2021年3月26日の発売日まで、もはや秒読み段階となった、カプコンのNintendo Switch用ハンティングアクションゲーム『モンスターハンターライズ』(以下、『MHRise』)。

 発売日に先駆けて、ひと足早くゲームを最初から遊ばせていただく機会を得たので、プレイレビューをお届けしよう。

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「まずはキャラクタークリエイションをささっと済ませるか」と思いきや……

 ハンター生活を始める前に、まず行わなければならないこと。そう、キャラクタークリエイションだ。『モンスターハンター:ワールド』のように顔の“しわ”や筋肉の付きかたなどかなり細かく作り込める仕様で、アレをこうしてそうしてとやっているうちに結構な時間を費やしてしまうことになった(いつも通り)。

 最初から連れていけるオトモガルク、オトモアイルーの2匹もクリエイションできるので、かわいらしく作ってあげてほしい。なお、ハンター、オトモともにプリセットがいくつか用意されている。手っ取り早く始めたい人はこれらを少し改変して使うのもいいだろう。

 そしてあくまで個人的な注目点なのだが、今回はキャラクターの性別に関係なくボイスを選択できるようになっている。つまり、“萌えボイスのいかついおっさんハンター”や“野太い声のお姉さんハンター”なんかも作れたりするのだ。とてもおもしろい仕様だとは思ったが、基本的にボイスは後で変えられないので、あまり受けを狙い過ぎると後悔するかもしれない。自分はふつうに作りました。

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見た目の年齢や肌の色、筋肉量のほか、目や鼻などのパーツなども細かく設定できる。こだわってしまう人は数時間とかかるのでは……。
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ボイスはデフォルトで20種類。1~10までが男性ボイス、11~20までが女性ボイスになっているが、とくに制限はなく自由に決められる。後悔のないように、ね?
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最初から連れ歩けるオトモガルク、オトモアイルーのクリエイションもできる。こちらも設定項目が細かい。

 自分の分身たるハンターを作り終えると、舞台はカムラの里へ。どうやらハンターは里の出身のようで、50年ぶりに迫っている災厄“百竜夜行”に対抗するべく、里の住人たちと協力し合いながらみずからも成長していく……といった流れのストーリーになっている。住人はいずれも個性が強く、一度でも話を聞けば忘れることはないレベル。

 里内は自由に歩き回ることができ、翔蟲を使ってビュンビュン飛び回れたりもする。さらに“里内移動”を使えば集会所や各施設前などにファストトラベルも可能で、これがとても快適で、驚くべきことにロードを挟まない。アクションの練習ができる修練場との行き来でのみ若干ロードが入る程度で、それ以外はまさに一瞬のストレスフリー。これは実際に体感して、ぜひ驚いて欲しいところだ。

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里の中は翔蟲やオトモガルクに乗っての移動もできるので、気持ちよく動かせる。
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メニューから里内移動を選べば、里内の特定の地点まで瞬時に移動できる。また、特別な会話が発生する住人(フキダシマークが出ている住人)も、ここを見ればどこにいるかが分かるのも便利。

あと1回、あと1回と、やるほどに止まらなくなるクエスト

 クエストは、たたら場前にある里カウンターで里クエスト、集会所内の集会所カウンターで集会所クエストが受注できる。いずれもギルドが指定した“セレクトクエスト”(いわゆるキークエスト)を規定数クリアーすると緊急クエストが発生し、それをクリアーすることでゲームが進行するというおなじみの流れだ。セレクトクエストは複数用意されており、どれを選んでも規定数クリアーすればオーケーなので、自分の好きなようにプレイできるのがいい。

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セレクトクエストに指定されているものには、クエスト名の左にマークが付いている。これらの中から規定数をクリアーすれば、緊急クエストが発生する仕組みだ。

 通常のクエストとは別に、探索ツアーも用意されている。これは各フィールドを自由に探索できるクエストで、時間無制限&何回力尽きても大丈夫。フィールドの地形を覚えたり、採集アイテムを思うまま集めたりと利用価値は非常に高い。もちろん大型モンスターも出現し、狩猟すればフリーハントとして報酬ももらえる。

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制限時間はなく、何度力尽きても失敗しないので、思う存分フィールドを探索できる。素材集めには持ってこいだ。

 さらに、フリーサイドクエストなるものも確認できた。これは『モンスターハンター:ワールド』でいうバウンティのようなもので、キノコ系のアイテムを集める、大型モンスターを何頭狩猟する、といった条件を達成することで、カムラポイント(交易やオトモ系施設などで使用する)や防具強化用の素材である鎧玉などをもらえる。

 どれもクエストのついでに達成できるものなので、つねに限界まで受注して、ひたすら回していくというサイクルになりそうだ(実際なった)。ほかに里の住人からの頼みごとを引き受ける形の依頼サイドクエストも。達成することで施設が充実したり、オトモガルクの猟犬具がもらえたりといった恩恵がある。

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一度に受注できるフリーサイドクエストは5つまで。クエストをこなしていれば自然と達成できる規模のもので、受けておいて損はない。

