そろそろ聖夜も近いですね……。毎年ひとり寂しく過ごす筆者は、もう人間と聖夜を迎えるのは諦めつつありますが、かわいい猫ちゃんとなら……！ と思いつつも、現在住んでいる物件がペット不可なので若干諦め気味。
どうにかして、猫ちゃんと聖夜を過ごせないかなと考えていたところ、いいゲームがありましたよ。『ネコぱら』って言うんですけどね。発売日が2020年12月22日。しかもPS4とNintendo Switch（価格は各1650円[税込]）で遊べるということで、タイミング的にもバッチリじゃないですか。
これは遊ばないわけにはいきません。『ネコぱらVol.4 ネコとパティシエのノエル』で楽しい聖夜、いや、聖ニャを過ごすための記事をお届けしていきましょう！
『ネコぱら』とは？
『ネコぱら』は、NEKO WORKsが開発するSteam発の恋愛ADVです。発売当初から日本語、英語、中国語に対応したことにより、日本をはじめ世界でも好評を得ています。
物語を織りなすのは、見た目はほぼ人間……というか人型の猫。通称“ネコ”ちゃんたち。猫ではなくネコなのがキモで、文中でも猫ではなくネコと表記させていただきます。
このネコちゃんたちとハートフルな日常を過ごせるのが『ネコぱら』最大の魅力と言ってもいいでしょう。さらにE-moteというアニメーション技術が使われており、ネコちゃんたちの動きが楽しめるのもポイントです。
いきなり『ネコぱらVol.4』を遊んでもいいように
楽しい聖ニャを過ごしたい！ でも、いきなり『Vol.4』から遊ぶのは……という方々に向けて、これまでの作品を簡単に説明します。
おっとその前に。『ネコぱらVol.1～3』については、各作品で2匹のネコちゃんたちが掘り下げられる内容になっています。興味があれば、前作も遊んでみてくださいね。
『ネコぱらVol.1 ソレイユ開店しました！』
『ネコぱら』シリーズ1作目です。『ソレイユ開店しました！』の通り、主人公の水無月嘉祥が自身のケーキ屋“ラ・ソレイユ”をオープンさせるところから物語が始まります。
いろいろな荷物が店に送られてきている中、見慣れないダンボールがきており、その中にショコラとバニラというネコが入っていたから大変。なんとか実家に送り返そうとする主人公と、ご主人様といっしょにいたいと願うバニラ＆ショコラのやり取りが注目ポイント。
ショコラは明るくて感情が豊かなネコですが、少々ドジなところもあるかわいい子。バニラはショコラと比べると少々口数が少なく、あまり感情を大っぴらには表現しませんが、頭の回転が速く、愛らしいところもあります。
まだまだ一人前とはいえない、1人と2匹が織りなすお話の行方に注目。シリーズをしっかり1作目から遊びたいという方は、ここからプレイするのもいいですよ。
『ネコぱらVol.2 姉妹ネコのシュクレ』
2作目を説明する前に、水無月家のネコたちについて少しふれておきましょう。
主人公・嘉祥の生家である水無月家では、妹の時雨がネコちゃんたちを飼っています。地元では“水無月さんの家のネコ”で通じるくらい有名とか。長女のアズキ、二女のメイプル、三女のシナモン、四女のココナツ、そして末妹に『Vol.1』で活躍した双子のショコラとバニラ。
もちろん、物語に深く関わってくるのも、このネコたちです。『姉妹ネコのシュクレ』では、長女アズキと四女ココナツに関するストーリーが展開していきます。
長女で口が悪くて不器用な性格だけど根はやさしいアズキと、外見だけならいちばん年上に見える四女のココナツは、すごく仲のいい二匹だったのですが、いまではちょっとしたことですぐ言い争いになってしまうことが日常茶飯事。そんな二匹の微妙なすれ違いから生まれる物語に注目です。
とくにココナツに一目惚れしたご主人様たちは、この『姉妹ネコのシュクレ』を間違いなく遊ぶべきでしょう。いや、深い理由は語れないですよ。だってネタバレになっちゃうじゃないですか！
またPS4/Nintendo Switch版には、クリアー特典として『ネコぱらExtra 仔ネコの日の約束』が収録されています。『姉妹ネコのシュクレ』を遊んだあとなら、アズキと仔猫時代のココナツに注目してほしい気持ちもありますが、ショコラ＆バニラからも目を離さないでほしいですね。
