3gooから2020年11月5日発売予定のNintendo Switch用ソフト『コンストラクション シミュレーター 2&3 ダブルパック』。先日行われたメディア体験会のオフィシャルリポートが到着したので、以下にお届けする。

以下、リリースを引用

『コンストラクション シミュレーター 2&3 ダブルパック』メディア体験会レポート

ドーザー_イメージ

 11月5日発売の『コンストラクション シミュレーター 2&3 ダブルパック』は、プレイヤー自らが建築会社のオーナーとなってさまざまな土木建築案件を受注し、工事を執り行っていく建築シミュレーションゲーム。その醍醐味といえば、やはり名だたる建機メーカーの重機・建機を操縦できる点にある。この魅力に着目した3gooでは、ゲームの発売に先立って、メディア体験会を実施。ゲームの試遊体験に加えて、一流建機メーカーのインストラクターを講師に招き、ゲーム内で重機を操作するデモプレイが行われた。

イベントイメージ

講師紹介
日本キャタピラー合同会社 D-Tech Center
CAT認定オペレーター 中 理絵(なか・りえ)氏
 日本キャタピラーは、建設機械及び鉱山機械、ディーゼル及び天然ガスエンジン、産業用ガスタービンエンジン分野における世界最大の製造会社「CAT」ブランドの建設機械を取り扱うディーラー。埼玉・秩父に構えるD-Tech Centerは、アジア最大規模の建設機械総合研修センターとして、ICT建機を含むキャタピラー社製品の活用について、デモンストレーションや社内外の教育を展開する教育施設となっている。このD-Tech Centerにおいて「CAT認定オペレーター」として導入企業に対する研修を担当する中氏は、セミナーの進行から重機のデモンストレーションまで幅広く活躍。Switchが大好きな5歳のお子さんの母でもある。

中さん講師紹介

 『コンストラクション シミュレーター2&3ダブルパック』には、北米やヨーロッパで販売されているリアルな建機が多数登場。なかでも、パッケージのメインビジュアルを飾る“キャタピラーイエロー”でおなじみのキャタピラーは、日本でも抜群の知名度を誇る建機メーカー。同社でオペレーターに対する研修を手がける中さんに、『コンストラクションシミュレーター3』に登場する同社の建機計11車両の中からいくつかの車両をピックアップして、デモプレイを実演いただいた。

349F HYDRAULIC EXCAVATOR

油圧ショベル

 土木建築の現場に欠かすことのできない重機といえば、油圧ショベル。関節部を曲げ伸ばして掘削や積み込みを行う、世界で最も多用されている重機のひとつだ。

油圧04_運転席視点

 「比較的乗る方が多いのが油圧ショベルです。操作の仕方は小さな車両から大きな車両まで基本的に違いはありません。このゲームで操縦できる「349F HYDRAULIC EXCAVATOR」は、日本市場では「349/352 油圧ショベル」として展開しております。作業装置を最大まで上げると高さ約10メートル。なかなかイメージしづらいとは思いますが、かなり大きなものです。そして足は『無限軌道』。いわゆる「キャタピラー」と呼ばれるクローラータイプとなっています」(中さん)

 油圧ショベルについての簡単な紹介のあと、操作の基本的な仕組みについての説明が行われた。

中さん01

 「油圧ショベルの各部位は、それぞれ腕のような役割を果たします。

  • 肩から肘まで:ブーム
  • 肘から手首:アーム
  • 手ですくう救う部分:バケット

 これらのパーツを利用して、上げる/下げる、開く/閉じる、返す(すくう、放つ)操作を行うのが油圧ショベルの基本的な動きの構造です。レバーの制御については、国内では4パターンほどが存在しますが、今回は共通パターンにあたるJISパターンのISO(設定画面の「油圧制御」から選択)を選択しました」(中さん)

