘陵部を挟んで存在する南部のエリアは樹木や丘で視界が限定されている。各拠点別に特徴を説明すると以下のような感じ。

  • オービット北部
    • B(ロケット整備ビル) 整備中のロケットを格納できる巨大な建物。ジップライン(途中で乗り換えが必要)やエレベーターでキャプチャーポイントがある屋上エリアへと向かえる。
    • E(ロケット発射台) ロケット移動用の幅広の道路を挟んでBと向かい合うように設置された発射台
      • 脇のエレベーターや近くのタワー経由で上層部にも行ける
    • D(ロケット輸送路) ロケットを運ぶ道路を挟んで南北の建物にひとつずつキャプチャーポイントがある
      • 輸送路の下を通って両者をつなぐ人間用のトンネルも通っている
  • オービット南部
    • A(レーダー施設)&F(検問所) それぞれ南部の両軍のHQ寄りに置かれた小規模な拠点
    • C(超低温プラント) 球状のタンクなどが立ち並ぶ、南部の中央にあるプラント施設。キャプチャーポイントが2箇所ある
      • Cの北部にはEのロケット発射台に繋がる長いトンネルがあり、ビークルでショートカットできる

 ちなみにこのマップではキャプチャーポイントを2つ持つ拠点がふたつあるが(CとD)、製品版に登場する他マップでは3つのポイントを持つ拠点も登場するという。

バトルフィールド 2042
拠点Bではエレベーターで一気に屋上エリアの手前へと行ける(出た先に何か仕掛けられてるかもしれないけど)
バトルフィールド 2042
バトルフィールド 2042
拠点Bではジップラインを使って上がっていくこともできる。ただし一度に屋上エリアに行くことはできず、途中で乗り換えが必要(右)。
バトルフィールド 2042
南北を大きくまたぐトンネル。歩いて行くこともできるが、マジで遠くて虚無の時間が訪れるので、コールインメニューでビークルを呼ぶの推奨。
バトルフィールド 2042
D1とD2をつなぐトンネル。ビークル戦やスナイパー戦に巻き込まれずに進める。

どこでもビークル召喚&アタッチメント交換可能な新システムが面白い

 本作の新システムであるビークル召喚機能とアタッチメント交換システムは、オープンβテストの機会にぜひ活用してみて欲しい。歴戦のプレイヤーならなくても戦えてしまうと思うが、ちゃんと使うと確実に戦いの流れを変えてくれるものだ。

  • コールインメニュー(Bキー/L1+R1/LB+RB)
    • 4足歩行の戦闘ロボット“レンジャー”や、戦車・装甲車などのビークル(戦闘車両)の投下を依頼できる
      • 誰でもいつでも行えるが、カテゴリーごとにチーム全体で利用できる数が決まっている
    • ヘリや戦闘機などの飛行系のビークルはコールインメニューからは呼べず、従来通りHQ(本部)から乗って出撃する形
  • プラスメニュー(Tキー/L1ホールド/LBホールド)
    • 銃の各種アタッチメントを戦場で付け替えられる。
    • 特にスコープの着脱などが便利。たとえば拠点Bのロケット整備ビルの屋上を目指す時に、ビルへの進入時は低倍率スコープで、エレベーターで屋上での制圧戦に備えて近距離戦用に替えて、制圧完了したら遠距離スコープにするといった運用ができる。
バトルフィールド 2042
Bのビルのエレベーターの中でカスタマイズを調整。このあとスコープを外して近接戦仕様にした。
バトルフィールド 2042
コールインメニューからの呼び出しは台数制限があり、戦車を落としまくったり犬ボット(レンジャー)の軍団を作ったりすることはできない。

BFシリーズ久しぶり&はじめての人のための確認事項

  • 分隊メンバーについていけ!
    • 広大な戦場で大人数が入り乱れて戦う本シリーズでは、単独でできることは限られている
    • 緑のアイコンと文字で表示される分隊メンバーは、一般のチームメートと異なり、蘇生やスポットなどの恩恵を受けやすい
    • やられた後の再出撃時も分隊メンバーのアイコンをクリックして傍に復活可能
  • Pingコマンドで仲間と意識を共有しろ!
    • Pingコマンド(Qキー/R1/RB。2回連打でDanger Ping)を通じて、向かいたい場所や発見した敵などを仲間に共有できる
      • 敵の位置を仲間に共有できるスポッティングは重要な要素。仲間が気がついていない敵を早期発見して教えることで連携して倒せる。下手に撃って外すより大事。
      • スポッティングはスペシャリストの能力(キャスパーのドローン等)でも行える
  • 対ビークル戦はそれに応じた武器・兵器で
    • バトルフィールドでは、戦車や戦闘ヘリなどが猛威を振るいがち。しかし通常の対人用の銃では倒せないので、ガジェットで対戦車ロケットや対空ミサイルなどを装備して出撃し直した方がいい
      • 対空ミサイルを所持分全弾当ててもヘリを落とせなかったりするので、仲間に弾薬箱を持ってきてもらったりするのがベスト
      • ヘリなどはスナイパーライフルでパイロットを撃ち落とすこともできる
      • C5爆弾を括り付けた小型車両やドローンを突撃させて起爆する業の者もいるとかいないとか
バトルフィールド 2042
対空ミサイルでヘリを撃破。やったぜ。