月額980円で、雑誌やマンガ、書籍が読み放題になるAmazonのサービス“Kindle Unlimited”。おうち時間を楽しむ方法として加入した方も多いのではないでしょうか(ちなみに週刊ファミ通も読めます)。現在読み放題対象作品は10万件以上とあって、何を読めばいいのか迷ってしまいますよね。

 そこで本稿では、Kindle Unlimitedのおすすめ作品を個人的チョイスでご紹介! 今回は石黒正数先生の日常系マンガ『それでも町は廻っている』に注目してみました。

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天性のドジっこ・嵐山歩鳥、“不気味な自画像”の謎に名推理で迫る!?

 “それ町”の愛称でファンに親しまれている『それでも町は廻っている』。2010年にテレビアニメ化を果たしたほか、“第17回文化庁メディア芸術祭”マンガ部門優秀賞や“第49回星雲賞”コミック部門を受賞するほど高い評価を誇る作品です。ちなみに石黒先生は現在『週刊少年チャンピオン』にて『木曜日のフルット』、『別冊少年チャンピオン』で『ヤンキー嬢ちゃんの不確かな真実』、さらに『月刊アフタヌーン』で『天国大魔境』を連載していますよ。

 現在Kindle Unlimitedでは、『それでも町は廻っている(ヤングキングコミックス)Kindle版』全16巻中1巻が読み放題に。天性のドジっこ・嵐山歩鳥を中心に巻き起こる騒動が描かれつつ、読者からは「ただの日常系に終わらないところがおもしろい!」、「ジャンルの越境ぶりがハンパないのに構成がお見事」といった声も寄せられています。ジャンルを越境する物語とは、いったい……?

ただの日常系漫画にあらず? 漫画『それでも町は廻っている』は“ジャンルの越境”を楽しむべき作品!【Kindle Unlimitedおすすめ漫画】
『それでも町は廻っている(ヤングキングコミックス)Kindle版』1巻
『それでも町は廻っている(ヤングキングコミックス)Kindle版』1巻(Amazon)

 物語の舞台は、歩鳥がアルバイトとして働く“シーサイド”。“近所のばあちゃん”こと磯端ウキがマスターを務めるメイド喫茶で、歩鳥のメイド服姿に思わずキュンとする読者も多いはず(ウキのメイド服姿は別として)。

 そんな歩鳥のドジっぷりは第1話から冴えわたり、「べくしっ」とくしゃみをした弾みでアツアツのコーヒーに鼻先がどぼん。転んだ拍子に下着&ガーターを披露するなど、王道的コメディーシーンの連続に思わず笑ってしまいます。

ただの日常系漫画にあらず? 漫画『それでも町は廻っている』は“ジャンルの越境”を楽しむべき作品!【Kindle Unlimitedおすすめ漫画】
『それでも町は廻っている(ヤングキングコミックス)Kindle版』1巻より

 歩鳥にいきなり笑いの神が降臨するため、一見すると“ただの日常コメディー”に感じてしまうかも。とはいえコメディーにとどまらないジャンルレスな展開を見せるのが、“それ町”の魅力でもあります。たとえば第4話“目”は、不気味な自画像の謎に歩鳥が迫るミステリ調のエピソード。「ドジっこ設定はいずこへ!?」と思わずツッコミを入れたくなるほど、名推理が冴えわたる歩鳥の姿は必見ですよ。

 さらに第7話“宇宙冒険ロマン”では、木星探査と現実をリンクさせたファンタジックな物語が展開。オチでは木星に生物が存在するか否かをめぐって、心がほっこりするような終幕を迎えるのも見どころではないでしょうか。

 連載時には壮大な伏線回収も話題になっただけに、何気ないカットすら見逃せない“それ町”(第4話も別のエピソードで回収されるとか……)。まずは1巻をじっくり読み込んでみては?