2018年7月26日より稼働中のアーケードゲーム『Fate/Grand Order Arcade』(以下、FGOアーケード)にて、いよいよ“第六特異点”が近日に開幕する。
しかし、2月24日(水)に公開された開幕直前キャンペーンの告知バナーには、“第六特異点 ■■■■■■ ■■■・■■■■■”と特異点の名称が伏せられる形で記載されていた。スマートフォン向けRPG『Fate/Grand Order』(以下、FGO)の第六特異点の名称は“第六特異点 神聖円卓領域 キャメロット”であるため、明らかに文字数が異なる。
この伏字の文字数を見て思い出されるのが、TYPE-MOON・奈須きのこ氏によるブログ竹箒日記での“六章/zero”のエントリーで語られた“神聖円卓領域 キャメロット”の成り立ちや、インタビューなどで言及があった“エルサレム”の存在だ。『FGO』での獅子王(キャメロット)の出現はあくまでイレギュラーであり、本来の人理修復の旅では“エルサレム”が特異点となるはずだった。
エルサレムであれば、“■”部分の後半の文字数とも合い、『FGO』とは異なるシナリオを辿ってきた『FGOアーケード』の第六特異点として、個人的にはしっくりくる。同様の予想や考察をしているマスターも多いだろう。
そこで本稿では、「『FGOアーケード』のことは知っているけど、これまであまり情報を追ってこなかった」という人を対象に、『FGO』と『FGOアーケード』が異なるシナリオを進んでいることを裏付ける、両作品の違いを一挙に紹介していこう。
【追記】2/28の生放送にて第六特異点が“騎勲渇仰遠征 ロスト・エルサレム”となることが発表された。
【追記】第七特異点の考察や『FGO』と本作の第六特異点の違いまとめ、第七特異点詳細発表記事はこちら。
これまでの特異点の名称にも違いが存在
2月27日現在、第五特異点まで実装されている『FGOアーケード』。第六特異点以外にも、2つの特異点で『FGO』とは異なる名称が使用されている。
序章
『FGO』にて主人公が最初に霊子転移(レイシフト)することになる“特異点F 炎上汚染都市 冬木”。『FGOアーケード』でも最初にレイシフトするのは“特異点F”なのだが、その場所は“炎上汚染都市”であり、『Fate/stay night』や『Fate/Zero』での戦いの舞台となったあの“冬木”ではない。
現在でも数多くの謎を残したままの冬木。第2部後期オープニングの描写によって、第2部で少しは謎が解けそうな気配がある。
その第2部に関係があると思われる“冬木”が特異点となっていないのであれば、『FGOアーケード』は『FGO』の第2部で描かれている2018年とは違った未来に進んでいるのかもしれない。
第五特異点
北アメリカ大陸が舞台となる第五特異点。『FGO』では“第五特異点 北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム”という名称だが、『FGOアーケード』では“第五特異点 北米神話侵食 イ・プルーリバス・ウナム”と大戦が侵食に変わっている。
“侵食”という言葉が示す通り、『FGOアーケード』は第五特異点から『FGO』とは異なる姿を見せていく。
第六特異点
本記事の発端となった第六特異点。“第五特異点 北米神話侵食 イ・プルーリバス・ウナム”のクリア後に表示される特異点ボードには、『FGO』と同じく“神聖円卓領域 キャメロット”と記載されている。
しかし、名称こそキャメロットだが、画像は何かが侵食しているかのような不穏なデザインとなっており、“第六特異点 ■■■■■■ ■■■・■■■■■”の伏線が貼られていた。
もともと、『FGO』での第六特異点は“神聖円卓領域 エルサレム”と発表されており、2016年4月27日の定期メンテナンスで突如として“神聖円卓領域 キャメロット”へと名称が変更された。
2016年4月27日はイベント“Fate/Accel Zero Order”の開始タイミングであり、“Fate/Accel Zero Order”といえば聖杯に深い関わりがある“とあるサーヴァント”の実装日でもある。これらの事例を見るだけでも、邪推せずにはいられない。
ちなみに、先述したとおり獅子王の出現はイレギュラーであり、もともとの特異点はエルサレムだった。そして、エルサレムに召喚されたのは獅子心王と言われた“リチャード一世”を呼称するサーヴァントで、彼を倒したのがアルトリア・ペンドラゴン(ランサー)たちだ。アルトリアが自らを獅子王と名乗っているのも、リチャード一世と無関係ではないだろう。
仮に、『FGOアーケード』の第六特異点の名称が“偽りの十字軍 ■■■・エルサレム”などの場合、リチャード一世を呼称するサーヴァントや“偽りの十字軍”を召喚した謎のサーヴァントの登場に期待できる。
登場キャラクターの違い
『FGOアーケード』では、第五特異点で『FGO』とは異なるサーヴァントが登場したり、第四特異点では登場するはずの人物が登場しなかったりする。
シータ(アーチャー)
シータ(アーチャー)は、“第五特異点 北米神話侵食 イ・プルーリバス・ウナム”の第2節“大脱走”にて初登場する。
『FGO』では第11節“ザ・ロック”で初登場し、ラーマの受けた呪いを肩代わりして消滅してしまう彼女。『FGOアーケード』では、ケルトの軍勢によって地下牢に囚われてしまった主人公たちと牢の中で出会い、共に牢を抜け出すことになる。
ラーマとシータは“離別の呪い”によって出会えず、ラーマかシータのどちらかがラーマとして召喚されるため、聖杯戦争でも巡り合えない定めを持っている。『FGOアーケード』ではラーマのかわりにシータが召喚可能(プレイアブルサーヴァント)となっており、ここで『FGO』とは違う道を進んでいることが明確になった。
なお、シータとラーマはステータスや所持スキルも異なる。ラーマは神性 Aを持っているのに対して、シータは女神の神核 Cを持っている。また、“離別の呪い”に関してもラーマはA、シータはEXとランクが異なる。
