ファミ通.comの編集者&ライターが2021年夏のおすすめゲームを語る連載企画。第7回で取り扱う作品は、『セブン・ビリオン・ヒューマンズ』です。
【こういう人におすすめ】
- パズルゲームが好き
- プログラミングに興味がある
- 効率化を考えるのが好き
北埜トゥーンのおすすめゲーム
『セブン・ビリオン・ヒューマンズ』
- プラットフォーム:Switch、PC、iOS
- 発売日:Switch版:2018年10月25日、PC版:2018年8月24日、iOS:2018年12月6日
- 発売元:Switch版:フライハイワークス、PC版:Tomorrow Corporation、iOS:Experimental Gameplay Group
- パッケージ版:Switch版あり(※)
- ダウンロード版:あり
※パッケージ版は前作『ヒューマン・リソース・マシーン』のほか、オリジナルサウンドやガイドブックがセットになった『ヒューマン・リソース・マシーン デラックス「初めてのぷろぐらみんぐ 入門セット」』として発売中
楽しみながらプログラミングを勉強
いきなりですが、筆者はファミ通に入る前、プログラミングの勉強をしていました。最近、任天堂からゲーム制作を手軽に体験できる『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』が発売されたり、MAGES.の『シュタインズ・ゲート』とコラボしたITエンジニア向けプログラミングゲーム『電脳言語のオルダーソンループ』が公開されたり、プログラミングブームがきているのかなと感じています。
『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』(Switch)の購入はこちら (Amazon.co.jp)そんなことを考えていたときに、『セブン・ビリオン・ヒューマンズ』を購入したものの、まだ遊んでいなかったことを思い出し、プレイしてみたらドハマりしたので、数年前に発売したゲームになりますが、紹介させてください。ちなみに筆者は前作『ヒューマン・リソース・マシーン』はクリアー済み。
本作はプログラミングを題材にしたパズルゲームです。各ステージで上司から出された課題を、社員にプログラムで指示を出してクリアーしていきます。プログラムと言っても、実際にコードを打ち込むのではなく、社員への指示が書かれたコマンドを並べるだけでオーケー。
前作『ヒューマン・リソース・マシーン』では、指示を出す社員はひとりでしたが、本作では複数人に増えています。本作をクリアーするためには、複数人の行動を把握する必要があるので、シリーズを遊んだことがない人は、前作『ヒューマン・リソース・マシーン』からプレイするほうがいいかもしれません。
たとえば下の画像のステージは、社員たちの前にあるパネルを2マス下へ移動するというもの。まずは社員を指定した方向に移動させる“Step”で1マス下に移動してもらいます。
社員たちがパネルの上まで移動したので、つぎは周囲にあるモノを拾う“pickUp”でパネルを持ち上げます。
パネル持ち上げた状態で、下方向を指定した“Step”を2回行った後、持っているモノを置く“drop”でパネルを置けば課題達成。
今回はわかりやすく説明するために、行動ごとに解説しましたが、ゲームではコマンドを並び終えて、左下にある再生ボタンを押すことで社員たちが行動を開始します。行動を開始した後は、コマンドの変更は行えず、見守ることしかできません。社員たちは基本的に上から下に向かって順番にコマンドを実行していきます。
つぎの課題はパネルを左右の矢印の間に並べというもの。
一見、先ほどと同じように思えますが、パネルまでの距離が社員によって異なります。前回のように2マス下に移動した後にブロックを拾うという指示では、左端、右から3番目、右端の3人しかパネルを拾えません。
課題を達成するだけであれば、1マス下に移動してパネルを拾う(“pickUp”は指定された場所にモノがない場合、「拾うモノがありません」と表示されるだけで終わる)を5回くり返した後、1マス下に移動して、パネルを置くという方法でも可能です。
そんなときに便利なのが“if”と“jump”です。“if”は「もし〇〇ならば〇〇を行う」という感じで条件が指定できるコマンド。今回の場合は「もし、社員の足元がパネルならば、モノを拾う」と指定してあげれば、足元にパネルがないときには“pickUp”は無視されることになります。
そして“jump”はつぎに実行する場所を指定したコマンドの場所までジャンプさせることができるコマンドです。先ほど、「社員たちは基本的に上から下に向かって順番にコマンドを実行していきます」と解説しましたが、“jump”を使えば、下から上に戻ることもできるので、うまく活用すればループが作れます。
ループは作れましたが、このままでは社員たちが穴に落ちてしまうので、どこまで移動すればいいのかを指定してあげましょう。このステージでは、矢印の描かれている列の1マス下が穴になっています。そこで、“if”を使って「もし、社員たちの1マス下が穴であれば、パネルを置く」と指定してあげれば、無事に問題解決です。
というように、1度クリアーした課題でも社員たちに無駄な行動をさせないために効率化を考えるのも、実際のプログラムと同じく楽しいところ。ステージを進めていくと、新しいコマンドや仕掛けも増えて、さらに複雑になっていきますが、その分、クリアーできたときの達成感も格別です。
プログラミングを勉強していた身としては少し気になるところもありますが、パズルを楽しみながら、プログラムの基礎を学べるというのは魅了的だと思うので、興味を持った人はぜひプレイしてみてください。