『コンティークス』家具業界のラスボス・関家具のゲーミングチェア作りはもはや執念 ～要望をもとに翌月に製品化、かわいい我が子に徹底的な破壊検査【Contieaks】

討伐しないでくださいね。

善処します。

まずは基本的なことから教えてください。どうして福岡県の大川市が家具の一大産地になったんですか？

大川は460年ほどの歴史を誇る家具の産地。第12代将軍足利義晴の家臣、榎津遠江守の次男である榎津久米之介が家具の作りかたを学び、大川の地でもの作りを始めたのが、そもそものスタートと言われています。

関家具の社長・関文彦さんのお父さんが、もともと木工職人だったんですよね。家具を製作する環境のもとで育った息子が、卸売業を立ち上げられたと。

お詳しいですね。

Wikipediaを読みました。

大川市には家具作りの長い歴史があるわけですけど、数十年前に徒弟（師匠と弟子）制度が崩壊してしまったんですよ。

何があったんですか？

第二次世界大戦です。

おおう……。

戦争で若い職人が命を落としてしまったんですね。働ける人は減りましたが、それでもタンスやチェストなどの“箱物”を作る技術はかろうじて残りました。

職人が減ったという事情もあって、家具作りは工場での大量生産に切り替わりました。そんな中でも、じつは我々が2万円前後で販売しているチェストのほとんどは（かつての流れを汲む）大川製だったりします。

技術が大戦を乗り越えたおかげで、高度経済成長とともに家具の生産高が急伸。大川が日本一の家具産地と呼ばれるようになりました。

いきなり重い話が出てびびりました。技術が残ったからこそ、いまの大川市があるわけですね。

そうなんですけど、専業で桐タンスなどを作るメーカーさんはほんのわずかしか残っていません。輸入品の取り扱いも増えています。私たちとしても地元に貢献したくて、一枚板の天板製品を作る工場を大川市に設立したりしています。

やっぱり日本の職人と企業にがんばってほしいなー。道具にこだわるゲーマーは多いですし、国内メーカーの製品をほしがる人も少なくないと思うんですよね。

でしたら、ゲーミングチェアには当社の『Contieaks-コンティークス-』を選んでほしいですね。

山本さん。

はい。

宣伝への入りかたがめちゃくちゃスムーズじゃないですか。

恐縮です。

これまでにもいろいろなゲーミングチェアを見てきて、疑問があったんですよ。

ほかのゲーミングチェアと何が違うんですか？

……。

イスという家具の宿命なのかもしれませんけど、ゲーミングチェアってどれも似てるなーと思うんです。

売り文句で言うと、

こんな言葉が並んでますよね。ゲーミングチェアそのものの平均値が高いのかな。いままで試してきたものはだいたい座り心地いいですし。

平均値が高いというのはわかります。他社製品で見られるいい機能はたいてい『Contieaks-コンティークス-』も備えていますね。

注目してほしい部分はありますか？ 特徴とか。

いろいろありますけど、たとえば座面ですかね。角度がフラットなんですよ。

そういえば、他社の製品だと座面の前のほうが少し盛り上がってるやつありますね。

ゲーミングチェアにレーシングシート風のデザインが多いのは、きっとパイオニア的なブランドさんが自動車分野から参入されたから。アクセルとブレーキ操作の意識もあって、膝を置く場所が盛り上がっているんだと思います。

プロゲーマーのみなさんは毎日10時間近く練習や配信を行います。長時間集中していると、その構造が血流を圧迫しかねないわけで。

なるほど。ずっとモニターに向かう姿勢の関係上、平らなほうが楽という考えなわけか。

格闘ゲームのプレイヤーなら、アケコン（アーケードスティック型コントローラー）をフラットに保てるのも利点ですね。

座面を前方に傾けられる“ゲーミング座布団”みたいなものも企画中です。他社さんの製品を使っている方でも、そのゲーミング座布団を逆向きに置けば、フラットな座面に変えられます。

他社製品ユーザーにもやさしい。

どうしてほかと似たレーシングシート型にしたんですか？

まずはスタンダードな製品を作りたかったんです。eスポーツの国際大会で使われているゲーミングチェアはレーシングシート型が定番。そのうえで、インテリア性や住環境を重視した新たな価値を持たせようと。