【シータとラーマのステータス比較】
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筋力:
- シータ D
- ラーマ A
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耐久:
- シータ C
- ラーマ B
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敏捷:
- シータ A
- ラーマ A+
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魔力:
- シータ A
- ラーマ B
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幸運:
- シータ EX
- ラーマ B
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宝具:
- シータ B
- ラーマ A
マーリン〔プロトタイプ〕
『FGO』では男性として、『FGOアーケード』では女性として登場するマーリン。
初登場は“第五特異点 北米神話侵食 イ・プルーリバス・ウナム”の第6節“北米神話浸食(後)”で、連戦で疲弊した状態で“クー・フーリン〔オルタ〕”に挑む主人公たちの前に現れる。
性別はもちろんだが、プロフィールやステータス、スキルも大きく違う。
筆者の個人的な感想ではあるが、プロフィールからは自分自身だけで完結している“無敵感”や、男性版よりも“ヤベー奴感”がにじみ出ている。
それは、男性版と比べて英雄作成がB(男性版はEX)、夢幻のカリスマがD(男性版はA)と同名のスキルが低ランクに設定されているところからも感じとれる。ちなみに、属性は“混沌・善”であり、プロフィールに“男の子好き”とある。
【マーリン〔プロトタイプ〕とマーリンのステータス比較】
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筋力:
- マーリン〔プロトタイプ〕 E
- マーリン B
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耐久:
- マーリン〔プロトタイプ〕 E
- マーリン E
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敏捷:
- マーリン〔プロトタイプ〕 C+
- マーリン D
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魔力:
- マーリン〔プロトタイプ〕 A++
- マーリン A
-
幸運:
- マーリン〔プロトタイプ〕 A
- マーリン C
-
宝具:
- マーリン〔プロトタイプ〕 A
- マーリン C
???
『FGO』の“第四特異点 死界魔霧都市 ロンドン”にて、ソロモンと名乗るキャラクターがアルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕(ランサー)との戦闘後に現れる。
一方、『FGOアーケード』では正体不明の黒い影のようなものが登場する。“人理焼却”の首謀者がそもそも違うということを意味しているのか、それとも。
しかし、この黒と赤のコントラスト……何かを彷彿とさせるが気のせいだろうか。
魔神柱の違い
各特異点に登場(※例外もある)する魔神柱に関しても『FGO』と『FGOアーケード』で違いが存在する。
オルレアンにナベリウスが出現
『FGO』では“第一特異点 邪竜百年戦争 オルレアン”に魔神柱が出現しなかったが、『FGOアーケード』ではナベリウスが出現する。
クラスは『FGO』とは異なりキャスターだ。
デザインの違い
『FGO』と『FGOアーケード』では、すべての魔神柱のデザインが異なる。
第四特異点に登場するバルバトス以降が顕著で、もともとの魔神柱のデザインから大きく逸脱し、さらには2柱出現する。
・ナベリウスのデザイン(第一特異点 邪竜百年戦争 オルレアン)
・フラウロスのデザイン(第二特異点 永続狂気帝国 セプテム)
・フォルネウスのデザイン(第三特異点 封鎖終局四海 オケアノス)
・バルバトスのデザイン(第四特異点 死界魔霧都市 ロンドン)
“魔神柱・霧”と“魔神柱・魔”の2種類の魔神柱が出現。ここからはデザインが大きく変わっており、触手や口のようなものも存在する。
・ハルファスのデザイン(第五特異点 北米神話浸食 イ・プルーリバス・ウナム)
“魔神柱:耕作”と“魔神柱:収穫”の2種類の魔神柱が出現する。
ハルファスは竜のような見た目に。特異点が進むごとに、だんだん進化しているようにも感じられる。
人類最後のマスターは1人ではない?
魔神柱フォルネウス、バルバトス戦に突入する前のあらすじには、“全カルデア”や“集ったマスター”、“マスターたち”などの表記がある。
また、『FGOアーケード』の第3弾PVには、「この舞台においてカルデアは一つではない」「人類最後のマスターは一人ではなく、正義も主張も、また一つではない」といった記載も登場する。
これらが全マスターと協力して戦う“レイドバトル”のゲームシステムをメタ的に説明しているだけなのか、言葉の通りの意味なのかどうかは、現在のところ不明。
シミュレーションの世界なのか、無数に存在する剪定されるはずの世界を描いているのか、それともクリプターと同じことを体験しているのか……。
現在の情報で答えを出すことはできないが、ひとつ言えるとしたら、本作が『Fate』作品の1つである以上、これらの言葉が世界観と密接にかかわっていないとは考えにくい。
いずれにしても、この先の特異点でも『FGOアーケード』という作品の謎を紐解く新たなヒントが提示されるだろう。近日開幕される“第六特異点 ■■■■■■ ■■■・■■■■■”の登場サーヴァントや魔神柱に注目したい。