マイクロソフトのクラウドサービス“Xbox Cloud Gaming”(“Project xCloud”)が日本国内で2021年10月1日にサービスインすることが明らかにされた。Xbox Game Pass Ultimateユーザーであれば、無料で体験できる。

 Xbox Cloud Gamingは、クラウドを介することで、iOSやAndroid、PCでも気軽に100以上のXboxのゲームがプレイ可能になる。これまで、北米など22ヵ国で2021年6月22日に正式サービスを開始していたものが、ついに国内でもサービスインすることになった。同タイミングで、メキシコ、ブラジル、オーストラリアでも正式サービスがスタートし、これでXbox Cloud Gamingは世界26の国や地域で楽しめることになる。

 今回の発表に先駆けて行われたプレス向けの説明会では、Corporate Vice President, Cloud Gamming at Microsoftのカリーム・チョードリー氏と、Vice President & Head of Product & Strategy, Xbox Cloud Gamingのキャサリン・グリュックスタン氏が登壇し、Xbox Cloud Gamingの概要を改めて説明した。

Catherine Gluckstein
Kareem Choudhry
Vice President & Head of Product & Strategy, Xbox Cloud Gamingのキャサリン・グリュックスタン氏。
Corporate Vice President, Cloud Gamming at Microsoftのカリーム・チョードリー氏。

 まずはカリーム・チョードリー氏がマイクロソフトの理念は、“地球のすべての人にパワーを与えること”と説明。そのための方針として、「プレイヤーが中心に来ること。プレイしたいゲームをどこでもいつでも誰とでもプレイできる」があるとした。

 その戦略の中核を担うのが言うまでもなくXbox Game Pass。月額一定の金額を払うことで、100以上のXboxゲームが遊べるサブスクリプションサービスのXbox Game Passは、いまやほとんどのファーストパーティータイトルが発売日と同時に遊べ、世界での会員数が1800万人を超えるほどの好評を博しているのはご存じの通り。

 その上で、「日本では80%以上のコンソールのゲーマーは、PCやモバイルでもゲームをプレイする」との数値が紹介され、PCやモバイルでも遊べるXbox Cloud Gamingのサービスは、「良好なエコシステムを持つ。将来にとって正しいビジョン」と、その意義を語った。

続いてキャサリン・グリュックスタン氏も、「クラウドによってコンソールを持っているユーザーが、ゲームの新しい楽しみかたができる」と強調。「クラウドゲームでは、コンソールで遊んで、中断したところからタブレットで再開するといったことも可能です」とその利便性に言及し、「世界には30億人のゲーマーがいると言われていますが、そのすべてがPCを持っているわけではありません。ゲームを広い層に広げたい。ユーザーさんがお持ちのデバイスでプレイできるようにしたいんです」と、世界中で絶大な普及台数を誇るモバイル端末への期待値の高さを口にした。

 とはいえ、それはモバイルにシフトするというわけではなくて、「コンソールPCのビジネスに追加されるものです。置き換えるという意図ではありません。プレイをしている人には広汎なサービスを提供したいと考えています」とのことだ。

 さて、100以上のタイトルが楽しめるというXbox Cloud Gaming。その多くが日本市場向けにローカライズされており、スマホでの操作に合うように多くがタッチコントロールに対応しているという。

 カリーム・チョードリー氏とキャサリン・グリュックスタン氏の口からは、Xbox Cloud Gamingに対応するタイトルとして、バンダイナムコエンターテインメントの『スカーレットネクサス』やスクウェア・エニックス『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めてS』、セガ『龍が如く7 光と闇の行方』など、Xbox Game Passでプレイ可能な国内タイトルが、Xbox Cloud Gamingでも遊べることが伝えられた。

 『Forza Horizon 5』や『Halo Infinite』といった、今後発売予定のXbox Game StudiosのタイトルもXbox Cloud Gamingでプレイできるようだ。

クラウドゲームサービス“Xbox Cloud Gaming”が国内で10月1日に正式スタート。iOSやAndroid、PCでXboxのゲームが気軽に遊べる

 プレゼンのあとに行われた質疑応答からいくつかのトピックを拾っていくと、日本でXbox Cloud Gamingの正式サービスインが、当初アナウンスされていた2021年早期から10月1日になった理由については、「早く出すことよりも、きちんとしたいいものを出す」という方針だったからとのこと。その結果、AndroidとiOSで同時にサービスインすることになり、「正式オープンにふさわしいサービスが提供できることになりました」とのこと。

 また、「日本では、モバイル用コントローラーやアクセサリーが入手しづらい状況にあるが、Microsoft Storeや量販店などで販売店の支援を行う予定はあるのか?」との質問には、「現状その予定はないが、後日詳細をお話します」とする一方で、「Xbox ワイヤレス コントローラーはブルートゥースに対応しています」とその有用性をアピール。さらには、「タッチコントロールに対応するゲームは100あり、コントローラーなしでもプレイできます」と強調した。

 なお、PCでサポートされるブラウザは、Google ChromeとMicrosoft Edge、Safariとのこと。

 いよいよ10月1日からサービスが開始される、Xbox Cloud Gaming。いつでもどこでも気軽に遊べるサービスとして、Xbox Game Pass Ultimateに、魅力的なオプションが加わることになったことは間違いない。

クラウドゲームサービス“Xbox Cloud Gaming”が国内で10月1日に正式スタート。iOSやAndroid、PCでXboxのゲームが気軽に遊べる