“関家具がゲーミングチェアを作っている”というイメージ付けも、狙いのひとつとしてあったんでしょうか？

その意味合いは大きいですね。じつは6～7年ほど前にゲーミングチェアに挑戦して失敗した経験がありまして。

そうなんですか！？ 知らなかった。

そうなんです。みなさん知らないんですよ。だから、まずは知ってほしかった。過去の経緯も踏まえて、『Contieaks-コンティークス-』にはもう一度トライする“Continue（コンティニュー）”の意味と、“peaks（頂点）”を目指そうという思いが込められています。

そのときの失敗の原因は何だったんですか？

無邪気に古傷をえぐってきますね。レーシングシート型を追求しすぎたために、ゲーム用としては座り心地がいまひとつだったんです……。

気持ちいいほどの本末転倒。

当時の失敗を活かして再挑戦するとはいえ、ゲーミングチェアとしては後発。その弱点をプラスに変えたくて、皆さんから寄せられた「他社さんのチェアにはこの要素が足りないよ」といった声も改良の参考にしています。

サンプルは世の中にたくさんあるわけで、それを参考にできるのが後発の強みだもんなー。タレコミというか、ライバルの情報を吸収して強くなっていく。

最初は強いけど仲間の機転で倒される敵キャラみたいに評価されるのは複雑です。

レーシングシート型以外のゲーミングチェアも見てみたいんです。『Contieaks-コンティークス-』が売れまくったら、ほかのタイプも作ってみませんか？

もちろん、その可能性もあります。いずれはレーシングシート型の壁を打ち破りたい。将来的にはまったく新しい形状のプロダクトも作りたいと思っています。

たとえば？

最近は在宅勤務をされる方が増えていますから、機能性に富んだイスを開発したいですね。あと、家庭向けのソファー生地なんかを用いて、インテリアとしての魅力も持つゲーミングチェアが世の中にあってもいい……そんなスタンスです。

ゲーミングチェアはだいたい2～5万円くらい。高級オフィスチェアは10万円とか20万円とかしますよね。それくらいの（高価格帯の）ゲーミングチェアを作っているメーカーさんもありますけど、どう思います？

正直に言えば、値段が高ければそれに見合った品質にできるだろうなと。

つ、強気ー！

関家具にも高価格帯ブランドはあります。『Ergohuman-エルゴヒューマン-』というオフィスチェアですね。人間工学に基づいて作られていて、値が張る分、座り心地や体圧分散性（※）の面で優れています。

『Contieaks-コンティークス-』の高級バージョンって作らないんですか？

作りたいんですよねー。いまは合皮素材がメインですが、メッシュ素材もいいですし、いろいろなモデルを開発したくて。

でも、いちから作るのってたいへんですよね。

そんなことないですよ。作るだけなら。

ダイニングチェア、オフィスチェア、お子さんの学習チェア、ソファー……。関家具はありとあらゆるイスを作ってきました。半世紀近く“座ること”を考えてきたんです。

「こうすれば快適になる」、「ここには高耐久性の合皮を使うべき」、「布地はこの試験で耐久性を確認しよう」。長年のノウハウを活用できます。検査内容、耐久性、座面角度、背もたれの傾斜角度……すべて理論に基づく決まりが社内にあります。

ほかのメーカーからしたら、ほとんどチートみたいな話だな。

ずるくないですよ。有利な点があるとすると“関家具は日本の企業”という点だと思います。やはり日本人にマッチしたもの作りをしたい。他社さんの多くは海外ブランドなので、日本人向けにはアレンジしにくいでしょうしね。

見た目だけならまだしも、内部構造まで作り変えるのは難しいよなあ。

我々はフレーム自体を日本人向けのサイズにできますから。本体が大きいと小柄な方が座ったときにかかとが浮きますけど、座面を低くすれば防止できます。

逆に「座面をもっと高くしたい」という要望もありますので、一部商品ではシリンダーの昇降幅を拡張しようと思っているところです。

『Contieaks-コンティークス-』って新しいブランドなのにラインアップが多いですよね。それもいろいろなイスを作れるからですか？

そうですね。定番商品からオットマン（足置き用のソファー）付きまで、幅広くご用意しています。

ふつうのゲーミングチェアってデスクに向かう前提だから、PCゲーマー向けみたいなところありますよね。家庭用ゲーム機ユーザー向けの製……

ありますよ。

食い気味。

リビングの大型テレビでゲームするような人向けの製品ですよね。『スクウェア』というビーズクッション型ソファーがおすすめです。

一般的にイメージするゲーミングチェアとは違いますね。どういう経緯で作ったんですか？

他社さんがゲーミングソファーを発売された際に「もっと気軽に使えるソファーがほしい」とご要望が当社に届きまして。それが（2020年の）4月頃。6月に発表して、秋に発売しました。

