度肝を抜かれた。オンラインRPG『ファンタシースターオンライン2 ニュージェネシス』(以下、PSO2:NGS)に初めて触れたとき、シンプルに驚かされた。

 『PSO2:NGS』はセガによる人気タイトル『ファンタシースターオンライン2』(以下、PSO2)シリーズの最新作。2021年1月29日~1月31日にクローズドβテストが実施された。

【PSO2:NGS】高速移動でオープンフィールドを駆け回る=最高! 『ファンタシースターオンライン2 ニュージェネシス』クローズドβテストリポート
テストの目的は、キャラクターのアクションやエネミーとの戦闘、クエストの進行など、ゲームの基本的な進行や各種動作の確認。

 『PSO2:NGS』最大の特徴は、『PSO2』をベースにオープンワールドタイプのRPGに進化している点。筆者も『PSO2』をかなり遊んだ身として、ワクワクしつつテストに参加させていただいた。

 そして、冒頭に書いたとおり度肝を抜かれたのである。

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 世界が広い。そして美しい。

 クローズドβテストの段階なので、当然実装されているマップはごく一部。それでも、クエストごとのインスタンスダンジョン形式がメインの『PSO2』とは異なり、『PSO2:NGS』の世界は、じつに広い。

 そしてそんな世界を、『PSO2』の魅力である“ハイスピードアクション”で縦横無尽に駆け回ることができる!

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 広大な世界を自由に冒険できるオープンワールドRPGは、『PSO2』の高速かつスタイリッシュなアクションと好相性。それどころか想像以上だったのである。

無限の冒険が待つオープンフィールドを駆け回れ!

 本作の舞台は『PSO2』から1000年後の世界。プレイヤーは惑星ハルファに襲来する未知の敵“ドールズ”と戦う組織“アークス”の一員として、広大な大地に足を踏み出すことになる。

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プレイヤーは“星渡り”とも呼ばれる。宇宙から降下ポッドでハルファに降り立ち、以前の記憶を失っている人々のことだ。星渡りはアークスとしての適性こそ高いが、その過去は一切が謎に包まれている。

 冒険の拠点はアイテムショップなどの各種施設が用意された“セントラルシティ”。セントラルシティから周辺のセクション(いわゆるエリア)へはロード画面を挟まずに移動できる。データロードとプレイヤーマッチングはバックグラウンドで行われるのだ。

 プレイヤーからすると、すべてのセクションはつながっており、ひとつの広大な世界を構築しているように感じられる。セクションひとつとってもかなり広い。歩き回るだけでもいろいろな発見があり、冒険のワクワク感が押し寄せてくる。

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 『PSO2:NGS』では『PSO2』よりもさらに進化した新グラフィックエンジンを採用。時間や天候の概念も導入されている。時間とともに表情を変える美しい風景を眺めていると、スクリーンショット勢ではない筆者でもついつい撮影欲が出てくる。

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 これらのフィールドはただ広大なだけではない。各所には定点、あるいはランダム生成されるオブジェクトや敵(エネミー)が待っている。

 セクションには“探索セクション”と“戦闘セクション”の2種類があり、探索セクションではアイテム採集“ギャザリング”が楽しめる。アクションボタンひとつで採集でき、集めた素材はキャラクター強化などに活用可能だ。

 とはいえ、探索セクションでも強敵が出現することがあり、油断は禁物だ。

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アイテムは移動しながらさっと採集できる。鉱石類は攻撃で壊して即入手。採集のためにいちいち立ち止まる面倒がない。

 戦闘セクションではエネミーとの戦闘がメインとなる。セクション内に点在する敵グループの位置はマップで確認でき、さらに一定確率で“トライアル”などの突発的なイベントが発生。指定された敵グループを全滅させるなどのイベント目標を達成すると、報酬が得られる。

 セクション内の全プレイヤーによるイベント達成や敵撃破数の累計により、そのセクションの“PSEレベル”が上昇する。これは画面左上のゲージで確認でき、最大値に達すると『PSO2』でもおなじみの“PSEバースト”が発生。特定地点に大量の敵が出現し、経験値やレアドロップアイテムの稼ぎどころとなる。

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戦闘セクションでは、“T(トライアル)”や“E(エネミーグループ)”などのマーカーが表示。イベント地点を巡り、PSEバースト発生を目指そう!

