スクウェア・エニックスから2021年7月27日発売のNintendo Switch、プレイステーション4、PC（Epic Games Store：発売は2021年夏予定）用ソフト『新すばらしきこのせかい』。本稿では、そんな本作の発売日レビューを動画とともにお届けする。
他に類を見ないバトル操作
チームバトルになった本作では、メンバーひとりに1個バッジを装備し、バッジに対応したボタンを押すことで、それぞれのサイキックが発動するという仕組み。カメラはサイキックを発動しているキャラクターに追従するので、チームバトルの臨場感が味わえる。
（バッジにエネルギーがあれば）本当に瞬時に使いたいサイキックが発動するので操作のストレスもなし。サイキックの発動はプレイステーション4では□、△、L1、L2、R1、R2の各ボタンに割り振られており、その発動は連打するものやホールドするものなど、微妙に異なる操作になっている。
しかも、それらを順番に入力して連携攻撃にしてもいいし、一気に全部入力して一斉攻撃にしてもいいため、戦略の幅は広いが、操作はなかなかトリッキーになりがち。だが、ガチャガチャ押しているだけでも小気味よく攻撃がくり出せるので、アクションが苦手な人でも十分に戦えるバトルになっている。
もちろん、慣れてくると、メンバーと連携して“シンクロコンボ”を発動させ、シンクロ率100％以上で放てる“マッシュアップ”という強力なサイキックを狙っていくほうが爽快だし、敵を早く殲滅できて効率的。物語を進めていくと、シンクロ率300％まで溜めることができ、このときメンバー全員で一斉攻撃をする必殺技が発動可能になる。必殺技は威力はもちろん、チームHPも回復できるので、“マッシュアップ”をこまめに狙っていくか、300％まで溜めて必殺技を狙うか、戦況やプレイヤーのスタイルによって戦略が分かれそう。自分はNORMALでシンクロ率をある程度上げてからHARDの敵に挑み、バトル序盤でマッシュアップや必殺技を叩き込んで、バッジ集めや経験値稼ぎをしたりしました。
いろいろなタイプのサイキックがあるため、バトルがつねに新鮮
バッジは300種類以上あり、近距離攻撃、遠距離攻撃、回復、防御などさまざまなタイプのサイキックが用意されている。攻撃手段も電撃を放ったり、衝撃波で吹き飛ばしたり、斬り上げて打ち上げたり、叩き付けたり、炎上させたり、引き寄せた物体で攻撃したりと、とにかく多彩。
バッジはノイズを倒したり、ミッションの課題をクリアーするなどして入手可能。バトルで使用することで、比較的容易に成長させることができるので、強いデッキを目指してバッジを育てては外し、外しては育て、といった具合に基本的にはどんどんバッジを付け替えていくことになる。バッジを変えると、連携やシンクロコンボのつながりかたなども変わってくるため、試行錯誤が生まれ、つねに新鮮な気持ちでバトルできるのも本作の魅力。前作同様、ある条件を満たしたときにしか進化しないバッジもあるなど、バッジの育成も楽しい。正直、物語を1回クリアーした程度では、盛り込まれた要素の半分程度しか消化できていない、そんな奥深さのあるバトルになっている。
最大6人の仲間が駆け巡るバトル
バトルのチームメンバーは最大で6人。基本的には同じボタン操作のバッジは装備できないため、□、△、L1、L2、R1、R2の6つのボタンを全部使ってのバトルになるわけだが、ある条件を満たすと、同じボタン操作のバッジを装備できる人数を増やすことができる。たとえば、△ボタンの操作バッジをリンドウとフレットが装備する、なんてことも可能なのだ。その場合、△ボタンを入力すると、ふたりが同時にサイキックを発動する。バッジのエネルギーゲージのマネジメントにより気をつける必要はあるものの、6人バトルのスペクタクル感を適度なボタン操作で味わえるのはありがたい。
コレクション要素やアンロック要素が充実。じっくりと遊べる作品
バッジはもちろん、ファッションアイテムや音楽CDなどのコレクションも充実し、本作からの新要素“キャラクターボード”ではゲームを進めるうえで便利な機能やリンドウたちを強化できる要素をリワードとして入手することができる。リワードには難易度HARD、EASYが追加されるような基本システム的なものから、ダブりバッジを一括売却してくれる便利機能などさまざま。リワードでゲーム進行がどんどん便利になっていくので、サブイベントなども積極的に受けて、人々との出会いを大切したいところ。
また、前作ではクリアー後に追加されていたチャプターセレクトもゲーム前半で可能になり、バッジ集めやピグノイズ討伐、キャラクターボードのリワード獲得など、やり込み要素と言えるものをストーリー攻略に役立てられるのはうれしい。
予測不能の物語
物語の具体的な内容は触れるわけにはいかないけれど、『すばらしきこのせかい』はクセの強い登場人物が、謎に包まれた物語を意外な方向へ着地させる、予測不能な展開を見せるのも魅力のひとつ。本作でもその期待に応える、いや、その期待の斜め上を行く内容で、アツい展開がお好みのシイバさんも納得のデキ。サブキャラもユニークで、ショップの店員もかなり個性的。まさに『すばらしきこのせかい』の渋谷がここにある。
14年は長かった……でも、待った甲斐があった内容になっているので、『すばらしきこのせかい』ファンの方はぜひ。『すばらしきこのせかい The Animation』から知った方や本作が気になっている人は、体験版（Nintendo SwitchとPS4向け）からプレイしてみてはいかがでしょう？