ん？ 2ヵ月で作ったってこと？

当社の別ブランドでたまたまビーズクッション型ソファーの開発を進めていたんです。たまたまビーズクッションが得意な業者さんを知っていて、たまたま最適なモデルがありました。最初から。

そんなたまたま、ある？

Twitterで「ビーズクッションみたいなゲーミングチェアはどうですか？」と質問したら1000件くらい“いいね！”が付きました。ゲーム用に調整して即商品化決定。

社内の垣根が低いので、すぐにほかのブランド担当者に相談できるんですよ。たとえば、品質チェックに関してオフィスチェアのチームからも監修を受けています。イス作りのベテランなので。

『Contieaks-コンティークス-』は我が子みたいなもの。ひとつ自慢していいですか？

手短にお願いします。

そういうとこ意外とシビアなんですね。『Contieaks-コンティークス-』は“BIFMA”と“JIS”、ふたつの規格をパスしてるんですよ。

BIF……？

Business and Institutional - Furniture Manufacturers Association、略してBIFMAです。JISはご存じですよね？

急に難しいこと言い出さないでください。子どもも見てるんですよ！

こわ。この人のキレポイントが見えない。

JISはJapanese Industrial Standardsの略。日本の産業製品に関する規格です。

あ、聞いたことある。その規格を満たしたら安全とか？

だいたいそんな感じです。BIFMAは欧米向けの規格で、日本の基準よりシビア。JIS規格をパスしたことを公表しているゲーミングチェアは当社以外からも3社ほどから発売されていますね。もちろん、それらもいい製品だと思いますが、関家具オリジナルの基準として、耐荷重に関する独自の試験方法を採用しています。

かわいい我が子にオリジナルの特訓をさせるスパルタお父さんみたいだな。

ユースケさん。

商品開発の鬼がいる。

ほとんどのメーカーさんはシリンダー単体の耐荷重試験を行っているんですが、当社は完成品そのものを使った破壊試験も行っています。製品が完成した段階で座面に負荷を掛けて、どの部分が壊れるのかを試しています。

“我が子に破壊試験を施す”のマッドサイエンティエスト感がすごい。

クリアーの基準は“150kgの荷重に耐えられるかどうか”と、かなり厳しめです。「完成品で150kgの重さに耐えられます」と胸を張って言えるゲーミングチェアは、いまのところ（2021年3月12日現在）関家具だけかと。

完成品の破壊検査ってどういうことです？

イスのレビューを見ると、たまに「耐荷重120kgと書いてあるのに、体重60kgの私が座ったらキャスターが壊れた」みたいな書き込みもあると思います。それって、イス全体の試験を行っていないんですよ。

なるほどー。キャスターが壊れるってたまに聞くけど、そういうことか。シリンダーは120kgに耐えられるけど、キャスターはそうでもない、みたいな。

たとえばベッドの上で飛び跳ねると、着地の瞬間に3倍の圧力が脚元に掛かります。つまり、体重60キログラムの人が跳ねると、180キログラムにまで重さが跳ね上がるわけです。イスの場合はそこまで極端ではないにしても、近しい荷重が掛かります。

勢いをつけてドカッと座ることってありますもんね。

対戦で負けて、悔しさを紛らわせるつもりで勢いよく座り直したらイスまで壊れてしまったとか……そんなの悲しいじゃないですか。

そんなことになったら絶対泣く。

キャスターと脚部をつなぐスポーク（車輪を支える棒状の部品）は抜き打ち試験を実施しています。スポークはナイロン樹脂製なんですが、素材の中に不純物が多いと割れやすくなる。関家具では約1.1トンの重さに耐えられるのかどうかを、その都度テストしています。

