バンダイナムコエンターテインメントより展開されている『THE DARK PICTURES』は、Super Massive Games開発により全8作でのリリースが予定されている、ホラーアドベンチャーシリーズだ。1作目の『THE DARK PICTURES:MAN OF MEDAN(マン・オブ・メダン)』(2019年)、2作目の『THE DARK PICTURES:LITTLE HOPE(リトル・ホープ)』(2020年)に続き、3作目となる最新作『THE DARK PICTURES:HOUSE OF ASHES (ハウス・オブ・アッシュ) 』(以下、『HOUSE OF ASHES』)が、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC向けに発売予定だ。

 そんな同作のゲームプレイ映像が公開されるオンライン基調講演が、クローズドで実施された。講演では、ゲームディレクターであるウィル・ドイル氏が実際のゲームプレイ映像と併せて、本作の見どころや、新たな特徴などを紹介。舞台となる場所や時代、前2作から大きく変わったゲームの操作性など、詳しい内容が明らかになった。

『THE DARK PICTURES:HOUSE OF ASHES (ハウス・オブ・アッシュ) 』の詳細が解禁。広大な地下神殿を舞台に未知の古代生物との戦いを描く
ゲームディレクターのウィル・ドイル氏(以下、ドイル氏)。

 本記事にて、新たに発表された情報をお伝えしていこう。

物語の舞台は血に飢えたなにかの潜む地下神殿

 最初にドイル氏から語られたのは、『THE DARK PICTURES』シリーズの掲げる目標について。シリーズ作では、プレイヤーに恐怖体験や挑戦、驚きを与えるための新しい方法を見つけようとしているという。

 3作目となる『HOUSE OF ASHES』ではそれが実現されており、シリーズ作に触れる取っ掛かりとしても最適なタイトルだとドイル氏は語る。『THE DARK PICTURES』シリーズは各タイトルごとに話は独立しており、どこから始めても問題なくプレイ可能。そのため、3作目ではあるが『HOUSE OF ASHES』から始めてもまったく問題はないというわけだ。

 そんな『THE DARK PICTURES』シリーズは、実際にあった事件や伝説などがモチーフになっている。1作目の『MAN OF MEDAN』はオーラン・メダン号の伝説、『LITTLE HOPE』ではセーラムとアンドーバーの魔女裁判が題材の作品だった。

 そして、3作目となる『HOUSE OF ASHES』では古代アッカド王国時代、ナラム=シンの建てた広大な地下神殿が舞台になることが明らかに。

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 物語の舞台になるのは、2003年の中東。衛星で捉えた地下の化学兵器庫を発掘するというミッションのため、アメリカの特殊部隊や空軍、CIAがチームを結成して現地へと向かう。

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 しかし、現地でイラクの残存部隊からの攻撃を受け、さらには地震で両軍とも地下に落下。古代アッカド王国時代の地下神殿で、“何か”と遭遇することになる。主人公たちは地下に閉じ込められ、地上のイラク軍、地下にいる謎の存在というふたつの異なる脅威に挟まれることに……というのが、物語の冒頭になるようだ。

『THE DARK PICTURES:HOUSE OF ASHES (ハウス・オブ・アッシュ) 』の詳細が解禁。広大な地下神殿を舞台に未知の古代生物との戦いを描く

 CIAオフィサーのレイチェル・キング、ふたりの海兵隊員、さらにイラク人将校であるサリム・オスマンもプレイアブルキャラとして登場。奇妙な存在を前に、敵軍と協力する選択肢もあるようだ。紹介されたムービーでも、“敵の敵は味方”という発言をする軍人の姿が確認できた。

『エイリアン』や『狂気の山脈にて』からインスピレーションを受けた3作目

 『HOUSE OF ASHES』がインスパイアを受けた作品は、『エイリアン』、『プレデター』、『ディセント』などの映画だと語るドイル氏。また、ラヴクラフト作品からの影響もあり、その中でも『狂気の山脈にて』からは強いインスピレーションを受けたようだ。

 支援を受けられない遠隔地で、専門家たちが人知を超えた脅威に直面する。そこにいる不気味な存在の確証を得られないまま探索を続ける話は、たしかに『狂気の山脈にて』に近いテイストと言えるだろう。

『THE DARK PICTURES:HOUSE OF ASHES (ハウス・オブ・アッシュ) 』の詳細が解禁。広大な地下神殿を舞台に未知の古代生物との戦いを描く
『THE DARK PICTURES:HOUSE OF ASHES (ハウス・オブ・アッシュ) 』の詳細が解禁。広大な地下神殿を舞台に未知の古代生物との戦いを描く

