2011年に設立され、今年創業10周年を迎えるAiming(エイミング)は、オンラインゲームの企画やプロデュース、開発・運営を行う会社だ。現在は、『CARAVAN STORIES(キャラバンストーリーズ)』と『戦国大河』を開発・運営している。昨年配信されたスクウェア・エニックス企画・制作による『ドラゴンクエストタクト』の開発も同社となる。

 今回、そんなAimingにクリーク・アンド・リバー社の荒木佑介氏が訪問。じつはもとAimingに所属していたという荒木氏が、Aimingの企画を手掛ける竹内正彦氏、南佑典氏、川崎友輔氏の3人に聞いた。

Aimingは、ゲーム好きが揃うからこそ、さらに一歩踏み込んだゲームが作れる【ファミキャリ! エージェントが聞く】

竹内正彦氏(写真・左から3人目)

Aiming 企画(文中は竹内)

南佑典氏(写真・左端)

Aiming 企画(文中は南)

川崎友輔氏(写真・左からふたり目)

Aiming 企画(文中は川崎)

荒木佑介(写真・右端)

クリーク・アンド・リバー社
デジタルコンテンツ・グループ キャリアデザイン・セクション
(文中は荒木)

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ほかのメーカーよりも一段深いゲームの遊びを提供しないと、Aimingのプレゼンスは保てない

荒木本日はよろしくお願いします。今回は皆さんから見たAimingさんの魅力などをお聞きできればと思うのですが、じつは私も前職はAimingさんなんです。

竹内お久しぶりです(笑)。

荒木さんはすごく優秀な方だとお伺いしていたので、お会いできてうれしいです。

荒木ありがとうございます(笑)。私はAimingさんで3年間人事を務めて4年前に退社したのですが、そのときからいろいろと変わっているかと思いますので、ぜひ皆さんから魅力的なお話を伺えればと思います。まずは皆さんの経歴を簡単に教えてください。

竹内僕はAimingに入社したのが6年ほど前で、その前は大手パブリッシャーのモバイル向けタイトルでプロデューサーや企画ディレクションを担当しました。

荒木Aimingさんに転職したきっかけは何だったのでしょうか?

竹内前職でコンソールとモバイルWEBが中心の開発だったのですが、IOS,Android向けのネイティブアプリへシフトする際かなり開発知見などが追い付かない状況で、がんばって組織改編を目指すよりは開発力のある会社へ転職したいと感じてしまいました。

荒木Aimingさんに入られてからはどのようなことをされたのですか?

竹内最初は海外の開発会社さんとのやり取りをして、その後『CARAVAN STORIES』の開発が本格的に始まる段階でチームに合流して、リリースまで開発進行をしました。リリース後はグローバル展開やマルチプラットフォーム展開にも関わったので、世界中のユーザー様へ届けるというとても楽しい体験ができました。

荒木現在はどのようなお仕事をされているのでしょうか?

竹内現在は、株式会社ビーグリーが発表した『無職転生 ~ゲームになっても本気だす~』において、弊社が開発・運営を担当することになっており、その開発進行をしています。役職としては、去年まではマネージャー職を努めていたのですが、今年から開発が第1事業部、第2事業部というふうに事業部制になったので、副部長という立ち位置になっています。体制が変わったばかりなのでまだ何が変わった、というのはないのですが、これから変えて行きたいという思いを少しでも皆様へ伝えられたらと思っています。

『無職転生 ~ゲームになっても本気だす~』公式サイト

荒木ありがとうございます。南さんはいかがでしょうか?

僕は入社したのは2020年の9月半ばです。それ以前もゲーム会社で働いていて、前職ではデザイナーから企画、ディレクター、プロデューサーと職種が変わっていきました。その会社には7年ほど勤めていたのですが、一度プロジェクトに区切りが付くタイミングで、今後どうしていこうかと考えるいい機会がありました。

荒木転職をしようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

その会社はブラウザゲーム主体のゲーム開発を行っていたのですが、僕としてはやはり自分が遊んでいるものに近い、スマートフォン系のゲームを開発したいという思いがあったんです。そんなときに、Aimingさんがオンラインゲームに力を入れている、という記事を見つけたので、応募しました。

荒木Aimingさんに行く決め手となったのはどこでしょうか?