『仔ネコの日の約束』でもクリスマスの時期が描かれるので、最新作の『ネコとパティシエのノエル』の前に遊ぶのもありです。
『ネコぱらVol.3 ネコたちのアロマティゼ』
1作目はショコラとバニラ、2作目はアズキとココナツ。そして3作目では、ついにメイプルとシナモンに焦点が当たります。これで水無月家のネコたちのエピソードがひと通り描かれることになりますね。
プライドが高く、思っていることを素直に言いすぎてしまうところもありますが、なんだかんだでみんなのことも考えているメイプル。ちょっと性格は控えめでいつも柔和だけど、少し（？）妄想癖がひどいシナモン。いつも仲よしな二匹が夢と、自分たちの関係に悩むのが『ネコたちのアロマティゼ』です。
いろいろな決意だったり、意志だったりが描かれていく中、どのような決断をしていくかが『ネコたちのアロマティゼ』の見どころでしょう。そして段々と強くなっていく水無月家のネコちゃんたちの絆にも注目です。
『ネコぱらVol.4 ネコとパティシエのノエル』を遊んでみる
ここからは最新作である『ネコとパティシエのノエル』（以下、今作）について語っていきましょう。なおレビューにはNintendo Switch版を使用しております。
まずは『ネコぱら』の楽しみかたですが、ひたすらネコちゃんたちを愛でるに尽きます。物語でのネコちゃんたちを愛で、物語以外でもネコちゃんたちを愛でます。
具体的には、Lボタンを押すことでネコちゃんたちをなでられます。いろいろリアクションしてくれるので、これだけで1時間使うことは決定ですね。もちろん、いろいろなネコちゃんをなでられるので、ガンガン挑戦してみてください。
さて、ひと通りなで終わったら物語も進めていきましょう。水無月家のネコたちと絆を深めて恋ネコ（恋人のようなもの）になった主人公の嘉祥は、お店も繁盛してきて順風満帆……だと思っていたのですが、そこに妹の時雨から依頼が入ります。
今回はこの依頼からお話がどんどんと展開していきます。母親の誕生日ケーキ作りという依頼。もちろん、水無月家をあげて母・淡雪の誕生日をお祝いします。とても和やかな雰囲気に包まれますが、そこに嘉祥を認めていない父・州浜が帰宅。空気は一変します。
そもそも水無月家は代々和菓子屋を営んでおり、嘉祥も昔から和菓子の技術を仕込まれていましたが、留学先のフランスで自分が本当に作りたいと思えるものに出会います。それが洋菓子でありケーキでした。
当然、父・州浜は納得せず、嘉祥が作ったケーキも認めません。以降、父と子のあいだには微妙な空気が……といったところでしょう。
これまでの作品で水無月家のことが語られることはたびたびありましたが、実際に物語に深く絡んでくるのは今作が初めてです。ひとりのプレイヤーとしては「あの、親父がついに出てくるのか！」と、少しワクワクもしてしまいます。
しかし、ワクワクしていた気持ちはどこへやら。嘉祥は州浜から「嘉祥、お前の料理には、芯がない。洋菓子だとか、和菓子だとか、そんなことは関係なくだ」と厳しい現実を突きつけられます。
自分が口だけではないことを証明するように、和菓子屋の州浜が嘉祥よりも上質な生クリームを作ってみせます。これにショックを受けてしまった嘉祥は、思い悩むことになります。
そんな時だって、いつも支えてくれるのはネコちゃんたち。落ち込む嘉祥を励ましてくれる健気でかわいい子たちなんです。果たして、嘉祥はこの大きな壁を乗り越えて、州浜を納得させるケーキを作ることができるのでしょうか。その行く末に、ご期待ください！
そして、ケーキ屋“ラ・ソレイユ”の由来など、今作は『ネコぱら』を語るうえで大切なポイントもたくさん描かれているので、ぜひ遊んでほしいですね。
『ネコぱらVol.4 ネコとパティシエのノエル』から見るネコちゃんたち
物語は実際に遊んで楽しんでもらうとして、最後にかわいいネコちゃんたちを紹介しておきたいと思います。ちなみに『ネコとパティシエのノエル』では、みんなが冬服着用になっているため、これまでとはひと味違う姿もお楽しみいただけますよ。
ショコラ
元気いっぱいなネコちゃん。水無月家では末妹のネコにあたります。バニラは双子。テンションとご主人さまへの愛は人一倍、いやネコ一倍すごいです。“ラ・ソレイユ”では接客などをおもに担当しています。