 本作では戦闘と採集のどちらのセクションでも広いフィールドを移動し続けることになる。移動が面倒に思うプレイヤーもいるかも知れない。

 だが、安心してほしい。むしろ楽しいのだ。

 『PSO2:NGS』はハイスピードアクションが売りの『PSO2』の続編だ。回避行動であるステップを出した後に同じ方向キーを入力、あるいはステップボタンを押し込み続けると、“フォトンダッシュ”に移行できる。

 フォトンダッシュはスピーディーで気持ちいいばかりか、スタミナの概念がないため、無限にダッシュできる。非常に快適。

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フォトンダッシュは戦闘中にも出せる。『PSO2』では移動用に突進系のフォトンアーツ(必殺技)を用意していたプレイヤーも多かったが、それも不要になるかも?

 さらに本作では、全クラスのキャラクターが最初から2段ジャンプ可能。フォトンダッシュをしながら2段ジャンプをすると、キャラクターの身長の5~6倍くらいの高さまで、一気に跳躍できる。

 また、空中で壁などに接触したときにその壁の方向を入力すると、その場で1段ジャンプをくり出す“ウォールキック”が発生。さらに高く跳び上がれる。

 加えて、空中にいる間にジャンプキー(ボタン)を押しっぱなしにすると、空中滑空“フォトングライド”状態になる。これらを組み合わせることで、多くの岩山を簡単かつスタイリッシュな動きで踏破できる。

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高所からフォトングライドで滑空したときの、眼下に広がる光景はまさに絶景! 新グラフィックエンジンのパワーを実感できる。
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光の柱が出ている装置“アップドラフター”の上空でフォトングライドをすると、一気に急上昇できる。これでさらに高所へと向かえる。

 これらのアクションを移動と戦闘の両方で活用するのも、移動のストレスをあまり感じないポイントのひとつ。おかげで移動と戦闘がシームレスに混ざり合っている感覚があるのだ。

 RPGにおけるロード画面はある種の“区切り”だ。区切りを強く感じるとゲームへの没入感が途切れ、冷めてしまうような感覚もあると思う。本作ではそういった現象はほとんど起きなかった。

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移動アクションにより、戦闘そのものでも『PSO2』からの進化を感じられた。詳細は後述。
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水中では泳ぎアクションが追加。スクリーンショット勢に喜ばれそう。

 フィールドにはファストトラベルのポイントとなる“リューカーデバイス”や、内部にチャレンジダンジョンを備えた“コクーン”や“タワー”といった建造物も点在している。広いフィールドの中からこうしたオブジェクトを探し出す、オープンワールドRPGの王道的な楽しみもしっかり用意されている。

 コクーン内のコンテンツをクリアーしたところ、クラススキルの習得に使用する“スキルポイント”が得られた。探索の楽しみに加えて、しっかりとキャラクター強化につながるご褒美が用意されているのはうれしい。

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コクーン内のクエストは、サイドミッションまで全部達成しようとするとなかなかの歯ごたえ。スキルポイント自体はサイドミッションを一切達成しなくてももらえたので、あくまでチャレンジ要素のようだ。
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建造物付近に到達すると、マグ(プレイヤーのお供である小さなデバイス)がアクティブソナーを起動し、その建物の方に探査波のようなエフェクトを出して教えてくれる。便利!

 快適な移動による自由探索の楽しみに加え、建造物を自力で探し出す冒険要素もじつにおもしろい。インスタンスダンジョンをさくさく回って楽しむ『PSO2』とはまったく異なる、しかし同等以上のスピード感があるからこそ快適な遊びがこの世界には広がっていた。

 それと同時に、MMORPGらしいわちゃわちゃ感も健在。突発的に全プレイヤーに向けて告知が出される“緊急クエスト”が発生すると世界中がざわめき、プレイヤーたちがその受注場所に集結するのだ。