僕はどうしてもレベルデザインがやってみたかったんです。前職では小規模のブラウザゲームの、さらに規模の小さいレベルデザインしかしていなかったので、大きな実績はなかったんです。でも、面接で竹内さんなどとお話をさせていただいた際に、手を挙げればチャンスはいただけるということだったので、そこでAimingに入ることを決めました。

荒木Aimingさんに入社された後は、実際にレベルデザインを行われているのですか?

入社後は、部署としてはQAチームに加わって、先ほどお話に出た『CARAVAN STORIES』の開発に携わっていました。QAと言うとデバッグ作業のようなイメージを持たれるかもしれませんが、弊社のQAチームは開発から上がってきたゲームをプレイして、改善点などを洗い出していくチームとして活動しています。

 いまは『無職転生』で、組みあがっているゲームをプレイして、「バトルまわりでこうしたほうがいいんじゃないか」、といった提案をさせていただいています。どちらかと言うと、バトルデザインという言葉のほうが合うかもしれないです。

荒木ゲームのチューニングも行うチームなんですね。

竹内そうですね。QAと言うとデバッグ、みたいに思われることもありますが、本質としてはレベルデザイナー、チューニング部隊だと思っています。レベルデザインが大事だ、というのはよく言われていますが、スマートフォン系のゲームのゲームモデルがある程度定量化されてきたなかで、おもしろさを分けるのがまさにレベルデザインの部分だと思うんです。

 ですので、いまはすべてのプロジェクトを横断的にチェックして、データやおもしろさのクオリティーを担保できるチームを組成しています。南はそこのエースですね。

荒木他社さんのQAチームとは位置づけがだいぶ違いますね。

竹内そうですね。データなどでゲームを作るのに特化したプランナー部隊、とも言えると思います。単にデバッグ視点になってしまうと、バグらずに遊べるようにするという前提があって、そのうえでこうしたほうが遊びやすいですよ、くらいのちょっとした提案で終わってしまうと思うんです。

荒木AimingさんのQAチームからはもっと踏み込んだ意見が出てくるということですね。

竹内はい。ディレクターとも対等に話せるぐらいの発言力があります。たとえばボス戦を見るときに、これまでは状態異常を何種類かけたらおもしろいか、状態異常をかけたときにボスがどんな行動をしてきたらおもしろいのか、みたいな発想がなかったので、その部分でゲーム体験をおもしろくしよう、スマートフォンゲームだけどコンシューマー的なおもしろさを出そう、という話が出てきたんですよ。それを受けて、いまはそれに近しいバトルを体験できるようにバトルを組み直したりしています。

荒木ゲーム性を大きく変えるような提案ですね。そうなると開発陣とのやり取りがヒートアップしたりもするのでしょうか?

いえ、開発現場も比較的柔軟に話を聞いてくれるので、QAチームから出た問題提起に対応したほうがいいね、となった場合は「たいへんだけど、がんばろう!」ということで、みんなで肩を組んで前に進むようになっています。その部分で揉めるようなことはあまりないです。

荒木私がAimingさんに在籍していたころのイメージでは、ゲーム好きな人が多いイメージだったのですが、いわゆるゲームオタクだからこそこだわれる部分が出ているような気がします。

竹内そうですね。ほかのメーカーさんよりも一段深いゲームの遊びを提供しないと、Aimingのプレゼンスは保てないと思っています。たとえば、一般的なオートバトルゲームに落とし込んだときに、そこを簡略化した結果、他社さんと同じようなゲーム体験になっていいのかと言えば、そうではないと考えています。しっかりとした文法があって、そこからAimingらしさにつながっていくと思っていて、そういうところを大事にしていきたいですし、QAチームはそこを意識できる部隊です。

荒木ありがとうございます。少し話が逸れてしまいましたが、川崎さんの自己紹介をお願いします。

川崎大学卒業後からゲーム制作には携わっていて、ゲーム開発歴としては4年目になります。Aimingに入ったのは2020年12月で、まだ入ったばかりです。前職でもプランナーとして働いていましたが、少数精鋭の会社だったこともあって対応範囲は広かったと思っています。キャラクターのパラメータ調整やクエスト、ステージの作成、あとは新規機能作成なども行ってきました。たとえばギルドバトルを新しく作ったときは、僕が企画として中心にやらせてもらって、そこで考え出したものをエンジニアの方が形にする、というような感じでした。

荒木前職もスマートフォン系のゲーム会社だったのですか?

