VR作品を数多くリリースしている新進気鋭のメーカー・MyDearest。同社が2020年12月3日、Oculus Quest 2/Quest/Rift対応のVRゲーム『ALTDEUS: Beyond Chronos(アルトデウス: ビヨンドクロノス)』(以下、『アルトデウス: BC』)の有観客&オンラインイベント“『アルトデウス: BC』発売直前“LiVE配信”! VR of VICTORY 2020”を開催した。

 イベントには、アニマ役の石川由依さん、ノア役の花守ゆみりさん、総合プロデューサーの岸上健人氏、監督の柏倉晴樹氏、音楽ディレクターの郡陽介氏、そしてシンガーのR!Nさんが登壇。12月4日に発売を迎えた『アルトデウス: BC』の魅力や開発秘話を語った。

 また、R!Nさんによるライブも行われ、会場に集まったファンはもちろん、オンラインで配信を視聴していたゲームファンを魅了した。

『アルトデウス: BC』発売前日イベントで石川由依さん、花守ゆみりさんらが作品への想いを語る。日本発の最新VRアドベンチャーゲームがリリース

 まずはクロエ役の鬼頭明里さんからのビデオレターが公開。「『アルトデウス: BC』は柏倉監督を筆頭に、スタッフさん全員が全力を込めて作った作品です。私たち声優陣も全力でキャラクターたちに魂を吹き込み、演出も、音楽も、芝居も、いま出せるものを本作に込めました。明日からプレイしていただいて、たくさん感想を聞かせていただけたらうれしいです」とメッセージを贈る。

 続いては『アルトデウス: BC』の開発の経緯を、当時のエピソードとともに振り返る“アルトデウスヒストリー”のコーナーへ。

 2019年3月19日の『東京クロノス』発売を皮切りに、これまでの開発の経緯が語られていく。トークの中では、さまざまな開発秘話が岸上氏と柏倉監督から飛び出した。

 たとえば、『アルトデウス: BC』の構想自体は、柏倉監督が学生時代から温めていたものであり、この企画を『東京クロノス』の続編として“つながる”ような仕掛けが盛り込まれているのだそう。当時企画書を見た岸上氏は、その仕掛けに驚愕し、「(続編として)やるしかないな」と決断したのだという。

 また、2019年11月1日には“My Dearest合宿”なるものが実施された。柏倉監督曰く、My Dearestでは新しいプロジェクトを開始する直前に合宿を行うことが通例となっているらしく、『東京クロノス』の開発時にも行われたそう。本合宿では、『アルトデウス: BC』開発に向けて、スタッフたちの心をひとつにするという趣旨のもと、柏倉監督の目指したいものがスタッフ間で共有されたそうだ。

 合宿中に本作のタイトルも決められたそうで、柏倉監督曰く、さまざまなタイトル案が出たという。『ALTDEUS: Beyond Chronos』の“ALTDEUS”部分は柏倉監督が決め、“Beyond Chronos”は開発陣で話し合いながら詰めていったものだという。

 岸上氏によれば、“Beyond Chronos”にはさまざまな意味合いが込められているとのこと。そのひとつとして『東京クロノス』を“超える”という意味合いがあることが明かされた。なお、タイトルが“ABC”となるのは、偶然の産物だったそうで、狙って付けられたものだと思っていた会場のファンや花守さんたち出演者を驚愕させていた。

『アルトデウス: BC』発売前日イベントで石川由依さん、花守ゆみりさんらが作品への想いを語る。日本発の最新VRアドベンチャーゲームがリリース
『アルトデウス: BC』発売前日イベントで石川由依さん、花守ゆみりさんらが作品への想いを語る。日本発の最新VRアドベンチャーゲームがリリース
『アルトデウス: BC』発売前日イベントで石川由依さん、花守ゆみりさんらが作品への想いを語る。日本発の最新VRアドベンチャーゲームがリリース
『アルトデウス: BC』発売前日イベントで石川由依さん、花守ゆみりさんらが作品への想いを語る。日本発の最新VRアドベンチャーゲームがリリース

 2020年1月ごろには、本作のメインキャストが決定。キャスティング会議では、柏倉監督からスタッフにキャラクターのイメージが伝えられ、それをもとに何人もの候補を選出。その中から、現在のキャスト陣が絞り込まれていったのだという。

 石川さんが演じるアニマは、石川さん自身、いままでに演じたことのないタイプのキャラクターだったと語る。岸上氏も、アニマはかわいらしい一面があるものの、それだけではない複雑な一面を秘めたキャラクターであるため、「芝居に信頼が置ける方でないと任せられない」と感じていたという。そんな中、前作『東京クロノス』で二階堂華怜役を見事に演じきった石川さんにオファーをすることにしたという秘話が語られた。

『アルトデウス: BC』発売前日イベントで石川由依さん、花守ゆみりさんらが作品への想いを語る。日本発の最新VRアドベンチャーゲームがリリース
『アルトデウス: BC』発売前日イベントで石川由依さん、花守ゆみりさんらが作品への想いを語る。日本発の最新VRアドベンチャーゲームがリリース

 花守さんは、ノアというキャラクターが歌姫という役どころながら、人間ではなくAIの女の子であるということを知ったときに、「要素が多い!」と少し戸惑ったことを明かす。岸上氏によると、石川さんも花守さんも演技が完璧だったそうで、テストプレイをしてふたりが演じたキャラクターに泣かされたと太鼓判を押す。花守さんも、アニマとの掛け合いのシーンを収録する際には、感情がぐちゃぐちゃにされたと、当時を振り返った。