 その後はカメラ視点を「軌道カメラ」から「運転席」(『コンストラクション シミュレーター3』から新たに実装されたコックピットビューのカメラアングル。)に切り替えて土を掘り起こす作業へ。ひとすくいでバケットを土で満たし、みごと一回の操作でミッションをクリアした。

950Mホイールローダ

ホイールローダ

 車体前面にアームとバケットを備えたホイールローダは積み込みや運搬を行う重機。運転席から対象物をすくい上げる様子を目視することはできないため、プレイヤーはカメラ視点を軌道カメラに切り替えたりズーム等を駆使するなどしてバケットの位置や角度を確認する必要がある。しかも、一連の動作を自走しながら実施する必要があるのだが、ここでも中さんは一発でミッションをクリア。ひとすくいでバケットをいっぱいにした。

ホイールローダ運転席レバーステアリング

 「キャタピラーのホイールローダにはハンドルがなく、レバーステアリングが採用されているんですが、ゲームの中でこのレバーステアリングが反映されていることに驚きました。モニターの位置などもリアリティたっぷりです。日本国内の機械は前面にハンドルがついているタイプが主流です。ハンドルの場合は大きく回す操作が必要となりますが、レバーステアリングの場合は小さな動きで簡単にステアリングを切ることが可能です。視界もいいためオペレーターの疲労を軽減することができるんですよ」(中さん)

 自社の機械を楽しそうに操作する中さんに、ホイールローダのプレイのコツを伺った。

中さん03

 「バケットの角度ですが、つま先が立ちすぎていると地面を削ってしまうので、地面すれすれのところで前進させる必要があります。実際の機械ではバケットが地面に水平に接地するようにポジショナーがついていますが、ゲームではポジショナーを使うことはできないので、プレイヤーさん各自で調整いただくことになります。私も初見プレイの時は、一回の操作でゲージの半分程度しか満たせないこともありました。また、バケットを地面に着けすぎてしまい、それが抵抗となって前輪が持ち上がってしまったり、タイヤがスリップを起こしてしまったこともありました。バケットの返しのタイミングを誤ると、バケットに蓄える量にも影響するように感じましたので、オペレーターさんの熟練度はゲームを進行する上でのポイントになるかと思います」(中さん)

ホイールローダ角度目安

D8T DOZER

ドーザー

 「D8T」は、“デッパチ”の愛称で親しまれているブルドーザー。トラクターの前面にはブレードを備え、土砂の掘削などを行う。運搬、清掃、除雪と幅広いフィールドで活躍するマルチプレイヤーだが、日本ではおもに除雪の用途で使われることが多いという。そして、オペレーターの数は年々減少傾向にあるとも。

ドーザー02

 「無限軌道で動くスピードを調整しながらステアリングを切る技術、前面についているブレードを走行しながら動かす技術が必要となる車両です。操作中は、自分がどれくらい土砂を抱えているのか、空振りしているのかを目視することはできません。現場でも、ブレードのわきから出てくる土の土量で判断したり、オペレーターさんの中には振動の感覚でブレードの位置を把握するなど、職人技や勘に頼るところも大きかったりします。もちろんICTで半自動化されている車両もありますが、理論がわかっていないと乗れない機械ですね。ちなみにバケットの場合はバケットに土を入れますが、ブレードは走りながら押すイメージで操作します」(中さん)

ドーザー03地面すれすれ

 ブレードづかいのポイントは、「下げすぎ厳禁」と中さん。

 「ブレードを突っ張ってしまうと車体に土がかかりすぎてしまい、スリップしてそれ以上進めなくなってしまいます。このゲームでも同様の動きが再現されていて、『あ、ブレードはもうちょっと上げなければいけないんだ』と気づいて修正したりしました」(中さん)

ドーザー04NG例掘りすぎ

中さん デモ後のコメント

中さんメイン

操作パターンや作業の流れを把握できると楽しみの幅が広がります

Q.『コンストラクション シミュレーター 2&3ダブルパック』が発売されると初めて知った時の感想は?

