ワーナーゲームが来年6月に発売を予定している『Back 4 Blood』は、『レフト 4 デッド』(以下、L4D)シリーズなどを手掛けたTurtle Rock StudiosによるFPSの最新作。海外で行われたαテストに合わせて本誌でもメールインタビューを行ったので、その内容をお届けしよう。
本作について簡単におさらいしておくと、ゲームとしてはL4Dと同系統のゾンビサバイバルFPS。4人協力プレイで“リデン”と呼ばれるゾンビの大群に立ち向かうキャンペーンモードと、生存者(クリーナー)側とゾンビ側に分かれて戦う対人戦の搭載が予定されている。
YouTubeで長尺のプレイ映像が公開されているほか、本作ならではの特徴となるシステムなど詳細については公式プレゼンとαテストでの内容をリポートしているので、未見の人はそちらも合わせてチェックしてもらえると幸いだ。
クリス・アシュトン
Turtle Rock Studios共同創設者にしてゲームデザイン面を統括するデザインディレクターを務める。
L4Dシリーズとの違いはカードシステムなどの新要素とストーリーテリングの作り
――Turtle Rock StudiosはL4Dシリーズや『Evolve』といった協力プレイが軸にあるFPSスタイルのゲームを手掛けてきました。継続して進化させていることや、逆にそれらのゲームから学んで今回改善を試みることなどがいろいろあると思いますが、本作とスタジオの旧作との違いや重なる部分などを教えて下さい。
クリスTurtle Rock Studiosでは、協力プレイベースのFPSと非対称で競争的なPvP(対人戦)に特化しています。これはスタジオとして常に追ってきたテーマで、実験を繰り返してその型を進化させてきました。
『Back 4 Blood』はこれまでで最も大きくクオリティの高いコンテンツでありつつ、新たなゲームプレイメカニクスとより良いストーリーテリングを行うことを目指しています。ゲーマーの皆さんがその結果を我々と同じように愛してくれるといいですね!
――キャンペーンモードはどう機能するのでしょうか? 各エピソードでのプレイ内容と物語の作りの両面で教えて下さい。『レフト 4 デッド』シリーズのように各エピソードがそれぞれひとつの話になっている形なのでしょうか、それともより伝統的な全体が続きものの形なのでしょうか?
クリス本作のキャンペーンは、ひとつのミッションが直接次のミッションの話に繋がるような、非常に伝統的な構造になっています。今回は始まりから終わりまで完全な話を語ります。それぞれのミッションでは、プレイヤーがスキルや備えを改善していくのに応じて新たな目標と難度を提示していきます。
クリスしかしキャンペーンを通じて、異なるタイプのゾンビや環境変化などを投入することでゲームディレクター(※)はあなたにアクティブに対抗してきます。こういった変化はプレイするごとに異なり、すべてのゲームをユニークなものにします。ゲームディレクターを上回って勝利を得るためにどう対応するか、戦術を変えるか、異なるアクションや装備を試してみるかなどはプレイヤー次第というわけです。
(※プレイヤーのプレイ内容に反応して投入するゾンビやペースに手を加える、L4Dシリーズにも搭載されていたAIシステム)
―― キャンペーンや対人戦のマッチメイキングやロビーシステムはどうなっていますか?
クリス協力キャンペーンでも対人戦でも友達とパーティを組むことができますし、他人とクイックマッチしたり、カスタムゲームをセットすることもできます。
――何か配信向けの機能はありますか? 例えば視聴者が配信からゲームに加われるとか、ゲームディレクターに次の一手を提案する投票システムなどです。
クリスまずメインのゲーム体験の構築に集中していますので、現在はTwitch向けのシステムなどはありません。
武器システムにはアタッチメントや等級も存在
――武器のシステムはどう機能しますか? 公開されている映像からもアイテム表示にカラーバリエーションや星の表示があるのを確認できます。
クリスアイテムと武器には4つのクオリティレベルが存在し、星の数で表示されます。星が多ければそれだけいい品ということです。例えば4つ星のモロトフ(火炎瓶)は2つ星や3つ星のモロトフよりも大きな延焼範囲とダメージを持ちます。
色のついたアイコンは、ある種のプレイスタイルやメタ的な戦術を表現する親和性を示していて、同じタイプの複数のアイテムを使うとボーナスを得られます。
クリスまた武器にはサイト(照準)、バレル、マガジン、ストックの4種類のアタッチメントがあり、それぞれのスロットにプレイを変える多様なパーツが存在します。アタッチメントはマップを探索していると発見することもありますし、同じように発見した武器に最初からついていることもあります。
プレイスタイルに合わせてデッキを作るカードシステム
――カードシステムについてどう機能するのか教えて下さい。対人戦でも登場するのでしょうか?