特殊なクエストである“百竜夜行”

 ある程度ゲームを進行させると、百竜夜行が発生。最初のものはチュートリアルも兼ねたイベント扱いだが、それ以降はクエストカウンターにて任意で受注できるようになる。つぎつぎと砦に攻めてくるモンスターを撃退し、特定の大物モンスター(メインターゲット)を討伐するか、タイムアップまで砦を守り切れれば無事クリアーとなる。

 要はタワーディフェンス系のクエストになっているのだが、実際にやってみるとなかなかに難しく、てんやわんやになる。攻めてくるモンスターは当然待ってはくれないので、リアルタイムで狩猟設備の設置のほか、モンスターへの攻撃も行わなければならないのでかなり忙しい。

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準備時間中に狩猟設備を設置。だが、モンスター侵攻中に壊されてしまうこともあるので、その際も設置し直す必要がある。
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狩猟設備のひとつであるバリスタを使ってモンスターを攻撃。地上から攻めてくる個体は直接攻撃してもいいが、空中からブレスなどを撃ってくるモンスターには、ガンナー用武器か、迎撃設備で対処しないとかなり厄介。

 反撃の狼煙が上がるとハンターの攻撃力が爆増するため、それまでは狩猟設備を設置しつつ自分も狩猟設備を使って攻撃し、反撃の狼煙以降は自分の身で対応するという流れがよさそうだ。……というのは頭ではわかるのだが、そううまくはね、実行できないですね。今回はシングルのみでの挑戦だったが、発売後はぜひマルチでもプレイしてみたい。絶対楽しいやつだよこれ。

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反撃の狼煙中は、ハンターの攻撃力が著しく上昇する。普通の溜め斬りを当てるだけで、このダメージに!

『モンスターハンターライズ』百竜夜行“ヌシ・タマミツネ”にチャレンジ

2021年3月26日、動画を追加しました。

やはり新モンスターと初めて対峙したときの興奮はすさまじい

 ここでは、里クエスト☆3までに出会えた新モンスターについて、実際に狩猟してみて感じた印象などを書き連ねていきたい。どのシリーズを遊ぶときでも、新モンスターと初めてやり合うときのワクワク感は筆舌に尽くしがたいものがある。シリーズおなじみの復活モンスターを相手にするときも、翔蟲アクションのおかげで、武器によっては過去シリーズとは攻めかたが大きく変わるため、新鮮な気持ちで楽しめた。

オサイズチ

 鎌状に発達した尻尾が特徴的な鳥竜種。つねに群れで行動し、精鋭のイズチ2頭との連携攻撃が非常に厄介。オサイズチは体験版にも登場したため、完全に舐め切っていた自分としては出鼻をくじかれた格好に。何しろ最初からのプレイゆえに装備は整っておらず、アイテムも支給品に頼るしかない程度なので思った以上に手こずった。尻尾での攻撃がけっこう痛く、逃げ腰の自分に比べてオトモのほうが勇敢に立ち向かっている始末。

アケノシルム

 一本脚で立つ姿が傘のようにも見えるモンスター。フラフラと不規則に動き、一本脚状態からさまざまな攻撃をくり出してくる。ほかに火属性でのブレスも強力で、地面に残った火に触れても火属性やられになるのがキツイ。やたらと身体が伸びるような印象で、自分が予想しているよりもリーチのある攻撃にやられがちだった。

ヨツミワドウ

 食べることに貪欲な両生種。連続で張り手をかますような攻撃や、四股踏み(衝撃波まで出て超ビビる)など、相撲のような攻撃でこちらを追い詰めてくる。大柄ゆえに威圧感が凄く、使ってくる攻撃も合わせてかなりのパワー系という印象。物を食べて腹が膨れると動きが変化するため、通常時の動きに慣れたからといって油断していると痛い目に遭う。腹膨張時に攻撃してダウンを奪うと、一気にしぼんでもとに戻る。ちょっとかわいい。

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オサイズチは尻尾での攻撃が強力。連れている精鋭のイズチも連動して同じ攻撃をするため、油断ならない。
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動きがやや不規則なので、攻撃のタイミングを図りづらいアケノシルム。火属性の攻撃も仕掛けてくるので、火属性やられにも注意していないと、気付いたときには体力が尽きかけている、なんてことも。
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ヨツミワドウの攻撃は、どれもパワフルかつ迫力満点。相撲技のような攻撃でこちらをどこまでも追い詰めてくるので、攻撃モーションをしっかり見極めないと、いいようにやられてしまう。

縁日に来ているかのような賑やかさがある、カムラの里の施設

 クエストをこなし、ハンターとしての技量を磨いていくには、カムラの里の施設を活用する必要がある。ここでカムラの里にある各施設を、利用してみた感想とともに解説していく。全体的に和のテイストも手伝ってか、各施設を回っているときは縁日の屋台巡りをしている気分になれて、すこぶる楽しい。思わずカメラ機能を使って風景をあれやこれやと撮りまくってしまったほどだ。