川崎はい。前職ではスマートフォン向けのRPGを開発していました。そこでバランス調整や新規機能開発など、さまざまなことをやらせてもらって、規模の大きい会社で挑戦してみたいなと思うようになって、そこから転職にいたりました。

Aimingは、ゲーム好きが揃うからこそ、さらに一歩踏み込んだゲームが作れる【ファミキャリ! エージェントが聞く】
スマートフォンとプレイステーション4、PCでリリースされている『CARAVAN STORIES(キャラバンストーリーズ)』。Aimingを代表する1本。2021年にはNintendo Switch版の発売も予定している。
『CARAVAN STORIES(キャラバンストーリーズ)』公式サイト

「ゲームには飽きるけど友だちには飽きない」

荒木ちなみに、皆さんの好きなゲーム、ハマったゲームはどんなものがありますか?

竹内最近はあまり遊べていないのですが、元々MMORPGが大好きで、直近で深くハマったのは『黒い砂漠』のPC版ですね。リリースされたころからガッツリと触っていて、全体でも3位に入るくらいのギルドで、幹部みたいなことをやっていました。

荒木かなりガチですね(笑)。

竹内ガチです(笑)。そのギルドは、サーバー内で勧誘すべきプレイヤーのリストと、採用をかけるときの文言のワークフローがスプレッドシートで作られていて、誰でも人事担当になれるようにしてある、というしっかりしたギルドでした。おもしろいですよね(笑)。

荒木MMORPGというジャンルのどのような部分に惹かれますか?

竹内やはり新しい人間社会、出会いと別れみたいなものが含まれているところですね。とくに、国産よりは海外産のMMORPGが好きな人間なのですが、海外産にある荒々しさのなかで感じる興奮だったり、集団で目的を達成したときの喜びみたいな部分は、いまでも最高の体験なのではないかなと思っています。

荒木直近では『黒い砂漠』にハマられたということですが、いちばんハマったゲームは何ですか?

竹内ちょっとマニアックになってしまうのですが、『蒼天』というゲームですね。韓国でかなり人気を博して、日本上陸後も絶賛されていたんですけど、100対100で戦うMMOのアクションゲームなんですよ。

荒木規模がすごいですね。

竹内そうなんですよ。そこがすごくて、ゲームを始めた途端にアリのように潰される虚無感と言いますか、そこにすごく惹かれてしまって(笑)。あのなかで無双できたらさぞおもしろいだろうな、と思って必死に攻略法を考えて、ある程度ランカーになることもできました。そこで得た経験は、すごくよかったです。

 そこから集団対戦ゲームが好きになって、『オーバーウォッチ』のようなメジャータイトルも、根本にあるのはそういう部分なんだと思います。それがわかりやすい形でリビルドされて、ユーザーに届いているからここまで大きなヒットになっているのかなと。

荒木南さんはいかがですか?

幼少期に遊んでいたのは、『風来のシレン』ですね。いわゆるハクスラのジャンルが好きで、『ディアブロ』シリーズなんかはよくひとりで遊んでいました。ただ、みんなで盛り上がっている場も好きで、友だちといっしょに盛り上がれるゲーム、たとえば『ファイナルファンタジーXIV』や『フォートナイト』が好きですね。あとは、それこそ『オーバーウォッチ』なども遊んでいます。

荒木チームで遊ぶゲームも好きなんですね。

チームを組んでゲームのコンテンツに挑んだ際に、クリアーできたときの達成感が高いものには手を出す傾向があります。スマートフォンのタイトルだと『グランブルーファンタジー』の古戦場(※)を、ギルドを立ち上げていっしょにやるぞ、みたいなことを友人たちとやったりしています。ほかにも『Among Us』も朝まで遊んだりしていますし、最近は友人たちと『モンスターハンター』にも手を出そうか、みたいな話もしています。

※古戦場:騎空団(ギルド)どうしでボスを倒して獲得できる貢献度を競い合うGvG形式のイベント。

荒木南さんのお話を伺っていると、AimingさんのCEOである椎葉忠志さんの「ゲームには飽きるけど友だちには飽きない」という言葉が浮かんできますね。川崎さんはどのようなゲームがお好きですか?

