2021年9月2日~3日に開催された“BitSummit THE 8th BIT”に出展されていたタイトルの中から、本記事ではImage Laboが制作する『Recolit』を紹介しよう。
『Recolit』は、明かりを頼りに夜の町を探索していく謎解きアドベンチャー。海に宇宙船が不時着してしまった主人公が、たどり着いた町を探索しながら、人々の気持ちに応えていくことでストーリーが進行していく。本作は“明かり”がテーマとなっていて、暗い夜の町の明かりが灯る場所を調べることで、人々の気持ちに寄り添えるようなアイテムを発見できたりというゲームデザインになっている。
ブースで体験版を遊んでみたが、宇宙服を着た謎の主人公や、なぜか知り合いのように接してくる町の人々など、不思議なシチュエーションで展開されるストーリーには思わず夢中になってしまった。謎解き部分の解決方法もユニークで、コンビニに行った先輩を待つ学生にはジューズをおごってあげたり、信号を待っている女性には信号の押しボタンを押してあげたりなど、その人に合わせたさまざまな形で”気持ちに応えていく”というシステムはかなり新鮮だった。
主人公が歩く町もかなり細かく作り込まれているようで、開発者いわく、誰でも一度は見たことがあるような“ふつうの町並み”を再現しているのだそう。プレイした体験版も、星空がきれいに見えるごくふつうの住宅街といった様子だったが、綺麗に作り込まれていたこともあってか、夜の町を歩いているとき特有の高揚感みたいな感覚も味わえた気がした。
本作の開発経緯について開発者のむじ氏に伺ったところ、「ふつうの町をそのままゲームにしてみよう」というアイデアをもとに生まれた作品なのだそう。町には日本にしかない細かい特徴なども盛り込まれていて、こちらに関しては「横断歩道を渡る時にボタンを押さずに待ってしまっているときなど、ひとりだとふとおもしろくなってしまうけれど、誰かと共有まではしないような出来事をゲームで追体験して、日常をもっとおもしろがってもらえれば」との思いもあるそうだ。
現在ふたりで開発しているという本作は、全4ステージのうち3ステージが完成しているそうで、今回ブースで展示されていた体験版はitch.ioとBOOTHで遊ぶことができる。この不思議な世界観に触れてみたいと思った方はぜひ遊んでみてください。