2020年12月10日にPS4で発売予定のクラフトゲーム『Trailmakers』(トレイルメーカーズ。発売元:DMM GAMES。3980円[税抜](4378円[税込]))を発売に先駆けてプレイ。その見どころやどんな遊びができるのかをお届けしていきます。

『トレイルメーカーズ』は作って動かして、作り直してまた動かしての試行錯誤でオリジナルマシンを作れる最高な1本

ブロック玩具をPS4で遊ぶような体験

 本作はブロックを組み合わせてさまざまなマシンを作ることができるサンドボックスアドベンチャー。自動車、船、潜水艦、飛行機……と陸海空のさまざまなマシンを作ることができます。

作りかたはブロックを中心としたパーツを組み合わせるだけとシンプル。好きなブロックで好きな形にボディを作り、そこにタイヤとコクピットとエンジンをくっつければ自動車が完成します。

『トレイルメーカーズ』は作って動かして、作り直してまた動かしての試行錯誤でオリジナルマシンを作れる最高な1本
『トレイルメーカーズ』は作って動かして、作り直してまた動かしての試行錯誤でオリジナルマシンを作れる最高な1本
『トレイルメーカーズ』は作って動かして、作り直してまた動かしての試行錯誤でオリジナルマシンを作れる最高な1本
必要なパーツが揃っていれば、少々無理のある形をしていてもマシンは動きます。

 船を作るなら浮きと水中用のエンジン、飛行機ならジェットエンジンなど必要なパーツは異なりますが、ブロックを組み合わせるだけで作れる点は同じ。イメージとしては、世界的に有名な某ブロック玩具をゲームの世界に置き換えてマシン作りに特化させたようなタイトルです。

『トレイルメーカーズ』は作って動かして、作り直してまた動かしての試行錯誤でオリジナルマシンを作れる最高な1本
『トレイルメーカーズ』は作って動かして、作り直してまた動かしての試行錯誤でオリジナルマシンを作れる最高な1本
タイヤも浮きもエンジンも水中用のエンジンも、と機能を詰め込めば水陸両用のマシンを作るといったことも可能。

 ただ、動くことと満足に動くことは別の話です。たとえばスピードの速い自動車を作るなら、高性能なエンジンを積むほか前面に空気抵抗を軽減できるパーツを配置するのが重要。かといってあまり前面にばかりパーツを配置すると重心が前に偏りすぎてカーブを曲がりにくいといったことが起きます。

 同じように船なら浮きのバランスが重要。飛行機に至っては説明するまでもないでしょう。作って動かして、作り直してまた動かして、と試行錯誤をしながら満足のいくマシンを完成させる。その過程がとにかく楽しいのが本作のクラフトです。

可動するブロックが自由度の高いマシン製作を実現する

 そして、クラフト要素をさらにおもしろくしているのが、ボタンやスティックの入力で稼働するブロックがあるという点。

 先ほどあえて書きませんでしたが、まともな自動車を作るにはステアリングヒンジというブロックが必要になります。ステアリングヒンジは名前のとおり、自動車のステアリングの機能を持つもの。これをボディと前輪もしくは、後輪の間に取り付けると初めて自由にカーブできる自動車が作れます。

『トレイルメーカーズ』は作って動かして、作り直してまた動かしての試行錯誤でオリジナルマシンを作れる最高な1本
キー入力で前輪の角度が変わったから自動車はカーブする。これ自体は当たり前のことです。

 ただ、ステアリングヒンジにはタイヤを付けなければいけないというルールは存在していません。ブロックどうしをステアリングヒンジでつないでもよく、この場合のステアリングヒンジは電動の蝶番のような役割を果たしています。これを利用すると、クレーンが動くなどの走ったり曲がったりする以外の機能を持ったマシンを作ることができます。

『トレイルメーカーズ』は作って動かして、作り直してまた動かしての試行錯誤でオリジナルマシンを作れる最高な1本
ブロックどうしをステアリングヒンジでつなぐと、ボディ自体が曲がるマシンを制作可能。

 入力によって動くブロックはステアリングヒンジだけでなく、接続したブロックを回転させるものや前後に伸縮するものなどいくつか用意。組み合わせしだいで可変式のマシンも作れます。

『トレイルメーカーズ』は作って動かして、作り直してまた動かしての試行錯誤でオリジナルマシンを作れる最高な1本
このマシンが……。
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ボタンひとつでこうなります。コンパクトに折りたためるコンテナ車のような、現実にはありえないマシンも作れます。
『トレイルメーカーズ』は作って動かして、作り直してまた動かしての試行錯誤でオリジナルマシンを作れる最高な1本
動くブロックは、動かすボタンや動く速度などを細かくカスタマイズ可能。

 ちなみに、作ったマシンをオンラインにアップロードしたり、逆にオンラインからほかのプレイヤーのマシンをダウンロードしたりすることが可能。もちろんダウンロードしたマシンの構造を見たり、改造したりすることもできるので、初めはほかのプレイヤーのマシンをお手本にするのもいいでしょう。