川崎大学のころは『グランブルーファンタジー』などのアプリ系のゲームをよく遊んでいて、ハマっているときは誇張抜きで毎日5時間くらいは触っていました(笑)。ランキングイベントも上位に入れるぐらいにはやり込んでいました。昔からずっと触っているゲームで言えば、『ビートマニア2DX』ですね。

荒木音楽ゲームも遊ばれるんですね。

川崎はい。最近はコロナの関係もあってゲームセンターに行けていないのですが、『ビートマニア2DX』はずっとやり続けていて、段位というランクみたいなものがあるのですが、その上位である“中伝”を取得するぐらいにはプレイしています。

竹内それは初めて知った。すごいね。

川崎あとは最近だと『アークナイツ』もかなりガッツリ遊んでいて、危機契約という高難易度イベントをクリアーしたり、エンドコンテンツもやり込んだりしています。

荒木お三方のお話を伺うと、やはりAimingさんは突き詰めていく方が多いというか、ゲームでもやり込みをされる方が多い傾向がありますよね。

川崎それはあるかもしれないですね。

Aimingは、ゲーム好きが揃うからこそ、さらに一歩踏み込んだゲームが作れる【ファミキャリ! エージェントが聞く】

積極的に自分の意見を発言できる人が、けっきょくはいいゲームを作れる

荒木ここからはAimingさんのゲーム作りに対する姿勢などを伺っていければと思うのですが、会社としてゲーム開発を進めるうえでこだわっているポイントを教えてください。

竹内僕の視点になりますが、こだわっているのはチームビルドの部分です。優秀な人材を集めて、プロジェクトの目的や達成したい遊び、そのおもしろさに精通した人間を揃えて計画通りに物事を進めれば、いいものができるはずなんです。もちろん机上の空論である部分はあるのですが、人材が大事であることは間違いないと思うので、第一優先としてはそこだと考えています。

荒木竹内さんとしては開発現場レベルで、というよりも仲間集めの部分にこだわりを持たれているのですね?

竹内そうです。実際、去年の半分くらいは仲間集めの仕事をしていました。いまここにいるふたりの面接官も僕だったんです。優秀な人材をふたりも採用することができてよかったです(笑)。

荒木実際にAimingさんで活躍される人材としては、どんな方がいらっしゃいますか?

僕としては、チームのなかで個人としての意見をしっかりと言えて、それがこのゲームになぜ必要なのかを理論づけて伝えられる人だと思います。そういった方が活躍していて、いろいろなチームに携わっているのかな、と思います。

川崎いっしょに働いている方々は皆さんすごい人たちが多いのですが、「こういう理由だからこうしたい」という自分の考えをしっかり持っているんです。僕自身にもそういうものはあって、弊社は全体的にここを変えたい、こうしたい、という意見を積極的に言う人が多くて、受け身な方は少ないです。

荒木自分なりの意見を持っていて、それを相手にしっかり伝えられる方が多く、そういった方が活躍されているのですね?

竹内そうですね。受け身ではなく自分から、というのは大事だと思います。たとえそれが間違っていてもいいので、まず「こうじゃないか」という意見をテーブルに乗せて、そこにまわりを巻き込める人材が活躍できていると思います。

荒木結果として間違えるかもしれなくても、動き出すことが大事というのはあるかもしれないですね。

竹内間違っていたとしても、そこから前に進むことができる、そういうスタンスで積極的に動ける人がいちばん強いと思います。1回でゲームが100点になることは絶対にないので、何度も何度もテーブルに置いて、決定を下して前に進んで、ちょっとずつ点数を上げていくものだと思うんです。

 だから、そのサイクルが早い人間が、けっきょくのところいいゲームを作れる人だと僕は思っています。受け身だと、その回数がすごく少なくなってしまうんです。これはエンターテインメント業界における普遍的なことなのかな、と歳を重ねるごとに強く感じています。

荒木ちなみに、ゲームバランスについての意見は、デザイナーやエンジニアなど、企画職でない方からも発信できる環境なのでしょうか?

