『エイリアン：ファイアーチーム エリート』プレイレビュー。仲間と連携してゼノモーフを殲滅！3人協力プレイが楽しいTPS

　『Aliens：Fireteam Elite』（エイリアン：ファイアーチーム エリート）の日本語版が、国内では３gooよりプレイステーション5、プレイステーション4向けに2021年9月16日に発売される。

　本作は、映画『エイリアン』の世界が舞台の協力プレイ型の3人称視点サバイバルシューティングだ。プレイヤーはあらゆるカスタマイズが可能な植民地海兵隊として、多種多様なクラスや装備から自分好みのものを選びながら、ゼノモーフと、ウェイランド・ユタニ社の襲撃に立ち向かっていく。

　今回、本作のPS5版を3人での協力プレイで遊んでみたので、その魅力についてレビューしていこう。

多彩なクラスと武器を使ってキャンペーンに参加

　本作では映画『エイリアン』三部作の23年後を舞台に、4つのキャンペーンを通してゼノモーフの脅威に立ち向かうことになる。

　ジャンルは3人称視点のサバイバルシューティング（TPS）で、宇宙船のダクトや入り組んだ道からゼノモーフが突然現れる、『エイリアン』シリーズ特有の不気味さも味わえるのが特徴だ。

　プレイの流れは、4つのキャンペーンをストーリーの流れに沿ってプレイして、ステージクリアーを目指していくというもの。ゼノモーフだらけの宇宙船から博士を救出するミッションやゼノモーフの巣の破壊、異常が検出されるエリアの原因究明など、エイリアンにまつわる物語を体験していくことになる。

　また、ストーリーのある4つのキャンペーンのほか、出現し続けるゼノモーフをひたすら迎撃していくホードモードも確認できた。

　キャンペーンの参加前に重要になるのが、プレイヤー自身のロードアウトの設定だ。本作ではガンナーやデモリッシャー、ドクなど5つのクラスが用意されており、装備なども細かくカスタマイズできる。

　クラスによって装備している武器が異なるのはもちろん、使えるアビリティも異なるので、自身のプレイスタイルに合わせて選んでいくのがオススメだ。味方の回復ができる支援特化のドクなど、TPSに慣れていない人でも活躍できるクラスがあるのがうれしいところ。

　マルチプレイで遊ぶことになるため、自分のクラスの役割をうまくこなしていると手応えも感じられる。

　また、各クラスにはレベルの概念もあり、くり返し使用することでレベルが上がりパークも解放されていく。パークの内容は敵を攻撃するほどにダメージ量がアップ、アビリティの効力追加などクラスによりさまざま。後半になると、パークをカスタマイズしてより自分好みの性能に特化させたクラスとして活躍させることが可能だ。

【各クラスの特徴】

• ガンナー：最前線に立って戦うアタッカータイプ。アビリティで発射速度の上昇やグレネードの投下、パークで与ダメージを増加するなど攻撃よりの性能を持つ。
• デモリッシャー：重火器で敵を殲滅する複数戦闘に特化したクラス。ガンナーと比べると弱い敵を一掃する方向に長けており、アビリティでもロケットを発射して敵をまとめて攻撃できる。
• テクニシャン：自身の戦闘力はやや低めだが、アビリティでセントリーガンの設置や敵をスタンさせるトラップを配置できる。中衛として前衛・後衛をバックアップできる支援職。
• ドク：味方の体力回復、一時的なステータスアップといった支援に特化したクラス。回復手段の限られるミッションにおいて、味方の生命線になれる。
• レコン：スナイパーライフルを使用でき、敵の探知から弾薬供給といったサポートもこなせるクラス。後方から敵を攻撃しつつ、味方も支援できる。

　使える武器はいずれも未来的なデザインとなっており、パルスライフルやオート照準付きのマシンガンなど、その外観もカッコイイ仕上がり。

　武器によってはかなりクセが強く、威力は高いがリコイル制御が難しかったり、逆にオート照準で簡単に敵を狙えるものなど多彩な武器が登場する。TPSに慣れていない人でも扱いやすい武器が揃っているので、マルチプレイ前提ではあるが気軽に遊べる印象を受けた。

大量に湧き出るゼノモーフに3人で立ち向かう！

　ロードアウトの準備が終わったら、いよいよキャンペーンに参加するときだ。

　招待したフレンドといっしょに選んだキャンペーンをプレイするか、ランダムでマッチングしたプレイヤーどうしで進めていく。なお、マッチングしなかった場合はAIが味方として付いてきてくれるので、ソロでも問題なくプレイできる。

　キャンペーンがスタートしたら、表示されたミッションを進めていくことになる。ストーリーに合わせて目的地が表示されるので、そこに向かいつつ道中遭遇した敵を迎撃していく流れだ。

　移動中はいたるところからゼノモーフが出現するので、その都度迎撃しながら目的地を目指す。ただし、必ずしもすべての敵を倒す必要はなく、目的地が表示されているなら無視して突っ切ることも可能だ。背後から迫る大量のゼノモーフから走って逃げれば、映画のワンシーンのような緊迫感を味わえるかもしれない。

　とはいえ、そう簡単に逃してもらえるわけでもないのだ。ときには道が封鎖されていることもあるので、ひとりが道を切り開きつつほかのふたりが迫ってくる敵を倒すなど、互いに背中を預けあうことが重要になる。

　遭遇することになるゼノモーフたちの種類の多さも、キャンペーンを盛り上げてくれる要因のひとつ。大きな音を立てて一直線に進行してくるシンプルなゼノモーフだけなら気が楽なのだが、不意打ちをしてきたり、近づいてほしくないゼノモーフたちも登場する。