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緊急クエストの発生地点に向かうクエスト受注状態になる。その地点を遠くから見ると、禍々しい光の柱が。「来たか……」とつぶやきたくなる。
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緊急クエスト受注地点に集結し、マッチングを待つアークスの面々。ロビー代わりとなるセントラルシティやPSEバースト発生を目指すプレイヤーたちとの共闘など、わちゃわちゃ感を各所で味わえる。

進化したバトルとキャラクタークリエイトにも注目

 オープンフィールド化し、『PSO2』からは大きくゲーム性が変わった『PSO2:NGS』。『PSO2』の大きな魅力である高速かつ高低差も交えた立体的なバトルは継承している。

 むしろ、『PSO2』のクラス調整で蓄積したノウハウを活かしているらしく、かなり快適な仕様に進化していた。

 たとえば、“ハンター”クラスが使うソードの基本動作は『PSO2』では鈍重だった。しかし本作では、『PSO2』の上級クラス“ヒーロー”のソードアクションほどではないにしろ、かなり軽快な攻撃が可能となっていた。

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 ここで『PSO2』シリーズの戦闘について基礎をおさらいしておこう。

 事前に“武器パレット”に登録した武器のスロットに必殺技“フォトンアーツ”や魔法のような技“テクニック”を登録。戦闘中はその武器を持っている状態で対応したボタンを押すと各技をくり出せる。

 フォトンアーツやテクニックの発動には“PP”が必要で、これは通常攻撃など、PPを消費しないが威力が低めの各種攻撃を敵に命中させると回復する。PPの回復と状況に合わせた技の使用、このくり返しが戦闘の基本だ。

 フォトンアーツは発動できる武器種が決まっており、使える武器種はクラスで決まる。今回のテストではハンター、ファイター、レンジャー、ガンナー、フォース、テクターの6クラスが使えた。

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武器パレットは3つあり、戦闘中でも自由に切り替えられる。
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武器パレット以外に“サブパレット”もある。回復アイテムやクラススキルなどを登録しておけば、いつでも選択して発動できる。

 『PSO2』ではこれらの多彩な技を使い、さまざまな形状やサイズの敵と渡り合う。こちらの5倍以上の大きさの敵が出現し、腹部や頭部の弱点を攻撃する場面もあった。

 『PSO2:NGS』でも敵の多彩さは健在。フォトンダッシュや2段ジャンプ、フォトングライドで高所の弱点を狙ったり、強烈な大振りの攻撃を跳躍して避けたりなど、『PSO2』よりもさらに立体的かつダイナミックな戦闘が楽しめた。

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緊急クエストで戦えた強敵“ベダス・ヴェラ”は、大きいだけでなくはるか上空を滞空して攻撃してきたりと、本作の立体戦闘の醍醐味を教えてくれる存在だった。

 戦闘に関するひとつひとつの要素は、『PSO2』よりも広い範囲で戦うことを想定しているように思う。

 移動しながら攻撃できるため、足を止めなくてはならない場面がほとんどなく、移動と同じくストレスを感じる場面が少ない。

 また、広範囲に効果が及ぶフォトンアーツが多く、ボタンを押しっぱなしにしてフォトンアーツやテクニックの威力を高める“チャージ”の所要時間も全体的に短めに感じた。

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広範囲かつド派手なフォトンアーツが多く、これらを使って飛び回りながら戦うだけでも気持ちいい。
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射撃やテクニックがメインの遠距離系クラスの場合、かなり離れた位置からでも戦えた。フィールドの広さと移動を活かして安全圏を確保しやすい印象だ。

 この縦横無尽の戦いの幅をさらに広げてくれるのが、新システムの“マルチウェポン”だ。

 先ほど「武器パレットはいつでも切り替えられる」と説明したが、ショートカットを使って最速で武器パレットを切り替えても、どうしても攻撃の間隔は空いてしまう。

 『PSO2:NGS』では同じシリーズ名を持つふたつの種類が異なる武器をマルチウェポンとして合成可能。同じ武器のパレットにふたつの武器種それぞれで使用できるフォトンアーツやテクニック、さらにはその武器を使うクラスに特有の“武器アクション”を登録できるのだ。

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“プリム○○”など、同じシリーズ名を持つ武器同士なら、ソードとロッド、ライフルとナックルなど、異なる武器種でもマルチウェポンとして合成可能だ。