竹内意見は比較的出しやすい環境だと思いますし、積極的に出してほしいです。ゲームの仕様や構築、達成目的を伝えながらひとつひとつのパーツを作っていくのですが、プログラマーであればプログラマーの費用対効果に見合うような達成方法、デザイナーであれば盛り込みたい表現や演出などは、いっしょにディスカッションして最終的な仕様を決めるスタンスでやっています。

 やはり開発終盤、物量にまみれてくると難しくはなってくるのですが、理想としては最後までそういう話し合いを重ねながら作っていきたいです。

Aimingは、ゲーム好きが揃うからこそ、さらに一歩踏み込んだゲームが作れる【ファミキャリ! エージェントが聞く】
オフィスには休憩スペースも。ゆったりとした空間でディスカッションも弾む。

いいゲームをより迅速にリリースするために事業部制に移行

荒木私が在籍していたころは、Aimingさんはフラットな組織という印象でしたが、先ほど事業部制に変化しているというお話がありました。こちらはどういった経緯があったのでしょうか?

竹内会社として、プロジェクトごとに権限を持たせたほうが、よいゲームがより迅速に世に出て行くんじゃないか、という判断で現在の形に移行しています。それまでは本当にフラットで、社長がいて、マネージャー職が10人いて、その下にほかの社員がいる、みたいな三段構造だったんです。ただ、ずっと小規模の開発会社のつもりでスケールアウトしてきたけれど、もう規模的にもそのままではやれないという判断になったんです。

荒木会社の成長に合わせて形を変えていく必要があったということですね。

竹内そうですね。フラットな体制のままやっていた時期でも、だんだんと近くのプロジェクトや同じのフロアの人間どうしで集合ができ始めていて、そこで協調して話をするような、事業部制に近い形にはなっていたんです。ですので、そういう実情に合わせて改めて事業部化したという側面もあります。

荒木事業部化することでのメリットとは何でしょうか?

竹内フラットな体制は風通しのよさが魅力でもありますが、そのぶんルーズになってしまいがちな部分もあるんです。会社の規模が大きくなったぶん、もうルーズに進めるのは難しくなっているので、事業部化することで期日やお金などの管理をしやすくして、きっちりとしたゲーム作りができることがメリットかなと思います。

荒木逆に、フラットだったからこそのよさが失われるのでは、といった危惧はありませんでしたか?

竹内そういったことはなかったです。事業部制になったからといって、いい部分が失われたわけではなくて、予算面が明確になったので、プロジェクトの組成はすごく進めやすくなっています。裁量をいただいた分、責任も負う流れになっていくと思います。

荒木プレッシャーにもなりそうですね。

竹内ぜんぜんないですよ。純粋にできることが増えるのは嬉しいですし、任せられることも誇らしいです。

荒木以前はプロジェクトを兼任して管理される方が多い印象だったのですが、いまは各プロジェクトにそれぞれのマネージャーがいらっしゃる形になっているのでしょうか?

竹内徐々にそうなってきています。『CARAVAN STORIES』のプレイステーション4版や、台湾での展開などは、複数のプロジェクトをひとりが見ていますが、ほかのプロジェクトは別の人間が見て、といった形になっています。

荒木プロジェクトによってはひとりのマネージャーさんが複数を見るケースもあるのですね。

竹内ひとつのプロジェクトに絶対ひとりのマネージャーを置くべき、というのも違うと考えていて、みんなが成長できる“組織としての余白”みたいなものがあるべきだと思うんです。枠に無理矢理当てはめていくのではなくて、余白をみんなで埋めていくようなイメージです。

 マネージャー職が増えていったら、必要に応じて部署を増やせばいいじゃないか、という話も出ているので、みんなにはどんどん偉くなっていってほしいです(笑)。

荒木体制が変わって、責任を持つ人が増えていったらいずれ……というイメージなんですね。

竹内そうですね。ですので、積極的に動いてくれる人に来てもらえれば、絶対に活躍できるし、おもしろくなると思います。

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キャリアチェンジを希望する人も積極的に採用していきたい

荒木ここからはAimingさんでのキャリアチェンジやキャリアアップについてお伺いしたいのですが、実際に役職を変えられた方や、ステップアップされた方の例はありますか?