 まず、「すごいな!」というオドロキと、収録されている車両のラインアップを見た時には感動がありました。アメリカのキャタピラー社で展開していて日本国内に入ってきていない機械まであって、すごいマニアックだなと。海外仕様というのはありますが、リアルかつキレイな映像にテンションが上がりました。実際に触らせていただいた時には、なかなかうまく操作ができなくて、主人からも「お前はゲームのセンスがないから大丈夫か?」なんて言われたりもしましたので、練習してゲームでの感覚をつかんで今日に至りました。

Q. 実車の運転経験が豊富な中さんにとって、実車とゲームとのギャップを埋めるのは大変でしたか? それともあまり時間はかからなかったですか?

 いざプレイしてみたら、さほどギャップに苦戦することはありませんでした。というのも、私自身ゲームの経験は乏しいですが、ひとつのアクションに対して、次に何をしたらいいのかが分かりましたので。バケットですくったら腕を上げるとか、バケットを下ろしたら前進するといったパターンを把握しているので、動きの中でのロスとかはあまりなかったんじゃないかと。経験の有無はさておき、ひとつひとつの機械操作や作業にあたって、パターンや流れを把握できていると、楽しみの幅が広がるのではないかと思います。

Q. デモンストレーションの兼ね合いでピンポイントで練習いただいたかと思いますが、デモの車両以外でやってみたい車種はありましたか?

 今日、移動中に初めてモーターグレーダーに乗ってみたんですけど、すごくよかったです。秩父のD-Tech Centerにもモーターグレーダーはあるのですが、道路工事や雪国での除雪では活躍するんですが、それ以外の場で使用されることはないので。あと、グレーダーに乗れるオペレーターも限られています。実際に触ってみて、すごくよかったですね。あとはコールドプレナーとか、日本で取り扱いのないアスファルトフィニッシャーも触ってみたいですね。

Q. 今回、「遊ぶ」という感覚と「乗る」という感覚、どちらが強かったですか?

 私にとっては乗る感覚のほうが強かったかもしれないですね。ゲームの中にはガーデニングの施工とかもあるようなので、ちょっと遊び感覚で楽しんでみたいなと思います。

Q. 他社さんの機械は操作しましたか?

 まだできてないんです。他社さんもやってみたいです(笑)。

Q. デモの関係で日本キャタピラーの機械にフォーカスして練習いただいたかと思いますが、何か苦労したことはありますか?

 ホイールローダの操作で、最初のうちはステアリングの反応が機敏すぎて追突ばかりしていたんです。設定からステアリングの操作感を下げることでちょうどよく調整することができました。きっと車種によってひとつひとつ自分の操作しやすい状態にチューニングすると快適になるのではないかと思います。好みもありますしね。ステアリングひとつとっても「ギュッ」とかけたい人と、「ちょんっ」とかけたい人と(笑)。

Q. 今後、シリーズが続いた場合、何か期待する機能などはありますか?

 指定されたものだけではなくて自由な動きがあったら面白いかもしれません。チュートリアルなどは課題がありますが、ただ自由に土をとって捨てるだけとか。油圧ショベルで習字に挑戦とか(笑)。実際にイベントで、油圧ショベルで地面に「令和」と書いたことがあるんですが、そういう遊び要素があったら楽しみの幅が広がるのかなと思いました。あとは、自作の設計図とゲームを連動させて、仮想的に山や公園を作ったりできたら面白いかなと。テクノロジーの目覚ましい進化を思うと、将来的にはそういう遊び方も現実的になってきたりするのかなと期待しています。

『コンストラクション シミュレーター 2&3ダブルパック』の購入はこちら (Amazon.co.jp)
『コンストラクション シミュレーター 2』ニンテンドーeショップページ
『コンストラクション シミュレーター 3』ニンテンドーeショップページ