『アルトデウス: BC』発売前日イベントで石川由依さん、花守ゆみりさんらが作品への想いを語る。日本発の最新VRアドベンチャーゲームがリリース

 続いて、『クロノス』シリーズ年表を公開。『東京クロノス』に関連する出来事や『アルトデウス: BC』のプロローグが語られる。そんな中、岸上氏が『東京クロノス』をプレイした人に向けて、「ぜひ『東京クロノス』とのつながりを見つけてください」と猛烈にアピール。ネタバレになってしまうので、現時点では何も話せないものの、“つながり”に気づいた人と語り合いたいぐらい、すごい仕掛けになっているのだそう。

 また、柏倉監督はマシンやSFがテーマの作品ではあるが、いちばん描きたかったのは“人間の心の話”と語る。これも前作とのつながりを示唆するものであると語られた。

 ここでゲームのシステムやモデリングなど、作品のこだわりポイントを開発スタッフのコメントともに紹介していくコーナーへ。開発スタッフがどんなところにこだわって制作をしていたのかが続々と紹介され、多くのスタッフの想いが結集して作り上げられた作品であることがうかがえた。

 一旦、換気のため10分間の休憩を挟んだ後は、R!Nさんによるライブコーナーへ。花守さんによるノアの語りから始まったライブパートでは、『アルトデウス: BC』のテーマソング『SunLight』、劇中歌『Sound of Victory』の2曲が披露される。

 MCでは、音楽ディレクターの郡氏も登壇。郡氏は作中のBGMやオープニング・エンディングテーマ、そして『Sound of Victory』も作曲。『Sound of Victory』では音楽プロデューサー・KZ氏によるパワーあふれる編曲により、さらに魅力的な楽曲になったことを喜んでいた。

『アルトデウス: BC』発売前日イベントで石川由依さん、花守ゆみりさんらが作品への想いを語る。日本発の最新VRアドベンチャーゲームがリリース
『アルトデウス: BC』発売前日イベントで石川由依さん、花守ゆみりさんらが作品への想いを語る。日本発の最新VRアドベンチャーゲームがリリース
『アルトデウス: BC』発売前日イベントで石川由依さん、花守ゆみりさんらが作品への想いを語る。日本発の最新VRアドベンチャーゲームがリリース

 R!Nさんのライブコーナーで盛り上がると、MyDearestのプロジェクトマネージャー千田翔太郎氏が急遽ステージに登壇。「『アルトデウス: BC』は、遊んでいただいたユーザーの方々の人生が変わるようなものを作る、という思いのもと、開発陣一同、魂を込めて制作させていただきました。皆様、ぜひ本作を楽しんでください!」と、アツい想いを伝える。

 また、ここでサプライズゲストとして、コーコ役の奥野香耶さんも会場に駆けつける。奥野さんは、「コーコは、盲目で脚が不自由な、謎めいた役どころとなっています。ネタバレがとても多いキャラクターなので、話せないこともたくさんありますが、目が見えないからこそ感じ取るものが鋭かったり、知識が豊富なミステリアスなキャラクターとなっています。(ゲームの発売後に)皆さんはいろいろな選択と決断を迫られながら過ごされると思いますが、最新のVRの技術だけでなく、物語性もすばらしいので、ぜひ『アルトデウス: BC』に没頭する日々を過ごしていただけたらうれしいです」」と作品への想いを語った。

『アルトデウス: BC』発売前日イベントで石川由依さん、花守ゆみりさんらが作品への想いを語る。日本発の最新VRアドベンチャーゲームがリリース
『アルトデウス: BC』発売前日イベントで石川由依さん、花守ゆみりさんらが作品への想いを語る。日本発の最新VRアドベンチャーゲームがリリース
『アルトデウス: BC』発売前日イベントで石川由依さん、花守ゆみりさんらが作品への想いを語る。日本発の最新VRアドベンチャーゲームがリリース

 イベントの最後には、岸上氏、柏倉監督から、会場に集まったファン、そして配信で参加しているファンへ向けてメッセージが。岸上氏は「僕自身、『アルトデウス: BC』をテストプレイとして最後までプレイしましたが、号泣してしまい、感情をぐちゃぐちゃにされました。それほどすばらしい作品になっていると思います。僕は『東京クロノス』が人生でいちばん好きな作品だったのですが、今回プレイしてみて、更新されました。ぜひ皆さんにもプレイして、楽しんでいただければと思います」と、改めて本作の魅力をアピール。

 そして最後は、柏倉監督より「ついに明日発売を迎えるということで、感慨深い気持ちでいっぱいです。『アルトデウス: BC』で、主人公のクロエは、大切な親友のコーコを失っています。自分の親友を失って、復讐のために生きているクロエがどう変わっていくのか。皆さんはこの物語の中でどんな選択するのか。最後の最後までプレイしていただけたら我々作り手として、そして監督としてこんなにうれしいことはありません。『アルトデウス: BC』は、ずっと僕の心の中にあったものをすべて注ぎ込んだものになります。本作があなたの心に残る作品になればと思います。よろしくお願いいたします!」とアツいメッセージが届けられた。

『アルトデウス: BC』発売前日イベントで石川由依さん、花守ゆみりさんらが作品への想いを語る。日本発の最新VRアドベンチャーゲームがリリース
『アルトデウス: BC』発売前日イベントで石川由依さん、花守ゆみりさんらが作品への想いを語る。日本発の最新VRアドベンチャーゲームがリリース
『アルトデウス: BC』発売前日イベントで石川由依さん、花守ゆみりさんらが作品への想いを語る。日本発の最新VRアドベンチャーゲームがリリース