2021年5月28日、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが配信した新情報発表・動画配信番組の“State of Play”にて、プレイステーション5(以下、PS5)を使った『Horizon Forbidden West』の最新プレイ映像が公開された。

 『Horizon Forbidden West』は、オランダのゲームスタジオ・ゲリラが開発したオープンワールドアクションRPG『Horizon Zero Dawn』の続編。PS5はもちろん、PS4にも対応している。

 『Horizon Zero Dawn』は2017年3月2日にPS4向けに発売。大災厄によって人類文明が闇に包まれてから1000年後、機械の獣が大地を支配する未来の地球を舞台に、ハンターのアーロイが自身の出生の謎や、世界の秘密に迫る、というストーリーになっていた。

 今回公開された映像では。主人公のアーロイが、テナークス族の襲撃者に捕まった仲間・エレンドを奪還する様子が紹介された。テナークス族は、強大な力を持った“機械獣”を従える力を備えた強敵。さまざまな武器を武器ホイールで切り替えて立ち向かうことになる。

『ホライゾン Forbidden West』ゲリラゲームズの開発陣へインタビュー。シリーズ最新作の気になることを直撃!

 今回は、映像に出演したゲリラのゲームディレクター・Mathijs de Jonge(マタイス・デ・ヨン)氏と、ナラティブディレクター・Benjamin McCaw(ベン・マコー)氏にインタビューを実施。続編の開発がスタートした経緯や、映像で公開された情報を深堀りしたので、最後までチェックしてほしい。

Mathijs de Jonge(マタイス・デ・ヨン)

ゲリラ・ゲームディレクター

Benjamin McCaw(ベン・マコー)

ゲリラ・ナラティブディレクター

前作から6ヵ月後。アーロイがアメリカ大陸の西部へと旅立つ!

――前作『Horizon Zero Dawn』は新規IPにも関わらず、そのすばらしいクオリティで世界中から非常に評価されたことと思います。今回の新作の開発は、いつごろから予定されていたのでしょうか。

McCaw続編の開発に関しては、前作のDLC(『凍てついた大地』)の開発が終わったときから取り掛かっていました。ただ、構想自体は前作の開発中からアイデアがあり、前作のデータポイントの収集物の中でも、アメリカ西部について言及していました。開発陣の中でも、西部はどういう場所なのだろうと、興味がどんどんふくらんできて、続編を作ることになりました。

――続編の舞台をアメリカ大陸の西部に決めた理由を教えてください。

McCaw『Horizon Zero Dawn』では、アメリカの有名なランドマークを探検できます。しかも、長い年月を経て朽ちた姿を見ることができるのが作品の特徴であって、これは『Horizon Forbidden West』でも深めていきたいと考えています。最新のゲームプレイ映像では、サンフランシスコをご紹介しましたが、これはほんの一部であり、もっとたくさんのランドマークを準備しています。続報をお待ちください。

『ホライゾン Forbidden West』ゲリラゲームズの開発陣へインタビュー。シリーズ最新作の気になることを直撃!

――つぎに本作のコンセプトをお教えてください。

McCaw本作でも“豊かな自然が広がる世界と機械獣がはびこる世界”というのは、コンセプトのひとつなのですが、本作の最大の特徴となるのは、“赤い腐蝕”が世界を侵食してしまっている状態です。この“赤い腐蝕”は、生命に危機をもたらすものであり、アーロイは腐蝕の原因を突き止めるために、西部で壮大な旅をくり広げます。その旅の中で前作の旧友であったり、新しい部族との出会いであったりを体験できます。

――前作からどの程度時間が進んだ段階の物語になるのでしょうか?

McCaw前作から6ヵ月が経過しています。この6ヵ月のあいだに“赤い腐蝕”が世界中に侵食していて、生命を危機にさらしています。アーロイは問題を解決するために旅に出ました。

――物語全体のボリューム感は、前作と同じくらいになるのでしょうか?

McCawマップの広さなどが大きくなったというよりは、密度が高くなっています。物語や謎に関しては、前作より濃くなっていると思います。

――PS5がリリースされるなど、開発環境が変わっていると思いますが、前回よりパワーアップした点があればお教えください。

Jonge前作は我々にとって初めてのオープンワールド、初めてのアクションRPGの開発でした。前作を礎にした本作は、さらなる進化を遂げていて、技術的にも進化しています。具体的に言うと、水中のレンダリングは特に向上していますし、PS5で発売されるということで、全体的により美しいグラフィックになっています。

『ホライゾン Forbidden West』ゲリラゲームズの開発陣へインタビュー。シリーズ最新作の気になることを直撃!