雑貨屋

 回復薬など、おもに消耗品を購入できる施設。狩りとは切っても切れない関係で、何度となくお世話になるだろう。まれに商品が半額になるセールを実施しており、まとめ買いする絶好の機会。セール中は同時に福引も1回だけ引くことができ、大当たりが出ればちょっといいものがもらえたりする。ハズレはなく、必ず何かもらえるので引いたほうがオトク。

加工屋

 武具の生産、強化ができる。ゲーム中はもっとも利用することが多くなるであろう施設。ゲームの進行や新素材の入手などで作れるものが増えていくので、自然と何度も覗いてしまうことになる。また、特定の段階まで強化を“巻き戻す”ことも可能。お金は戻らないが素材は戻るので、異なる武器派生にしたくなったときなどに便利だ。

食事場

 うさ団子を注文して食事を摂ると、体力やスタミナ増強のほか、おだんごスキルを確率で発動させられる。発動するおだんごスキルや確率は、おだんごごとに違うので、好きな組み合わせで注文するといい。なお、食事効果はクエストクリアーor里への帰還で元に戻る(クエスト中に力尽きても効果は失われない)。注文後に見られる映像は、里の茶屋と集会所内の食事場とで異なるので、両方見て欲しい。
 また、よろず料理なるものもあり、生肉やモンスター素材を、こんがり肉などのアイテムに調理してもらえる。お金かカムラポイントを支払うことで利用できる。

自宅

 ハンター(プレイヤー)の自宅。アイテムBOXのほか、ルームサービスのアイルーに頼むことでさまざまなことができる。自宅内の模様替えや、里内で聞けるBGMの変更など、環境を自分好みに設定できるのがうれしい。

オトモ雇用窓口

 オトモガルク、オトモアイルーを雇用できる施設。スカウト設定をすることで、クエストを1回クリアーするごとに窓口担当のイオリが、それに合ったガルクとアイルーを連れてきてくれる。所持しているオトモスキルやサポート行動(アイルーのみ)はランダムなので、自分好みのオトモが見つかるまでマメに通うべし。

オトモ隠密隊

 オトモたちをフィールド調査に派遣し、アイテムを入手してきてもらえる施設。各調査先には調査ルートがあり、それぞれ調査対象が設定されている。プレイヤーがクエストへ出発するのに合わせて調査段階が進み、ルートの最後まで調査が終わると自動で帰還する。調査にはカムラポイントが必要。

交易船

 オトモに交易を依頼してアイテムを増やしたり、窓口担当のロンディーネとアイテム交換(交換にはカムラポイントを消費)ができる施設。調合などで大量に消費するアイテムの補充に便利なうえ、交換で珍しいアイテムも手に入る。こちらもちょくちょく通うことになりそうだ。

修練場

 アクションの練習ができる場所。からくり蛙や標的などを自由に攻撃して武器の固有アクションや連携を試せる。トレーニング設定で、からくり蛙に攻撃行動を取らせたり、標的を動くようにもできるため、カウンター技のタイミング練習なども思いのまま。さらに大砲やバリスタの攻撃練習も可能で、痒い所にきっちり手が届く作りになっている。

集会所

 集会所クエストや、闘技大会クエストが受注可能な場所。マルチプレイのために集う場であり、『MHRise』で頻繁に訪れる場所ともいえる。隣接している準備エリアでは、ハンターやオトモの武具の加工やルームサービスの利用もでき、狩猟の準備も容易だ。

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雑貨屋では、セール中にのみ1回だけ福引を引ける。大当たりが出れば、指定されているアイテムを入手できるが、ハズレでも必ず何かしらのアイテムがもらえる。
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自宅では、ルームサービスに頼むと部屋の模様替えができる。掛け軸を変えたり、棚に骨董品などを置けるようだ。
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からくり蛙などを相手に、自由にアクションの練習ができる修練場。連携の確認や新しく作った武器の試し斬りなど、非常に有用。
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修練場では狩猟設備が置かれており、それを自由に試すこともできる。来たる百竜夜行に備えて修練しておくべし。

新要素は多くあれど、根底にしっかりとある『モンハン』ならではのおもしろさ

 翔蟲アクションや操竜など、目玉要素がいくつかあるが、そういった新要素はきちんと作られた下地があってこそ光るもの。巨大なモンスターを狩猟し、その素材を使って自分を強くし、さらに強力な獲物を狩るという、これまでのシリーズ作品たちが受け継いできた普遍的なおもしろさは『MHRise』でもしっかりと感じられた。

 加工屋を覗いて「これ強そう」、「あとひとつ素材があれば作れる」、「じゃあアイツを狩りに行こう」の強烈に人を惹きつけるサイクルに加え、百竜夜行の一風変わった遊びも手伝って、終始楽しく、そしてやめられない止まらない状態を堪能できた。本記事がアップされるころには、もう狩猟解禁目前であり、はやる気持ちを必死に抑えつけている人も多いはず。あと少しのあいだ我慢して、当日は皆でこの言葉を。

 「一狩り、行こうぜ!」