話題の爽快”大爆進”RPG、その手触りは!?
絶賛放送中のアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』。そのストーリーをベースに制作されているスマートフォン用のRPGが、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 -魂の絆-』だ。
Google Play、公式Twitter、公式LINEで事前登録の受付が始まっている本作だが、既報の通り、2021年4月7日からはクローズドβテスト(以下、CBT)が実施される予定になっている。
このCBTに先駆け、CBT版を事前に体験することができた。“ダイナミック3レーンバトル”、仲間との“絆”など、気になるワードも多い本作、そのシステムやプレイ感などを解説していく。気になったら、募集要項を確認してCBT参加に応募してみよう。募集期間は2021年4月5日(月)12時(予定)までとなっているので、お早めに。
爽快でシンプルな “ダイナミック3レーンバトル”
通常であれば、「こんな世界観で、こういう物語が展開して……」と、ゲームの大枠から語っていくのがレビューのセオリーだろう。しかし、本稿ではそれらの解説を後回しにする! というのも、公式サイトの画像を見ても、本作のバトルシステムがどのようなものなのか、あまりピンと来なかったからだ。筆者のカンが鈍いせいもあるのかもしれないが、同じような印象を持っている方もいるだろう。
しかし、実際に触れてみれば「なるほどね」と5分もしないうちに理解できる、じつにわかりやすいバトルシステムだった。なんというか、動画で観ればすんなり「どのようなゲームなのか」がわかるタイプなのだ。ということで、とあるクエストの冒頭から最後までのプレイ動画を用意してみた。4分ほどの動画となるが、わかりにくいところがあるかもしれないので、動画を補足する形でバトルの詳細を説明していこう。
本作は、ストーリーに沿ってクエスト(=バトル)をクリアーしていくタイプのゲームだ。クエストが始まると、主人公と仲間たちが登場し、左、中央、右という3レーンに分かれた1本の道を自動的に進んでいく。
しばらく進むと正面からモンスターが現れるので、モンスターの正面にキャラクターを移動させ、攻撃範囲内に相手を捉える。こうすれば、自動的にそのモンスターに攻撃を始めてくれるのだ。これが基本の戦いかた。なお、自動的に行う攻撃の攻撃範囲は武器によって異なるが、基本的にはキャラクターの前方となる。
当然、相手も主人公たちに攻撃を仕掛けてくるわけだが、それらは攻撃範囲外となるレーンや位置にバックステップなどを駆使して避けたり、ガードすることが可能だ。移動と同様に、バックステップやガードはスマホの画面をタッチするだけで発動するので、直感的に操作できる。
出現したすべてのモンスターを倒しきると、さらに前方へ進めるようになる。どんどん道を進んで、最奥部で待ち受けるボスを倒せば、無事クエストクリアーというわけだ。
なお、クエストに出撃できる仲間は最大4人。ひとりで遊ぶ場合、4人のうちふたりはAIで自動に行動し、“相棒”に設定した仲間は、切り換え可能な操作キャラクターになる。相棒への切り換えは任意のタイミングでできるが、一度切り換えるとゲージが溜まるまでしばらくのあいだは再度の切り換えができなくなる点には注意。
駆け引きが重要となるバトルは“意外”と奥深い!
本作には攻撃や支援、回復などができる各種のスキル(特技と奥義)がある。スキルは装備している武器に対応したものが装備可能だ。そして、攻撃スキルを使用することで、キャラクターの正面にいる相手以外も攻撃できるようになる。
たとえば、ダイの特技である“回転斬り”なら、近距離にいる全レーンのモンスターに斬属性の物理ダメージを与えられる。主人公が最初から使える槍の特技“五月雨突き”なら、中~遠距離にいる全レーンのモンスターに攻撃できる……といった具合だ。
攻撃型のスキルで与えられるダメージは通常攻撃より大きく、頼りになるものの、スキルは一度使うと再使用するまでに時間(クールタイム)がかかる。そのため、適切なタイミングでスキルを使うことが肝要となる。
なお、特技でモンスターにトドメを刺せた場合は、その特技のクールタイムが大幅に減少するというシステムも採用されている。これをうまく使えば、特技を通常よりもハイペースで放つことも可能だ。
そして、スキルのなかでもっとも強力な攻撃技が“奥義”だ。貫通攻撃や追加ダメージを付与するなど、その効果も多彩で、集団で一気に押し寄せてくる場面や、ボス戦などのシビアな場面で重要なカギを握る。
ただ、奥義は発動に“奥義チャージ”を満タンにすることが必要で、おいそれと気軽には出せないのもポイント。ちなみに仲間の奥義はフルオートでない限り、任意のタイミングで発動可能だが、仲間がモンスターをしっかりと奥義の攻撃範囲に収めていない場合は空振りになるので、注意したい。