 マルチウェポンを使った戦闘では、たとえばソードで近接戦闘用のフォトンアーツを使った後、間髪入れずにライフルで遠距離用フォトンアーツをくり出せる。武器が一瞬で入れ替わるので間隔は一切開かず、武器パレット切り替え操作の手間も省けるため、ストレスフリーにさらに磨きがかかる。

 本作では、メインクラスのほかにサブクラスを登録。サブクラスで使う武器も武器パレットに登録できる。マルチウェポンとサブクラス武器をうまく組み合わせれば、どこまでも自由な連携攻撃が組み立てられそうだ。

 筆者としては、サブクラスの武器アクションをとっさに出せる点に可能性を感じた。今回メインで使ったハンターの場合、武器アクション“ガード”はその場で足を止める防御動作なのだが、移動しつつ防御状態になる他クラスの武器アクションに切り替えると、戦闘中の動きやすさが格段に違ったのである。

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近接用かつ無属性の攻撃しか持たないクラスの遠距離戦を、射程が長く属性を持つテクニックなどで補えるだけでも頼もしい。

 また、回復アイテムは“レスタサイン”ひとつに統一されてわかりやすくなっていた。『PSO2』とは異なり、使用時に立ち止まることなく、移動しながら使用できるのも快適さにつながる変更点だ。

 レスタサインはフィールド各所に落ちており、戦闘中に拾って補給可能。強敵との戦闘中にレスタサインが底をついても、いったん離れて拾い集められる。トライアルなどを終えた後に、つぎのイベント発生地点へと向かう途中で拾えるというのも手軽でいい。

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緑色のレスタサインは最大10個まで、周囲の戦闘不能になった他プレイヤーを復活させられる黄色い“リバーサーサイン”は5個まで保有できる。

 バトルの細かな所感については、やや『PSO2』で同名のクラスを体験済みのプレイヤーの皆さん向けとなるが、下記にクラスごとにまとめさせていただいた。

近接戦闘系クラス(ハンター、ファイター)

 今回のテストではハンターはソード、ファイターはナックルのみを使用可能だった。ハンターのソードは先述のとおり挙動が軽くなり、チャージ時間が短く広範囲の攻撃が多い。扱いやすいだけでなく、頭ひとつ抜けていて頑強なのも印象的だった。

 ファイターはナックルの攻撃スピードを『PSO2』から維持。タイミングよく攻撃を連続させて威力を上げる“ジャストアタック”や、敵の向きに合わせて立ち位置を変える必要が出てくるクラススキルが今回のテストにはなかったこともあり、操作難度が下がっていて使いやすかった。瞬時に無敵になれる回避用の武器アクション“スウェー”で延々と敵に張り付きながら、攻勢を維持し続ける立ち回りも健在だ。

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ハンターは挙動の重さ、ファイターは攻撃範囲に悩みがちだったが、『PSO2:NGS』ではそれらが改善。補う手段が豊富に用意されているので、ストレスから解放されそうだ。

射撃戦闘系クラス(レンジャー、ガンナー)

 筆者はレンジャーにおいてはライフル、ガンナーはツインマシンガンを使用。レンジャーは命中箇所のダメージ量を増加させるスキル“ウィークバレット”が健在だ。戦闘の合間に移動の時間がある分、リキャストタイムがあまり気にならず、使いやすく感じた。また、移動しながら攻撃できるフォトンアーツが豊富なのも好印象。

 ガンナーは『PSO2』と同じく、軽快に移動しながら射撃可能だ。注目したのは“チェイントリガー”の変化。『PSO2』では任意で発動し、発動中に命中させた攻撃のヒット数に応じて大ダメージを叩き出す大技だった。今テストではチャージフォトンアーツの使用で発動とフィニッシュをコントロール可能。使いやすいスキルだった。

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いずれのクラスにも無敵時間と射撃攻撃をあわせ持つ移動武器アクションがあり、敵に接近されても問題なく対応できる。

テクニック戦闘系クラス(フォース、テクター)