山本さん、ゲーミングチェアに「よ～し、いい子だ」って言ったこと1回くらいありそうですね。漫画に出てくる変な科学者みたいに。

3～4回あります。

わりとあったな。

関家具さんってTwitterの意見もちゃんと見てるんですよね。どのメーカーさんも「お客様の声を商品開発に活かします」なんて言いますけど、ずっと疑問に思っていたことがあるんですよ。

あえて言うことでもなく、それってふつうじゃないですか？ だって、ユーザーの声を無視する企業ってやばいでしょ。

たしかに、当たり前と言えば当たり前ですよね。

意見を聞いて改良するとか新商品を出すとか、そんなに簡単にできることなんですか？ すでに動かしている企画があって、そこにちょうどいい意見が届いたから、それを聞いてやることにしました、みたいな雰囲気にしてるんじゃないですか？

そこまで頑なに人を信じないのはなぜなんですか。

当社の例で言いますと、とあるプロゲーミングチームから「公式大会と同じ環境で練習したいから同じサイズでデスクを作ってほしい」と相談されて、『レジェンズ』というモデルとしてリリースしたことはありますね。

それと、プロの格闘ゲーマーさんから「スツール型のほうがプレイしやすい」と聞いて、『アークアーケードスツール』を作りました。こちらも製品化しています。

判断が早い。でも、それってビジネスの関係にあるプロゲーマーの意見ですよね。一般プレイヤーはどうですか？ 意見を聞いてたらキリがないと思いますけど。

ソファーのファブリックを使った『ティトリス』という大柄な方向けのチェアがありまして。座面の左右幅が広くて、レーシング系のチェアによくあるサイドウォールがないモデルです。

へぇー、あぐらをかきやすそう。

まさにあぐらをかけるのも特徴のひとつです。発表したらTwitterで「あぐらをかけるんだったら座イスがいい」という要望をいただいたので、

スピード感がおかしい。

『Contieaks-コンティークス-』って立ち上げのスピードも速かったんですよ。2019年の7月くらいから準備を始めて10月にブランドを設立。第1弾の製品は2020年1月20日にリリースしました。

工場で物理的に製品を作るって、すごく時間がかかると思うんですけど。

そこはですね……。

がんばったんだ。

TwitterのDMでもメールでも、お客様から寄せられるご意見は基本的にプラスに働くものばかりなんですよ。できる限り対応していきたい。

家具以外のことでも？

はい。家具を中心に、デバイスなんかも含めた包括的なブランドにしたいんですよ。もの作りの知識が豊かな社員や取引先が多いので、けっこう何でも作れると思います。

複雑な電子機器は難しいですけど、他社さんと協力して『Murasame-むらさめ-』という木のアーケードコントローラーを作ったことはありますね。「デバイスが入るバッグがほしい」みたいな声がたくさんあるようなら、バッグブランドとコラボしてでも作りたい。

ゲームのためにデスク周りを掃除する洗剤がほしいと言われたら？

キッチン用品メーカーさんなんかとコラボしたらいいんじゃないですかね。

フットワークが軽すぎてよくわからんな、この人。

“家の具を売る”が関家具のポリシーなので、家の中に関わるすべてのものを扱っていいことになっています。キッチン用品も食品も守備範囲内。

もはや執念。

『ローザ』のピンクは色がいいですね。はっきりした色は広くウケそう。あのですね、山本さん、聞いてくださいよ。

なんでしょう？

ゲーム関連に限った話でもないんですけど、「女の子におすすめ！」みたいに売り出される商品って薄いピンクみたいな色が多くないですか？ 全体的にふわふわしたマシュマロみたいな。

あれ、女子を軽く見ていると思うんですよ。

「どうせこういうのが好きなんでしょ。かわいいピンクにしとけばいいんでしょ」みたいな空気を感じるんですよ。何パターンかのピンクの中に薄い色がある分にはいいんです。本来はそれがいちばんいい。いえ、わかりますよ。製造コストの関係で何色も作れないのは。でも、たまにはビビッドでド派手なピンクとかマゼンタの製品を作るメーカーがあってもいいじゃないですか！ 僕らは派手なものを買っちゃいけないんですか！ そもそも女の子＝ふわふわしたピンクみたいな発想が古い。時代にあってないんです！ この社会は何なんですか！ 山本さん！

