35年のご愛顧ありがとうございます!

 1986年(昭和61年)6月6日は、ファミ通の記念すべき第1号が発売された日。本日で創刊から35周年を迎えた。

 ファミ通は、現在KADOKAWA Game Linkageから刊行されているゲーム総合誌。創刊当時の正確な名称は“ファミコン通信”でこれを略した愛称が“ファミ通”だったのだが、1995年年末の発売号から正式名称がファミ通に変更されている。若い読者の中には「ファミ通ってどういう意味?」なんて思っていた人もいると思うが、変更当時、編集部で電話番をしていた筆者的にも「愛称が正式名称に……?」と似たような思いを抱いていたことを報告しておこう。

ファミ通が創刊37周年。業界初のゲーム週刊誌で、ガバスシステムやクロスレビューなど多くの企画が名物コーナーに【今日は何の日?】
1995年12月29日号で告知され(左)、続く1996年1月5・12日合併号で“ファミ通”に。

 もともとはパソコン誌であるLOGiNのワンコーナー“ファミコン通信”だったものが、世の中のファミコンブームの流れに合わせる形でゲーム総合誌として独立。2週間に必ず1回発売する“隔週発売”を売りに創刊した。ちなみにライバル誌のファミマガはすでに1986年4月から月2回刊になっていて、こちらは毎月第1と第3金曜日が発売日だった。

 「隔週発売が売りになるのか?」と不思議に感じるかもしれないが、このころは当然ネットはなく、ゲーム情報はもっぱらゲーム専門誌か、ジャンプなどのマンガ誌などから仕入れるしかなく、ゲーム情報が定期的に把握できる機会は多くない状態だった。

ファミ通が創刊37周年。業界初のゲーム週刊誌で、ガバスシステムやクロスレビューなど多くの企画が名物コーナーに【今日は何の日?】
こちらは編集部にある創刊号(少々くたびれているのはご容赦を)。 “BIWEEKLY”の文字が見える。ちなみにサムネイルの画像は週刊ファミ通2004年4月16日増加号の付録である復刻版のもの。

 筆者の体験談を例にすると、ファミコン ディスクシステムを買いにいったその日に、店員さんから「発売延期になった」と知らされるといった具合。キッズだった筆者は親に買いに行ってもらっていたので、親がウソを付いているのではないかと疑ったほどだ(笑)。後日ファミマガに掲載された広告を見て「本当に発売日が1月21日から2月21日になっている!」と信じるような有様(このときはファミマガもまだ月イチ発売)で、誇張抜きでそのくらい情報が入ってこなかった。

 ゆえに、当時としてはゲームの情報が隔週でも定期的に入手できるのは珍しいものだったわけだ。その後、ファミ通は1991年7月12日発売号からはゲーム誌業界初の週刊化を実現。以降、35年にわたって週刊のゲーム雑誌として刊行を続けている。なお、もとは毎週金曜発売だったが、2009年からはソフトの流通に合わせて木曜発売となった。

 近年では、ゲームの情報の速度より、数十ページのボリュームで構成する特集を重視した雑誌にシフトしている。

 これは余談だが、ファミ通と言うとガバスシステムやクロスレビューなどが昔から有名だが、ファミ通町内会をはじめとするお笑い記事の比率が高いのも大きな特徴だった。通常は表に出さない編集者を誌面に露出させ、バカなことを本気でしてみる通称“バカ記事”は、ご時世柄もあっていまでこそ記念号くらいでしか見られなくなったが、ひと昔まえまではかなりの頻度で掲載されていた。

 少々やり過ぎ感もあって実際、当時の編集長に会議で「お前ら誌面に出過ぎ」と釘をさされたこともある。ちょうどそのとき議題に上がった号で、筆者は“やり込みばあさん”というゲームのおもしろいやり込みを紹介する特集で、全面的に誌面に出まくっていたので部屋の隅で小さくなっていたことを覚えている(笑)。

 なお、週刊ファミ通では、2021年7月21日発売号にて“ファミ通35周年&1700号突破記念”として数々の特別企画記事を予定している。こちらもお楽しみに!

残念ながら“やり込みばあさん”の記事は見つからなかったので、その代わり……といってはなんですが、かつてのウワーマンさんの勇姿をお届けしよう。こちらは2008年1月11・18日合併号での“このアドベンチャーゲームがスゴい!!”の記事より。キマっています!
そしてこちらは2007年9月14日号の2ファミキング拡大版 ファミ通の日スペシャル”より。イメージキャラクターのリュ・シウヮンとのことですが、たしかに本家の韓流の俳優さんに似ているかも?
これまでの今日は何の日?