クリスカードはプレイヤーのステータスと能力、そしてどんなアイテムがフィールドに登場するかに影響するものです。仲間を回復した時に自分も同量回復する“ケアテイカー”をはじめ、そのかなり多くが協力プレイのためのものですね。
カードはゲームをプレイしていくことで得られ、次第により大きく強いコレクションを作っていきます。ミッションに行く前には、その中から組んだデッキを選ぶことが出来ます。デッキはミッションに対する大枠のアプローチを決めるものです。
プレイ中はセーフルームに着くごとにゲームディレクターが(デッキの中から)カードを何枚かくれて、そこからカードを場に出すことでゲームをより変えられます。つまりあなたと仲間は次第に強くなっていくわけですが、ゲームディレクターもカードを出してくるので要注意!
――定番のカード以外を好まないプレイヤーもいると思うのですが、どうやって新しいことを試させます? それと説明映像の中に“Burn Card”というオプションが映っていましたが、これはどう働きますか?
クリスデッキをカスタムすることで、まったく望まないカードは避けられます。ただしゲームディレクターが欲しい時に望みのカードを出してくれるとは限りませんが。というわけでプレイヤーはある程度のコントロールを得るわけです。でも完全なコントロールではありません。我々としては楽しさを追求する上でこれがいいバランスだと考えています。
Burn Cardは特に強いカードについてのもので、そのために使用に制限を設けています。使うとカードはなくなってしまいますが、また入手することもありえます。
――ローンチ後のプランについて話せますか? DLCはどうなるのでしょう? シーズンパスはありますか? L4DシリーズのMutationsのような期間限定モードなどは?
クリスそれについてはまた今後お話できるかと思います。
――公式サイトでは対人戦でクリーナーはそれぞれ特別なパークを持つと書かれていますが、どんなものなのでしょう? キャンペーンのものとは異なるものですか?
クリス対人戦についても、今後あらためて詳細をお話しようかと思います。
――リデンの特殊能力について教えて下さい。それと赤く光る部分は弱点でしょうか? 対人戦でオーガとしてプレイできますか?
クリス今お話できるのはαテストで協力キャンペーンに出たリデンについてのみなので、その範囲でお話しましょう。
まずは通常のゾンビです。リデンの群れはゲームディレクターが出したカードによって体力や攻撃力や移動速度が変わってきます。歩いていることもあれば早足することもあって、走ってくることもあるというわけです! 基本的にヘッドショットすればぐちゃっと死にますが、防具を身に着けている場合はまずヘルメットを飛ばしてからになりますね。
変異したリデンたちはそれぞれ特殊攻撃を持っていて、汁を吐いてプレイヤーの動きを遅くしてきたり、巨大な腕でふっ飛ばしてきたりします。 対処しなければいけない怪物的な存在がいくつもあります。
クリス弱点についてもお話しましょう。いくつかの変異したゾンビは弱点があり、そこを攻撃するとダメージが倍増します。なので赤く光る部分を見つけたら狙っていきましょう。
もちろん、我々は対抗策もなくゾンビの弱点をさらけ出しているわけじゃありません。ゲームディレクターは弱点を防具でカバーすることを選んでくる場合があります。防具は破壊すれば弱点を露出させることができ、弱点を壊せば怪物は倒れるかスタンします。