先日、東京ゲームショウ2021の開催に合わせる形で、『Gungrave G.O.R.E』の最新シネマティックトレーラーが公開された。

 そもそも『Gungrave G.O.R.E』は、2002年7月18日にレッド・エンタテインメントからプレイステーション2用ソフトとして発売されたガンアクションゲーム『ガングレイヴ』をモチーフにしたタイトル。開発を手がけるのは韓国のスタジオIGGYMOBで、同社の「『ガングレイヴ』を現在に蘇らせたい」という熱意により進めれているプロジェクトで、まずは、VRタイトルとして、『GUNGRAVE VR』が2018年にプレイステーション4向けにリリース。その後、いよいよ本格的に……ということで、取り掛かっていたタイトルだ。

 IGGYMOBは、日本発のIPである『ガングレイヴ』の日本での展開を大いに重要視してくれていたようで、東京ゲームショウに合わせて来日し、タイトルの進捗を明かしてくれていた。ファミ通.comでもそのたびに取材させてもらっていたのだが、しばらく情報が途切れることに……。それが、『Gungrave G.O.R.E』のパブリッシャーにKoch Mediaが決定し、2021年に入って立て続けに情報が公開。同作が2022年にプレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC用ソフトとしてリリースされることが明らかにされた。

 冒頭で紹介したとおり、東京ゲームショウに合わせる形で最新映像が公開されたのだが、その映像で確認できたのは、仕切り直し後(という表現が適切かどうか)初めてとなるゲームプレイ映像。今回残念ながらIGGYMOBの皆さんの来日はなかったものの、せっかくの機会ということで、メールインタビューを実施。改めて『Gungrave G.O.R.E』のことを聞いてみた。

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オフィスの様子。開発は着々と進んでいるようです!

キム・ケイ氏

IGGYMOB シニアV.P

シューティングと破壊の爽快感にフォーカスを当てている

――2018年に発表された本作ですが、アナウンスされていた2020年から発売が2022年に延期された理由を教えてください。とくにどの点に時間をかけて開発していたのですか?

キムいろいろと事情がありました。最初はハーフオープンワールドとして企画したのですが、グレイヴというキャラクターがいろいろな仕事をこなすような人物で合ってるのかという悩みができました。グレイヴはただひとつ、浅葱ミカを守り抜くことだけを考えるキャラクターなのです。そこで私たちは再び調整を行い、グレイヴらしいゲームを作るためのさまざまな過程を重ねました。

 難しいのは過去のよい点を継承し、不足な点を補うことですが、その点について私たちは混乱していた時期がありました。資金的に大変だった時期もありました。しかしこの伝説的なシリーズの後続作を必ず開発しなければならない使命感と、ファンの方々の応援が大きな力となって諦めずに開発を続けることができましたし、内藤康弘さんも最後まで私たちを信じて手伝ってくれました。そして中村育美さんのようなスーパーアーティストたちとのコラボレーションが加わって、私たちはもっと進化したグレイヴを開発することができました。

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――現在の開発状況を教えてください。完成度は何パーセントくらいでしょうか。

キム現在はアルファ段階です。

――Koch Mediaをパブリッシャーにした理由を教えてください。

キムKoch Mediaは開発の初期から私たちに多くの関心を示してくれました。Koch Mediaとのコミュニケーション過程で彼らと私たちのビジョンが一致するということを感じました。それでKoch Mediaとパートナーシップを締結するようになったのです。

――今回久しぶりに、『Gungrave G.O.R.E』のプレイ動画が公開されましたが、グレイヴのアクションはどのような感じになりますか?以前は、近接から長距離まであらゆるレンジでの戦闘に特化した固有アクションを採用し、攻撃形態によってゲームのテンポが変化する“トランスフォーム・アクション”を採用しているとのことでしたが、それはどのような形になっていますか?

キムケルベロスとデスホーラは相変わらず健在です。グラブという新しいスキルで敵を引っ張り、盾にしたり攻撃したりできますし、ガンカタを引用した“ストームバーリッジ”は爆発的な銃撃アクションを提供します。既存シリーズのスキルに近距離、遠距離攻撃が追加され、R.I.Pは敵を完全に破壊します。相変わらず無限弾丸のシューティングは効率的ですが、より多くのスキルと基本スキルを使って敵を相手することができます。グレイヴはより爆発的で、よりゴアに敵を排除します。極限の難易度でプレイヤーを追い詰めるよりもシューティングと破壊の爽快感にフォーカスを当てています。

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――『Gungrave』の特徴である“フルブレイク”はどのように進化しているのでしょうか?

キムフルブレイクは存在します。ただオブジェクトに限定されずに敵も完全に破壊できます。基本射撃やR.I.Pなどを使ってより強力なフルブレイクを体験することができます。

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――今回公開されたPVでは、九頭文治がプレイアブルキャラとして登場するようですが、本作は、グレイヴと九頭文治のストーリーが交互に描かれる感じになるのでしょうか?

キムシナリオによって文治をプレイできます。ネタバレになるのでいまは詳しくは話せません。ご理解お願いします。確実に言えるのは彼は相変らず素敵です。

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――九頭文治のアクションはどのような感じになりますか?

キム1980年代のノワール感が感じられるタバコ、ふたつの拳銃を使った華やかなアクションを披露します。オオカミも相変わらず彼といっしょです。

――今回、グレイヴといっしょに戦う女性キャラが公開されましたが、どのようなキャラクターなのでしょうか? また、日本語ボイスも公開されましたが、声優さんはどなたですか?

キム浅葱ミカです。シード破壊のための組織であるエル·アルカンヘルを率いる彼女は強く成長しました。ガングレイヴシリーズでミカを演じてくださった佐久間紅美さんが今回もミカの声を担当して下さいました。

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――PVの最後に、「借りは必ず返す」というセリフが聞こえましたが、これは九頭文治の言葉でしょうか。また、声優さんはどなたでしょう?九頭文治だとしたら、これまでは立木文彦さんでしたが、少し違うような気もしますが……。

キムこれは秘密です。もう少しお待ちください!

――最後に、『Gungrave G.O.R.E』を楽しみにしているゲームファンにメッセージをお願いします。

キムこのプロジェクトをしていて本当に多くの困難がありました。20年近く前のゲームの後続作を開発するというのは容易ではなかったです。多くの試行錯誤も経験しました。しかし、私たちを待っていてくださったファンの方々の応援や激励が私たちにとっていちばん大きなエネルギーでした。現世代、次世代ゲーマーの皆様にも満足していただけるプレイをご提供できるよう、残りの時間も一所懸命開発します。今日も、明日も、明後日も新しい情報が公開されます。今後とも応援と激励をお願いします。どうぞよろしくお願いします。