2021年3月30日（火）、“東京ゲームショウ2021（TGS2021）開催発表会”の配信がYouTubeにて行われました。本稿ではこの発表会のリポートをお届けします。なお、発表内容の概要をまとめたプレスリリースについては以下の記事をご確認ください。
TGS2021はオンライン+オフラインで開催！
今回の発表会に登壇したのは、日経BP東京ゲームショウ事務局長の田辺太陽氏と、電通東京ゲームショウ事務局の永山昌美氏。
一般ゲームファン向けの発表はすべて田辺氏から行われ、永山氏からは出展社向けの“Amazon出展プラン”についての説明が行われました。
まずは田辺氏から、東京ゲームショウ2020に引き続き、東京ゲームショウ2021もオンライン開催となること、その上で、プレス（テレビ、新聞、雑誌、Web など）とインフルエンサー（ゲーム実況・ストリーマーやゲーム好きタレント・芸人など）を呼び込むリアル会場も設け、オンラインとオフラインの両方で情報を発信していくことが明らかに。
会期は2021年9月30日（木）～10月3日（日）の4日間。テーマは「それでも、僕らにはゲームがある。（We’ll always have games.）」。
※オンライン商談は9月29日（水）から先行スタート。
なおこのテーマには「ゲームが持つ大きな可能性に世界中が驚いた2020年を踏まえ、ゲームが好きなあらゆる人といっしょににぎやかな未来をつくっていきたい」という願いが込められているとのこと。加えて、1996年の第1回開催から今年で25年目を迎える東京ゲームショウを、つぎの25年に向けてつくり直すという意気込みについても語られました。
“TGS2020 ONLINE”結果報告：配信の総視聴数は3160万回、うち中国が1397万回
続いて発表は、新型コロナウイルス感染症の影響により初の完全オンラインでの開催となった、“東京ゲームショウ2020 ONLINE”の結果報告に移ります。
出展はアジア・欧米・南米を中心に34の国・地域から行われ、その出展数は合計して432。国内が209、海外が223という数字だったとのこと。出展の中心となったのは各出展メーカー及び主催者の公式配信番組。
多言語によるサイマル配信（複数の媒体で同じ番組を同じ時間帯に配信すること）によって、そのグローバルでの総視聴数は3160万回にも及んだとのこと。中でも、中国の総視聴数が1397万回という過半数に迫る数字となっているのが、強く印象に残ります。
また、通販サイトのAmazonに特設会場を設置し、初の本格EC（電子商取引）を実現。41社が参加し、出展者合計売上は6.4億円以上となったことが伝えられました。
商談もオンライン化により申込数が過去最高となり、とくに海外からの参加者が活発なやりとりを行ったとのことです。
“東京ゲームショウ2020 ONLINE”への出展社に、2021年のイベントへの出展意向について尋ねたアンケートでは、「オンラインイベントなら出展したい」、「リアルイベントなら出展したい」、「オンラインイベントでもリアルイベントでも出展したい」という意欲的な選択肢のパーセンテージはすべて国内出展社よりも海外出展社が上回っており、海外出展社のTGSに対する意欲の高さが伺える結果に。
一方の来場者アンケートでは、リアルイベントとしての開催よりもオンライン開催のほうが「ぜひ行きたい（参加したい）」という意見の割合が高い結果となっていました。
TGS2021、6つの注力ポイント：オンラインでの体験版試遊やHIS協力の会場体験ツアーも
昨年の開催を踏まえ、TGS2021は以下の6つの注力ポイントが設けられているとのこと。
- プレス・インフルエンサー向け試遊・展示で出展社の情報をより広く
- 公式番組をグローバルに発信
- Amazonとの連携でワクワクする購入体験を
- 体験版の試遊で新たなファンを獲得
- 商談・セミナーでビジネスチャンスを創出
- オンライン体験ツアーでゲームファンと会場の臨場感を共有
ひとつ目はプレス・インフルエンサー向けの試遊・展示により、出展社の情報をより広く発信すること。
TGS2021では、一般ゲームファンやゲームビジネス関係者向けにはオンライン、プレス・インフルエンサー向けにはオンラインで、情報発信が行われます。なお、オフライン会場は幕張メッセの2ホールを使用予定。オンラインの配信番組もこの会場から発信が検討されています。
この決定は、オフラインの開催のみでは会期中の話題が足りないという意見があったこと、しかし新型コロナウイルス感染症が収束していない現状では、一般のゲームファンを集めた大規模イベントの開催は困難であることなどを踏まえたもの。
これにより、一般の報道にも、SNSにも強い情報発信スキームの構築を目指します。
ふたつ目は公式番組のグローバル配信。昨年は日本語による配信が中心で、多言語配信は一部の番組のみだったところを、TGS2021ではすべての公式番組で英語同時通訳版がリアルタイム配信されます。
3つ目は、昨年に続くAmazonとの連携。Amazon内の特設会場とTGSポータルサイトとの相互リンクや、出展がしやすいメニュー展開で、より多くの来場者との接点を創出するとのこと。
4つ目は体験版の試遊。コンソールゲーム機、PC、スマートフォンといったそれぞれのプラットフォームのゲームを、オンラインで楽しめる企画を準備中。現時点では各プラットフォーマーのオンラインストア上での実施が検討されているとのことです。
5つ目はゲームビジネス関係者向けの商談・セミナー配信。昨年も好評だったビジネスマッチングシステムを引き続き実装しつつ、システムへの登録者限定のBtoBセミナーの充実を目指しているのだそう。
6つ目はオンライン体験ツアーによるゲームファンとの会場の臨場感の共有。こちらはプレス・インフルエンサー向けの各ブースをツアーガイドとともにまわる体験ツアーを実施予定。ただ会場の様子を見て回れるだけでなく、作り手とゲームファンが双方向でやりとりできる企画を検討しているとのこと。
オンライン体験ツアーを多く手掛けている旅行会社である、HISの協力のもと、多言語での展開を構想中だそうです。
この6つ以外にも、過去のイベントで好評だったインディーゲーム開発者による企画“センス・オブ・ワンダーナイト”や、音楽ライブ、子ども向け企画など、さまざまなゲームファンを対象とした企画を準備しているとのこと。
いずれの企画も内容が確定次第、さらに詳細な情報公開があるそうなので、今後の発表をたのしみに待ちましょう。