こっちが不安になっている時には、その明るさに支えられること間違いなしでしょう。
バニラ
クールなネコちゃん。ショコラと双子のため、水無月家では末妹のネコ。ショコラを非常に溺愛しており、恐らくショコラがやることはすべて肯定しちゃうくらいの勢い。頭の回転がよく、“ラ・ソレイユ”では数少ないケーキ作りを手伝えるネコちゃんです。
落ち着いた口調で心にクるひと言を放つなど、たまに容赦ないところもあります。ただ、不意に見せるかわいい一面が悶えるほどかわいい（筆者の主観）。
アズキ
口調こそ多少乱暴なものの、一番周囲のことを考えて動けるネコちゃんです。水無月家では長女なので、なんだかんだ言いながら妹たちのことを気にしています。“ラ・ソレイユ”では、バニラと並んでケーキ作りを手伝える数少ないネコちゃんであり、フロアチーフみたいなことをやっている印象。要は有能です。
理由は不明ですが、ショコラとバニラのことを「ショコバニ」、メイプルのことを「プルメー」、シナモンのことを「モンシナ」、ココナツのことを「ナッツ」と呼びます。
頼れるお姉ちゃん的なところばかりが目立ちますが、隠れた乙女っぽいところが非常に魅力。ちなみに自身が小さいことを気にしており、“短足”や“小さい”などの発言は禁句。ココナツと言い合いになった際に指摘されて、よくキレます。
ココナツ
背丈は水無月家で一番大きい四女。見た目の大人っぽい感じとは裏腹に、少し子どもっぽいところがありますが、それもまたココナツのかわいさ。時たま、自分の容姿を卑下することがあるが、そんなことはないので自信を持ってほしいところ。なお、ココナツのかわいさは『ネコぱらVol.2 姉妹ネコのシュクレ』で堪能できます。
労働意欲は強いものの、悲しいかな非常に不器用で細かいことが苦手。ただし、運動能力はとても高いです。そのため“ラ・ソレイユ”では、荷物運びなどの力仕事や配達を担当しています。水無月家で随一の健啖家で、その食べっぷりは気持ちがよいほど。
メイプル
プライドが高いネコちゃん。プライドのせいか素直になれない時もありますが、基本的にはみんなにやさしく、まわりをよく見ています。水無月家では二女にあたります。
バニラに負けず劣らず頭の回転がよく、非常に気が回る一面もあります。“ラ・ソレイユ”では、店内の飲食スペースで提供する紅茶の種類を選ぶなど、紅茶に関しては一家言あり。ほかには、レジなども担当しているみたいです。
シナモン
柔和な人柄ではなく、ネコ柄で物腰もやさしいです。水無月家では三女にあたるネコちゃん。水無月家に来たばかりのころに、メイプルに助けてもらったこともあり、それ以来、メイプルとはずっと仲よしです。
たまにトンデモない妄想をして“潤っちゃう”ことがあり、周囲をたびたび引かせています。じつは頭もいいので“ラ・ソレイユ”では、ほとんどのことができるという高スペックなネコちゃんでもあります。
フレーズ
『ネコとパティシエのノエル』で初登場……ではなく、Yosterが開発するスマートフォン向けシミュレーションゲーム『ネコぱらいてん！』に登場することが明かされていたネコちゃん。
フランス在住で水無月家の姉妹ネコではないですが、嘉祥の師匠であるベニエに飼われていることもあって関係性は、そこそこ深めです。ちょっと引っ込み思案なところはありますが、ベニエの店を手伝っている時の手際のよさは嘉祥も認めるほど。
しかもフランスの鈴持ち試験は非常に難関らしく、ネコの知識が豊富な時雨をして優秀と言わせるほどに賢いネコちゃん。鈴持ち試験とは、ネコが単独行動をする際に必要となる鈴を獲得するための試験。この鈴を持っているとひとりで外を出歩けます。これがないと警察に補導されてしまうので、非常に大事。
合格率はかなり低いのですが、水無月家のネコたちは全員獲得済みで、その優秀さがうかがえます。要は許可証のようなもので、定期的に更新の試験もあります。
フレーズは見た目のかわいさはもちろんですが、純粋な部分をはじめ、洋菓子を愛する心など、まだまだ底知れぬ魅力が秘められていそうなので、今後の活躍に期待したいですね！
さて、筆者も聖ニャの準備をしなくてはいけないので、そろそろお別れです。みなさんもお時間が許す限り、ネコちゃんたちに囲まれた聖ニャを過ごしてみてはいかがですか？
