2013年4月にテレビシリーズが始まったアニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』、通称『俺ガイル』。現在アマゾンプライムビデオではシーズン1~3までの全エピソードを視聴できるうえ、アニメ1期で放送された番外編も配信中です。
原作は累計発行部数1000万部以上を誇る、ライトノベル作家・渡航先生の大人気小説。ライトノベルのガイドブック『このライトノベルがすごい!』では3年連続で作品部門1位に輝き、見事殿堂入りを果たしました。
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(アマゾンプライムビデオ)気になる内容ですが、まず主人公は眼と性根の腐ったぼっち男子高校生・比企谷八幡。ひょんなことから生活指導担当教師・平塚静に“奉仕部”への入部を勧められ、案内された教室で部員の雪ノ下雪乃と出会います。
そして奉仕部の活動を通し、由比ヶ浜結衣や戸塚彩加などさまざまな生徒たちと関わりを持つようになる八幡――。さぁ、ここから夢のようなラブコメ展開の突入だ! と思ったら大まちがい。その先には視聴者の予想をいい意味で裏切る、まちがいだらけの青春が待っていました。
たとえばその一例を挙げると、八幡のぼっち美学。とにかく彼は常軌を逸したひねくれ思考を持つ人物で、作中にはそんな八幡ならではの考えかたや発言がたびたび登場します。
「人間関係に悩みを抱えるなら、それ自体を壊してしまえば悩むことはなくなる。みんながぼっちになれば、争いも揉めごとも起きない」
上記の台詞は第8話『いずれ彼ら彼女らは真実を知る。』で放たれた八幡の言葉。ある日奉仕部は、部活の一環として小学生のキャンプの手伝いに駆り出されることに。その先で友だちから仲間外れにされる女の子を発見し、彼女を救うための案として八幡は“仲間外れにするグループを崩壊させて仲間という概念をなくしてしまえばいい”と考えるのです。
一見ものすごく卑屈なうえに、青春アニメの主人公とは到底思えない最低な解決法。でもどこか納得させられてしまう台詞でもありませんか?
“みんなと楽しく仲良く”、“逃げちゃダメ”なんて言葉は、いわば青春を謳歌するマンガの主人公が唱えるような考えかた。リアルでそのような考えができるのはごく一部の強者だけ(……のはず!!)で、それはあくまで理想論でしかありません。だからこそ八幡の現実的な言葉に、我々は共感し納得させられてしまうのです。
そんな彼独自の角度からどのように問題と向き合い、如何にして解決へ導いていくのか。かわいいヒロインたちも見どころのひとつですが、哲学書のような深いストーリー性こそ本作最大の見どころだと筆者は考えます。
果たしてまちがい続けた青春がたどり着く結末は……?
※Amazon Prime Videoの配信情報は記事制作時のものです。