竹内キャリアアップという点で言えば、企画職を目指して応募してきた人で、最初はアルバイトとして採用されて、すごく優秀だったので短い期間で契約社員、正社員となっていった方がいますね。アルバイトとしての入社が8年ほど前なのですが、いまはひとつのプロジェクトのディレクターを務めてもらうまでになっています。

荒木アルバイト入社から8年でディレクターというのはすごいスピード感ですね。

竹内キャリアチェンジに関しては、運営志望で入って来た方がいるのですが、センスなどがものすごくよかったので、最初は企画開発として採用したんです。本人は数字が好きだからそちらを見たい、と言っていたのですが、何とか説得して1年ほど企画開発実務させて、その後運営に回ってもらいました。

 そこからKPI(※)の分析などをするようになって、「この数字を上げるにはマーケティングに詳しくならないといけない」と言うので、マーケティング部にまわってもらって、そこで勉強してもらいました。

※KPI:Key Performance Indicator(重要業績評価指標)の略。組織の目標達成の度合いを測る指標。

荒木すごく熱心な方ですね。

竹内そうなんですよ。その結果、もっと大きなビジネスをしたい、と言って別の会社に転職してしまったんですけど(笑)。でも本当に自発的でやりたいことがあれば、それを叶えるために部署や組織が対応するというのは、いいことですし、スキルアップも早まると思うんです。そういう気持ちにはこちらも応えてあげたいです。

荒木開発現場に携わる職種でもキャリアチェンジのケースはありますか?

竹内あります。最近ではエンジニアから企画側に来た方もいました。ゲーム業界には企画として入りたかったけど、狭き門だというのもあって、最初はエンジニアとして入ったそうです。そうして10年のキャリアを積んで、そろそろやりたいことをやろう、とAimingに企画職として応募してくださった方が2名ほどいました。

荒木意外と珍しくはないパターンなのかもしれないですね。おふたりとも採用を?

竹内この数ヵ月でふたりとも採用しています。もとエンジニアだと工数感などの知見を多く持っているので、実現力が高いプランナーになるんです。それはすごくいいと思っていて、そういう方は今後も積極的に採用していきたいです。もちろん、デザイナーから企画職に移りたいという人も歓迎です。

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上下の区別がない、風通しのよさが特徴

荒木南さんと川崎さんにお伺いしたいのですが、入社される前と入社された後で、Aimingという会社への印象の変化などはありましたか?

やはりゲーム業界なので、最初は働き詰めなのかなというイメージはありました。たとえば企画職だけど運営や進行管理もしないといけなくて、複数の業務に追われる形になるのかな、と思っていたんです。前職が少人数のチームで、そういう状況になりがちだったんですよ。

 でも実際に入ってみると、分業が進んでいるというか、ひとりひとりがパフォーマンスを発揮しやすい環境が確立されていて、作業がしやすかったです。チームとして集まったときには意見も出しやすいですし、本当にフラットというか、風通しのよさを感じました。

荒木なるほど。川崎さんはいかがですか?

川崎大きな会社なので、現場の作業者がプロデューサークラスの方と話すのは難しいのかな、という印象があったんです。でも、風通しがいいというのがまさにその通りで、実際はそんなことはありませんでした。竹内さんもプロデューサークラスの方ですが、僕からも直接意見を言えたり、ディレクターの方にも話をしやすくて、そういう距離感の近さはすごくメリットだなと思いました。

荒木上の立場の方には意見をしにくい、というのは一般的にもあるイメージですし、実際そうである会社も多いと思いますが、Aimingさんではなぜ意見を出しやすいのでしょうか?

竹内なぜでしょうね?(笑) ただ、社長も現場と距離感が近いんです。社長室にこもっているのではなくて、潜水艦の艦長みたいに、現場にドーンといるんです。それもあって、中間にいるディレクターやプロデューサーも距離感が近くなっているんだと思います。マネージャー職の人間も一般席のなかに混じって座っているので、物理的にも距離が近いんですよ。

川崎あとは、逆にディレクターやプロデューサーが直接話を聞きに来てくれるんですよね。「進捗はどう?」みたいな感じで。上の方から話しかけに来てくれるというのも大きいと思います。

荒木管理側の人間として、積極的に声をかけていくような文化はあるのでしょうか?