　天井などにひっそり隠れて突然襲い掛かってくるゼノモーフ、死亡時に爆発して酸をまき散らすもの。ショルダータックルを仕掛けてきたかと思ったらすぐに隠れ、また嫌なタイミングで突撃してくるゼノモーフまで、出会いたくないエイリアンが勢揃いだ。厄介な相手は一目見ただけでわかるので、ボイスチャットなどで接近を報告し、3人での一斉掃射で倒してしまいたい。

　移動中の突発的な遭遇以外に、開けた場所に到着した際は大量のゼノモーフが登場するのがお約束。四方から湧き出てくるゼノモーフを、3人で協力しながら殲滅することになる。

　そういった際に役立つのが、特定のポイントで入手できるセントリーガンなどのアイテムだ。一時的に銃がパワーアップするアイテムや、配置すると自動的に敵を迎撃するものまで、役立つアイテムが多数登場する。

　大量の敵を相手取る際は、マルチプレイの醍醐味を最大限に味わえる。敵は正面だけでなく四方から攻めてくる上、ひとりでは弾薬の補充やリロードの隙をどうしても狙われてしまう。回復したいときにカバーしてもらったり、ピンチの味方を救っている場面ではとくに一体感を感じられた。

　また、本作はマルチで遊ぶのが前提の内容だが、フレンドとのプレイやボイスチャットは必ずしも必要ではない。やるべきことがハッキリとしているので、無言で初対面の相手とのマッチングでも、お互いに協力できる部分が多く、マルチ要素を十分に楽しめるだろう。マルチプレイやボイスチャットに抵抗がある人でも、問題なく楽しめるはずだ。

　クラスごとにやるべきこと・できることも明確なので、パーティーの役に立っているというマルチプレイならではの高揚感も得やすい。たとえばガンナーの場合、一時的に射撃の速度が上昇するアビリティを使えるので、強敵が出現した際に大活躍できる。

　巨大な敵の登場に合わせてアビリティを発動し、味方の前に立って銃を連射して一瞬で葬り去る。そんなカッコイイ立ち回りが簡単にできるので、ガンガン前に出て攻めたい人ならガンナーがオススメ。

　ほかのクラスも同様に使うだけで味方の役に立つ、感謝されるようなアビリティを持っているので、手軽に協力プレイの醍醐味を味わえるのが本作のいいところだ。

　実際に3人で協力プレイをしてみると、無意識に連携を取れるのが魅力だと感じさせられた。戦闘中は四方からゼノモーフが迫ってくるので、必然的に隣に並び、背中を預けながら戦うことになる機会が多く連帯感が生まれやすいのだ。

　プレイ時の難易度はスタンダードを選んでいたのだが、慣れていないこともあり最初のキャンペーンから二回も失敗してしまった。とくに難所だったのが、終盤に大量の敵が迫りくる場面。気がつくと味方ふたりが倒されており、すべての敵が自分に向かってきて為す術なくゲームオーバーに。

　失敗が続いたぶん経験と知識も蓄えられ、序盤は回復を温存しよう、ここは敵が集中してくるから一ヵ所に集まろうと、作戦を練りながらプレイして、ようやくクリアーまでたどり着くことができた。クリアーしたときにはお互いの連携も取れ、動きもスムーズになっていたので、同じレベルの人どうしでいっしょにプレイするとより楽しめるだろう。

　キャンペーンが無事に終了したら、経験値と報酬を受け取ってミッション完了となる。報酬では武器に付けるアタッチメントや、好みの装備を購入するためのクレジットが手に入る。ここで得たクレジットを使って武器をカスタマイズし、つぎのキャンペーンに挑むというのが基本的なプレイサイクルだ。

　アタッチメントの種類も豊富で、射撃速度や安定性を上げるだけでなく、連続ヒットさせることで効果が上昇するなど、さまざまな特徴を持っている。カスタマイズ次第で個性的な武器に仕上げることもできるので、キャンペーンをくり返しプレイして最高の装備を作り上げよう。

　武器に装着するアタッチメントだけでなく、各クラスの持つアビリティなども強化できるので、プレイするほどに快適な戦いが可能になっていく。

　ちなみに、装備以外にも武器につけるデカールや、エモートなどのオマケ要素も充実している。出会ったプレイヤーとの一時の交流として、ユニークなエモートを装着して場を盛り上げてみよう。

　『Aliens：Fireteam Elite』（エイリアン：ファイアーチーム エリート）はプレイサイクルはシンプルながら、マルチプレイならではの楽しみやカスタマイズ要素が充実しており、くり返し遊びたくなる魅力を持っていた。

　また、各キャンペーンの難易度も細かくわけられているので、初心者から上級者まで幅広い人が楽しめるだろう。スタンダート以上の場合は単純な敵の強さ以外にフレンドリーファイアの要素なども追加されていくので、プレイヤー側の操作テクニックも重要になってくる。

　四方からゼノモーフが迫ってくる本作の性質上、フレンドリーファイアは多発しがちなので、慎重なプレイが求められることになるだろう。実際にマルチプレイ中、味方に迫るゼノモーフを仕留めようとショットガンを撃ったところ、その味方ごと倒してしまうという悲劇も発生していた。

　フレンドとワイワイ騒ぎながら遊ぶのにも適しているが、ランダムマッチングで出会った人と協力して遊んでも楽しめるゲームなので、TPS好きはぜひ一度体験してみてほしい。