 今テストでは、フォースはロッド(杖)、テクターはウォンド(棍棒のような短杖)を使用した。フォースは移動しながら防御状態となる武器アクションの見た目が変わったものの、使用感はほぼ同じ。長い射程と高い威力のテクニックを敵の弱点に合わせて使いこなしつつ、フォトンダッシュなどで敵との距離も取りやすくなっていた。レスタサインが周囲の仲間にも効果を及ぼすようになるクラススキルがあり、回復役としても優秀。

 テクターは『PSO2』と同じくテクニックと打撃を併用するクラス。近接攻撃のたびに発動する“法撃爆発”の属性をチャージテクニックで切り替えたり、それらの属性を乗せつつフォトンアーツ(単体用、範囲攻撃用の2種類)を使いこなすのがおもしろかった。

 『PSO2:NGS』では、自分と周囲の味方が与えるダメージ量を一定時間増加させるテクニック“シフタ”と、同じく被ダメージ量を一定時間減らすテクニック“デバンド”がひとつにまとまり、“シフタ・デバンド”になった。そのうえ、テクター専用のクラススキルとなっており、テクターは味方支援のエキスパートになっていた印象だ。

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メインクラスがテクターのときしかシフタ・デバンドを使えないのは、かなり大きな変化になるかもしれない。今回のテストでは強力な上位テクニックがなかったのも一因だと思うが、テクターでは近接寄りのバトルを楽しむ場面が多かった。

境界を超えるRPG『PSO2』とともに進化する

 バトル面以外にも、『PSO2:NGS』で進化している部分はまだまだある。その中でもとくに進化を感じられたのが、キャラクタークリエイトのさらなる美麗化だ。肌の質感やラバー系の素材のツヤなど、格段に描画のレベルが上がっている。

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 直感的な操作で顔の各部や体型など、『PSO2』で好評だったクリエイトシステム。極端な調整も相変わらず可能で、キャラクタークリエイトの幅広さはしっかりと維持されている。

 『PSO2』では多くのプレイヤーに望まれながらも実現されなかった、キャラクターの指を動かす挙動が可能になっているとのこと。新グラフィックエンジンの実力を思い知らされる。

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 なお、このキャラクタークリエイトの新システムは、『PSO2』にも2月のアップデートから逐一導入されていく。そして『PSO2』と『PSO2:NGS』で、将来的には同じキャラクターを使って両タイトルを遊べるようになる予定だ。

 インスタンスダンジョン形式で気軽に周回して遊べる『PSO2』と、広大なフィールドの冒険を楽しめる『PSO2:NGS』という別々の魅力を持つ両タイトルを、愛着があるマイキャラクターで堪能できるわけだ。

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『PSO2』と『PSO2:NGS』のゲームプレイの切り替えは、ゲームプレイ中でも気軽に可能だ。改めてゲームを起動したり、リログインしたりする必要がない。

 ただし、両タイトルでキャラクターが共有できるデータには制約が設けられている。詳細は以下のとおり。

  • キャラクターの成長に関わる要素は共有できない(レベルや経験値、スキル、フォトンアーツやテクニックなど)
  • ゲーム内経済に影響する要素は共有できない(所持金、ゲーム内で無課金で得られるポイント“FUN”など)
  • 課金通貨“アークスキャッシュ”と、ゲーム内でさまざまな用途に使えるポイント“スタージェム”は共有可能
  • 『PSO2』で入手した武器やユニット、マグは『PSO2:NGS』で使用可能(ただし機能、性能、見た目は一時的に変換される)

 クローズドβテストを通じて、オープンワールドRPGとなった本作ならではの魅力だけでなく、『PSO2』から受け継いだバトル面のおもしろさを強く感じられた。両タイトルを交互に遊ぶプレイスタイルにも、かなり惹かれる。

 『PSO2』と同時に遊べる続編タイトルという、かつてない形態でリリースされる『PSO2:NGS』への期待は、否応なしに大きくなるばかり。1000年の時間を超え、両方の世界を堪能できるようになるその日をいまから楽しみにしたい。

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スタンプやロビーアクションを用いた交流など、『PSO2』からプレイヤーの皆さんが集まってきた後でこそ輝きそうな魅力も多数ある。正式リリースの日が待ち遠しくて仕方がない!