竹内そうですね。とくに現場にまだ溶け込めていないような人などについては、手厚いケアをするようにはしています。自分からガンガン動くようなタイプであれば、そこまでこちらから行かなくてもいいかな、みたいな判断はしますが(笑)。

荒木上の立場に立つ人が偉そうな雰囲気を出していないのかもしれないですね。

竹内それもあると思います。弊社の特徴として、前職で偉い立場だった人が入ってきても、そのまま偉いポジションに配置することは絶対にしないんです。そういうことをしてしまうと企業文化の崩壊にもつながりますし、他社の実績がAimingでの実績になるわけではない、という考えが根底にあるのだと思います。

 ですので、まずはいち企画職として働いてもらって、そこからまたステップアップしていただくことになっています。

荒木別の会社でディレクターを務めていた人が、Aimingさんに入っていきなりディレクターとして働くわけではないのですね。

竹内そもそも、できないと思うんです。どれだけ優秀な人でも、新しい組織でいきなりリーダーを務めるのは無理があるんですよ。顔も名前も、できることもわからないリーダーというのは不信感の塊であり、リーダーから見ても現場から見ても、お互いにチームとして機能しないと思うんです。

 僕も7回ほど転職しているので、実際に何人もの人がそうやってリーダーを任されて、結果失敗してまた転職していくのを何度も見てきています。ですので、いったんプライドは捨てていただいて、ゼロからじゃないですけど、改めてキャリアを組んでいける方に来ていただけるとうれしいです。

荒木逆に言えば、実力とやる気があれば若手にもチャンスがあるということですね。

竹内もちろんです。そういう意味で、年齢では見ていないです。実際の仕事ぶりであったり、発言の内容を大事にしています。もちろん肩書にこだわられる方もいらっしゃるんですけど、会社として予算を預けるべき人間かどうかというのは、面接だけでは判断できないので、いきなりプロジェクトをお任せすることはまずないです。

荒木そこに賛同できないのであれば、社風自体がミスマッチということですね。

竹内そうですね。

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コロナ禍での働きかたの変化

荒木コロナ禍によって多くの会社で働きかたが変化していますが、Aimingさんではどのようになっていますか?

竹内プロジェクトごとに状況が違ったので、それぞれで在宅ワーク、出社勤務、あるいはハイブリッドで、というのは臨機応変にやっていました。一応個人やチーム単位で裁量を持たせつつ、僕自身もマネージメントの立場なので、感染者数の推移や政府の指針などを判断基軸にして、出社がいいかリモートがいいか、というのはみんなの意見を最大限考慮したうえで決めています。

川崎僕は前の会社が最初の緊急事態宣言のときからずっと自宅作業だったのですが、やはり企画職なのに人と面と向かって話さないと、コミュニケーションは取りづらくなってしまいますね。オンラインでカメラを通してつながることはできるのですが、生のコミュニケーションとは違いますからね。

荒木求職者の方でも、進行管理やプロジェクトマネージャー、企画職の方は出社して働きたいとおっしゃる方もいらっしゃるんですよね。やっぱり皆さん同じ悩みを持っているのだと思います。

川崎僕も入社したばかりで、最初は出社をしていたのですが、いきなりリモートワークとなると、まわりの人を知らない環境で、不安になると思います。Zoomなどの場合、喋る場がひとつになりますよね。しかもそこで会話をすると参加者全員に聞こえてしまうので、簡単な雑談をしにくくなっていて、雑談からアイデアが生まれるようなことが減ってしまうんですよね。

 もちろん、リモートワークにすることで通勤時間が減るなどのメリットもあると思いますが、やはりデメリットも大きいと思います。

荒木南さんはリモートワークについてどのように感じられますか?

個人的には、皆さんのコミュニケーションがすごく活発なので、何かを聞いたら反応が絶対に返ってくるのが印象的で、途絶えることが本当に少ないなと感じています。前職では質問をしても返答がないことがあったのですが、Aimingではそういうこともなくて、リモートでも仕事ができるんだなと感じました。

 やはり相手の顔を見られないのもあって、最初からいきなりリモートというのはつらいと思いますが、いったん場が整って、皆さんとチームを組んだうえであれば、リモートで仕事をすることへの不安もチャットで十分に解決できると思います。

荒木そこまで大きく不便さは感じていないということですね。

リモート環境下でもコミュニケーションの活発さは変わらないなという印象が強く、そこについての不便は感じていません。これまでは口で質問していたことをその都度打ち込まないといけないのは少し面倒ですけど(笑)。ただ、Aimingでリモートワークをしてみて、僕としてはこの形でもいいのかな、と思えました。

竹内リモートワークを実際にやってみて思ったのは、MMORPGのギルドコミュニケーションとすごく近いんですよ。チャットで話し合ったりするのもそうなのですが、初めてじゃないような感じがするんです。

