エレクトロニック・アーツのSFサバイバルホラーアクションゲーム『デッドスペース』のリメイク版で目指しているテイストが明かされた。

 情報が明かされたのは、本日未明に開発元Motive StudiosがTwitchで放送した開発配信にて。実際のゲームプレイ映像ではないものの、開発チームのテスト環境やエディター上の映像などを通じて本作のビジュアルやゲームプレイの方向性がわかる内容となっていた。なお映像はTwitchにアーカイブが残されているほかYouTubeの『デッドスペース』公式チャンネルにもアップロードされる。

 まず『デッドスペース』リメイク版の開発にあたっては、往年のスター・ウォーズゲーム『Star Wars: X-Wing vs. TIE Fighter』を念頭に置いてMotiveが『Star Wars:スコードロン』を開発したように、オリジナルのコアな体験やフィーリングに対して間違いのない、エキサイティングなものを届けようとしているという。

 開発チームではそのために初期から『デッドスペース』のプレイヤーコミュニティから意見を聞いているそうで、この配信もファンからの反応を探る一環なんだとか。

 さて、配信で最初に明かされたのは、ビジュアルの雰囲気と方向性。仮のモデルのアイザックが通路を歩いているテスト映像が見られたのだが、薄暗く霧が立ち込めている中を周囲の光源からの反射を受けながら進んでいく様子は不穏で緊迫感があってなかなかいい感じ。記者はHDR環境を持っていないのだが、思わず導入を検討したくなる。

『デッドスペース』リメイク開発中画像
比較画像も。アイザックのスーツ自体は仮のものだそうだが、金属部分が鈍く反射するのとかもなかなかいい。

 お次は部位破壊表現。人間が変貌したクリーチャー“ネクロモーフ”の手足などを部位破壊で狙って倒していくのは、『デッドスペース』の戦闘のコアとなる重要な要素だ。

 リメイク版ではそのためのダメージ表現が強化されており、攻撃が当たった場所の肉が細かく削げるなど、各部位のダメージ表現によってあと何発ぐらいで倒せるかのフィードバックが得られるようになっている。そしてどの武器をどのネクロモーフに使うかによって、反応も変わってくるとか。

『デッドスペース』リメイク開発中画像
シリーズではクリーチャーの部位破壊が非常に重要な要素だが、リメイク版では肉が削ぎ飛ばされた状態などで各部位のダメージの蓄積を確認でき、あとどれぐらいで撃破できるかのフィードバックを得られる。

 そして、無重力空間を進むパートも強化が予定されている部分だ。『デッドスペース2』以降と比べると、初代のそれはやや弱かった要素と捉えられており、リメイク版では全方向に飛び回って探索できるように。

『デッドスペース』リメイク開発中画像
ゼロG(無重力)パートは初代『デッドスペース』ではやや弱かった要素として、全方向自由に移動できる設計に。

 最後に物語の部分については、ストーリーの土台やそのトーンはリメイク版でも変えないと明言。さらにシリーズでアイザックを演じてきたガンナー・ライトがリメイク版でも再びアイザックを演じるという。

 またアイザックが話す際の“ルール”も明かされた。アイザックは“基本的に話しかけられた時に話す以外は、周囲の状況や発言に対して反応しないとおかしい時だけたまに話す”というものになっているそうで、あくまで一介の施設修理エンジニアに過ぎないアイザックが孤独な戦いをする羽目になる、本来の渋いストーリーテリングのトーンは維持されるんじゃないだろうか。

『デッドスペース』リメイク開発中画像
主人公アイザックが発言する際のルール。基本的に話しかけられた時に話すもので、それ以外は周囲の発言や状況に反応するのが自然な場合にしゃべることがある。

 『デッドスペース』は、2008年に海外で発売されたTPS(三人称視点シューティング)スタイルのSFサバイバルホラーアクションゲーム。巨大宇宙船“USG Ishimura”に事故対応と修理のために乗り込むこととなったエンジニア“アイザック・クラーク”と“ネクロモーフ”と呼ばれるクリーチャーとの戦いを描く。

 リメイク版は『バトルフィールド』シリーズなどで使われているフロストバイトエンジンを採用し、プレイステーション5/Xbox Series X|S/PCを対応プラットフォームに開発中となっている。