ボス戦では、相手の攻撃の隙を突いて攻撃スキルを当てる“カウンターアタック”を狙える。カウンターアタックが発動すると、ボスは後方に吹き飛び、一定時間はいわゆる“ピヨり状態”に。攻撃を叩き込んだり、間合いを詰めるチャンスが生まれる。
また、吹き飛ばしたボスが、フィールドの端にある岩石などの“バリケード”に当たると“ブレイク”が発生! ブレイクタイム中は敵も攻撃してこないので、いわばボーナスタイムに突入することになる。さらにスキルのチャージタイム短縮という恩恵も受けられる。
正直なところ、本作を遊び始めた直後は「ずいぶんシンプルで簡単なバトルだな」という印象を持った。なにしろ、適当にスキルを発動させているだけでもクエストをクリアーできたからだ。しかし、それはあくまでも最初だけ。
クエストを進めていくうちに、モンスターの攻撃を受けまくってしまったり、ボスの猛攻に沈むことが増えたのだ。なぜ、そんな状況に陥ったのかと言えば、通常モンスターの攻撃をしっかり避ける、ボスの攻撃パターンを読んで的確にガードする、ブレイクをしっかり発生させるといったことを、キチンと狙っていなかったから。これらを意識してプレイすることでクリアーできるようになったクエストも多く、バトルの奥深さを感じられた。
●基本的なゲームサイクルはスタンダード
通常のレビューとは逆の流れになったが、バトルシステムの説明を終えたので、続いては本作のストーリーや育成要素について説明していくことにする。
ものすごくザックリ言えば、本作は「主人公の世界とダイたちのいる世界が交錯したので、協力してどちらの敵も倒しましょう」という内容。いや、本当はもっと魅力的でワクワクする物語なのだが、正式版がリリースされていない時期なので、ここではあえて詳細を伏せておこう。そして、主人公がダイたちのいる世界の物語を追体験すると、お馴染みのキャラクターを仲間にできるという流れになっている。
なお、キャラクターごとにその個性や能力は異なっており、ダイやアバンは勇者タイプ、クロコダインは戦士タイプ、ポップは魔法使いタイプで、マァムは僧侶タイプといった感じの能力を持つ。そして主人公は転職によって、勇者、戦士、魔法使い、僧侶のいずれかになれるという仕組み。つまり、お気に入りのメンバーでパーティを構成したとしても、足りない役割を担うことができるわけだ。
続いて、育成についても言及しよう。各キャラクターは、“レベル”、“装備品”、“ボード”、“スキル”などの要素で強くなる。 レベルは説明不要と思われるので割愛。主人公は、職業ごとにレベルがあるということだけ覚えておけばいい。
装備品は、クエストの報酬や“宝探し”というガチャで入手できる。手に入れた装備品は、素材を使って強化することが可能。重複した装備品を使って進化させれば、さらにパラメータを高めたり、装備に応じた特性を強化できる。
ボードは、各キャラクターの潜在能力を具現化したようなもの。『ドラゴンクエストXI』のスキルパネルを想像してもらえればいい。アイテムで能力を解放していけるのだが、解放できる能力の中にはレベル上限なども含まれているので、レベルと同じか、それ以上に重要な要素となる。なお、ボードを解放できる範囲は、仲間との親密度に比例しているので、仲間たちとともに冒険し、絆を深めることも重要になってくる。
スキルは、そのものズバリで特技や奥義のこと。本作におけるスキルは装備品の感覚に近く、所有したスキルを主人公や仲間にセットして使うのだが、素材となるアイテムを消費して、各スキルを強化できる。
クエストをくり返しクリアーしてレベルを上げ、強化に必要な素材を入手してコツコツと主人公や仲間を強化するという流れは、スタンダードな作法に則ったものなので、混乱することもなく、スムーズに遊ぶことができるはずだ。こうして『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の物語を追体験し、本作独自のストーリーも楽しむ……というのが、本作の楽しみかたになる。
と、駆け足でどんなゲームなのかを説明してきたが、冒頭で説明したバトルは本作の象徴とも言えるユニークなもので、爽快“大爆進”RPGと銘打つのも納得だ。
ゆえに、ぜひCBTに参加して「一度触れてみてもいいんじゃない?」というのが、現状での筆者の率直な感想。もちろん、「ファンはともかく、アニメの『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』を知らない人が楽しめるのか?」という議論もあるかもしれない。確かに、好きなキャラクターを操作するのと知らないキャラクターを操作するのでは、楽しさは各段に違うだろう。だが、本作は物語を作中でしっかり追体験できるので、それは些細な問題と言ってよさそうだ。
とにかく、本作の特徴的なバトルはいままでにありそうでなかったもの。気になったら、アニメの視聴の有無はさておき、一度遊んでみても損はないと思うのだが……いかがだろう?