スクウェア・エニックスから2021年7月27日発売予定のNintendo Switch、プレイステーション4、PC(Epic Games Store:発売は2021年夏予定)用ソフト『新すばらしきこのせかい』。本稿では、同作の序盤2時間までのプレイレビューをプレイ動画とともにお届けする。
※試遊ではプレイステーション4版をプレイ。プレイ動画、記事中の操作ボタンもプレイステーション4版のものです。

※ネタバレには配慮していますが、記事の性質上、軽微なネタバレは含みますので、ご了承ください。

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 前作となる『すばらしきこのせかい』は、2007年7月27日にニンテンドーDS用ソフトとして発売され、その後、iOS/Android向けにもリリース。2018年には追加シナリオなどを収録したNintendo Switch版『すばらしきこのせかい -Final Remix-』が登場。『新すばらしきこのせかい』は、Switch版の追加シナリオに登場したキャラクターたちも登場し、新たな“死神のゲーム”が描かれる。

 ということで、前作の物語を把握するにはNintendo Switch版をプレイするのがベストだけれど、その環境や時間がない人は、現在放送中のアニメ『すばらしきこのせかい The Animation』をチェックしておくといいだろう。

前作とは違う“死神のゲーム”

 死神のゲームがくり広げられるのは、前作から3年が経ったUG(アンダーグラウンド。現実世界と似て異なる次元)の渋谷。

 渋谷で待ち合わせをしていた主人公のリンドウとその友だちフレットは、いつの間にか“死神のゲーム”に参加。リンドウたちは、死神のゲームを運営する死神たちからさまざまなミッションを課せられ、そのミッションのクリアーに挑む。

 既報の通り、今回の死神のゲームはチーム戦。7日間のうち、ミッションで得られるポイントでトップのチームになれば何でも願いが叶うという。一方で最下位となれば、チーム全員が“消滅”するといったルールになっている。

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ミッションは前作以上にバラエティー豊か!?

 ミッションは謎解きやノイズの討伐などさまざま。それに加え、本作ではチームのメンバーに固有のサイキックを使って状況を打開する、といった新しい要素も。フレットの固有サイキック“リマインド”は、対象が忘れていることを思い出させるサイキック。具体的にはL・Rスティックを操作してバラバラになっている“思い出させたいモノ”の破片を動かし、1枚の絵を完成させる、というミニゲームになっている。前作にあった“マーブルスマッシュ”のように、ちょっとした“遊び”が入っているのもうれしいところ。ちなみに、リンドウの固有サイキックは同日の過去の時間に戻ることができる“リスタート”。過去を修正し、未来を変えられるらしいが……?

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▲完成させた絵はフレットのイメージが具現化したものとなったいるため、なかなか味わい深い絵になっている。
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 また、今回試遊した範囲では体験できなかったけれど、ミッションとして課せられるものに、オレンジ色のポイントノイズシンボルや他チームのメンバーを倒してエリアを制圧する“渋谷スクランブルバトル”といった要素も。

 本作のミッションは前作以上にバラエティーに富んだものになりそうだ。

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『すばせか』らしい渋谷。だが、新しい要素も

 『すばらしきこのせかい』らしい独特の歪みで表現された渋谷は、ヒカリエなども描かれ時とともに変化してきた街並みをしっかり再現。前作には登場しなかった渋谷ストリームや竹下通りといったエリアも描かれる。さらに階段を上れたり、フィールドが立体的になっているのも前作にはなかった特徴のひとつで、プレイ動画の最後で戦っているゴリラタイプのボスノイズが104の上に駆け上がってダイブしてくる、といったギミックもあり、バトルでの驚きもアップ。

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▲前作に登場したエリアも本作のテイストで描かれるとまた新鮮。
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個性派揃いのキャラクターたち

 イベントシーンも『すばらしきこのせかい』らしいコミック調のものがさらにスタイリッシュに。フルボイスのイベントもあり、リンドウたちのいまどきの若者らしい会話や、ゼタ様……もといミナミモトの独特の言い回し、気だるそうに話すショウカなど、キャラの個性もより際立ちまくり。キャラクターどうしのやり取りも全体的にコミカルでポップなものが多く、見ていて楽しい。