川崎言われてみれば、そうですね。

竹内ですので、コミュニケーションの場や使いかたを整理して、みんなに提供していけば、比較的回していけるなという確信は持てました。ただ、先ほど話にも出た通り、新しい方を受け入れるにはまったく向いていないんですよ。外部の方との打ち合わせでも、Zoom会議で相手が5人くらいいると、絶対に名前を覚えられないじゃないですか。

 新しい人との距離感を詰めるのには、リモートはまったく向いていないので、新しい方が入社される際には、できる限りまずは社内に来ていただくようにしています。

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自分のなかでやりたいことがあれば、それを実現できるのがAiming

荒木最後に、転職を考えられている方に向けて、Aimingさんのアピールポイントをお願いします。川崎さんとしてはどのような部分が魅力だと思いますか?

川崎やはり、入ってすぐになじめたというのはあります。働いている方が皆さんゲーム好きなので、ゲームが好きな方であればコミュニケーションも取りやすいですし、すぐになじめると思います。

 リモート環境でも、リリースされたばかりのゲームの話をすると誰かしらプレイしている人がいたりするので、すぐに仲よくなれますよ。ゲームが共通言語になるというか、そういう意味で働きやすいです。

荒木転職してなじめるか不安な方は多いので、そこはすごく魅力的ですね。南さんはいかがですか?

自分のなかでやりたいことがあれば、それを実現できるのがこの会社だと思います。面接でお話をしたときに、明確な言葉が返ってきたのがAimingだったんです。自分がやりたいことを伝えたときに、言葉を濁されたり曖昧な答えを返すのではなくて、「こういうことをしたら、こんなことにも挑戦できるんじゃない?」みたいに答えてくれたんです。

 ですので、こういうふうに働いていきたい、こういうふうに活躍したい、という思いがある方は、ぜひ一度Aimingという会社を受けて、お話を聞いたり思いを伝えてみたりしてほしいです。

川崎面接と言えば、面接結果がすぐに届いたのもうれしかったです。書類を出してから面接の結果が出るまでが1週間ちょっとぐらいだったので、転職活動をされている方にはそこも利点になるのかなと思います。

荒木どの会社さんも現場は基本的に動き続けているので、タイミングによっては選考に時間がかかってしまうケースも珍しくはないんですよね。そういう意味では、積極的に採用活動を行って、すぐに返事を出してくれるというのは、求職者に対してすごく真摯に向き合っている印象があります。

いきなりディレクターになるのではなく、イチから実績を作って信頼を勝ち得ていくことになる、というようなお話も面接で教えていただけたので、詳しい情報を聞けるのは求職者にとってもすごくいいことだと思います。

荒木面接で言葉を濁さずに答えてくれるというのは大きいですね。では、最後に竹内さんからひと言お願いします。

竹内Aimingの人事担当として立つときにすごく気をつけているのは、正直に話すことです。転職ってすごく大事なものじゃないですか。僕らの考えかたと受けてくださる方の考えかたが一致していないと、入社していただいても継続ができないので、隠しごとをして印象をよくしても、いい結果にはならないんです。ですので、お話しできることはギリギリのところまでお伝えするようにしています。株価に影響が出ない程度に、包み隠さずお話しします(笑)。

荒木それによって求職者側も自分に合うか合わないかを判断できるので、とてもいいことだと思います。ありがとうございました。

Aimingは、ゲーム好きが揃うからこそ、さらに一歩踏み込んだゲームが作れる【ファミキャリ! エージェントが聞く】

株式会社Aiming

  • 代表取締役社長:椎葉忠志
  • 設立年月日:2011年5月12日
  • スタッフ数:427名(2020年12月末日時点)
  • 事業内容:オンラインゲーム制作、オンラインゲームプロデュース
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ゲーム好きが本気で作るゲームだからこそおもしろい

 “ゲームには飽きるけれど、友だちには飽きない”とユーザーどうしのコミュニケーションを重視したゲームを作成し、オリジナルからIPタイトルまで数々のヒット作を生み出したAimingさん。ご転職をする際に、リモートの影響で人間関係の構築へ不安を感じる方が多くいらっしゃいますが、ゲーム好きが多いことから、リモートが進んだ現在でもゲームを共通言語にコミュニケーションが活発であり、すぐにチームになじむことができるといったところがAimingさんの特徴だと思います。つぎのヒット作に乗り遅れる前にぜひご応募をお待ちしております!