世界最高峰のプロバスケットボールリーグ、NBAを題材にしたスポーツゲーム、『NBA 2K』シリーズの最新作、『NBA 2K22』が、今年もNBAの新シーズン開幕を間近に控えたタイミング(2021年9月10日)で発売された。本記事ではおもにプレイステーション5版でのプレイをもとにしたレビューをお届けする。

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八村選手&渡邊選手を使って現役、レジェンドチームとの試合を楽しむ

 1999年にシリーズがスタートして以来、毎年新作がリリースされる定番タイトルとして全世界累計1億本という売り上げを積み重ねてきた『NBA 2K』シリーズ。プレイステーション5、Xbox Series X|Sに本格対応となった今年の『NBA 2K22』でまず目を引くのは、(ミーハー根性丸出しで申し訳ないが)ゲームのパッケージ。日本版『NBA 2K22』(通常版)のカバー選手には、ワシントン・ウィザーズの主力選手として活躍している八村塁選手が起用されており、これまではレブロン・ジェームスやコービー・ブライアントといったレジェンドが担っていた、ゲームを代表するアイコンとして八村選手が存在感を放っている。

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3機種(プレイステーション4、プレイステーション5、Nintendo Switch)で発売された『NBA 2K22』スタンダードエディションの表紙を飾る八村選手。ちなみにデジタル版を含めれば『NBA 2K22』はXbox Series X|S、Xbox One、Steam(PC)でも遊ぶことが可能だ。
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八村選手は全世界のプレイヤーがオープンワールドで交流する“ザ・シティ”(後述)の“壁画”としても出演(?)。日本版の『NBA 2K22』のみならず、ワールドワイドでいまのNBAを代表する選手のひとりとしてスポットが当てられている。

 そして肝心のゲーム内には、八村選手に加えて渡邊雄太選手も収録されており、ふたりがそれぞれ所属するワシントン・ウィザーズ、トロント・ラプターズで試合を行なえば、すぐさま日本人選手どうしのマッチアップが再現可能になっている。

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八村選手、渡邊選手は両者ともにPF、SFの適正を持っている。そのため所属チームどうしでの対戦を行なえば、自然とポジションが噛み合い、マッチアップが頻繁に起こる。

 気になる両日本人選手のゲーム内での能力だが、八村選手はあらゆるレンジから得点を奪えるポテンシャルの持ち主。総合評価78こそ(ディフェンス能力の影響で)ポジション平均値を少し下回るものの、シュートに関する能力はすべてが高水準。レイアップ、ダンク、ミドルレンジシュート、3ポイント、いずれもNBA全体のPFの平均値以上をマーク。そのうえでフィニッシュ(ゴール下での得点力)、シュート関連のバッジ(スキル)も複数習得ずみ。そのためか実際に八村選手を使ってみると、能力値以上に点を取りに行きやすい選手と感じた。

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相手ディフェンスのマークを外した状態であれば、どんな距離からでも無理なく得点が狙えるのが八村選手の強み。
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ゴール下ではダンクはもちろん、相手のブロックをかいくぐってシュートを決める動き(ポストフック)も秀逸。気持ちよくゴールを量産していける。

 渡邊選手は昨シーズントロント・ラプターズのバリバリの主力という位置づけではなかったためか、総合値は74で、インサイド~ミドルレンジでの得点能力なども控えめ。しかし3ポイントシュート、フリースローの精度はポジションの平均値に達しており、さらにリバウンドやブロック、スティールといったディフェンスに関連する能力は、他チームのレギュラーSFと比較しても遜色のないレベルになっている。よってオフェンス時は3ポイントを狙いつつ、攻守が切り替わった際はディフェンスリバウンドやブロックで貢献するといったプレイで活躍させるとよさそうだ。

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みずからゴール下まで切り込んでシュートを決める能力はそれほど高くないが、リバウンドは得意なため、自陣、敵陣どちらでもゴール下でのボールの奪い合いでは存在感を発揮できる。
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フリースローの精度が高いため、ゴール下ではファウルを誘う動きでより大きなリターンを狙いにいくのもアリ。

 そして八村選手に関しては、ワシントン・ウィザーズのほかに若手のオールスター的な位置づけのチーム、WORLDでもロースター入りしているのが筆者のようなミーハーな『NBA 2K』プレイヤーにとってはうれしいポイント。WORLDにはPGにルカ・ドンチッチ、SGにはシェイ・ギルジアス=アレクサンダーなど、現役トップレベルの選手が登録されており(控え選手の層は薄めだが)、現役NBA選手で構成されているチームの中では屈指の強豪チームとなっている。歴代NBAチーム、ヒストリックNBAチームといった、レジェンド選手が在籍しているチームとも十分に渡り合える陣容なので、八村選手をより活躍させたい人、日本人選手きっかけで『NBA 2K』シリーズを触ってみた人は、まずはWORLDを選んで、本作の試合をプレイしてみるのがオススメ。ドンチッチ&八村のラインでゴール量産を楽しもう!

