NetEase Gamesは、本の擬人化をテーマとしたiOS/Android向けRPG『終末のアーカーシャ』を配信する。
本作でプレイヤーは、名著を擬人化した幻書と呼ばれるキャラクターと出会い、さまざまな世界をともに旅することになる。
世界的に有名な書籍はもちろん、日本でおなじみの『古事記』をはじめ、『画図百鬼夜行』、『今昔物語集』、夏目漱石の『吾輩は猫である』、太宰治の『人間失格』なども幻書として登場する。そんな本作の特徴などを紹介しよう。
世界の名著を擬人化!
本作では、東洋、西洋、過去、現代を問わず、さまざまな書籍が擬人化されている。イラストをはじめ、3Dモデリングも細部までこだわりぬかれたクオリティで幻書たちを表現している。
さらに、世界各国の名作をもとに、それぞれの国の文化が融合された個性的な幻書が多く登場するのも注目のポイントだ。
ゲーム内には前述した『古事記』や、『画図百鬼夜行』、『今昔物語集』、夏目漱石の『吾輩は猫である』、太宰治の『人間失格』などが、できる限り忠実に再現されているという。また、ゲームリリース後には、『枕草子』などの作品も幻書として登場予定だ。
幻書とともにさまざまな世界へ
ストーリーでは、プレイヤーは幻書とともに終末の都市や夢のようなおとぎの国、美しくも謎めく深海の秘境、壮大な中世のお城など複数の世界を旅することになる。
幻書のメインストーリーは、独立した世界観と事件をもとに成立しており、その背後には悪事と悪役が存在する。幻書のもととなる作品が事件や悪役などに、どのように影響し、物語を変化させていくのかが大きなポイントになりそうだ。
位置関係が戦略の重要なカギを握るバトル
バトルシステムは、ターン制となっており、位置関係が非常に重要なカギを握る。戦闘中に特定の攻撃や移動をすることで、ポジションの変化が起こり、これによって戦況がだんだんと変わっていく。
相手の位置を変化させるスキルや移動を駆使しながら、うまく戦っていくことが重要になる。たとえば、敵を引き寄せるスキルを使用して、違う幻書の近距離範囲攻撃を組み合わせるといった形など。
幻書ごとにスキルも特徴があるので、そちらも考慮しながら戦闘を組み立てていきたい。
開発経緯や今後、幻書化したい日本の作品などについて開発者に聞いてみた!
ゲームのリリースを前に、本作でゲームプランナーを務めるくまさんにインタビューをさせていただいた。
書籍を擬人化しようと思った理由や、開発中に苦労したことをはじめ、気になることを聞いてみたので、ぜひ確認してほしい。
――『終末のアーカーシャ』は、どのようなゲームになっているのかご説明いただけますでしょうか?
くま本格のファンタジーRPGです。自分の幻書を育成して、どんどん強敵を挑戦します。バトルでは、伝統のターン制RPGの上に、リアルタイム制ゲームでよく見られる位置と攻撃範囲要素を取り入れています。育成とバトル以外も、依頼・すごろく・コレクションルームとかのサブシステムがあり、様々な体験を提供しています。
――『終末のアーカーシャ』は、書籍を擬人化したゲームということですが、なぜ書籍を擬人化するというアイデアはどこから生まれたのでしょうか?
くまプランナーの皆さんは本好きですが、それぞれ好きな本の種類は違います。自分の好きな本を人にすすめるときは、その本をキャラクターにして人に紹介するのは面白いなと思って、このアイデアが生まれました。
プレイヤーの皆さんはこのゲームを楽しんでいただいているうちに、もっと分野が違う本を知って、読んで、そして好きになってくれたら、それはすごくロマンチックなことだと思います。
――書籍を擬人化する際に意識しているところ、気をつけているところがあれば、お教えください。
くまもっとも工夫しているのは原作の考証です。原作から要素を取り出して、キャラをその本らしくすることは一番気をつけています。
――開発中にこれは困ったななど、苦戦した部分はありますか? とくに全世界の書籍を扱う場合、母国語で翻訳されていないものがあった場合は非常に大変そうだと想像してしまいました。
くまそうですね、原作の考証は難しいです。ゲームに登場しているキャラの原作(中国語翻訳バージョン)は、ほぼ開発現場に置いてありますね。シナリオ担当からバトル担当まで、そのキャラに関わるプランナーは全員原作読んでから仕事をします。プランナーの中にトリリンガル(三言語を扱う人)も何人いまして、翻訳されていない原作の場合は、英語あるいは日本語バージョンを参考します。
――もちろん本作にはストーリーが存在していると思うのですが、大まかにどのような内容になっているのか、教えていただければ幸いです。
くまストーリーを紹介しますね。
ストーリー:
謎の組織は館主資格のある「主人公」を利用して、アーカーシャ館の封印を解いて、アーカーシャの火の力に手を出そうとした。その結果、アーカーシャの火は無数の欠片になり、世界各地に散らばっていた。火の欠片を獲得した「幻書」はその力を使って、自分の願いに沿って世界を変えて、人類文明に新しい危機をもたらした。そこで、事件に巻き込まれた主人公は館主の責任を負い、火の守る人である「砂の本」と一緒に、幻書たちの願いによって生まれた様々な異世界中に回して、火の欠片を収集して人類文明を守る道に足を踏み入れた。
――『終末のアーカーシャ』で、特に注目してほしいポイントをお教えください。
くま
- それぞれ異なる魅力をもつ書籍と共に戦い、果てしなく広がるフィールドマップを探索
- 夢のように無限に広がる不思議な世界
- 戦闘中のキャラポジションや陣形変化で、攻守が一瞬で逆転することもある斬新なバトルスタイル
という3つのポイントです。
――現状、『古事記』や『吾輩は猫である』などの日本の書籍が擬人化されていますが、今後どのような日本の作品を擬人化したいと考えておりますか?
くま古い時代の『万葉集』、『枕草子』から近代の『銀河鉄道の夜』とかまで、いろんな時代の日本の作品を挑戦してみたいです。
――日本に限らず、この作品を擬人化してみたいといったものがあれば教えてください。
くま自分的には数学の本の擬人化をしてみたいと思いますが、数学の本の内容は抽象的で、具象化にするのは骨が折れそうです。
あとは自分は推理小説が好きなので、日本とかイギリスとかの推理小説のキャラを作ってみたいです。
――現在考えているイベントやキャンペーンがあれば、ぜひお聞かせください。
くま近い将来に、ある有名なIPとのコラボイベントがあります。
――最後に日本のプレイヤーに対してメッセージをお願いいたします。
くま『終末のアーカーシャ』で好きなキャラを見つけていただければ何よりです。また、もし“幻書“にしてほしい作品がありましたら、ぜひお知らせくださいね。公式TwitterへのDMやコメントなどでお願いします。全部読みます!(笑)
[2021年8月3日20時15分追記]
一部文言を修正しました。