2020年11月12日のプレイステーション5(PS5)発売に向けてお届けしている連載特集の第3弾。今回は、PS5向けに開発された新たなコントローラー、“DualSense(デュアルセンス) ワイヤレスコントローラー”に関する性能や使い心地をお届け!
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PS5体験をより鮮やかに彩る新たなコントローラーのスゴさ
PSシリーズのコントローラー“デュアルショック”のデザインを大枠では踏襲しつつも、ユーザーのゲーム体験を大きく進化させたものがデュアルセンスである。
PS5のスタンダードモデルおよびデジタル・エディションにはそれぞれ1台のデュアルセンスが付属。2台目以降を単品で購入する場合は、6980円[税抜]となる。外形寸法(最大突起部除く)は、約160mm×66mm×106mm(幅×高さ×奥行)。6軸検出システム(3軸ジャイロ、3軸加速度)のモーションセンサーや、内蔵マイク/モノラルスピーカーなどを備えているほか、後述するさまざまなフィードバック機能が実装されているのが特徴だ。
【PS5】デュアルセンス実機公開! 新コントローラーの機能は!?
デュアルセンスの重量はコントローラー単体としては重めで、約280g。PS4コントローラーのデュアルショック4と持ち比べると多少のずっしり感はあるものの、グリップ感の向上でそれをあまり感じさせないという絶妙なラインを攻めている点も個人的には高評価だ。
よりスタイリッシュになったそのデバイスの中には、とにかくたくさんの機能が詰め込まれているのだ。代表的なものを羅列していくと……。
- これまでの振動機能では表現しきれないような、繊細な振動による表現を可能にした“ハプティックフィードバック”
- L2とR2ボタンの押し込み時に抵抗を発生させ、微妙なトリガーの押し込みをしやすくする“アダプティブトリガー”
- デュアルセンスの傾きを感知し、傾けることによる操作も可能なモーションセンサー
- 内蔵されたスピーカーとマイクでボイスチャットにも対応。さらに息を吹きかけるという操作も可能
- デュアルショック4から受け継がれたタッチパッド
といった具合。これまでゲーム機にはさまざまなコントローラーが付属してきたわけだが、歴代コントローラーが持っていた機能のほとんどに、デュアルセンスひとつで対応するような多機能ぶりに驚かされる。以下では、そのひとつひとつの機能についてより詳細に解説していこう。
ゲーム体験に革新をもたらすフィードバック機能
まずはハプティックフィードバックだが……正直なところ、体感するまでナメていた。筆者は『ASTRO’s PLAYROOM』や『Marvel's Spider-Man:Miles Morales(スパイダーマン:マイルズ・モラレス)』でその振動を味わったのだが、その表現が本当に繊細になっていることに驚いた。しかも、振動により「左右のどっちがより大きく揺れているか」だとか、「振動させるものが近寄ってきた?」みたいなところまでが判別可能。あまりにも高精度ゆえ、逆にこれまでのコントローラーの振動がいかに大雑把な表現に留まっていたのかを思い知らされることになった。
触覚に対するアプローチというものは、コントローラーの形状によって著しく制限されるわけだが、その限界に愚直に挑んでいるところはすばらしいと思った。これを越えるには、もう“パックス・パワーグローブ”風の(知らない若者は検索してみよう!)グローブ型のコントローラーまで進化しなければならない気がする。
続いてはアダプティブトリガーについて。『Marvel's Spider-Man:Miles Morales(スパイダーマン:マイルズ・モラレス)』をプレイしているときには、恩恵は感じられなかったのだが、『ASTRO’s PLAYROOM』をプレイして、そのスゴさに驚かされるのである。筆者個人の感覚では、「ゴリッとした感覚の抵抗を感じるものの、弾かれるほどではない強さ」といった感じ。だからこそ押し込み具合を本当に細かく微調整できるわけだ。
L2やR2ボタンはレースゲームなどだとアクセルやブレーキに対応することが多い場所。このアダプティブトリガーがあれば、繊細なアクセルワークはよりやりやすくなるし、ブレーキ時のタイヤロックやABSの発動なども感知できそうな予感。筆者はレースゲームも大好物なので、「このデュアルセンスで『グランツーリスモ』を楽しんでみたい!」と思ったりもした。