「僕らは」って、ユースケさんが女の子の中にしれっと加わっているのはさておき、はっきりしたピンクの好む人も多いというのはわかります。

『ローザ』のピンクはTwitterのアンケートで決まったんですよ。オレンジやグリーンが好まれるだろうと思っていたんですが、ピンクが人気でした。で、我々が使える4色の中から選んでもらったら、いちばん濃い色が選ばれたという。

ほらー！ やっぱり濃くて派手なピンクって人気あるんじゃん！ これがリアル！ 消費者の声！

ちなみに、新色を出そうと企画を初めて、実際に販売されるまでの期間はどれくらいでした？

2ヵ月くらいだったかと。

何を聞いてもやっぱりスピードが異常なんだよな。

いろいろ作りたい気持ちはありますし、コラボのお声がけをいただくことも多いです。FAV gamingさん（※）モデルも作りました。この記事の公開日に製品化のアンケートが始まっているはず。

山本さん。

はい。

宣伝への入りかたがめちゃくちゃスムーズじゃないですか。

……デジャヴュ？

テンションが上がって3つも試作品を作っちゃったんですよ。

何やってんの。

はい。大丈夫です。

その調子でお願いします。

迷彩柄は王道的に人気のあるデザインなのに、イスだとあまり見ないような気がしません？ スタンダードなカーキ色ではなくブルーなので、部屋に置きやすいはず。社内でも評判がよかったんですよ。

sakontieaksは背もたれの生地にキルティング加工を施しています。北欧の家具をイメージしていて、おしゃれな感じに仕上がっているかと。

関家具さんって、どういう経緯でFAV gamingのサポートを決めたんですか？

きっかけは西村さんなんですよ。大分県eスポーツ連合会長の。

西村滉兼さん？ 僕、ちょいちょい仲よくさせてもらってますよ。ファミ通.comでも取材したことあります。

2019年12月くらいだったと思うんですけど、『Contieaks-コンティークス-』のブランド設立をTwitterで告知したら「地元九州でゲーミングチェアを作っている家具会社さんはレアなので見学させていただけませんか？」とのお話をいただきました。

翌週すぐにお越しになられました。そこからお付き合いが始まって、eスポーツ界で活動の幅を広げたいと相談したら、「FAV gamingさんに打診してみたらどうですか？」とご提案いただきまして。

あの人は何なんだ。

おもしろいことをしたい気持ちが強いんだと思いますよ。楽しければ人は集まります。それはもの作りも同じ。つらい思いをして開発した商品から、おもしろさは生まれないですから。その点、FAV gamingさんはピッタリ。スローガンが「Fun And Victory（楽しく、そして勝つ！）」ですもんね。

今度、西村さんにお礼を言っておきます。

コラボと言えば、伝統工芸と組むのはどうですか？ 関家具さんがある大川市って、木工細工の大川組子が有名じゃないですか。eスポーツは世界中の人が見るから日本の伝統をアピールしてほしい。

外国の方に和のテイストを推すんですね。

FAV gamingには「ユニフォームを着物にしよう」と提案してるんですけど、いつも愛想笑いで流されてます。試合前にたすき掛けして気合を入れたらかっこいいし、「Kimono！」と興奮する外国人ファンに浴衣や法被を売れば外貨を稼げる。関家具さんのフットワークの軽さを活かして、何とかしてもらえませんか？

（急にぶん投げてきたな……）

伝統的な組子デザインを採り入れるのもおもしろいと思うんですけどね。ただ、職人さんが本当に少なくて……。腕の立つ職人さんは、“ななつ星in九州（※）”の内装であるとか、お得意先の作業で手一杯なんですよ。

冒頭で話した職人いない問題だ。伏線回収しちゃった。

難しいのは間違いないですが……伝統的で高品質なものを作れるかどうかと問われたら、できます。

うおー！ 心強い！

「（家具に関するニーズや条件が）ないなら探しちゃえ！」というのが弊社のノリです。

ノリで製品を作るな。

そうだ。おもしろいといえば、機会があったら“いす-1GP”に参戦しましょうよ。

お、いいですね。じつは別のイスで出場したことがあります。『Humanscale-ヒューマンスケール-』というブランドのキャスターがめちゃくちゃ速いんです。

車輪の回転が滑らかで、イスの荷重バランスも最高。速すぎて操作しにくい面があるので、バランス感覚が優れたドライバーじゃないと転倒するかもしれませんね。

何でそんな格ゲーの上級者向けキャラみたいなイスがあるの。