ドイツを拠点に活動するテクノ系音楽アーティストのRemuteが、媒体にHuCARDを採用したニューアルバム“Electronic Lifestyle”を発表。音楽系オンラインストアのBandcampで予約受付を開始した。価格は34.99ユーロ(送料別)。発売は2021年3月を予定している。

 「HuCARD? あのPCエンジンの?」と思った人もいるかと思うが、見間違えではない。そうこの作品、PCエンジンまたは海外版のTURBOGRAFX-16で“プレイする”アルバムなのである!

 Remuteはドイツ系テクノの名門レーベルであるTresorやLadomat 2000からのレコードリリース経験も普通にあるベテランアーティストなのだが、以前本誌でも紹介した、メガドライブで動作する自作カートリッジとしてリリースされた“Technoptimistic”をはじめ、近年は再生媒体としてフロッピーやゲームカートリッジなどを模索。今回ついにPCエンジンにたどり着いたというワケだ。

 このアルバムに使われるHuCARDは、自作カートリッジに使われるボードを手掛ける“MrTentacle”なるエンジニアに発注したカスタムメイドのもので、15曲分のサウンドやグラフィック、そして再生インターフェースなどが実機上で動作するプログラムとして構築されている(AlienというアーティストとMooZというプログラマーが協力)。

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 なおゲームカートリッジで出すからってことさらゲームサウンドに寄せてくるわけではなく、割と普通に本人がやりたいテクノをやるのもこの人の特徴なのだが、今回のアルバムのテイストはクラフトワークやYMO、ジャン・ミッシェル・ジャールなどの往年のエレクトロサウンドや初期のデトロイトテクノに影響を受けたものとなっている模様。Bandcampの製品ページではタイトル曲の視聴サンプルが公開されている。

 ちなみに注文するとデフォルトではPCエンジン版カートリッジになるようだが、2021年1月22日までは支払い時の追記で希望することでTURBOGRAFX-16版のカートリッジを入手できるとのこと。また追跡サービスで発送して欲しい場合は通常価格に3ユーロを追加して同じく追記欄に「TRACKED SHIPPING」を希望するよう書かれている。

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