また、デュアルショック4に引き続いてモーションセンサーも搭載。『ASTRO’s PLAYROOM』では、この機能とアダプティブトリガーを使って、ジェットパックをコントロールするという遊びもできた。これまでのゲームでも同様の操作で何かを操作するという経験もしているが、アダプティブトリガーのおかげでそのときよりも繊細なコントロールがしやすい印象だ。
個人的にうれしかったのが、コントローラーに内蔵マイクが付いたこと。本気でボイスチャットをプレイするなら自室に閉じこもってヘッドセットで……となるのだが、やはりゲーム機はリビングでも活躍してほしいわけで。内蔵マイクがあると、そういうときでも「軽くボイスチャットしてみようかな」と思えるようになる。なお、マイクを搭載することで、“息を吹きかける”という、ファミリーコンピュータを彷彿する操作方法にも対応。悪ふざけのようにも思えるが、筆者のようなオジサンの琴線には触れるだろう。これで、PS5で『バンゲリングベイ』や『たけしの挑戦状』が遊べるようになっても安心だ!(そんな日は来ないと思うが)。
また、タッチパッドもデュアルショック4から引き続き踏襲。ゲーム側にタッチパッドでの超繊細な操作を要求されると困るケースるあるが、『Marvel's Spider-Man:Miles Morales(スパイダーマン:マイルズ・モラレス)』では、“タッチパッドをスワイプして劇中のスマホアプリを立ち上げる”という操作に対応していて、目からウロコだった。この操作方法なら、ボタンを割り当てずとも1アクションで起動できる要素が増えることにつながるし、操作の雰囲気も現実世界に近しいものになるわけでいいこと尽くし。「やっぱりタッチパッドは要るな」とつくづく思い知らされた。
なお、デュアルショック4にあったライトバー的な機能は、コントローラーの前面に配されたラインのようなライトが受け継ぐ。結果的に、“増えた要素はあれど、減った要素はない”という形。ある意味、このコントローラーの形状での欲張り最終進化形がデュアルセンスなのではないかと感じさせられた。
最後に、筆者が気付いたことをふたつ紹介して本稿を終えようと思う。ひとつ目は、左右のスティックは基本的にデュアルショック4と同様であること。そのため、少なからずいるであろう、筆者のような“つい爪をスティックに引っ掛けて操作してしまうタイプの人”は、ゴムにダメージが蓄積しないように何らかのカバーを付けたほうがいいかもしれない。
もうひとつは、“コントローラーの背面にある滑り止め用の凹凸が、PSらしい△○×□でデザインされている”ということ。些細な部分だが、コダワリが感じられてニヤリとしてしまう人も少なくないかも?
「DualSense ワイヤレスコントローラー」概要
外形寸法(最大突起部除く)
- 約160mm×66mm×106mm(幅×高さ×奥行)
質量
- 約280g
ボタン
- PSボタン
- クリエイトボタン
- オプションボタン
- 方向キー(上/下/左/右)
- アクションボタン(△ボタン/○ボタン/×ボタン/□ボタン)
- R1/L1 ボタン
- R2/L2 ボタン(トリガーエフェクト)
- 左スティック/ L3 ボタン
- 右スティック/ R3 ボタン
- タッチパッドボタン
- MUTEボタン
タッチパッド
- 2点式タッチパッド
- 静電容量方式
- クリック機構
モーションセンサー
- 6軸検出システム(3軸ジャイロ、3軸加速度)
オーディオ
- 内蔵マイクアレイ
- 内蔵モノラルスピーカー
- ステレオヘッドセットジャック
出力 : 48kHz/16bit, 入力: 24kHz/16bit
フィードバック
- トリガーエフェクト(R2/L2 ボタン)
- 振動機能(デュアルアクチュエーターによるハプティックフィードバック)
- ランプ(ライトバー/ プレーヤーランプ/ MUTEランプ)
端子
- USB Type-C端子(Hi-Speed USB)
- ステレオヘッドセットジャック
- 充電用端子
通信
- 無線 Bluetooth 5.1
- 有線 USB connection(HID, オーディオ)
電池
- 種類:内蔵型リチウムイオン充電池
- 電圧:DC 3.65V
- 容量:1,560mAh
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