――たしかに、水中のシーンが美しく、非常に目を惹きました。水中を行動できるようにした理由を教えてください。

Jonge本作ではプルキャスターを使って、高所に登りやすくなっていたり、シールドウイングを使うことで下降もしやすいです。上下のアクションが容易になっているなかで、さらに下の水中に行けるとおもしろいのではないかと考えて、水中探索が行えるようになりました。陸上にいると見えませんが、水中に入ると新しい世界が広がっていて、機械獣がいるのも非常におもしろいと思います。

――水中にはスナップモウなどの機械獣が棲息しているようですが、水中で戦闘は発生しますか? また、水中では潜水マスクがあるため、息継ぎなどは必要ないのでしょうか?

Jonge先に潜水マスクの特徴をお話ししますと、このマスクがあるおかげでアーロイは息継ぎをせずに、好きなだけ水中を探索できるようになっています。また、水中に敵がいるときは、水中の草の中に隠れたり、流れの速い水流を活用して逃げたり、煙幕を使って敵の視界をくらませたり……と、ねずみが猫から逃げるように、アーロイもまた逃げることになります。水中で弓を使うのは難しいので、たとえば、敵を陸上に誘い出して戦うのが効率的なのではないかな、と思います。

――お話いただいた水中のアクションのほかにも、最新のゲームプレイ映像では、さまざまな新要素が紹介されていました。本作でとくに注目してほしい新要素をお教えください。

Jongeどれも好きなので、選ぶのはとても難しいのですが、強いて挙げるならクライミングの仕組みがいいかなと思います。プルキャスターを使って高いところに登り、シールドウイングでゆっくり降下しながら逃げたり、攻撃したりと、行動の幅が広がってより自由になったので、それがとても楽しいです。あとは音楽などもお気に入りで、本当に選ぶのが難しいです。

McCaw同じに回答になってしまいますが、プルキャスターとシールドウイングですね。シールドウイングはゆっくり降りることができるだけではなく、敵に奇襲をかけるときにも活用できます。いろいろな使いかたができるので、ゲームプレイの幅が広がって魅力的だと思います。

『ホライゾン Forbidden West』ゲリラゲームズの開発陣へインタビュー。シリーズ最新作の気になることを直撃!

――映像でも新しい機械獣の姿を確認できましたが、本作には機械獣がどのくらい登場するのですか?

Jonge前作でも出会った既存の機械獣と、西部で初めて出会う機械獣を合わせると、数十体ほどになります。それぞれ特徴を持っていて、フォーカスでスキャンすることによって機械獣の特徴や弱点を見つけられるようになっています。

――空を飛ぶサンウイングや水中のスナップモウなど、地上以外の機械獣、また逆賊が乗っていた大型の機械獣をオーバーライドして騎乗することはできるのでしょうか?

Jongeさまざまな種類の機械獣をオーバーライドできるのですが、その中でも騎乗できるものは限られています。映像ではクローストライダーに騎乗する様子を紹介しました。現時点ではまだ、これ以上の情報をお伝えすることが難しいので、こちらも続報をお待ちいただければと思います。

『ホライゾン Forbidden West』ゲリラゲームズの開発陣へインタビュー。シリーズ最新作の気になることを直撃!
『ホライゾン Forbidden West』ゲリラゲームズの開発陣へインタビュー。シリーズ最新作の気になることを直撃!

――本作のロケーションも非常に美しいですが、フォトモードは実装されるのでしょうか?

Jongeもちろん、フォトモードの実装を予定しています。前作ではフォトモードを活用して、いろいろな美しい写真を撮影していただきました。本作はより美しいグラフィックで世界を表現していますし、PS5でもリリースを予定しているので、本作でもコミュニティーがどうのように世界を切り取ってくださるのか、とても楽しみにしています。

――日本のプレイヤーが本作に触れられるのは、いつごろになりそうでしょうか?

Jonge現時点では、まだお伝えすることができません。鋭意開発中ですが、新型コロナウイルスが感染拡大している特殊な情勢の中で、多くのスタッフが自宅で作業をしているのも我々にとっては初めての経験です。さまざまなことを乗り越えながら、内容に自信を持ったタイミングで発表したいと思います。そう長くお待たせすることはないと思います。

――発表されるのを楽しみにしています! 最後に本作の発売を心待ちにしているファンにメッセージをお願いします。

McCaw日本で『Horizon』シリーズの新作をお届けできるのをとてもうれしく思っていますし、感謝しております。アーロイのつぎの旅で、西部の広大なフロンティアを体験していただけることを非常にありがたく思っています。

Jonge前作は、日本でも好意的に受け止められていて非常にうれしいことです。本作でも新しい物語やワールドを楽しんでいただけると思うので、前作をプレイしたファンの方はもちろん、遊んでいない方も楽しみにしてください。