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過去作と比べるとシュートが非常に入りやすい(『NBA 2K22』は相手選手のプレッシャーがかかっていない状態だとシュート、ドリブル、パス、シグネチャームーブなど、あらゆる動きの精度が上がる)本作。相手のマークを楽に剥がせるドンチッチのような選手を操作すると、その特色をより顕著に感じられる。
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歴代NBAチーム、ヒストリックNBAチームには1960年代の選手からいまだ現役で活躍するスター選手の全盛期版など、NBAの歴史に残るレジェンドたちがズラリと揃う。“八村vsジョーダン”のような夢のマッチアップも、『NBA 2K22』ならば簡単に実現する。

拡大し続ける“マイキャリア”。今年はバスケットボール特化型オープンワールド(?) “ザ・シティ”が見どころ

 実在選手の動きや試合のリアルさを毎年アップデートさせている一方で、近年の『NBA 2K』シリーズはプレイヤーが作成したオリジナル選手を主役に据えたゲームモードが充実しているのも大きな特徴。『NBA 2K22』ではオリジナル選手を育成してNBA入りを目指す“マイキャリア”と、そのオリジナル選手をアバターとして操作し、ほかのプレイヤーと交流できるオンライン専用のゲームモード、“ザ・シティ”(プレイステーション5、Xbox Series X|S版)もしくは“ネイバーフッド”(プレイステーション4、Xbox One、Nintendo Switch、Steam版)がより密接にリンク。“マイキャリア”モードをスタートさせた直後に“ザ・シティ”や“ネイバーフッド”もプレイが可能になっており、両方のモードで得た経験値が、オリジナル選手に反映されて成長していく仕様に変わっている。

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今回の“マイキャリア”の主役は、“MP”の愛称で知られるバスケットボール系インフルエンサー。彼をプレイヤー好みの選手に育て上げ、NBAの世界&“ザ・シティ”でのキャリアアップを目指していく。
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“マイキャリア”ではまず大学かGリーグに所属。試合を重ねてNBAからのドラフト指名を待つ。
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試合と並行して“ザ・シティ”で発生するクエストにも挑める。今年はとくにコート外の“副業”が充実しており、音楽やファッションに関連するクエストを達成していくと、自身のレーベルやアパレルブランドが起ち上がる。

 とくに今回プレイステーション5、Xbox Series X|Sユーザーに向けて用意された、“ザ・シティ”のボリュームは圧巻。舞台が4つのブロックで構成される巨大都市になっており、プレイヤーは“ザ・シティ”内に点在するバスケットコートやトレーニング施設、実在するスポーツブランドのショップなどに立ち寄り、“マイキャリア”と連動したクエストに挑戦可能。クエストの報酬で得られるコインを消費することで、アバターの外見を変更するアイテムの購入、ほかのプレイヤーとのストリートバスケを行なうなど、バスケットボールに関連したさまざまな遊びが楽しめるようになっている。

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“ザ・シティ”の全景マップ。ストリートバスケが遊べるコートやトレーニング施設を中心に、タトゥーショップや自撮りスポットなんてものも用意されている。
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時間経過で発生する“ザ・シティ”のデイリークエストやウィークリークエストには、“ゲータレードの施設でトレーニングを〇〇回行ないポイントを稼げ”、“アディダスのシューズを履いて試合で〇点決めろ”といった、実在メーカーがからむ課題が発生することも。

 日本人選手の登場でとっつきやすくなったNBAの試合パートに、オープンワールド“ザ・シティ”と連動することで、より遊びの幅が広がった“マイキャリア”が搭載されている『NBA 2K22』。今回は紹介を割愛させてもらったが、“マイGM”や“マイチーム”といったシリーズ定番のゲームモード、前作『NBA 2K21』から導入されたWNBAモードである“The W”なども引き続き収録されている。メインハードがプレイステーション5、Xbox Series X|Sに移行して、さらに遊べるゲームモードがてんこ盛りで増加しているタイトルなので、NBAファンはもちろんのこと、やりこめる新世代機のゲームを探している人にもオススメしたい1本だ。

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