『トレイルメーカーズ』は作って動かして、作り直してまた動かしての試行錯誤でオリジナルマシンを作れる最高な1本
海外ではすでに発売済みのため、発売前の時点で多数のマシンが“ギャラリー”にアップロードされています。参考資料には事欠かなさそうです。

“ラリー”モードで勝って、より強力なマシンを作る

 本作のゲームモードは大きく分けて“レース”、“サンドボックス”、“ラリー”、“キャンペーン”の4種類。このうち“サンドボックス”と“レース”は、最初からほぼすべてのブロックが使用できるモードです。

 “サンドボックス”は、大きな目的を強制されることなく好きなようにマシンを作って、好きなように走らせたり飛ばせたりするモード。“レース”では自由にブロックを使ったマシンでコースを走り、順位を競うことができます。

 そして少し変わった遊び方が楽しめるのが“ラリー”。“ラリー”は“レース”と同様にコースを走ってタイムを競うモードですが、最初はマシンを作るのに最低限のブロックしか使用できません。

ですが、レースで好順位を獲得すると、つぎのコースが解禁されるとともに新たなブロックがアンロック(アンロックされるのは“レース”、“サンドボックス”ではつねに使えるもの)。ステージが進むごとにより多彩なマシンが作れるようになっていきます。

『トレイルメーカーズ』は作って動かして、作り直してまた動かしての試行錯誤でオリジナルマシンを作れる最高な1本
『トレイルメーカーズ』は作って動かして、作り直してまた動かしての試行錯誤でオリジナルマシンを作れる最高な1本
強力なエンジンが使えるようになるなど、どんどん作れるマシンは高性能に。そのぶん目標タイムもシビアになっていきます。

 だんだん強力なマシンが作れるようになっていくという楽しさもありますが、このモードの魅力は自動車の作り方を少しずつ学んでいけること。プリセットで用意されたマシンではほぼ1位になれないように設計されているようなので、勝つという明確な目的のために試行錯誤ができます。

自然とステップアップできる“キャンペーン”モード

 そして、より特殊なルールで遊べるのが、未知の星に不時着したパイロットを主人公にした“キャンペーン”。こちらはフィールド上に散らばった岩を目的地まで運ぶのがおもな目的で、岩を運ぶと新たなブロックなどがアンロックされていきます。

 岩を見つけたら、その岩を運ぶのに適したマシンを作って運ぶ。基本的にはこのくり返しですが、上り坂なら岩を運ぶのに相応のパワーが必要、下り坂なら岩が転がり落ちていかないようつかんだり抑え込んだりできる構造のマシンが必要と“ラリー”以上にマシン作りに頭を悩ませられます。

 また、ゲームの進行とともに水中用の動力源や空を飛べる動力源が段階的に解放されていくため、陸海空のマシンを自然と作れるようになっていきます。正直なところ、こういった“作る”ゲームで最初から多くの要素が解禁されているとなにから手を付ければいいかがわかりにくいという面があるので、遊びかたを学びつつ、自分の遊びかたを見つけ出すための取っ掛かりとして“キャンペーン”を遊んでみるのがオススメですね。

『トレイルメーカーズ』は作って動かして、作り直してまた動かしての試行錯誤でオリジナルマシンを作れる最高な1本
転がしたり磁力で吸い寄せたりと、岩の運び方はさまざま。
『トレイルメーカーズ』は作って動かして、作り直してまた動かしての試行錯誤でオリジナルマシンを作れる最高な1本
空を飛ばずに高所の岩を無理やり落とすなど、変わったアプローチからマシン作りを模索できるのも“キャンペーン”の魅力。

 また上記の4つのモードは、すべてマルチプレイが可能。自作のマシンを持ち寄って遊ぶのはもちろん、ほかのプレイヤーが作ったマシンを乗り回したり改造したりすることもできるので、シングルプレイとはまた違ったおもしろさがあります。

『トレイルメーカーズ』は作って動かして、作り直してまた動かしての試行錯誤でオリジナルマシンを作れる最高な1本
あらかじめ保存しておいたマシンを読み込んでも、その場でいちからマシンを作ってもOK。
『トレイルメーカーズ』は作って動かして、作り直してまた動かしての試行錯誤でオリジナルマシンを作れる最高な1本
ほかのプレイヤーがマシンを作っているところは、リアルタイムで見ることができます。

自分で目標を作れる人なら無限に遊べる

 何かを自由に作るゲームでは定番の問題ですが、本作は決して万人向きではありません。ゲーム側から与えられる目標を達成するだけでなく、自分で作りたいものを決めて作るというスタンスで遊ばないと魅力は半減してしまうでしょう。

また、ふつうの自動車を作るならまだしも重量バランスがより重要な船や飛行機、そして可変式のマシンを作ろうとすると正直なところ失敗の連続。作った可変式のマシンをアレンジしようとして1時間かかり、結局アレンジするとブロックどうしがぶつかり合うことに気が付いて1時間のせいかはゼロということもありました。

ただ、自分で作りたいマシンのイメージなどの目標を作れるなら話は別。乗って動かせる青いネコ型のロボットを作りたい、タイヤをしまって空を飛ぶデロリアンを作りたい。なんでも構いません。自分で目標を作れるなら、本作は無限に遊べるゲームになるでしょう。