バトルも物語も、間違いなくシリーズ最高峰!

 2021年7月16日、待望のNintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』がついに発売! 本作は、2011年にWiiで発売された『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』を、Nintendo Switch用にリメイクした作品だ。

 オリジナル版に続いて今回もとことんプレイした、『ゼルダ』好きの担当ライターによるプレイレビューをお届けしよう。

『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』プレイレビュー。体感操作の剣戟アクションと、マスターソード誕生を描く物語が激しくアツい!
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10年経ってさらに輝く剣戟バトル!

 右Joy-Conを頭上に上げて、パワーが貯まったら“スカイウォード”を振ってビームを出す――。

 この一連の動作の“俺が必殺技を出しているんだ”感といったら! 10年前のWii版をプレイしたときも思ったけど、10年経ったいまでも言える。『ゼルダの伝説』シリーズのどのバトルと比べても、『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』の剣戟バトルは最高だって! そしてそれは、『スカイウォード HD』になってさらに特別になった。

『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』プレイレビュー。体感操作の剣戟アクションと、マスターソード誕生を描く物語が激しくアツい!

ふたつの操作の使い分けが体感バトルをより手軽に

 右Joy-Conを剣に見立てて、縦、横、斜めに振ったり、前に突き出して、相手を攻撃する体感操作は『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』の最大の特徴だ。敵の動きや、ガードしている方向などを見ながら、剣の振る方向を変えていくのは、戦いのセオリーであり、攻撃が見事に当たると効果音を含めた演出で、自分が一人前の剣士になったような気分にしてくれる。

 戦闘時の相手の動きを見逃さないようにすることから生まれる緊張感と、実際に腕を振って攻撃が決まったときの爽快感、その“静”と“動”の流れは、まさに“剣戟”で、その簡単かつ直感的操作で、ゲームの上手な人だけでなく、ライトユーザーでも自分が“強い”、“カッコいい”と体感しながら戦える。

『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』プレイレビュー。体感操作の剣戟アクションと、マスターソード誕生を描く物語が激しくアツい!
『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』プレイレビュー。体感操作の剣戟アクションと、マスターソード誕生を描く物語が激しくアツい!

 ただ体感操作は、正直に言うと、ずっとプレイし続けるには楽しい反面、少し“疲れる”ことがある。Wii版で世界を救ったのは10年前――現在は四十肩の疑いが出てきた筆者は、10年の時を経て、当時は感じなかった“疲れ”を感じることも……。

 「え、手首を軽く振るだけで剣が振れるの知らないの?」って。それはわかってる! そして、攻略的にそれが正解だったりすることも。でも、戦っていると知らず知らずに興奮し、楽しいからこそ“振り”が大きくなってしまう。そして、大きく振って戦ったほうがやっぱり抜群に気持ちいい。で結果、疲れてしまうのは、オッサンプレイヤーのワガママです。ある意味クレーマーですよ。

 ただ、今回『スカイウォードソード HD』は、そんなオッサンの悩みまでも解決してくれている。ありがたいことに、冒険中に“Joy-Con2本持ち操作”と、剣をRスティックで操作する“ボタン操作”を、いつでも自由に切り替えられるのだ(たとえボス戦中であっても!)。一見地味に思える新要素だけど、実際に切り替えながら進めるのが快適なんです!

『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』プレイレビュー。体感操作の剣戟アクションと、マスターソード誕生を描く物語が激しくアツい!

 筆者の場合、大空や街、大地のフィールドの移動は“ボタン操作”で。バトルについては、魔物との通常バトルは“ボタン操作”と“体感操作”をそのときの気分で使い分けるのが基本。そして、手強い敵やミニゲーム、ボスバトルなど、ここぞの場面では目一杯の“体感操作”を使用している。

 もちろん、“ボタン操作”でRスティックを弾く形でも、本作の戦闘の醍醐味である剣の斬り分けによる敵との駆け引きは存分に味わえるし、『ゼルダの伝説』シリーズの1作品として十分楽しめる。ただ、もうひとつの操作に切り替えが行え、それが抜群の爽快感をもたらすからこそ、“切り替えた”ときの、“「どうやら俺の本気を見せるときが来たな……」感”が、戦いや探索をさらに盛り上げてくれるのだ。

 そして、体力を温存していたから、腕が動く動く! このプレイヤー側でフォームチェンジを選べるという仕組みが、戦闘をより盛り上げる役目を果たしてくれるのだ。切り替えても操作にスムーズに対応できるというのは、筆者が10年前に世界を救った元勇者だから(Wii版クリアー済み、というだけの話です)、っていう側面もあるとは思うけど、Nintendo Switchが『スカイウォードソード』初プレイという人でも、違和感なく使い分けられると思うので、ぜひ試してほしい。

体感操作の“剣”戟バトルだけじゃない、“剣”劇も魅力!

(ネタバレが少しあるのでミンナニナイショダヨ!)

『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』プレイレビュー。体感操作の剣戟アクションと、マスターソード誕生を描く物語が激しくアツい!

 『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』は、剣“戟”が熱いけど、もうひとつの剣“劇”も最高に熱い。本作は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』や『ゼルダの伝説 時のオカリナ』などで、リンクが手にする退魔の剣・マスターソードの誕生を描いている。

 主人公のリンクが、行方不明となった幼なじみのヒロインのゼルダを追っていくというシリーズ随一の王道設定のストーリーは、体感操作による没入感もプラスされ、プレイヤーを冒険の世界にすんなりと入り込ませてくれるだろう。過酷な運命に立ち向かうリンクとゼルダは、他のシリーズの作品と同じく、カッコいいし、気高く、そして美しい。

 ただ、筆者が“熱い”というのは、彼らたち“選ばれた者”だけではない。その後のハイラル史には名を残していない【何者でもない人】たちも、“自分ができること”で戦い、それが“マスターソード誕生”に欠かせないピースになっているということだ。10年前、中学生や高校生の時にWii版で勇者リンクと気持ちをリンクさせて戦った人も、この機会に改めて本作をプレイしてほしい。大人になったことでまた物語の見えかたが変わって来ると思うから。

 10年経ってより洗練された【剣戟】アクションをはじめとする体感操作と、10年経っても色あせず、プレイする人の立場で見えかたが変わるマスターソード誕生の物語【剣劇】。『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』は、シリーズのアイテムと知恵を駆使して行く手を阻む魔物や仕掛けを乗り越える手応えはそのままに、【剣】に魅力を凝縮された1本だ。

『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』プレイレビュー。体感操作の剣戟アクションと、マスターソード誕生を描く物語が激しくアツい!
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