 また、本作は忠誠心、義務、信頼の物語でもあるようだ。圧倒的に不利な状況下で、登場人物がどんな決断をするのか。サバイバル、協力など状況によってさまざまなジレンマがあり、思いやりの心や仲間との信頼関係との葛藤も描かれるようだ。

『THE DARK PICTURES:HOUSE OF ASHES (ハウス・オブ・アッシュ) 』の詳細が解禁。広大な地下神殿を舞台に未知の古代生物との戦いを描く

 登場するクリーチャーについてドイル氏は、「これまでの中でもっとも複雑なもの」と表現。ハンドアニメーションやモーションキャプチャーを駆使して、リアルで驚異的、危険なモンスターを作り上げたという。

 狭い地下空間を進むだけでなく、広大なステージも用意されているようで、得体のしれない何かにつねに見られている感覚を味わってほしいと語っていた。

難易度設定や固定カメラの廃止など、操作性もパワーアップ

 ゲームの基本的なシステムは過去作と変わらないが、操作性などはユーザーからのフィードバックを受けて改良が加えられた。

 明らかになったのは、固定カメラではなく、プレイヤーが操作する360度カメラへの完全な変更。これにより、探索の没入感が格段に向上を図るという。

 加えて、懐中電灯ボタンが搭載され、暗闇を照らして秘密を探したり、新たな道を発見することも可能になった。ただし、懐中電灯の使用中は移動速度が少し落ちるようなので、切り換えも大切になりそうだ。

『THE DARK PICTURES:HOUSE OF ASHES (ハウス・オブ・アッシュ) 』の詳細が解禁。広大な地下神殿を舞台に未知の古代生物との戦いを描く

 ゲームの難易度設定も3段階用意され、QTEのスピード調整も可能になった。QTEに関しては簡単、難しいという意見がどちらも寄せられていたため、個々人の技量に合わせて調整できるようにしたのだとか。

『THE DARK PICTURES:HOUSE OF ASHES (ハウス・オブ・アッシュ) 』の詳細が解禁。広大な地下神殿を舞台に未知の古代生物との戦いを描く

 また、PVのグラフィックを見ても一目瞭然だが、『HOUSE OF ASHES』は次世代機にも対応したタイトル。一部のプラットフォームでは、全体的にグラフィックが著しく向上しているという。緊迫した状況が、よりリアルに感じられるようになりそうだ。

『THE DARK PICTURES:HOUSE OF ASHES (ハウス・オブ・アッシュ) 』の詳細が解禁。広大な地下神殿を舞台に未知の古代生物との戦いを描く

 従来の作品と同じくフレンドとのプレイ、ひとつのコントローラーで5人プレイ、シングルプレイなど4つのメインモードも搭載。

 通常モードの“Theatrical Cut”と予約特典の“Curator's Cut”では、使用できるキャラが異なり、“Theatrical Cut”では見られないようなシーンも“Curator's Cut”にはあるそうだ。

『THE DARK PICTURES:HOUSE OF ASHES (ハウス・オブ・アッシュ) 』の詳細が解禁。広大な地下神殿を舞台に未知の古代生物との戦いを描く
『THE DARK PICTURES:HOUSE OF ASHES (ハウス・オブ・アッシュ) 』の詳細が解禁。広大な地下神殿を舞台に未知の古代生物との戦いを描く

発売は2021年の後半に!極限状態での未知との遭遇に備えよう

 基調講演の後半にはプレイ映像も公開され、地下に落ちた海兵隊員のニックが、仲間と合流しながら不気味な体験をしていくシーンが確認できた。

 序盤からクリーチャーの影や一部分だけが見えたり、突如暗闇に引き込まれて消えてしまう味方など、お約束的な展開が序盤から続く。ケガをして瀕死の味方と、近くまで迫るクリーチャー。悩ましい決断がプレイヤーを襲う場面も健在だ

『THE DARK PICTURES:HOUSE OF ASHES (ハウス・オブ・アッシュ) 』の詳細が解禁。広大な地下神殿を舞台に未知の古代生物との戦いを描く

 さまざまな危険に狙われている主人公が、どのような決断をするのか。シリーズ作の魅力は、グラフィックの向上も併せてさらに洗練されているように感じた。

 本作の発売は2021年の後半になるようなので、発売を楽しみに待ちたい。