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 また、本作はチームバトルということもあって、多数のキャラクターが登場するが、それぞれひとクセもふたクセもありそうな個性派揃い。個人的には、ガタイのいいススキチを、どちらかというとそういったキャラを演じるイメージがない花江夏樹さんが担当しているというギャップ、さらに独特のイントネーションで話すあの口調がアタマの中でリフレインしており、強烈に印象に残りまくり。しかも、同じチームにツグミという、『すばらしきこのせかい -Final Remix-』にチラッと登場した謎の少女もいるということで、そのふたりが所属するルーインというチームからは目が離せない……。

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斬新なバトル操作は本作でも健在

 ニンテンドーDSでは2画面同時に展開するバトル、フリック、ドラッグなどタッチスクリーンを活かした操作など、既存のゲームにない独特のプレイ感覚が大きな魅力であり特徴だった『すばらしきこのせかい』。そのスピリットは本作でも健在。

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 『新すばらしきこのせかい』では、チームメンバーひとりにひとつのバッジを装備する。今回プレイできたチームメンバーは、リンドウ、フレット、ミナミモトの3人編成で、つまり3つのサイキックでのバトルを体験した。

 バッジには△ボタンで発動するタイプ、□ボタンで発動するタイプといった具合に、バッジごとにどのボタンでサイキックが発動するかが決まっており、序盤は同じ操作ボタンのバッジは重複して装備できない。リンドウが△ボタンで発動するバッジを装備していたら、ほかのメンバーは△ボタン操作のバッジは装備できず、それ以外の操作ボタンのバッジを装備する必要があるのだ。

 バトルではバッジに対応した操作ボタンを押すと、そのバッジを装備したキャラクターがサイキックを発動する。各サイキックはリブート中以外は基本的にはいつでも発動できるので、バッジの操作ボタンを順番に押すと連続攻撃、同時に押すと一斉攻撃のような形で攻撃できる。

 今回の試遊では、操作ボタン△、□、L2、R1のバッジを確認。ボタンをホールド(押しっぱなし)にすると発動するバッジなどもあり、たとえば、3人同時に攻撃しようする際、L2ボタンをホールドしながら△ボタンとR1ボタンを連打といった、通常はあまりしないボタン操作になることもあり、かなりユニークな操作感覚が味わえ、軽くアタマの体操をしたような感覚に。しかもチームメンバーが増えると、装備できるバッジが増えてさらに操作ボタンが増えるわけで(PVでは4人のバトルが映っている=バッジ4つ装備=操作ボタンが4つ)、しかもインタビューではそれ以上になる可能性も匂わしており、かなりカオス(?)な操作になりそう。もちろん、各サイキックを同時に発動する必要はなく、順番にボタンを押して、ひとつずつサイキックを発動する、といった堅実操作のバトルもアリ。

 サイキックを乱れ打ちしたり、堅実にひとりずつサイキックを発動したり、さらには動画で紹介しているシンクロコンボを狙ってメンバーとのシンクロ率を100%以上に高めると、いわゆる必殺技的な“マッシュアップ”という強力なサイキックを発動できるといった戦略性もあり、いままでにない操作感覚で(ユニークだけど難しくはない)、自由な戦いかたが楽しめる、懐の深いバトルになっているのだ。

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新曲やアレンジ曲など音楽も聴き応えたっぷり

 『すばらしきこのせかい』といえば、ヒップホップやトランス、ロックなどさまざまなミュージックシーンを網羅した石元丈晴氏の音楽も、世界観を構築する重要なピースのひとつ。今回の2時間程度のプレイの中でもデスメタル風な曲があったり、『Twister』や『Calling』など『すばらしきこのせかい』のアレンジ曲もあったりと、石元節全開。オリジナル・サウンドトラックは8月4日発売で、CD3枚組という力作。本作のBGMを聴くのがいまから楽しみだ。

 前作と同じ渋谷を舞台に、“死神のゲーム”の新たな参加者たちによって描かれる『新すばらしきこのせかい』。独特の個性は継承しつつ、ゲームシステムはさらに尖ったものになっていて、前作を初めてプレイしたときの「なにこれ斬新」といった気持ちが、使い慣れたコントローラでも感じられたのがスゴい。シリーズのファンはもちろん、新たな刺激が欲しい人はとくに注目してほしい作品だ。