ユービーアイソフトより、2020年10月29日発売予定のプレイステーション4・5、Xbox One、Xbox Series X・S、PC用オープンワールドアクション『ウォッチドッグス レギオン』。

 プレイヤーは荒廃したロンドンを取り戻すべく、ロンドン中の市民をリクルートしてメンバーに迎え、レジスタンス活動を行う。住民の誰もがプレイアブルキャラクターであり、「誰にでもなれる」と謳う野心的なゲームシステムが特徴のシリーズ最新作だ。

 本作の発売を前に、開発者が本作を語るオンラインイベントが開催。そこで挙がったおもなトピックと、開発者たちの発言をピックアップしてお届けする。

■イベント出演者
Clint Hocking氏(クリエイティブディレクター)
Cameron Labine氏(リードライター)
Ashley Park氏(スクリプトライター)

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Clint Hocking氏
Cameron Labine氏

大まかなストーリーについて

 近未来のロンドンの街に突如、轟音が響き渡る。“ゼロデイ”と呼ばれる謎の存在が、アンダーグラウンドのレジスタンス“デッドセック”を爆破事件の犯人に仕立て上げた。政府は長年の経済的混乱、対立に対応できず私的軍事企業“アルビオン”に統制を委ねる。壊滅状態に陥ったデッドセックのメンバー、ザビーネはゼロデイの正体を明かすために数ヵ月後に新たなデッドセックをロンドンに立ち上げた。シティを占有し、市民を苦しめるアルビオンほかの独裁者からロンドンを取り戻すために、市民をリクルートしてレジスタンス運動を開始する。

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これまでのシリーズと違い、固定の主人公がいない

 『ウォッチドッグス』の主人王・エイデンはシカゴでデッドセックとともに活動し、『ウォッチドッグス2』の主人公・マーカスはサンフランシスコのデッドセックにリクルートされた。次作となる『レギオン』を検討している際、これに続くものは何かを考えていて、誰でもリクルートできるというのはどうかという案が出た。これがゲームの核となり、オープンワールドで出会う人は誰でもリクルートできる、そしてリクルートした人がスター、ヒーローになるという新たなシステムができあがった。

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ロンドンのディストピア的未来をどう描きたかったのか? ただ荒涼とした殺風景なところではないようだ

 ロンドンには何度も苦難を乗り越えた反抗的挑戦的なユーモアのセンスがあり、これ抜きにはロンドンを表現できない。ゲームでもロンドンの人たちをきびしい状況に置いているが、彼らはユーモアのセンスで乗り切っている。キャラクターもそれを反映し、AIのバグリーは口が悪く生意気だが、憎めない存在で明るい雰囲気を出している。これはとても英国的アプローチだと思う。

物語に登場する中心的人物キャラクターでお気に入りは?

ナイジェル・キャス

 アルビオンCEOのナイジェル・キャスは魅力的な人物で、人を意のままに操縦するタイプ。ロンドンの救世主を名乗っている。元従業員でエンジニアだった人物がデッドセックにコンタクトしてくるのだが、彼はナイジェルの本当の姿を知っている。このストーリーを追っていくと、ナイジェルが人間を信用せず、法と秩序から人間を排除しようとしていることがわかり、ディストピア的警察システムにつながっていく。

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ザビーネ・ブラント

 なぜ彼らはデッドセックをターゲットにしているのか? これを調べるのがメインストーリーのひとつ。そしてゼロデイに最初に狙われたデッドセックのメンバーであるザビーネは、この謎を解く鍵を提供してくれる。

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SIRS

 MI5、MI6、GCHQなどを含む諜報エージェンシーはSIRS(シグナル・インテリジェンス・リスポンス・サービス)という組織の傘下にある。すべての監視システムの管理者であり、インターネット・トラッキングのCTOSに繋がっている。ゼロデイの謎を知るとすればSIRSの中の誰かだ。リチャード・マレックという密告者がデッドセックにコンタクトしてくるが、SIRSの中の誰かがゼロデイの責任の一端を担っており、ロンドンを支配するために統制しようとしているという。二重三重の裏切りがあり、他人の名前を騙る人物があり、ネズミと猫の追いかけごっこだ。アメリカのスパイ小説とは違って、知的でクールな要素がある。

メアリー・ケリー

 代々続く犯罪ファミリーに生まれ、ロンドン社会崩壊の機会を捉えてアンダーワールドを牛耳り、テクノロジーや仮想通貨を使って犯罪を次のレベルに持っていこうとしている。悪の巣を張りめぐらせて、街の弱者を食い物にしている。

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スカイ・ラーセン

 先鋭的テクノロジー企業の創始者。エキセントリックで外に出ることを嫌い、ホログラムでしか登場しない。ゼロデイと関係があり、密かにダークな計画を持っている。

どんなゲームかと聞かれたらどう答えるか?

 いままでのどんなゲームとも違う。現代あるいは近未来ロンドンのオープンワールドでここまでスケールが大きいものはなかったと思う。バッキンガムパレス・ガーデンのカナル、ホワイトハウス・ベース、カムデンマーケットまで広大なセントラル・ロンドンの文化、人々の暮らしがわかり、間違った側で運転している国から来ると(笑)、エキゾチックで異国情緒にあふれている。そこへ行って歩き回るのが楽しい。

 ゲームシステムとナラティブのおかげで、誰がプレイしても没入感が得られる。同じシーンでも、おばあちゃんキャラクターとストリートキッドでは全く違う印象になるが、とても自然に感じられる。そのおかげで同じミッションを何度やっても飽きない。

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 誰にでもなれる。すべてのキャラクターがそれぞれの人生、人間関係、仕事、心配、秘密を持っている。プロファイルを見ていると、探偵になって人の人生を覗いているような感じだ。ハッピーな偶然もたくさんある。おばあちゃんキャラクターにボーイフレンドがいることがわかったので、会いに行ってみたら20代のストリート・パンクだった。とてもクール。

 このゲームは時に思っている以上に感情に訴える。エンディングもとても感動的だと思う。皆さんに味わってもらえると思うとワクワクする。

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 今回のオンラインイベントの開催にあわせて、本作のクリエイティブディレクターを務めるClint Hocking氏へインタビューを行った。本作の物語や見どころ、オンライン協力プレイなどについて訊いているので、こちらもあわせて読んでほしい。